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販売員が意識するべきことvol.1 【目線のポイント】

こんばんは、くげこです。

アパレル系メーカーに入社し10年以上経ち、現在販売員の教育や新規事業の企画などに携わっています。前回「販売員として生き残る為に、何をするべきか。」という記事を書かせていただきました。

今回はその中でお伝えした、販売員として感じを良くするポイントの中でも《目線》についてお伝えしたいと思います。

皆さん、お店で接客を受ける時、販売員と目を合わせますか?

私の場合、購入するものが決まっている目的買いの場合や、購入を検討していて質問したいことがある時は積極的に合わせます。それ以外のシーンでも、基本的に販売員の様子を観察する為に見ることが多いですが、相手の目線から外したいというのが本音です。

そもそも、赤の他人と目を合わせるのって凄いことですよね。例えば電車の中で他人と目があったら「え、なんで見ていたの?」と、不快な気持ちや不安を感じますよね。(相手が好みだった時だけは恋の始まりと解釈するかも…)その相手が初対面の販売員の場合、不快とはいきませんが、何だか落ち着かず逃げ道がなくなるような感じがしてしまうと思います。

私が過去に同期の販売員にOJTを行っていた時、「ずっと見つめてくるから逃げ道がなくて怖い」と言われたことがありました。『目は口程に物を言う』ということわざがあるくらい、目線って威力があるんですよね。(ちなみに、逃げ道を作らないようにわざと凝視し続けていました。)

では、そんな初見のお客様に、どんな目線で応対すれば良いのか?私が接客や研修の中で相手の方に対して意識している《目線のポイント》をお伝えします。

《目線のポイント》

①基本的に相手の目を見る。

②目に表情をつける。

③お客様の目線の動きに合わせる。相手の目をそらす頻度に合わせ、目を合わせない時間を増やす。


①基本的に相手の目を見る。

当たり前のことですが、意外とできない人、苦手な人もいます。研修をしていて様々な販売員を見ている中で、要因として考えられるのが以下の2点です。

■自分の接客スキルや知識に自信がない ⇒ 接客業に慣れていない人や、商品知識や関連情報に乏しく自信がないと、視線がそれます。

■相手に興味がない ⇒ 自分の知識をお客様に話すのは得意だが、お客様には興味がないからあまり目を見て話さない。接客が面倒、早く終わらせて次のお客様に行きたいなど、単純に目の前のお客様に向き合っていない等も視線がそれます。

以前OJTをしていて私がお客様役だった時、「接客中私とほとんど目が合わなかったけど、目を見るのが苦手?」と聞いたところ、一切無自覚だったことがありました。中身を解きほどくと自信がなく不安という要素が大きかったのですが、それほど視線は心理的な部分が大きいということです。目を合わせるのが苦手な方はなぜ苦手なのか、自己分析からしてみてください。その原因を解消していくことも相手の目を見る近道になります。

目を合わせることは「信頼感」「誠実感」を与える大切な行為ですし、目からはその人の想いや感情が現れます。マナー本などに『眉間の辺りを見ると良い』と書かれていることがありますが、私の中でそれはしっくりきません。だって、そこは目ではないでしょ。と思ってしまいます。勿論、目を合わせることが苦手な方が意識の第一歩として行うのは良いことだと思いますが、最終ゴールは相手の瞳を見て欲しいです。

ただし、常に見つめ続けるのは注意です。冒頭にも申し上げましたが、目を合わせ続けることは相手の方を追い込みかねませんので、会話の最中に商品に目を移すこともオススメです。その際、視線を横に外すのではなく縦に外すことを心がけてください。横に視線を外すと他の物事に関心を向けているように見えたり、拒否している印象になります。

②目に表情をつける。

目にも表情があると思います。

相手に対して想っていること、感じていることは目の表情に現れます。ただ目だけではなく、それ以外の要素も複合して成り立っています。例えば前回のnoteで書かせていただいた、「涙袋をつくる」ことも大きな要素です。基本の表情をつくり、相手に心地よく過ごしてもらいたい、お買い物を楽しんでもらいたい、という想いがあるだけで、穏やかな目の表情になります。

そして瞳孔もポイントです。5年ほど前から、新入社員にカラーコンタクトを着ける方が増えました。当時はカラーコンタクトにルールを定めていませんでしたが、やはり違和感がありました。その違和感の正体は、瞳の瞳孔が見えないことでした。人は興味関心があるものを見る時や、嬉しい時などに瞳孔が開きます。その為、カラーコンタクトを着けていると瞳孔が開く瞬間が見えず、無機質な人形のように見えていました。それほど、自分の感情は瞳の中に映ることを忘れないでください。

③お客様の目線の動きに合わせる。

お客様によっては、目を見られるのが苦手な方もいらっしゃいます。

そのような時は、相手の目を逸らす頻度に合わせ、こちらも目を合わせない時間を増やすようにしましょう。見つめ続けることが大切とは言いましたが、あくまで基本です。人に合わせて応用することを忘れないようにしましょう。

私の場合、お客様がこちらに目線を送ってくださっている時こそ、わざと視線を逸らすようにします。「私はあなたを常に見続けていませんよ、安心してくださいね。」ということをアピールする為です。

そういった行為を続けていると、接客が進むにつれてお客様が心を開いてくださり、こちらに目線をむけてくださる機会が増えていきます。私としても目が合うだけで嬉しいですし、お客様の感情もキャッチしやすくなるので接客がスムーズになります。


以上、3つのポイントを記入させていただきました。改めて視線について書いてみると、深いなとしみじみ感じました。

先日テレビ会議システムで自宅から短時間の研修を実施したのですが、事前にテスト機能を使い視線はどこにあると相手側から好印象なのかチェックをしました。皆さんの想像通り、視線の行き場は常にカメラにしたところ、研修後のオブザーバーから高評価をいただきました。(もちろん視線だけの話ではないのですが、それも要素になったと思いました。)こちらとしてはカメラを見続けると相手の表情をキャッチできないのでやりにくいのですが、やはり「目を見て話す」のは大切ということですね。

以上、ここまでご覧いただきありがとうございました。

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