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絶景と観光地の刹那を感じる旅in新潟

もうずいぶん経っちゃったんだけど、5月の思い出話を。

ゴールデンウイーク、実家(新潟県)に帰省中、会う約束をしていた友人から素敵なメッセージが届いた。

友人からの招待状

と、いうわけで、西生寺と弥彦パノラマタワーを巡る旅に出かけた。

即身仏編はこちら↓


空と海との間には

弥彦パノラマタワーは、弥彦山の山頂にある「日本最古の現存する回転昇降式展望塔」。

約100メートルの高さの塔が山頂にあるため、頂上はスカイツリーより高いとか。

これがパノラマタワー。塔にくっついたバームクーヘン型の座席が回転しながら昇降する。

パノラマタワーを目指し、まずは弥彦スカイラインをぐねぐねと登っていく。

弥彦山の中腹から見えた景色は、空なのか海なのかわからない、なめらかに溶け合った水色が広がっていた。
わたしたちの足元もふわふわするような現実味がない景色だった。


どこまでも空かもしれないし、海かもしれない


登り切った先に、弥彦パノラマタワーがある。
チケットを買い、
レトロな乗り場で角にハサミを入れてもらって乗り込んだ。

アトラクションみたい

失礼ながら、意外と人が乗っていた。
奥まで詰めてくださいね、と言われながらバームクーヘン型に配置された座席についた。

塔にくっついたバームクーヘン部分がくるくると回転しながら登っていくので、海と田園風景が交互に見える。
360度の田舎の絶景は思いのほか気持ちよかった。

パノラマタワーから見える田園風景(田植え前)


観光地の刹那

10分間ほどの空の旅を終え、パノラマタワーが一番下まで降りた瞬間、ふと、
これが壊れたらどうなるんだろうと思った。

修理したり新設したりはされないだろうなと思った。

「日本最古の現存する回転昇降式展望塔」という言葉からわかるように、きっと流行ってた時には他にも似たようなものがあって、経済成長期の日本でたくさんの人を喜ばせていたんだろう。

パノラマタワーは弥彦山ロープウェイの会社が運営している。弥彦山の山頂付近には、レストラン、お土産売り場、軽食の屋台、ゲームコーナーといった定番の観光施設が集まっていて、必要なものを取り揃えた行楽地という風情だけど、できた当初の、予想されていたにぎわいの姿は今はない(たぶん)。
複合的な施設になってるばかりに、採算とれてるのかな、と勝手に不安になった。

とってもレトロ

レトロで味わい深い観光地だったから、浅はかな考えで、エモい観光地としてのブランディングで売り上げを上げることはできるかもしれない、とも思ったけれど、
エモさを持て囃したあと、どうすることもできないじゃないか、と我に返った。

現存しないたくさんの回転昇降式展望塔はどうなったのかわからないけれど、「エモい」とかを搾取され尽くしたその場所に佇むのは、取り壊し費用さえ得られないからっぽの塔なんじゃないか。

そう思うと急に「エモい」という言葉に空虚感が宿る。

価値のリブランディングは色々なところでなされているけど、再発見されることって本当に良いことなんだろうか。外から見た価値を後付けするだけだと、なんかちょっと、他人事というか無責任な感じするよね。

いま身の回りにあるもので100年後も残るものなんてそんなにないだろうし、物事はどうやって終わりに向かっていくのが幸せなんだろうか。考えすぎの血が騒ぎ、そんなことまで考えてしまった。

絶景だよ


散々な言い草だったけど、
パノラマタワーは毎日元気に15分間隔で稼働しているので、ぜひ足を運んでみてくださいね。


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