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朱古力

時間が経つに連れてあの夜が弱くなっていく。それでいい。よかった。進むのが怖くなるところだった。今、大切な人がいる人、すごい。怖くて大切なものがつくれない。自分を甘やかす方法がチョコレートを買う事以外分からない。物理的に糖分を摂取して”甘やかした”と言うしかない。歯が軋むほどの甘さ。どこかが痛い時は別の痛さで感覚を濁す事もあるのかな。気づいたら夜だったから、半袖を着てみた。両腕が軽くなった気がした。歩くと小指が痛い。多分折れているのは私の心。前は、飴とチョコレートは口の中でなくなるまで大事に大事にして溶かしていたのに、気がついたら噛むようになっていた。いつからか分からないから”前”なんてあやふやな表現しかできない。少なくとも今そうじゃないのは分かる。よく噛む。噛んだ。噛み砕きすぎた。言葉も思考も。ねぇねぇ、よくさ、「30回噛みましょう」なんて言うじゃん?実際30回数えて噛んでみたの。すごいよ、原型ないんだもん。あとね、味もしなかった。でも、丸呑みしたらさ、痛いよね。喉とか食道とか傷ついちゃうし、胃もびっくりしちゃうね。一番おいしいところで飲み込んで、消化させちゃうのが良いね。メタファーだよ。



人に甘くて自分に厳しい人、舐められがち。
人に厳しくて自分に甘い人、嫌われがち。
人に甘くて自分にも甘い人、ぬるいホットチョコレート。
人に厳しくて自分にも厳しい人、カリカリ梅。




「お返しは3倍でよろしくね」
お菓子の量でも、価格でもなくて、気持ちの話だったら可愛いね。


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