ディズニーランドのCM

ディズニーランドの『ここは、永遠に完成しない場所。』ってCMがヤバい。あれこそ泣けるCM。何十回もリピートしてしまった。


普段から家族サービスに努める親なんかではなかったのに、初めてディズニーランドに連れて行ってくれたのは、まだ私が小学生の頃だった。

しかも、突然思い立ったように。他にもテーマパークはあるのに、どうしてディズニーだったのか、分からなかった。

今おもうと、単純に親も一度は「夢の国」とやらに足を運んでみたかったのかもしれない。…ただそこは“素人”で、夏休み期間のうえ、着いたのが昼前。激混みだった。

当時は病気を発症する前で、私も夢と希望に満ちていた。いつか恋人や愛する人と来る「再園」を夢みていたが、結局それは叶わずじまいで、現在に至る。

もちろん、誰でもいいのなら今からでも行こうと思えば行けるが、あの頃のように、純な気持ちでは、もう楽しめない気がしている。それが惜しくてたまらない。

せっかく今、この世にいるのだから、家族と行くのもいいけれど、一度、自分が心から好きになれた人と行って、思い出を刻んでみたかった。そう、あのCMで映し出される方たちのように……


当日、母親が若いカップルから撮影を頼まれて応じていた。現在「壮年」となっているであろう彼らは、そのまま結ばれたのだろうか。

亡くなった母が収めた写真が、今も大切にどこかで飾られているのなら、私としても嬉しい。

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