いつの間にか年齢を重ねました💦 笑い飛ばせることも多くなりましたが、相も変わらず悩んだ…

いつの間にか年齢を重ねました💦 笑い飛ばせることも多くなりましたが、相も変わらず悩んだり、迷ったり。 そんな日々の思うこと、考えることを綴ります。 私の文章を読んで、ちょっと微笑んだり、和んだりしてもらえれば嬉しいです。 空が好き、人が好き。 都内在住。 既婚。

最近の記事

約束

空は淡い瑠璃唐草の色。 太陽の角度も上がり、日差しが明るい。 「せめて老後には一緒に旅行したいわ」 というわたしに、 「じゃ、お伊勢参りでもしましょうか?」 と、友達はいう。 「じゃ、約束ね」 「約束」。 介護の仕事が忙しくて、なかなか一緒に旅行へなど行けない彼女と心の中でゆびきりをする。 約束のときにするゆびきりは、もともとは女性の、特に遊女が心の誠実さのあかしに小指の先を切って男の人に贈ったということに由来しているそうで、哀しくもあり、怖くもある。 広くいえばわたし

    • 落葉踏む

      晩秋や冬場の日差しがまぶしく感じられるのは、太陽の高度が下がって、斜めに日が差すから。 そんな日差しに目を細めながら並木の歩道へと。 かさかさと欅の落ち葉。 かしゅっと踏む。 かしゅっ、かしゅっ、かしゅっ。 お世話になった方の逝去を知る。 68歳。 人生百年時代にはまだ早くて、誰にぶつけようもない憤りすら感じる。 鷹揚にして豪胆、同時に繊細さもあわせ持つという深みのあるとても魅力的な方。 わたしがその方のいる会社をお訪ねするとき、アウェイ感いっぱいで心細さMAXでも、姿を見

      • 化粧鏡の前で

        笑顔の反対は泣き顔や怒り顔ではなく、たぶん真顔。 そして、笑顔と真顔の間にある表情、特になんの感情も表さない自然な表情。 いつのまにかそういう表情でいることが、わたし多くなったね、と、ふと。 もちろん、面白いことがあれば笑うし、約束の場所に友人がやってくればにっこり微笑む。 Jリーグの贔屓のチームが得点すれば満面の笑顔になりもする。 そして、友達が真剣な恋の話や真面目な転職の話をすれば真顔で聞くわけだけれど。 以前は、よく笑っていた。 微笑んでいた。 小さな頃は恥ずかしが

        • 大切なもの

          メリー・ポピンズのバッグのような黒い大きな鞄の中に入っていたり、大好きな人がさっと包んでプレゼントしてくれたりして、わたしはとても大切にしているのだけれど、あれは一体何だった? 夢に出てくる不思議なもの。 バッグや包みを開いて中を見ようとすると目が覚める。 よく見る追いかけられて逃げる夢では、その大切なものを抱えて走って逃げたり、隠れたり。 追いかけてくるのが誰なのか、何なのかはそのときによって違って、テレビでよく見る壮年の俳優さんだったり、戦闘ものの怪獣的なものだったり、妖

        約束

          趣味

          なきゃないでそれなりの生き方はあるけれど、あれば俄然人生が豊かになる気がするの。 短歌、お茶、お花、手芸、料理、読書、散歩、旅行、スポーツ……。 世の中にはいろいろな趣味があって、たくさんの人がそれぞれに楽しんでいる。 noteにもプロフィール欄に何々が趣味とか書いている人がたまにいて、いいなと思う。 わたしはせいぜい贔屓のJリーグチームを応援するくらい。 他に何か趣味を持ちたいとは思うけれど、なかなか思い浮かばない。 趣味がないのはそもそも遊ぶのが下手なせいもあるのか

          趣味

          音楽

          バッハのミサ曲。 ドイツ語は全然わからないけれど、聴いていると渇いた心が潤ってくるのがわかる。 趣味で合唱をやっている知り合いのコンサート。 ああ、バッハの曲は、合唱は、わたしの心を潤わせながら、背中をとんとんと叩いて静かに励ましてくれる。 とはいうものの、わたしは以前は歌詞のある曲が聴けなかった。 人の声というのがノイズにしか聞こえなくて。 だからずっとピアノ曲とヴァイオリン曲ばかり聴いていた。 でも、この知り合いが合唱をすることを知り、聴きに行くようになってから歌詞のあ

          音楽

          ため息

          ふーっ と、ため息をつく。 ひとつくらい何かやらかしても、そう落ち込みはしない。 もう、自分のことをある程度はわかっているし、そんな自分に多くは期待していないからね。 でも、それがふたつ、みっつとなると、しかもどれもみな言葉が関わっているとなると、さすがにへこむ。 もちろん、言葉が悪いのではなくて、それを思うように使いこなせないわたしのせいだけれど。 人は言葉で思考するというけれど、思考以前の思いのようなものも確かにあって、それはなかなか言葉にならないことも。 言葉にするこ

          ため息

          薔薇

          朝靄の霽れて紅薔薇紅きはむ    花 千葉にある薔薇園へ薔薇を見に。 国内最大級の薔薇園。 エントランスの脇にある紫色の薔薇は早咲きだけれど、ちょうど見頃。 入ってすぐ、プリンセスミチコとかプリンセスマサコとかあったし、薔薇の名前はそれだけで辞書が作れそうにさまざま。 もちろん、たくさんありすぎて覚えられはしない。 白薔薇、紅薔薇、濃いピンクの薔薇、薄いピンクの薔薇、黄色い薔薇、オレンジ色の薔薇、白や赤の一重の薔薇、八重咲きで外側が白くて蕊のあたりだけピンクの薔薇、赤い八重

          薔薇

          余生と健康診断

          25歳くらいの時に、 このあとはもう余生ね と思った。 あとはもう何となく慎ましやかに生きていければ、まあ、いいわ と。 でも、その後、職場が変わったり、恋をしたり、その余生感は長くは続かなかった。 若かったのね。 今、本当の余生があの頃より近づいてきて、でも、余生というのは、それまでの人生を充実して過ごしてきた人が言うことであって、わたしのように呑気に生きてきた人間が言うのはなんだか違う気も。 雨が予報ほど酷くはなかったことに感謝して健康診断へ。 受付で名前と生年月日が

          余生と健康診断

          晴れ女

          葉桜、銀杏の若緑、柳の枝の先も鮮やかな緑に。 若葉雨と言うのにはまだ少し早いけれど、今日はそんな若い葉にも静かに雨が降っている。 わたしは基本晴れ女で、お出かけの予定の日は曇っていても降ることは少ない。 とはいえ、随分前にJリーグの試合を見に行った日は雨だった。 上半身から膝くらいまではフード付きの応援しているチームの合羽を着ているのであまり濡れないけれど、スニーカーを履いた足は、スニーカーの中までぐしょぐしょ。 ぐしょぐしょのままチャントを歌い応援したけれど、スニーカーの

          晴れ女

          極上のシャンプー

          わたしの住む街には美容院が多い。 美容院は基本ガラス張りだったり、窓が大きかったりして通りすがりにも中の様子が窺い知れる。 どの店も清潔そうで居心地がよさそう。 サービスも行き届いているに違いない。 それでも行き慣れた店がよくて、よく行く美容院は十数年来通っている。 今の担当のスタイリストさん(美容師さん)は、ちょっと髪多めで基本ストレートでロングのわたしの髪質や髪に対する好みもよくわかってくれているから、オーダーしやすいというのもある。 美容院ではアシスタントさんとか新人

          極上のシャンプー

          波瀾万丈?

          神社やお寺を訪ねる機会があればおみくじを引くこともあるけれど、内容はすぐに忘れてしまう。 何かをしようとするとき、そんなに広い目配りはできないし、結果を知ってしまうと、それなりに影響を受けそうで、ふだんは占いは見ない。 先日、友人と話していたらネットでできる姓名判断をしたらしい。 暇だったからとわたしの分もしてくれたそうで、 「人生、波瀾万丈だって、たいへんだね」 という。 へー、それは意外。 わたしは穏やかな人生を静かに生きていくのだとばかり思っていたから。 まぁ、でも

          波瀾万丈?

          カフェインに弱いので

          「カフェインに弱いので」 と、午後はカフェインレス珈琲を選ぶ。       * * * ふーっ、何時? 枕元の目覚まし時計の小さな照明を点ける。 午前2時半? だめ、全然寝付けない。 という日々をかつて過ごしていた。 なかなか寝つけないのと、寝ついたとしても早い時間に目が覚めてしまうのとで、以前、睡眠導入剤や睡眠薬を処方してもらっていた。 noteには、「#眠れない夜に」なんてタグもあるけれど、眠れない苦しさはわたしもよくわかる。 通院するまでは、 「もう、眠れないの

          カフェインに弱いので

          優しい嘘

          冷たい嘘、意地悪な嘘、心温まる嘘、あと、ホワイトライ。 嘘にもいろいろある。 あの日の嘘は「優しい嘘」だったろうか? 母は不思議な夢を見る人だった。 たとえば、心臓の持病があってその日入院することになっていた祖父が玄関に腰掛けていると、祖母が入ってきて連れて行こうとする。 母はなぜか祖父の家にいて、 「今日は入院する日なのに、お母さん、どうして?」 と言うのも聞かず連れて行こうとする夢。 祖母は既に他界していた。 なぜ祖母が迎えにきたのかは、その朝、急に祖父が死んだという知

          優しい嘘

          切り開いたり、味方につけたり、試したりするものだという。 ときには天に任せたり。 人は生まれるとデフォルトでもれなく運が付いている。 いい意味でも悪い意味でも自分で選ばなければいけないことばかりの人生で、運というやつは誰にでもあらかじめ与えられている。 そんな運を普段は意識することはない。 するとすれば、とてつもないピンチに遭ったときか、びっくりするくらい望ましいことに恵まれたとき。 先日、駅のホームを歩いていたらものすごい勢いで足首を捻って転びかけた。 その足首は数年

          憂いの芽

          頬杖をついて、ふーっとため息をひとつ。 何かあったとか、どうかしたとかいうわけではないし、外は日差しも明るくて暖かさも感じられるのに、何となく気がふさいでもの憂い感じが続く。 それは、海の向こうで抗われている隣国からの侵攻のせいとばかりもいえない。 春愁に筆を重しとおきにけり 大久保橙青 春愁とは、春に覚えるもの憂い哀愁。 春だからこそ感じるそこはかとない憂い、哀しみのこと。 「そんな憂いがあって、一本の筆を持つのすら重たいと置いたことだなぁ」。 筆の重さは、進まない筆

          憂いの芽