思考力強化『ロジカルシンキング』


本書の目的

情報を伝えた後に、相手がこちらの望む反応をするまでの時間や労力を最小にする。

具体的な方法

✗ 相手のご機嫌を伺った情報伝達をする
◯ 「優れたメッセージ」を送る

「優れたメッセージ」の条件

  • 課題が明確である

  • こちらの回答が明確である

    • 回答を構成する要素は「方向性を示す結論」「客観的根拠」「具体的な方法」である

  • 相手の取るべき行動が明確である

    • 相手の行動は「理解すること」「助言すること」「他に行動すること」に分かれる

課題が明確である

・メールのタイトルは「〇〇について」ではなく、「結論」「取るべき行動」が書かれているべき
例: 「〇〇の手続きには今週末までに△△の書類提出が必要です」

明確な回答がある > 方向性を示す結論がある

・結論では、分析をした結果右か左どちらの結論を出したのか、はっきり述べること。
◯「〇〇プロジェクトは今年度で中止する。」
✗「〇〇プロジェクトはこれからも続けたい。」←自分の意見
✗「〇〇プロジェクトは採算が取れていない。」←状況の要約ではなく、行動を示すべき

・結論に条件をつけるときは、客観的で具体的な指標によって条件付けること。
◯「〇〇プロジェクトは12月1日までに売上◯円に達しない場合、中止する。」
✗「〇〇プロジェクトは売上が上がらない場合、中止する。」

明確な回答がある > 客観的根拠

誤りやすい間違った根拠にはパターンがある

・「Aが必要なのは、Aが無いから」型
例:「予算が必要なのは、予算がないから」

・事実と意見を混同
例: 「日本国内の市場は小さくなるので、海外展開もすべき」

・前提条件を共有せず、理由を説明しない
例: 「DX化することで処理時間を50%に削減できるから」

明確な回答がある > 具体的方法

誤った方法の提示
・教科書的、抽象的、普遍的な一般論の優等生回答
「コスト削減と物流の効率化をしてスリムなオペレーションにする」

・具体度、因果を考えることなく、言葉上で修飾語をつけているだけ
ワンチームで非効率業務の抜本的解決をする」

「じゃあ、お前がやってみろ」と言われても出来るかどうかでチェックする。

まとめ

「相手の立場に立って考える」というコミュニケーションの基本と、「こちらの期待する行動を相手に取ってもらう」というコミュニケーションの目的を忘れてはならない。今までの書籍では、自分の理解度を上げることに焦点を合わせていた。本書では、相手の取りうる反応の可能性をこちらの期待の範囲に収めるための技術が一番の肝だろうと考える。

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