「どんな形でもいいからママの助けになりたい」って思ってるのに、またしても自分のほうが救われてしまった話
昨日の帰り道は、なんだかすごく疲れていた。
気圧と気温の変化にやられたのかもしれない。やることがワーッとあって、心がペシャンコだったのかもしれない。
朝は、電車座れない。
帰りはまぁまぁ座れる。
空いてる席を見つけて、腰を下ろす。ふーって息を吐いて、ホームで買った冷たいお茶を首に当てる。
やっと土曜日だ。せっかく座れたし、ぼーっとしながら帰ろ。
……
次の駅に着いたタイミングで、隣の席が空いた。
3歳くらいの女の子がやってきて
大きなトートを持ったママが、「座って」と女の子に促した。
ママは、女の子の前に立って、女の子に、声をかけている。
……
「あの、どうぞ」
私はママに席を譲った。
「え、そんな、大丈夫ですよ」とママは言ったけど、「いやいや〜どうぞ〜」と言い逃げしてそそくさとそこから立ち去る。
女の子はニコーッと笑って、ママの腕を引っ張りながら「ママ」と呟いた。
人がたくさん立っている車内をカニ歩きし、なんとなく居場所を見つけてそこに立つ。
1人で歩く街でお子さん連れに出会うと、めちゃくちゃ話しかけたくなる。
「うちにも3歳と1歳の子がいるんです」って言いたい。
しっ、静かに…と気を使うママに、「大丈夫ですよ〜」って言いたい。
ギャン泣きしてる子の対応にため息ついてるママに寄り添いたい。
私もそうやっていつも助けてもらっているから。お返ししたいって思う。
でも、私には「話しかける」までの勇気はまだない。直接なにかできるほどの自信も、ない。
だからせめて、席くらいは譲らせてほしいんだ。
1人で乗ってる電車なんて、座ってようが立ってようがあっという間だ。ちびっこ連れて乗ること考えたらね。
乗り換えの駅についた。
電車を降り、ホームの窓からママと娘ちゃんの背中を見つめる。
ペシャンコだった心に少し、空気が入った。
私もたまには、3歳と2人でお出かけしたいねぇ。電車に乗ったり、カフェで美味しいもの食べたり、したいねぇ。
兄弟2人をつれて公園に行くのもいい。
そうそう、図書館で新しい本も借りなくちゃ。
さあ、土曜日だ。
いっしょになにをしようかな。
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