『メガトンキッス』

『メガトンキッス』作 すがの公

<あらすじ>園児たちはバス遠足に大はしゃぎ!いつものように振り回される先生や園長。いつもは仕事の親たちも今日は勢揃いでお見送り、ついでに園バスの運転手も動き出す園バスに優しく手を振る、、あれ?!緊急事態発生!ツチノコ保育園にて園バスジャック!園児を人質に高速道路を爆走!犯人は脱獄した囚人と同一犯である可能性が非常に高く、その罪状はなんと、、!

<キャスト>
※園児と肉親、園長と刑事は同じ役者が演じる
運転手
園長・刑事
先生

ちゅうた・一徹(ちゅうたの父親)
まさよし・義男(よし子とまさよしの父親)
よし子・響子(よし子とまさよしの母親)
あき・瞳(あきの母親)
ゆみ・しずか(ゆみの姉)

<開演>

客入れ曲上がり、客電消え暗転、曲切れ明転、
保育園、5人の園児(ちゅうた、まさよし、よし子、あき、ゆみ)

5人(園児達):(歓喜の雄叫び)あ―――――!!

動きまくる

ちゅうた:おはようございます!!
4人(まさよし、よし子、あき、ゆみ):おいやぉほ~~――!!
まさよし:おうやぁ~
4人(ちゅうた、よし子、あき、ゆみ):あ――!!
よし子:うあ~~!!
4人(ちゅうた、まさよし、あき、ゆみ):なりゃぁああ!!
あき:とりゃぁあ!!
4人(ちゅうた、まさよし、よし子、ゆみ):とりゃぁああ!!
まさよし:チョーップ!!
4人(ちゅうた、よし子、あき、ゆみ):チョおおお!!
まさよし:今日は何の日でしょう!!
3人(よし子、あき、ゆみ):はーい!!
まさよし:ちゅうた知らないんだぁ
3人(よし子、あき、ゆみ):え~知らないんだぁ
ちゅうた:知ってるね!!
まさよし:じゃっ
4人(まさよし、よし子、あき、ゆみ):ゆえばぁ?
ちゅうた:えーと、今日は・・
まさよし:キーック
4人(まさよし、よし子、あき、ゆみ):しゃらぁ!!
ちゅうた:痛い!
まさよし:早くゆえばぁ
ちゅうた:今日は遠足する日!!
まさよし:せいかーい!
ちゅうた:イェー・・
まさよし:パーンチ
3人(よし子、あき、ゆみ):あたたたたぁたぁたぁっ!!(ズガガガガガガガ)
ちゅうた:だからよぉ!!

4人、ピタ。

ちゅうた:やめろって。・・・(大人)
よし子:うっ
4人(ちゅうた、まさよし、あき、ゆみ):あ
よし子:だ―――っ!!!(泣いた)
3人(まさよし、あき、ゆみ):泣かしたぁ!!
ちゅうた:え!?
まさよし:お前ちゃんと謝れっ
ちゅうた:なんでぇ
あき:女の子ねぇ泣かしたらねぇ駄目なんだよぉ
ちゅうた:俺じゃないもんっ
まさよし:お前だね
ちゅうた:違いますうっ
3人(まさよし、あき、ゆみ):違いません~
ちゅうた:違いますったら、違いますうっ
3人(まさよし、あき、ゆみ):違いませんったら違いません~
ちゅうた:証拠あんのかぁっ
3人(まさよし、あき、ゆみ):俺じゃないよね、あたしじゃないよね、あたしじゃないよね。
よし子:(コクッ)
3人(まさよし、あき、ゆみ):ほら~~~っ
ちゅうた:嫌だねっ
まさよし:妹泣かしたら怒るんだからなっ
ちゅうた:俺じゃないもんっ
まさよし:よし子に謝れぇ
ちゅうた:うるさいっこの二卵性
まさよし:あっ!!
ちゅうた:にぃらんせぇえ~
まさよし:そうゆうことゆーなぁー!!
ゆみ:二卵性って?
あき:あんねぇ、似てない双子のこと。つまりまさよし君とよし子ちゃんの事ぉ
まさよし:説明すんなぁ
ちゅうた:二卵性ぇー
まさよし:先生に言うぞぉっ
ちゅうた:言えばぁっ
まさよし:本当に言うからな(じわっ)
ちゅうた:うわっ、さすが二卵性っ泣く時も一緒ぉぉぉ!!
まさよし:泣きません!!
ちゅうた:泣きますぅ、ほら泣け?泣け?泣け?なっ?なっ(大人)
2人(まさよし、よし子):うば――――(泣いた)
ちゅうた:泣いたぁ!二卵性泣いたぁ!!
あき:ちゅうた君、酷い!!
ゆみ:2人も泣かしたぁ
ちゅうた:へーんだ、にっらんっせいっ!にっらんっせい!(♪)
まさよし:う゛だ――う゛―ぞぉぉぉっ
ちゅうた:え?あ!!やぁめぇろぉぉぉ!!
4人(まさよし、よし子、あき、ゆみ):泣ーかした、泣ーかした、先生に言ってやろ。
(力いっぱい早口で大きな声で。双子は泣きながら。)
ちゅうた:何でお前らまでぇぇぇ

先生登場

先生:おはよーございます。
5人(園児達):せんせぇおはよぉみなさんおはよぉ(反射)
あき:先生、ちゅうたくん二卵性って言って泣かしたんだよぉ
ちゅうた:まさよしが最初にチョップしたからじゃん!
まさよし:ならなんで、よし子泣かすんだよっ
先生:何されたの?
ゆみ:ちゅうた君が大人の目をしたんだよ
あき:マジ切れした目だったよ、せんせぇ。
先生:本当?
よし子:(コクッ)
先生:まさよしくんは何で泣いたの?
まさよし:こいつが二卵性っていうからっ!
ゆみ:大人の目で言ったんだよ。
あき:マジ切れだよ。
先生:ほんと?
ちゅうた:(コクッ)(不服)
先生:それはちゅうた君悪いわ
ちゅうた:なんでだよぉ
先生:はい、謝って。「大人の目をしてマジギレしてごめんね」
ちゅうた:やだっ!!
先生:なんで?
ちゅうた:うちの父ちゃんは早く大人になれって言った!!
大人になって早く大工になれって言った!!
先生:でも二卵性ってバカにしたら駄目でしょ
ちゅうた:う―――
先生:大人になるって意味もはきちがえてるわよ
ちゅうた:う―――
先生:ほら。
まさよし:あやまれ!!よし子に!!俺に!!
ちゅうた:分かったぁっ!!(つかつかつか)
すいませんでしたぁ(がめる)
先生:ガメらないで!!
よし子:どぅわぁ~――!!!(泣いた)
3人(まさよし、あき、ゆみ):泣-かした、泣-かした、せーんせに・・・・
2人(先生、ちゅうた):あ~―――

園長先生登場

園長:おはよぉ
6人(園児達、先生):園長先生おはよぅ、みなさんおはよぅ(反射)
あき:あのねぇ、ちゅーた君が大人の目でよし子ちゃん泣かすんだよー。
園長:そーかぁ。どらよし子ちゃん「よし子ちゃんよ゛――」
よし子:あどぅ――――!!(泣いた)
4人(ちゅうた、まさよし、あき、ゆみ):泣―かした、泣-かした。園長先生が泣-かした
先生:よしなさい!!
園長:あっはっはっは (大笑い)
先生:えんちょぉー!!

バスの運転手登場

運転手:父兄のみなさんもぅおそろいですっ
園長:あっそうっ、でもなぁ、この状況じゃぁ・・
先生:すいません
運転手:半にでないと。また父兄うるさいと思いますよ
園長:そーだなぁ。んじゃ先生、私、場つなぎしておきますから。
運転手:15分になったらバス回しときます
園長:ほいほいっ(ハケ)
先生:すぐ行かせますからぁ・・・はぁ
運転手:さなえ先生。
ちゅうた:先生も大変だな
運転手:(ポカッ)お前がゆーなっ
ちゅうた:いってぇ、運転手に殴られたぁ
4人(まさよし、よし子、あき、ゆみ):うぁああ!!ちゅうたばっちい!!(離れる)
運転手、ちゅうた:何でだよぉお!!
先生:こら!!なんてこと言うの!!
まさよし:だってぇぇ
先生:あんまり言う事聞かないと運転手さん連れてってくれないよ。
運転手:そっ、そーだぞっ
5人(園児達):え―――っ
先生:行きたい?
5人(園児達):行きたい!!
先生:仲良くする?
5人(園児達):する!!
先生:約束する?
5人(園児達):約束する!!
先生:よしっ、じゃぁ急いで仲直りして
まさよし、ちゅうた:(じっとお互いを見つめた後、手を握る)
先生:笑ってぇ
まさよし、ちゅうた:(ニカっと笑う)
先生:運転手さんに「お願いします。」
4人(まさよし、よし子、あき、ゆみ):おねがいし・・・
ちゅうた:(指相撲→)1.2.3.4.5.6.7.8.9.10勝ちぃ!!(逃げる)
まさよし:なろおっ!!
よし子:び―――っ
あき・ゆみ:ぎゃはははは

園児達ハケ

先生:遠足かぁ・・・
運転手:うまく行きますよ
先生:だと良いけど・・・やっぱり父兄の方々についてきてもらおうかなぁ
運転手:今さら無理でしょう。皆さん忙しいから保育園に預けてるんですよ。
先生:そーよねぇ・・でも正直不安だわ
運転手:僕もついてますからっ!!
先生:・・・心配だわ
運転手:聞いてました?
先生:え?何?
運転手:このバス遠足はこの松の浦こじろうにかかってるんですからっ、
僕がローに入れるかバックに入れるかでみなさんの運命が決まるんですからっ
先生:気安くバックに入れないでね
運転手:あ、やばっ15分だ。バス回してこよっと
先生:気楽でいいわね
運転手:なんたって運転手ですから。
先生:はぁ・・
運転手:さなえ先生っ、笑顔っ!
先生(にかっと笑う)はーいっ!良い子はちゃっちゃとバスのるよぉ!!
園児達(声):らぁ~――!!
先生:(ガクッ)

先生とぼとぼ退場

運転手:先生も大変だなぁ。さてと、今日も1日安全運転っ

園長登場

園長:こじろー君、ちょっと。
運転手:あ、スイマセン。今まわしますからっ
園長:いや、父兄の方に紹介するからっ
運転手:え?僕?
園長:「うちの子供の命預かって貰うんだから」ってご挨拶したいんだそーだ。
運転手:えっ僕、そーゆーのは・・・
園長:頼むっ
運転手:・・・・・ちょっとだけですよ
園長:すまん。恩に着る!
運転手:ついでにバス回しますね
園長:待ってるぞぉっ(ハケ)
運転手:まいったなぁ・・・・

女登場(キョロキョロ)

運転手:あのぉ・・・
女:・・・(キョロキョロ)・・・(さすりさすり)・・・・フッ(鼻で)
運転手:父兄の方ですか?
女:え?あ――、うんうんうん(キョロキョロ)
運転手:みなさん裏で・・・
女:ふーん(聞いてない)
運転手:いや、ですからぁ
女:バス
運転手:え?
女:バスは?園バスは?
運転手:あっちにありますけど?
女:あれ?
運転手:え?
女:あれね?
運転手:はい・・・
女:おっきいねぇ
運転手:はい、昔はもっと園児居たんですけどね。今はほら、子供不足でしょう
女:そーねぇ
運転手:あのお・・・どちら様で?
女:(しーっ)
運転手:(しーっ?)
園長:こじろー君!!
運転手:え?
園長:何してんのっはやくしてよっ
運転手:でも・・・・

女逃げる

運転手:あ、ちょっと
園長:早く頼むよ
運転手:でも今っ
園長:バスは後でいいからっ
運転手:けど・・今
園長:間もたないんだから、協力してよ
運転手:はぁ(きになる)
園長:あ(しまった)
運転手:え?

あきの母、瞳登場

瞳:早くしていただけませんか(早口で)
園長:あっすいませんっ
瞳:これから仕事に行かなくちゃ行けないもので
運転手:ん?(似てるぞ)
瞳:園バスの運転手さん、変わったそうじゃありませんか。
園長:はい。
瞳:うちのあきが「新しくきた運転手さんは、若くて頼りなくて、
本当は着やせしてて、かきくけこがいえないくせに運転がへたっぴぃ」
なんて言うもんですから、ちょっと心配になっちゃいまして。
園長・・・はぁ
瞳:あらっ?(気付いた)
運転手:スイマセン
瞳:はい?(今なんて)
運転手:すいませんかきくけこが言えなくて。
園長:「きりきりまい」
運転手:「きりきりまい」って言えなくてすいません!
瞳:あー
運転手:あきちゃんの・・・そっくりですねぇ
瞳:はい?

双子の母、響子登場

響子:あの――まだ出発しませんか
園長:あーどーもすみません、お待たせしちゃって
運転手:もしかして・・・
響子:よし子と・・・

双子の父、義男登場

義男:まさよしが
双子両親:お世話になってます。
運転手:なるほどぉ(この芝居はそんな仕組みかぁ)
義男:そろそろ僕らも仕事に行かなくちゃならないんですよ。あ、どーも
瞳:あのぉ、失礼ですけど
双子両親:原田です。
瞳:あっ双子の。源です。
義男、瞳:あーおしゃべりのぉ~~・・・(ムカ)
双子両親、瞳:いつもお世話になっていますぅ・・(ムカムカ)
運転手:運転手の松の浦こじろうです。
双子両親:はいどーも(どうでもいい)
瞳:あきの事よろしくお願いします。(帰ろうとする)
園長:え?あの、
瞳:仕事遅れてしまいますから。
義男:それじゃ僕らも
響子:そーね
園長:でもですねぇお見送りしてあげないと子供達が
義男:いつものことですから
運転手:え?
響子:うちは共稼ぎじゃないですか?だから、あの子達もわかってくれてます。
瞳:うちのあきも聞き分けの良いこですから。
園長:あと10分です。ほんの10分で出発ですから「いってらっしゃーい、気をつけてねぇ」とこう、さわやかに、気持ちよくですねぇ

ちゅうたの父、一徹登場

一徹:おい、コラいつまで待たすんだ!!
全員:?
一徹:行くんなら行けっ!!行かねんなら行くなっ!!はっきりしろはっきりぃ!!
運転手:ちゅうたのお父さん?
一徹:なんだテメェうれしそうに
運転手:いやっついっ何でもないです。松の浦こじろう、バスの運転手です。
一徹:どーでもいんだそんな事はっ!園長ぉっ!8時半出発っつたろぉ。
園長:準備に手間取りまして申し訳ないっ
一徹:ごめんですんだら・・・?
全員:?
一徹:ごめんですんだら?
園長:え?
一徹:ごめんですんだらぁ??(怒)
運転手:(手あげて)警察いらない
一徹:オメェに聞いてねぇんだよぉ
運転手:すいません
一徹:ぜひお見送りにきてくださいっ、つーからわざわざ来てやったんだからよぉ
園長:はいっですからあと10分
一徹:あ?
園長:いや5分で!!
一徹:半つったら半だろぉっ丁でもロンでもねーだろぉがぁ!!

(シ――――ン)

園長:(困り果てて)あの・・・・言っている意味がさっぱり・・・
一徹:帰るっ!!待てん!!
園長:3分!!3分です!!さなえ先生~そろそろ行けますかね~~!?
運転手:見てきます!!(ダッシュ)

先生と交差

先生:ペンチありますか!?
全員:ほ?
先生:ペンチじゃないと駄目だと思うんです!
せっけん水塗ったけど、どうしても抜けなくって!!
もうこーなったらペンチだと思うんです!!
園長:先生落ち着いて!!
先生:はっはい!!
運転手:一体何がどうしたっていうんですか?
先生:ちゅうた君が
一徹:お、どしたあいつが
先生:まさよし君と
義男:え?まさよしと
先生:よし子ちゃんの
響子:よし子の?
先生:鼻の穴に指を突っ込んだんです。・・・・・深く。
双子両親、一徹:・・・・深く・・・・
全員(一徹、先生以外):なんてことすんだぁ!!
一徹:おっ俺に言われてもよぉ!!
瞳:うちのあきからきいてますけど、お宅のちゅうた君、
乱暴すぎるんですよ。だいたいねぇ・・
先生:あきちゃんとゆみちゃんも
瞳:え?
先生:楽しそうなちゅうた君を見て、居てもたってもいられなくなって
運転手:・・・それで?(ゴク)
先生:ゆみちゃんはまさよし君の右穴に、あきちゃんはよし子ちゃんの左穴に
園長:指を入れたと・・・・
全員:・・・・深く・・・・
先生:このままだと誰か死んでしまいます!!
一徹:死ぬかぁ!!
先生:石鹸水でスベリをよくして抜こうと思ったんですけど、
よし子ちゃんとまさよし君口からシャボン玉噴出して、他の3人もう大喜びで!!
運転手:それでペンチですかぁ!!?
先生:このまま5人で連なったまま生きて老いさらばえて
死ぬかとおもうといっそのこと裁ちばさみで・・・・
瞳、一徹:断つな~――!!!!
義男:とにかくどうにかしてくださいよ!!窒息しちゃいますよ!!
響子:私達も行きましょう!!
園長:とにかくみなさん落ち着いて!こじろー君!布切りばさみ!!
運転手:はい!!って、えんちょー!!
先生:ごめんなさい!!
一徹:ごめんですんだらぁ!?
義男:あんたちょっとは責任感じろ!
一徹:俺のせいじゃねーだろー!
響子:じゃ誰のせいって言うんですか
一徹:あんたらのガキの鼻の穴が4つとも揃いも揃って無防備なんだよ!!
双子両親:何ぃいい!!
園長:こじろー君!高枝切りばさみ!!
運転手:えんちょー!!
一徹:みんなで引っ張れば何とかなるかもしれん!
瞳:そうかもしれないわね!!
園長:それでも駄目なら、軽く鼻に切れ目を入れてこぅ・・・・
義男:あんたねぇ!!
運転手:とにかく切っちゃえっていうその根性が気に入りません!!
響子:早く行かないとシャボン玉まみれで窒息死!!
瞳:とにかく様子を見に行かないと・・
先生(下を見て)ぃやぁ―――!!!

袖からシャボン玉

運転手:・・・しまった・・・事態は最悪だぁ・・・
先生:園長!!
園長:選んで下さい(でかいはさみをさっと出す)人指し指か、鼻の穴かぁ!!

全員考え込む

双子両親:・・・じゃ指で
瞳、一徹:テメェぶっ飛ばすぞこの野郎(ズイズイ)
園長:やむをえん!
瞳、一徹:まてまてまてまて

このまま園長・親たちで舞台の隅で話し合い

先生:どーしよー!!
運転手:とにかく、行ってみた方がっ
先生・・・はい!!

2人ダッシュ、ゆみと交差、シャボン玉中

先生、運転手:・・・・・・・・
ゆみ:ぷ――っ(シャボン玉で遊んでる)ぷ――っ(にやにやにやにや)
先生:・・・ゆみちゃん・・・指は?
ゆみ:あきた
先生、運転手:え
ゆみ:あきたから抜いてみんなでシャボン玉することにした。
運転手:みんなで?
ゆみ:うん
先生:じゃぁみんなは?
親たち、園長:じゃーんぽん!!あーいこでしょ!!
ゆみ:なにしてんの?
先生:ゆみちゃん、みんなは無事なの?
ゆみ:え?あ、おねぇちゃん来た?お見送りくるって!
先生:準備できたの?みんな
ゆみ:出来たよ
先生:じゃちょっとみんな呼んできてくれる?
ゆみ:はい(シャボン玉渡す)遊んでいいよ(ハケる)
運転手:あ(礼)
先生:・・・・・
運転手:ふ――っ
先生:あの・・・
園長:(じゃんけんに)勝ち!!
親たち:くそ―――!!
園長:それでは、穴と指と両方という事で。
先生、運転手:えんちょ――!!
園長:ケンカ両成敗だぞ
運転手:何をわけ分からん事をっ、もーいーですから!ほらっ(シャボン玉ぷ――っ)
全員:おーー・・!!!
・・・・・・・って!!(ローテンション総つっこみ)
園長:こじろー君どういうことだい。
運転手:たのしく遊んでいるようです。準備もとっくに出来てるそうです。
先生:すみませんでした。もぅバス乗せちゃいますからっ(ハケ)
瞳:全く人さわがせなっ(チラッと一徹を見る)
一徹:なんで俺見んだよ
瞳:それじゃあ帰りますんで、よろしくお願いしますね。
園長:え?でもあの、準備もとっくに出来てるそーですし、ねぇ
運転手:シャボン玉で遊んでるくらいですから。
義男:タイムリミットです。僕等ももう間に合いませんから
一徹:なーにがタイムリミットですだ、ぷー
義男:何か?
一徹:いーえー
響子:見送りくらいしなくても、いつものことですし
園長:でも今日は遠足ですよ。初めての、生まれて初めての遠足ですよ。
瞳:あの子が無事に戻って来さえすれば私はそれで結構ですから。
園長:いや、ですからぁ
義男:事故起こさないで下さいね。
運転手:あ、そりゃもちろん
義男:板東さんとこのちゅうた君にだけは注意してくださいね。
一徹:うちのガキが問題起こすってか!?
義男:注意して下さいって言っただけです。
一徹:のやろぉ~
園長:まぁみなさん落ち着いてっ、そろそろ用意も出来てバスに乗ったころですから
一徹:知らん、帰るっ、寝るっ
瞳:それじゃぁ失礼します。
双子両親:よろしくお願いします
園長:あ、あの子供達が・・・ほらっこじろー君もっ
運転手:え?でも・・・・

ゆみの姉、しずか登場

しずか:見送りくらいしてやれば?
全員:?
しずか:どうせ今から言っても遅刻なんじゃないの?
瞳:え、・・・それは・・・
義男:だから急いでるんだよ
しずか:10分も20分も変わんないんじゃないの
響子:変わりますっ、ねぇ
一徹:え?あ・・・おうっそーだっ
しずか:見送りしたら喜ぶよ

(シン)

運転手:君はお姉さん?ゆみちゃんの?
しずか:うん
運転手:凄いですね
しずか:え?なにが
運転手:DNAっていうのは
園長:黙ってなさい
運転手:はい
園長:みなさんどうでしょう、せっかく遅刻した事ですし、
心おきなくお見送りをするっていうのは。

瞳:・・・じゃあちょっと会社に電話してきます。
響子:義男さん、なんて言っとく?
義男:カゼ2人一緒に引いた事にしよう。
運転手:会社も一緒ですか?
義男:職場結婚ですから。
園長:・・・板東さんは
一徹:え?俺?あー俺今日休み
園長:なら素直に見送りなさいよっ!
先生(声):準備できましたあっ
園長:お待たせいたしました
瞳:お待ちしました。
園長:まぁまぁ
運転手:ほら、みんな手振ってますよ

手をふる

瞳:本当
響子:え?
瞳:うれしそうね
響子:・・・・えぇ
義男:気をつけてなぁ、まさよし、よし子ぉ(カシャ)
一徹:ちっ親ばかがっ・・・(カシャ)
義男:人のこと言えないでしょう。
一徹:ちゅうたぁっ!!今度人様の鼻の穴に指つっこんだら、ぶっ殺すぞーーー!!(笑顔)
運転手:笑顔で恐い事言わないでください。

先生登場

先生:どうもすいませんでした。お時間取らせちゃって。
しずか:コレ
先生:え?
しずか:まずいけど食べたかったら食べなって。
先生:あっいただきます。
しずか:あんたじゃないよっ
運転手:先生、ゆみちゃんのお姉さんです。出来れば一目で気付いて下さい。
先生:あっああっ分かりました、わたしときます。あの、学校は・・・
しずか:弁当作ってたら遅刻したの、いんだサボる。
先生:でも、
しずか:ほらっバス乗ったよ。
先生:それじゃ行ってきます。園長先生、
園長:はいっそれではツチノコ保育園秋のバス遠足出発いたします。(礼)

全員礼

先生、園長:いってまいります。(ハケ)
一徹:おっバス動くぞ(カシャ)
運転手:はい
義男:まさよし!(カシャ)よし子(カシャ)
響子:ちゅうた君には気をつけてねぇっ
一徹:うるせぇ(ジーコジーコ)
しずか:あっちょっと退いたほうがいいんじゃない
瞳:バックするのね
一徹:おっと危なっかしいなぁ(カシャ)
瞳:運転ヘタクソって本当なのかしら
運転手:失礼な事言わないで下さい
義男:ふらつきましたよ、ちょっと
響子:大丈夫ですか、まつ、まつ・・・
運転手:松の浦こじろうです。大丈夫です。僕、ゴールドカードですから。
しずか:ペーパーだったりして
運転手:違いますよ。これでも大型もってんすから
しずか:あたし2輪持ち
運転手:あ、僕ももってます
しずか:本当、みして
運転手:え
しずか:免許
運転手:はい、あ。バスの中だ
しずか:なーんだ。あれ?(なんでいるの?)(石化)
一徹:やっぱ、あぶなっかしいなぁお前
運転手:何言ってんすか、僕前中央バスにいたんすよ
一徹:ほんと、
運転手:入社2年で辞めましたけど
一徹:ふーん・・・あれ?(なんでいやがる)(石化)
義男:やっときり返した
響子:あーちがう、左、左。左にきんなきゃ、
松の浦君は本当に運転できるの? あれ?(石化)
義男:なんか心配になってきたよ。 あれ?(石化)
瞳:どうしたんですかみなさん石化して、 あれ?(石化)
運転手:やっぱ子供はいいなぁ、無邪気で。たまにムカつくことありますけどね、
あ、こんな事いったら叱られるか。ははは。あ、来ましたよ、やっと。
あの運転手ほんとヘタクソですねぇ。あっ手ぇ振ってる。園長先生も先生も。
汗かいちゃって、必死の形相しちゃって。ハハハ(手を振る)
あ、なんか言ってますよ、何いってんでしょうねぇ。
ねぇほら、何僕見てんすか、僕じゃなくてあっちみてくださいよ。
ほらっ、ほらっ(全員客席を一瞬みてまた戻す)え?よくきこえません

SE ブルルン ブルルン

運転手:え?「なんで」?「そこに」?「いるんだ」?

ははっそんなの・・・・(考えてる)

だって僕・・・・・・・(考えてる)

なんたって・・・・・・(考えてる)

運転手ですからっ

全員考えてる間
SEブルルンブルルン

全員:だからなんでココにいるんだぁ!!!!!

SEブォーン(全員首上へ)

全員:あああああ!!

曲あがり全員ハケっ
曲のなか(下から)

女:ちょっと大きいなぁ、これっロー?セカンド?まぁいいやっ。
うわーけっこう早い、やっぱ馬力あんのかしらバスって、さすがバスよね。
あ、おばぁちゃんどいてっ、よっ、・・
うまーい、あたしうまーいっ。いける・・・いけるわ!!
赤だ、いいや、いけるわ~―(女上へ)

SEブオオオオオン(下から先生、園長登場)

園長:おい、どーなってんだいったいっ!
先生:わかりませんっ!
園長:先生っ!!あの人だれだ!
先生:分かりませんっ!
園長:こじろー君じゃないことは確かだなぁ!!
先生:分かりません!!
園長:なんで出発の時気付かないんだ!!
先生:わかりません!!!
園長:くそぉっっちょっとあんたぁっスピード出しすぎだぞ!!
先生:分かりませぇぇん!!

後ずさりで下へ先生・園長
SEブオオオオン

5人(園児達):ぎゃははははっ
ちゅうた:はえ――――!!
あき:なんで?なんで?なんで?
ゆみ:むちゃとばすね――!
まさよし:さっきおばぁちゃん避けたっ
よし子:うっ
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ)あっ
よし子:はや――いっ!!
あき:よし子ちゃん速さには強いの?
まさよし:しらなーい
ちゅうた:なあっあいつ誰だ。
あき:「かきくけこ」じゃないよね
ゆみ:絶対違うっ
よし子:行け――っ飛ばせぇ~!!
まさよし:顔見にいくか!
4人(ちゅうた、よし子、あき、ゆみ)行く~~!!
まさよし:よぉーし・・・・

SEブオオオオン

5人(園児達):うひょほほ~い!!

コロコロと下ハケ
上から運転手

運転手:いやっですからぁ!!のっとられたんですって!!ハイジャックです!!
わかんないかな~!!間違いありませんよ、運転手の僕が言うんですから!
え?ハイジャックとは航空機をのっとることだぁ?!いんです、そんな事は!!
え?!よくない?!じゃあロージャックです!ロージャック!!
僕にしてみりゃハイトップです!!「訳が分からない?!」いいんです!!
とにかく来てください!!場所はツチノコ保育園!!園バスジャックです!!

SEブオオオオン
運転手ハケと同時に女・園長・先生・園児たち。
バスは前向きに走っている。

園長:あぶないいい!!子供が乗ってるんだぞ!!少しは考えなさい!!
5人(園児達):園長格好良い!!
先生:あなた!!どういうつもりです!!
5人(園児達):さなえ先生ステキ!!
園長:聞いてるのか!!
ちゅうた:よっフケ顔!!
園長:(なぐる)
ちゅうた:きったねぇぇぇ(4人に)
よし子:(女に)何キロ出てる?
女:120キロ
7人:120キロぉおーー(!?!?園長、先生)(!!!園児達)
あき:あたし早いバス初めてみた!!
ゆみ:120キロなんてフツーだよっ
あき:なんで?
ゆみ:うちのおねえちゃん200キロ出すよ
ちゅうた:うそつけぇっ
ゆみ:ほんとだよ!!乗ったことあるもん!
まさよし:バスに?
ゆみ:バイクっ
よし子:バイクならフツーじゃんっ
ちゅうた:そーなの?
よし子:そーだよ。
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):物知り・・・
園長:ほらみんなぁっもーちょっと状況把握しようねぇ
先生:どうしましょう!
園長:よしっわたしが何とか説得しましょうっ(ずいずい)
女:赤信号っ!!
5人(園児達)みんなで渡れば恐くない!!

SEブオオオオン

曲上がり暗転
暗のなか曲除々に下がる

運転手:もう少ししたら警察の方が現場検証に来ますんでとにかくおちついて、
少し・・・待ちましょう・・・・・・。

運転手とぼとぼ入場

運転手:・・・・何やってんだ僕は・・・・まさか・・・誘拐
・・・・と言うことは・・・・身代金・・・100万?
いや1億っ!5人もいるから・・・5億っ!!たいへんだぁ・・・
この保育園そんなに金ないぞ・・・あきちゃんのママと双子の親は
けっこうもってそうだけど、ゆみちゃんのおねぇちゃんは高校生だし、
ちゅうたの親は・・・・ない。絶対持ってない!その日の暮らしにも困ってる!!

一徹登場

一徹:(どつく)てめぇなにめちゃくちゃ失礼な事を言ってんだっ
運転手:すいません!!(←これはバス取られた事に対して)
一徹:・・・本当のことだからよ(照れ)
運転手:え?
一徹:バチ当たったんかなぁ・・・・・
運転手:?
一徹:コレでもがんばってんのよ?でもなかなかねぇんだなぁ仕事ってのは
運転手:え?大工さんじゃ・・・
一徹:大まかに分けるとな。
運転手:は?
一徹:大工ってのはとんてんかんとかギーコギーコだろ?
運転手:はい
一徹:俺はそこにザックザックやガガガガガガが加わんのよ
運転手:そんじゃ
一徹:言えるかよガキに。おれは毎日仕事の口、探して生きてますってよ。
運転手:そーなんすか。
一徹:だから・・・
運転手・・・だから(しんみり)
一徹:金は出ねぇよ。
運転手:はい?(いまなんて?)
一徹:金はだせねぇよ、てっとりばやくいうとっ。うん。
運転手・・・・(がっかり)
一徹:んな事よりよぉ、あっち大変な事になってんだよ
運転手:え?
一徹:大モメだよ大モメ。だから逃げてきた。うるせんだ、あのPTAがよ。
運転手:え?
一徹:うるせぇ奴いんだろぉ、女でよぉ。あいつがもう、

瞳登場

瞳:うちのあきに何かあったらどう責任とるおつもりなんですか!
運転手:あ
一徹:んな事言われても知らねぇってんだよっ「おつもりなんですかぁ」
てめぇのおつむからどーにかしろってん・・・?
運転手:こんにちは(おずおずと)
一徹:ちゅうたがお世話になってます!!
瞳:あなたよく平気でくっちゃべってられるわねぇ!?自分の息子さんに
なにかあったらどーするつもりなんです!
一徹:「どー」ってよぉ
瞳:今あの子どこにいるか分からないのよ!?きっと今頃縛られて
泣いてるわっ!あなた心配じゃないの?
運転手:すみません。
瞳:あんたに言ってんじゃないのよ!!あんたそれでも・・・(父親なの)
一徹:心配だ!!
瞳:!
一徹:おれはあんたみたく心配を身体で表現しよーとおもわねーだけだ・・
瞳:・・・・・・
一徹:でもなぁ・・・
瞳:・・・・・はぃ・・・
一徹:金はないぞ
瞳:え?(運転手がっかり)
一徹:あんたあるか?なぁ?もってそうだなぁ、なぁ、な、な、
瞳:止めてください、汚らしい
一徹:ん 

しずか登場

しずか:ちょっとどーにかしてよあの双子の親。
運転手:え?
しずか:なんかケンカ始めちゃってさぁ働くだの、働かないだの、
幼稚園だの、保育園だのうるさくてさぁ
運転手:すいません
しずか:あんたが謝ってもしゃあないよ。
運転手:でも、僕がちゃんとバス回しとけばこんなことには・・・
しずか:今更うだうだいってもしゃあないじゃん。あ、警察は?
運転手:まだ・・・
しずか:いや、なんていってんの?
運転手:それが話通じない人にあたっちゃって
しずか:ほかにかわらせりゃいいのに
運転手:なんか変な人で
しずか:だからさぁ
運転手:「ツチノコ保育園なら担当はわたしだ」なんて
しずか:何それ
運転手:言うんです、その人が
瞳:本当に来るんでしょうね
運転手:え、ええ
瞳:本当なら、もうバス追ってもらうとか、とにかくあの子の安全確かめてもらわないと。
一徹:だからよぉ、コイツに文句言ってもしゃぁねぇだろ。
瞳:電話貸してください、あたしもう一度かけます。
運転手:でも来るって
瞳:あなたに任せていたらあきは外国に売り飛ばされます!!
しずか:気ぃすむようにしてやれば。
運転手:ハイ(指差す)
瞳:お世話様っ
一徹:おめぇ落ち着いてるなぁ
しずか:おじさんもねぇ
一徹:おじさんって言うなよ、これでも30前なんだからよぉ。なぁっ
運転手:僕に振られても・・・
一徹:双子は?
しずか:え?双子?
運転手:双子は誘拐されましたよ、園バスジャックで。
一徹:面倒だからよ、双子の親っていうの双子って呼ぶ
運転手:なにまぎらわしいこと
一徹:じゃ、ジェミニでいいか、じぇみに。
運転手:なんか
一徹:いいだろ?
しずか:車みたいで嫌だ
一徹:そう?
運転手:はい
瞳:ラーメン食ってるから待ってろぉ?!!
運転手:・・・・ラーメン食ってるらしいですね。
しずか、一徹:うん
瞳:え?うそ?!もーついた?!
運転手:・・・もうついたらしいですね。
しずか、一徹:うん
瞳:それもうそ?!もーすぐつく?!
運転手・・・うそつきらしいですね
しずか・一徹:うん
瞳:あ――――――!!!(ガチャン)(キッと運転手にらんで)
運転手:すいません
一徹:なんでお前があやまんだ。
運転手:すんません、なにから何まで・・・110番でも
ろくな警察呼べなくて・・・・もーなんていったらいいかほとほとまいります
しずか:なんあのあんた、うだうだうるさいわねぇ
一徹:まあまあまあまあまあ
瞳:ちゃんと責任とってもらいますからね
一徹:まあまあまあまあまあまあ
しずか:しっかりしてよ、保育園の関係者あんただけなんだか・・・
一徹:まあまあまあまあまあ
瞳:あんたも「まぁまぁ」うるさいのよ!!
一徹:(ムッ)・・・「みぃみぃみぃ」・・・
瞳:(怒って一徹を叩こうとする)
一徹:(よける)
しずか:(よけたところを後ろから叩く)
一徹:とにかくよぉ、ここで俺達がもめてもしゃぁねぇだろぉっ
ここは一つ一致団結して、わが子やわが娘、わが園児を助け出そうじゃないか!!
瞳:・・・そうね。
しずか:賛成
運転手:はい
一徹:それじゃ、モメゴトは一切なしということで、よ――(1本締め)
双子両親:(声)わっかんない人(ねぇ、だな)!!

義男、響子登場

義男:だからなんでそういう話になるんだ!!
響子:あたしは仕事やめてもかまわないって言ったのよ!!
義男:でも将来的に考えると2人の子供が同時に育つんだから
響子:けどなんとかやっていけるって言ったじゃない!!
義男:だから君はあまいんだよ
響子:あの子達はどうなってもいいの?!
義男:どうなってもいいとは思わないから、2人で働こうって決めたじゃないか!!
響子:それは義男さんが強引に!!
義男:きちんと話し合って決めたじゃないか!!
響子:一方的に自分の都合のいいよーに!!
双子両親:わっかんない人(ねぇ、だな)!!!

義男:・・・・(不機嫌)なにふざけた格好してんですか・・・
一徹:・・・いやっ・・・はは
瞳:・・・もめごと・・・はは・・・
しずか:・・・はんたーい、なんて・・・はは
運転手:ふざけたことを・・はは
運転手、しずか、一徹、瞳:ねぇ
響子:するんじゃなかった。
全員:?
響子:結婚なんてするんじゃなかった!!

SEフォンフォンフォンフォン

全員:あ
瞳:来たっ(ダダッ)
運転手:いきましょう(ダダッ)
一徹:おうっ!!(ダダッ)
義男:いまは話すことじゃない(ダダッ)
響子:・・・・
しずか:ちゃんと育てないと不良になるよ。
響子:え・・
しずか:ほらっ(ダダッ)
響子:(ダダッ)

曲上がり
SEブオオオオン
曲下がる

先生:あなたどういうつもりなんですか、いい加減にしないと。
女:今忙しいから話しかけないで
先生:身代金目当てですか
女:忙しいんだから話かけないでっ
先生:いくらですか、
女:あたしさぁ
先生:え?
女:こんなに大きな車運転するの初めてなの、だから話しかけないで。
先生:子供達を
女:話しかけないでって言ってんの!!
先生:!!
女:事故起こしたくないから。
先生:・・・え?
女:理由はちゃんと後で説明するから・・・きっと・・・納得してくんないと思うけど。
先生:あなた・・・
女:お金持ってる?
先生:!!やっぱり身代金目当てでっ
女:高速のるからっ
先生:え、
女:高速乗ったらちょっとは安全でしょ
先生:(ああそうか、いやまてよ)そういう問題じゃぁ・・
女:そういう問題なのっ
先生:!!!

SEキュルルルルル
と同時に園児と園長下から

園長:うぉぉぉぉっ!!・・・あぶないぞぉ、
ちゅうた:ちょっとあきたなぁ
まさよし:なぁ
園長:ほらみんなぁっ頼むからちゃんと座って・・・ね?
ゆみ:えーどこに?
園長:ほらっよくみるとイスがずらっと並んであるだろぉっ。
あ、よし子ちゃんはちゃんと座ってえらいぞぉ
ゆみ:みえなーぃ!!
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ)みえなーいっ!!
園長:えーそうかなぁ、園長先生には見えるよぉ
あき:どれぇ?
園長:ほらっほらっほらっほらっここに長いのが、ほらーっこっちも、
ほらっほらっほらっ、ここには、お年寄りやからだの不自由なひとの為の席がっ
ちゅうた:園バスなのに?
園長:はははは、園長先生のジョークだぁ
ちゅうた:つまんなーい
園長:(ボコッ)いいからすわろーねぇ
ちゅうた:ぜってー扱いちがうよな
女:(アナウンス)よい子のみなさーん
4人:はーいっ
園長:おいこらっ止まれ!
女:これから高速道路にのりまーす!
4人:イェーイ!!
女:みんな席に座りましょう!
4人:はーい(スチャ)
園長:なんでいうこときくんだぁ!!おいい!!誘拐犯!!
いいかげんにしろ!!金か?!金が目的かっ!!
女:よい子のみなさーん!
4人:はーい!!
女:これからひもひもでポンゲームをはじめまーす!
4人:ひもひもでぽん?
女:ひもだポンっ

袖からひもが(黒と黄のやつ)

4人:ぽーん!(わらわら)
女:さぁ
園長:おい!!何する気だ!!
女:おねぇさんが「ひもひも~ポンっ」って言ったらゲームスタートだよ!!
ゆみ、ちゅうた:わくわく
あき、まさよし:わくわく
女:だれが上手に園長を縛れるかなぁ
園長:え?
4人:(ギロッ)
女:ひもひも~・・・ぽんっ!!
4人:ぽーん!!!
園長:やめろおおぉぉ~~

よし子以外ハケ
同時に先生、下から

先生:園長―っ!?
・・・・よし子ちゃん?
よし子:・・・
先生:どうしたの?
よし子:・・・・・
先生:よし子ちゃん?
よし子:・・・・・(フラ)
先生:よし子ちゃん?!ちょっと!!止めてぇ!!!

SEフォンフォンフォンフォン

曲上がり耳にたえるくらいの大音響の中
刑事ゆっくりと登場、グラサン
色は赤点滅のままで顔あまりみえてないような照明。
運転手登場。着替え終わった順に親たち登場

刑事:ちょっと調べ物をしていたもので、遅れました!!
土田吾郎!!刑事であります!!

曲きれる。

刑事:いやぁーそれにしても道が込んだのなんの(グラサンはずす)
全員:ちょっとまったぁ!!
運転手:園長!!なにやってんすか、バスに乗ったんじゃなんすか!!
刑事:あ(そーか)
一徹:てめぇ、何のこのこ1人で逃げてきやがって
瞳:何が「お待たせしました」よ!
刑事:きいてませんか?
全員:は?
刑事:兄です。
全員:え?
刑事:兄です。
全員:・・・・ああ
刑事:誰の兄かと申しますと、
全員:結構です。
刑事:なんだあいつ言ってなかったのか
瞳:またわかりにくくなったわねぇ
しずか:見た目変わんないじゃない
義男:グラサンとメガネ
一徹:さっき捨てちまったじゃねぇか
義男:こまりましたねぇ
刑事:なにか?
5人(親達):こっちの話です。
刑事:交通課の調べによりますと、犯人は都内を北から南へ爆走中、
確認速度は最高で130キロ。更に高速道路に乗り、そのまま南へ直進する模様です。
どのインターチェンジで降りるかですが。運転手のかたは?
運転手:すいません
刑事:ガソリンは?
運転手:え?
刑事:どれくらい入ってました?
運転手:満タンです。
刑事:となると、南インターまで走り向ける可能性もある、
一応都内全域のインターチェンジに網をはらせましょう。
瞳:あの、娘は大丈夫でしょうか。
刑事:分かりません、とにかく安全でないことは確かです。全力をつくします。
親御さんですか?
5人(親達):・・・はい
刑事:協力お願いします。
5人(親達):よろしくおねがいします。
刑事:この中で犯人の顔見た方は
運転手:・・はいっ
刑事:女ですか?
運転手:え?
刑事:女でしたか?
運転手:・・・はぃっ・・どうして・・
刑事:そうですか・・・。
一徹:おい、どういうことだ。
刑事:気を確かに持ってきいてください。あくまでも可能性の話です。
瞳:どういうことでしょう。
刑事:刑務所を脱獄した女がいます。まだ捕まっていません。
一徹:・・・なんだとぉ
刑事:あくまでも可能性の話ですから、皆さんどうかおちついて・・・
一徹:落ち着いていられるかぁ!!
全員:!!
一徹:てめぇなんでわざわざしょーもないこと教えたんだ?
刑事:わたしはあくまで
一徹:手ぐすねひいて待ってるわけにはいかねぇ
義男:僕もいきます!!
刑事:まだ犯人と脱獄囚が一致したわけじゃ
瞳:写真!!
刑事:え?
瞳:さっきあなた達パチパチやってたでしょ!!
一徹:おうっ
義男:コレッお願いしますっいきましょうっ
一徹:ほらよっ
刑事:あなた達がおっても、それは警察にまかせていただく仕事です。
義男:でも・・・
一徹:おう!!いくのか、いかねぇのか!!
義男:え
一徹:はっきりしろ、はっきり!!
義男:行きます!!

2人ダッシュ。下へ

刑事:ちょっと待ってください。
・・・はぁ、やたらめったに探したところでどうなる事でもないんだが・・・。
運転手:僕らはどうすれば・・・
刑事:犯人から電話が来るかもしれない。待っていてください。

SEブオオオオン

刑事:(上をみて)全く自家用車で走っても速度違反がおちだ。
瞳:そんなことないと思いますよ。
刑事:え?
一徹、義男:かりるぞぉおおっ!!
刑事:はぁ、いったいなにを借りるというん・・・・

フォンフォンフォンフォン

刑事:・・・・・・。
瞳:ほらねぇ。
刑事:・・・ピポパポパポ(携帯)あ、土田です。すまんがパトカー(考えてる)
ちょっとまてこの中で、車の免許もってる人は?(しずか以外みんな手を上げる)
どうも。白バイ1台ツチノコ幼稚園に、よろしく。さてと手っ取り早くいきましょう。

曲ふたたび

刑事:車でお越しの方は?
響子:はい
刑事:これ、鑑識に回すとよけい時間かかっちゃいますから、
そのへんで現像してきてください
響子:はっはい
刑事:間違っても、受け取りは明日なんてことならないように
響子:あ・・・はい
刑事:不安でしたら、どなたか
瞳:あたし行きます
刑事:お願いします。すみませんね
瞳:いえっ、いきましょう
響子:・・・はい。

2人ハケ

刑事:君は?
しずか:え?
刑事:学校には?
しずか:行ってる場合じゃないよ。
刑事:すばらしい、でも電話入れといてください
しずか:はーい
刑事:でも保育園のは使わないでください、そろそろきそうですから。
しずか:何が?
刑事:電話です。

プルルルルルルル

しずか:刑事さんエスパー?
刑事:違いますよっ(ハケようとする)ほらあなたっ
運転手:はっはい
刑事:関係者が取るもんですよ一応。
運転手:すいませんっ

3人ハケ上へ
曲あがるー下がる
両サイドから一徹、義男

一徹:南っつったよなぁ
義男:ここから1地番近い高速は北インターですっ
一徹:ここ走ってりゃ間違いねぇか
義男:間違いありませんっ
一徹:信じていいのか?
義男:信じてくださいっ
一徹:おもしれぇみんなよけやがる。
義男:あっコレっ
一徹:なんだっ
義男:マイクマイクっ
一徹:マイク?
義男:そこのばぁちゃんどきなさいっ、すみやかにどきなさいっ
一徹:かせっ
義男:はい
一徹:こちら一徹デカ、一徹デカ、どーぞぉ、ガシ
義男:あ、無線にもなるんだっ一徹って?
一徹:俺の名前
義男:お子さんは
一徹:ちゅうた
義男:なんでひゅうまにしなかったんですか。
一徹:うちのオヤジがひゅうまだから
義男:・・・・急ぎましょう
一徹:おう。
義男:(マイク)犬と飼い主どきなさい!!そこのアベックいちゃつかない!!

SEブォォーーン
一徹、義男、両サイにはけ、両サイおくから瞳、響子

瞳:あのっ奥さんっ
響子:原田です(真剣)
瞳:さっきから気になる事があるんですけど
響子:なんですか?
瞳:少し飛ばしすぎじゃないですか
響子:とばすって何がですっ
瞳:車が
響子:そうですかっっ

SEブォォオォォオン

瞳:うわわっ・・・あのおくさん
響子:原田ですっ(ハンドルきる)

2人下にむいて走行中

瞳:あああ!!ですから
響子:じゃまじゃま!!
瞳:イライラしていらっしゃるのはよくわかるんですけども・・
響子:イラついてる!?
瞳:え?ええ
響子:誰がですか?
瞳:あ、あの、おく・・原田さん
響子:フツーですけど(怒)
瞳:え?
響子:ばぁちゃん!!
瞳:は?
響子:のけ!!
瞳:あ――!!
響子:危ない危ない
瞳:こう申し上げてはなんですけど、あたしたち写真現像しに行くだけですから、
ちっとも急ぐ事はないんじゃないですか
響子:そーですね(アクセルふみ)
瞳:ですからっ(Gかかる)
響子:人生って良いことばかりじゃないですねっ
瞳:え?
響子:わるいことだってありますよねっ
瞳:奥さん・・・なにを
響子:個人差だってありますよねっ悪い事ばっかり続く人だっていますもんねっ
瞳:え・・ええ・・?
響子:悪い事ばっかり続いてる本人はやりきれないですよねっ
瞳:・・・奥さん・・・
響子:原田ですっ!!(ふみっ)
瞳:(Gかかる)ですからっ
響子:あっ警察(前方に)
瞳:あ!!だからいったじゃないですか(後ろ見る)
響子:前ですっ
瞳:え?前?スピード緩めてください
響子:よ(ふみっ)
瞳:(更にGかかる)ですから・・

フォンフォンフォン
サイレンと同時に下から父2人登場そして退場

一徹、義男:あ~~!!
響子:(気付いてない)♪♪
瞳:ご機嫌ですね
響子:あった!!
瞳:え?
響子:DPE同時プリント1枚10円仕上げ45分!!

2人下へハケ
下より先生、上より運転手、刑事、しずか

運転手:それで!!・・・様態は・・?
先生:それが・・・よくわかんなくて
運転手:わからない?
先生:すいません
刑事:どうしたんです
運転手:よし子ちゃんの具合が悪いらしくて
刑事:今どこからですか?
運転手:今どこです?
先生:高速道路の電話ボックスっあの・・
運転手:高速道路の電話ボックスだそーです
先生:あの!!
運転手:はい?
先生:よし子ちゃんのお母さんは?
運転手:え?
先生:今朝の様態とか聞きたくてっ、あの子あんまり体強くない子だから
お母さんに聞いた方が
運転手:すいません、ちょっと待ってください
刑事:なんです?
運転手:よし子ちゃんのお母さんは・・・まだ戻りませんよね・・・
刑事:少なくとも45分は
運転手:ちょうどいま席はずしています
先生:え?
運転手:いません
先生:いない?どうして?こんなときにっ!
運転手:どーしてって聞いてますけど?
しずか:ありのまま話せば
運転手:でも
先生:もしもしっ急ぐんですっ5分だけって言ってて。
運転手:はいっ!あのっそのっさっきちゅうたくんとまさよし君の
お父さんたちが取った写真を・・・現像してます。
先生:はぁ?!
運転手:だからあの~バスに乗るときのやつを・・みんな写ってるだろーから
先生:なんで今そんなことを!!
運転手:ですからあの~・・・・・早くみたくて。
先生:ふざけないでください!!
運転手:すいません!!むちゃくちゃおこってます。
刑事、しずか:当然だ
運転手:ちょっと
先生:もしもしぃ?!
運転手:はぃっ!!あのっちょっとまってください!!
先生:待てません!!5分っていってるの!!
5分経ったらあたし置いてバス行っちゃうから!!園長はあんなんだし、
よし子ちゃんは具合悪くなってるしっ!!他のみんなは相変わらず
楽しそーうだし!!元はと言えばあなたが!!
運転手:はい!!全部ぼくのせいです!!どーにかして落ち着けないと・・・あ
先生:え?

運転手、しずかを見る。

刑事:良い考えだ!!
しずか:あたしー?!
先生:おねがいしますよ、なんでもいいんですっ
しずか:でも~あたし、18だし
先生:ふざけないで!!
しずか:カチーンなんかあたしが悪い気分
先生:いいからはやくっ
しずか:何いえばいいのよっ
運転手:だから、よし子ちゃんの母らしく今朝の状況を
しずか:えーーー
先生:もしもしこじろー君!?
運転手:はい!!今・・・あ!!よし子ちゃんのお母さんだ!!
戻ってきた戻ってきたっ!!さぁさぁさぁ
しずか:・・え~~っ
先生:もしもし
しずか:・・・ハイ(裏返ってる)(ニコニコ)
先生:不謹慎じゃないですかこんな時に!!写真なんて後で見れば良いんです!!
今はとにかくお子さんの安全を考えてください!!
しずか:・・・ハイ(裏返ってる)(ニコニコ)
先生:もしもし?
しずか:・・・ハイ(裏返ってる)(ニコニコ)
先生:お気をおちつけて聞いてください。よし子ちゃんの具合が、変なんです。
しずか:・・・ハイ
先生:あのぉ・・
しずか:・・ハイ
先生:よし子ちゃんのお具合がおかしいんです!!分かります?
しずか:・・・ハイ
先生:「ハイじゃなくてぇ!!」
運転手:ハイだけじゃ駄目ですよ!!
刑事:ハイだけじゃ駄目だね
しずか:なんていえばいいのよっ
運転手、刑事:・・・・・「え~~~っ!!」とか
しずか:え?(嫌だ)
先生:聞いてます!?
しずか:!!ぁ、え~~~~っ!!
先生:・・・・遅いです。
しずか:・・・ハイ。
先生:お母さん反応が遅いです!!
しずか:・・・スイマセン
刑事:おっ(やっと違う単語だ)
運転手:その調子です!
しずか:うまかった?(うれしい)
運転手:サイコーです!!似てます!!
しずか:イェーイ
先生:もしもしぃ!!
しずか:はい!!はい!!・・すみません
運転手、刑事:おーー!!パチパチ
しずか:やめてよー、照れるじゃん
先生:あのぉ!!(イライライラ)
しずか:えっ、え~~~!!
先生:・・・やっと理解していただけました?非常時ですから、
パニックにおちいるのもわかります。
しずか:すいません。
刑事:おー!!
運転手:もーいいです。
先生:よし子ちゃん、今朝何か変わったところはありませんでした?
しずか:え?
先生:例えば、なにか熱っぽかったとか
しずか:え?え?え?熱?
運転手:熱?
刑事:あった。
しずか:あっありましたっ
先生:本当に?!
しずか:(やばいよって顔ですがる目で2人を見る)
刑事:・・・本当
しずか:本当です(真顔)
運転手:本当ですか!?(刑事に)
刑事(にこっ)
先生:じゃぁどうして遠足になんか?!
しずか:(やばっ)
先生:どうして熱があったのに遠足になんか行かせるんです!!
しずか:えっと・・・それは・・(2人をにらみつけつつ)
先生:どのくらいあったんですか!
しずか:あっ・・っとぉ(チラッ)
運転手、刑事:(見ないようにして忙しそう)
しずか:ちょっとっ!!
先生:ちょっとじゃわかりません!!
しずか:え?(もう嫌になった)
先生:ちょっとじゃ分かりません!!
しずか:ちょっとはちょっとだよっ微熱っ!!
先生:微熱でもっ
しずか:いや大丈夫かなっておもったから
先生:それならら事前にあたしに言ってもらえれば
しずか:だから大丈夫かなって思ったんだって(イライライラ)
先生:現に具合悪くしてます!!
しずか:だからなんなのよ!!(プチン)
先生:え?!
運転手:あのっちょっと
しずか:わかんないってっ!
先生:もしもし?
しずか:大丈夫かなと思ったから保育園行かしたんだってっ!!
あの子楽しみにしてたからさぁっ!
先生:親ならちゃんと我慢させてください!!
しずか:わかんないんだって!!
先生、刑事、運転手:え?
しずか:頑張ってるけど、わかんないんだって!!
先生:・・・あの・・・
しずか:馬鹿だからさぁこどもっ!!
先生:・・・え?
しずか:前もさぁっ!なんかいつもよりぼーっとしてんなぁと思って
「熱あんの?」ってきいたら無いって言うからさぁ
先生:あのっ
しずか:無いって言ってたんだよ!?無いって言うから保育園だしたらさぁ!!
玄関のとこで泣いててさぁ!!あたし気付いたの30分後でさぁ。
てっきり保育園着いたと思ってたのに
先生:・・・もしもし?
しずか:いわないんだもん
先生、刑事:?
しずか:熱あるとか、何で泣いてんのとか!馬鹿なんだもんっ!
あたしだって頑張ってんだけど・・ぜんぜんわかんなくてっ・・・・
病院つれてったら40度近い熱って言うし、
もうちょっとで肺炎なるとこだったって言うし。
先生:・・・あの・・・
しずか:あ。(やべ)と、とにかく、おっ親にだってわかんないことあんのよ!!ね!!
先生:もしもし!?ですから、あたしはそういうことを言ってるんじゃなくて・・
しずか:うっさい!!!!
先生、刑事、運転手:!!
しずか:あんた、さっきからうっさいよ。あんたがどうにかしないで、
誰がどうにかすんのよっ!
先生:何いってるんですか!あたしはどうにかしようとおもって、
しずか:頼むって!!
先生:!!
しずか:今、あの子になんかあったら、あたし一生後悔するから。
先生:・・・・あの・・・
しずか:おねがいします。
先生:え
しずか:あの子をよろしくおねがいします。
先生:・・・・・・はい!(キリっと、その後深呼吸)
・・・警察の方に代わってください
しずか:(差し出す)
刑事:(受け取る)今どこですか?
先生:中央インター近くのドライブインです。
刑事:都内全域のインターチェンジに網はらせています。
犯人がいずれかのインターチェンジを出た時点で暴走を止める作戦で行きます。
先生:はい
刑事:犯人からなにかありますか?
先生:いえ、まだ何も
刑事:そうですか。どうか犯人を刺激しないように。
運転手:(電話を奪う)さなえ先生!犯人は脱獄囚の可能性があります!!
刑事:(奪い返す)何言っているんだ!!今のは気にしないでください。事実関係がはっきりしてからお伝えします。

SEブ―――ブッブ――(クラクション)

先生:待ってください
刑事:え?
先生:なにかわかってるんでしたら言ってください
刑事:しかし・・あくまでも
先生:可能性の話でもけっこうです。事実関係がはっきりしてからでは
遅い事もあるかもしれません。
刑事:しかし・・
先生:この先連絡をとれるのは難しいとおもいます。
ですから、今おっしゃってください。

SEブ―――ブッブ――!!(クラクション)

先生:・・・罪は罪名はなんですか?
刑事:第一級殺人です

SEブ――――――!!!!!!(刑事の声かきけされる)

先生:(大ショック)(キリリッ)(ゆっくり受話器を置く)
(しっかりとした足取りでバスへむかう)

刑事無言で上へハケようとする。

運転手:刑事さん!!
刑事:(ふりむく)全力をつくします(敬礼)(ハケ)

運転手1人

運転手:・・・・ぼくは・・・

運転手ハケ


女(声):せぇのっさんはいっ

よし子を肩に女、まさよし登場。続いてゆみ、あき登場。

女:わっせわっせわっせわっせ
ゆみ、あき:がんばれっがんばれっがんばれっっ
ゆみ:よし子ちゃん気持ち悪い?
あき:大丈夫?
女:ちょっと、おねぇちゃん頑張ってバス遠足しすぎたね。
まさよし:よし子も調子のったからわるいんだ。
ゆみ:お熱ある?
女:お熱?どうかなぁ
ゆみ:はい(手を出す)
女:ん?
ゆみ:おでこさわればいいんだよ。
あき:あとねぇごちんこしてもいんだよ。
ゆみ:違うよごちんこはお熱はかるだけだもん!!
まさよし:じゃぁ手はぁ?
ゆみ:手こうやるとぉ
女:うん
ゆみ:なおるの
まさよし、あき:うそだぁ
ゆみ:治るよ!!
まさよし、あき:治りませーん!!
ゆみ:治りますぅ!!
女:なおるかなぁ
ゆみ:・・・たぶん
まさよし:なおんないんだ
ゆみ:治るよ!!うちのおねーちゃんやってくれたらなおったもん!!
あき:お薬とかねぇ、お注射とかねぇちゃんとしなきゃ駄目なんだよっ
ゆみ:駄目じゃないよっ
女:やってみよっか
ゆみ:うん!!・・・でもなぁ
女:どうしたの?
ゆみ:初めてだからなぁ・・・治るかなぁ
女:やってみよ
ゆみ:・・・(そ――っ)(ぴたっ)(真剣)
あき:なおった?
まさよし:よし子なおったか・・・・?
ゆみ:もうちょっとたったら治るとおもうよ。
まさよし、あき:ふーん
女:よかったね
まさよし、よし子、あき:・・・・・うん
女:それじゃ後ろの長いイスにねんねさそっか
まさよし、あき、ゆみ:ほーい!!
あき:あたしやりたい!!
ゆみ:あたしもやりたい!!
女:大丈夫?
まさよし、あき、ゆみ:大丈夫、大丈夫っ(4人ハケ)
ちゅうた(声):運転手さぁんこれは!?
女:え?

ちゅうた1人で園長抱えて登場

女:重かったでしょぉっ
ちゅうた:へいき~!!
園長:この歳で園児に抱えられるとは思わなかった
女:平気?
ちゅうた:平気~~(ぷるぷる)
園長:おい、落とすなよ
ちゅうた:どこにおく?
女:じゃぁそのへんにおいて
園長:物じゃないぞ。ちゅうた君。

まさよし、あき、ゆみ入り

まさよし、あき、ゆみ:あっ園長だ!!園長だ!!えんちょーだ!!(口々に)(叩いたり、ひっぱたり)
園長:いたたたたた
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):どこにおくぅ?
女:それじゃじゃまにならないとこ置いといて
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):はーいっ
園長:おい!!いい加減にしろよあんた!!何してんだかわかってんだろーな
あき:しゃべった
4人(まさよし、あき、ゆみ):しゃべったしゃべった、しゃべった(口々に)(たたいたりひっぱったり)
ちゅうた:どこにおくか決めてぇ!!(重い)
4人(まさよし、女、あき、ゆみ):置いてほしぃ?!
ちゅうた、園長:欲しいぃぃぃ!!
4人(まさよし、女、あき、ゆみ):どぉしよっかなぁあ
園長:きさまらぁ!!
4人(まさよし、女、あき、ゆみ):あ?なに?
園長:お願いします、おいてください。できれば座らせてください。
どこでも結構です。隅っこにポンと置いてやってください。
この屈辱はたえられません。
ちゅうた:落ちるー!!
園長:あ~~~!!
ちゅうた:うそ~~!!
園長:汗だくでうそつくな!!
女:じゃぁみんな手伝ってぇ!!
3人(まさよし、あき、ゆみ):はーい!!
女:あとよろしくねー(ハケ)

みんなで地面に置く、仰向け

ちゅうた:つかれた~
まさよし:どこおく?
あき:ここだめぇ!あたしの席(座る)
ゆみ:あたしの席!!(座る)
ちゅうた:俺の席!!(座る)
まさよし:僕の席!!(座る)
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):とーーーっぴ!

園長:どなたかわたしを置いて下さらんか
あき:ここだめぇ!!
ゆみ:ここだめぇ!!
ちゅうた:ここだめぇ!!
まさよし:ここだめぇ!!

全員にこにこ

園長:・・分かりました。皆さんのお席は取りません。
ですからどうか一つだけ椅子を分けていただきたいんですが
まさよし:じゃぁよし子の席に置くか!!
園長:あ、それはナイスアイディアです。
ちゅうた:賛成のひと!
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):はーい
ちゅうた:反対の人!
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):はーい
ちゅうた:どっちでもない人
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):はーい(にこにこ)

園長:皆さん難しく考えない事にしましょう。
あき:じゃぁよし子ちゃんのとこでいっか
3人(まさよし、ちゅうた、ゆみ):いっか!!
ゆみ:そうすっか
3人(まさよし、ちゅうた、ゆみ):すっか。

全員動き出す

ゆみ:おねがいしますは?
園長:お願いします
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):(蹴ってずらす)イェーイ
園長:できれば!!手で!!手で!!
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):もーしょうがないなぁ、さんはいっ、!!よいしょ、よいしょ

完成

4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):ジッ
園長:え?あっ・・・ありがとうございました。
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):どーいたしましてぇ、運転手さん、置いた~!!(ハケ)

曲。寂しい奴、笑える奴

園長:・・・1945年、日本は戦争に負けた。
祖父は、戦争から帰ってきてはじめて父を抱いた。
祖父は一面の焼け野原に家をたてた。
その家には子供達が集まった。知らないうちに名前がついた。
土田の子供達、ツチノコ保育所。
祖父が亡くなり、父が亡くなり、わたしがその家をつぐことになった。
私には責任がある。私には義務がある。
新しい明日を作る子供達を大事に育てる義務がある。
こんなことでツチノコの名を汚すわけにはいかんのだ!!
あと20!!あと20若ければぁ!!
こんな縄ごとき!!ぶちきってやるとゆーのに!!

ちゅうた登場

ちゅうた:えんちょ先生!えんちょせんせい!!
園長:!!お、ちゅうた君
ちゅうた:あの運転手ねぇ「かきくけこ」よりおもしろい
園長:子供に罪は無い
ちゅうた:「かきくけこ」は?
園長:「かきくけこ」?はて、なんのことやら
ちゅうた:「かきくけこ」はかきくけこが言えない人
園長:そういう風に言うもんじゃないぞぉ
ちゅうた:だって「かきくけこ」いえないもん
園長:子供に罪はない
ちゅうた:あ!!なんだこれぇ
園長:ちゅうた君にお願いがあるんだけど
ちゅうた:なに?なんだこれ
園長:出来ればこの縄を解いてくれないかなぁ
ちゅうた:やだ!!
園長:子供に罪はない、どーしてだぁ?
ちゅうた:だって新しいうんちゃんがダメって言った!!
園長:でもなぁ
ちゅうた:ねぇこれなぁに?
園長:ん?それはほら、非常トビラだよ。
ちゅうた:非常トビラ?
園長:そーだよ、危険な時、あけるんだよ
ちゅうた:ふ~ん。
園長:そんな事よりちゅうたくん
先生:お待たせしました。よし子ちゃんは?
女:後ろにねかせたよ
先生:分かりました。
ちゅうた:あ!先生だ!!
3人(まさよし、あき、ゆみ):せんせい!!せんせい!!
先生:園長っ
園長:面目ないっ。すまんが解いてもらえるか
先生:(チラッ)はぃっ(ほどきにかかる)
ちゅうた:おい、まさよし
まさよし:え――?
ちゅうた:危ない時は言えよ
まさよし:なんで?
ちゅうた:あきもゆみも危ない時は言えよ!!
あき、ゆみ:え?なんで??
女(マイク):良い子のみなさんーそれでは発車しま-す!!
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):はーい(スチャ
女(マイク):危ないですから、たって歩いたりしないでね
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):はーい!!はーい!!

SEブロロンブロロン

女(マイク):しゅっっぱつしんこー!!
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):おー!!

SEブ――ン

園長:無理かね
先生:はい。スイマセン
園長:よし子ちゃんの様子を見てきなさい
先生:はい(すっく)
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):あ!!
先生、園長:え?
4人(まさよし、ちゅうた、あき、ゆみ):立った!!
先生、園長:え?
ちゅうた:危険だぁ!!
3人(まさよし、あき、ゆみ):ちゅーーーたぁ!!!!
ちゅうた:おーう!!(非常扉へ)
3人(まさよし、あき、ゆみ):あぶなーい!!!!
先生、園長:え!?
ちゅうた:えいっ
園長:あっ

SEブォォォォン

園長:あ~~!!
先生:えんちょおおおぉぉぉぉ!!!

全員ハケ、運転手登場、舞台を歩き回る。
SEプルルルプルルルプルルル

運転手:あ・・ハィ!!ツチノコ保育園!!あっ!あきちゃんのお母さん!!
ごくろーさまです!!ハイ!!ありました?!そーですか!!
ハイ!!ハイ!!・・え?迷ってる?何でしょう?!
僕に力になれることがあれ・・・はい・・・・・・はい・・はぃ・・
「きぬめ」にするか「光沢」にするか・・・ですか・・・
じゃぁ・・あのお・・・きぬめにしましょう・・・。
光沢はべたべたしてますしね・・・ね。ケラチンがつくと思います
・・・はい・・・はい、いえ、こちらこそハイ、ごくろうさんです
・・はい失礼します。は――い(チン)

ぽつん。
刑事入り

刑事:犯人からでした?
運転手:あっ・・いえ
刑事:そうですか・・(しゃがむ)(うしろむき)
運転手:刑事さん
刑事:はい(しゃがんでる)
運転手:僕には電話番しかすることがないんでしょうか
刑事:・・・(しゃがんでる)
運転手:もとはといえばぼくがキチンとバスに乗れば。
刑事:・・・(しゃがんでる)
運転手:つくづく自分が情けないです!!
刑事:・・・(しゃがんでる)
運転手:刑事さん!!僕に何かできることは
刑事:ひも。
運転手:へ?
刑事:ひもありますか?
運転手:それは・・!!それはなにか作戦ですか?!
刑事:(すっく)不吉だ。
運転手:え?
刑事:靴ひもがきれました。
運転手:・・靴紐(がっくし)
刑事:ひもが切れると決まって家族に何かおこるんですよね。
運転手:とってきます(とぼとぼ)
刑事:弟になにかあったのかな。

まわりを確認してピポピポピポ

刑事:あーもしもしどーですか状況は・・・そうですか結論はまだでませんか。
犯人と脱獄囚が同一人物として当たったほうが良いでしょう。
死体はいくつも見ていますが、幼児の死体なんて、、、、

しずかに気付く

刑事:今はマスコミもさわぎませんがねぇ、それも高速に乗ってる間の話です。
現に市内を爆走する園バスがあったって通報もきてるんですからっ
とにかく早めの決断をおねがいしますよ。それじゃぁ
しずか:こういうことってよくあんの?
刑事:すいません、我々の力不足です。
しずか:よくあんの?
刑事:園バスジャックなんて聞いた事もありませんね。
しずか:いや・・・脱獄
刑事:・・・昔は結構ありました。最近はなかったですね。
しずか:・・・・
刑事:まぁ、だいたい早くて半日、おそくても三日目には捕まるもんです。
日本の警察は優秀ですから。
しずか:・・・今日で何日目
刑事:・・・三日目です
しずか:・・そう
刑事:全力をつくします。
しずか:その人だれ殺したの
刑事:・・それは申し上げられません
しずか:幼児だったりして
刑事:(ぴしっ)・・・(ゆっくり見る。目が合う)

運転手登場

運転手:刑事さん白バイつきました!あと、靴ひもなんですけど沢山あって、
ピンクとか紫とか、あとちょっと茶色がかった青緑とか・・・

刑事無言でハケ

運転手:紫がお勧め・・あの・・・どうかしたんすか?
しずか:知らない。
運転手:ゆみちゃんのおねぇさん、少し休んだらどうでしょう。
しずか:そんな気分じゃないから。
運転手:でもゆみちゃんのおねぇさん、
しずか:しずか
運転手:え?
しずか:桜井しずか。いいづらくない?その呼び方。
運転手:あ、松の浦こじろうです。すいません自己紹介おくれちゃって
しずか:あんたさぁ
運転手:はい?
しずか:すいませんすいませんうるさいよ。
運転手:あ・・・すいません
しずか:なめてんの
運転手:そんなつもりじゃ
しずか:もちっとぴしっとしなさいよ。泣きたいのこっちなんだから。
運転手:・・・はい。
しずか:どー考えてもあんたのほうが年上なんだからね
運転手:・・・はい
しずか:だからつまりあたしのほうが年下なのよ、ね
運転手:わかります。しっかりしてますね。
しずか:だから敬語使うのやめてくんない?
運転手:はい
しずか:なぐるよ
運転手:すいません。
しずか:もういいわ。
運転手:あの!歳はなれてますよね。ゆみちゃんと。
しずか:うん。

沈黙

しずか:終わりなの?!今ので会話終わりなの?!満足なの?!
運転手:いや!あの離れてるなぁと思って!
しずか:(まったく)・・・うちさぁいろいろあって親外国住んでっから
運転手:外国!?
しずか:うん。
運転手:そっかぁ外国かぁ。すごいなぁ。
しずか:・・・まさかまた満足したんじゃないよね
運転手:え?なにがですか?
しずか:外国にいて、妹とは歳はなれてんだよ。かなり。
運転手:はぃ。そーですね。
しずか:いろいろあったんだよ。
運転手:はぃ、いろいろあったんすよねぇ
しずか:うん。
運転手:え?なにか聞いた方がいいですか?
しずか:フツー聞きたくなんない?
運転手:え?フツー?
しずか:どんなのことがあったのかとかさ、聞くじゃんフツー。
運転手:あっ「フツー」ってフツーですね、あ~~~
しずか:そっ、フツー
運転手:・・・なりません。
しずか:・・・え。
運転手:いろいろあったんだなぁと思いますけど。
しずか:・・・。
運転手:変ですかねぇ。だってほらいろいろ沢山あったってことはなんつーかそのぉ、
沢山さまざまな事件を過去に経験したってことですよねぇ。
しずか:・・・・・・そうですけど。
運転手:いいことも悪い事も。
しずか:・・・・・そー
運転手:「いろいろあった」って言うときは悪い時があったって意味合いが強いですよねぇ
しずか:・・・うん
運転手:思い出したくないですよねぇ「悪い事」は。
しずか:・・・・そだね
運転手:それでも「悪い事」は思い出しちゃんもんですよねぇ
しずか:うん
運転手:ただでさえ、思い出しちゃう「悪いこと」を、口に出したら、
余計思い出しちゃいませんか、思い出したくないのに。
しずか:・・・うん
運転手:聞きたくなりません
しずか:・・・・
運転手:聞きたくなりませんよ。そういう言葉は。
しずか:・・・そっか
運転手:あっ!
しずか:え゛?(ビックリ)
運転手:もし言っちゃいたいなら言ってください!!僕でよければっ
はいどーぞ!!さんっはい
しずか:あのね~~っ!
運転手:え?
しずか:・・・いんだ(ニコニコ)
運転手:そーすか。よかった。・・は!!ちっともよくないですよ!!
しずか:え
運転手:園バス!!どこにいっちまったんだぁ!!・・しずかさん!!
しずか:ん?
運転手:僕はどーすりゃいんすかねぇ。

曲きっかけで、両サイハケと同時に一徹、義男登場。(ちょい後ろめ)

一徹:南っつったよなぁ!!
義男:こっから一番近い高速は北インターです!!
一徹:ここ走ってりゃ間違いねぇか!!
義男:間違いありません!!
一徹:信じて良いのか!!??
義男:信じてください!!
一徹:信じていいのかぁ!!?
義男:信じてください!!
一徹:信じていいのかぁ?!!
義男:信じてください!!
一徹:(なぐる)

曲切れ

一徹:高速ってのは車が高速で走るから高速なんじゃねぇのか・・・。
義男:仕方ないじゃないですか、渋滞なんですから!!
一徹:コレなら歩いたほうがはえぇだろ!!
義男:僕のせいじゃありませんよ!!
一徹:ちくしょぉ・・ぴくりともしねぇ、おめぇの所のかぁちゃんには抜かれるしよぉ
高速はちっとも高速じゃねぇし。だいたいこれはパトカーでおれは一徹だぞ。
(窓から)ふざけんなぁぁ!!おれは一徹、息子はちゅうただぁ!!
義男:止めてくださいよ恥ずかしい!
一徹:なぁっおれ間違ってるか!!なぁ!!(泣く)
義男:泣かないで下さい。
一徹:ったくよ・・・これじゃ何しにきたのかわかんねーよなぁ・・・(のび)
義男:あっ動きました!!
一徹:なに!!よし!!いっくぜぇ!!待ってろぉぉ!!ちゅうたぁああ!!

二歩

義男:・・・とまりましたね
一徹:・・・ガチャ・・・バタン
義男:一徹さん?
一徹:お前なんか高速じゃねぇ!!(じたんだ)(地面にキック)
ちきしょう!!ちきしょう!!
義男:ガチャばたん。一徹さんおちついてくださいよ!!
一徹:ちゅうたぁ・・・どこいっちまったんだぁ・・。
この渋滞の向こうにちゅうたがいるんだなぁ。
あいつなにしてっかなぁ。かぁちゃんに逃げられて親父はこんなでよぉ・・・。
苦労ばっかりかけちまって・・・何してっかなぁ。
義男:・・・はい。
一徹:かくれんぼかなぁ、おにごっこかなぁ
義男:え?
一徹:何して遊んでんのかなぁ
義男:遊んでるんですか?泣いているんじゃ
一徹:あいつはそんなタマじゃねぇ、俺に似て逆境につよいんだ。
義男:あ、そーですか
一徹:かわいいぞぉ。このへんとか、あと、、、このへんとか、
チャームポイントってやつがいたるところにちりばめられていてなぁ。
おめぇんとこのかわいくねえなぁ。
義男:失礼な事言わないで下さい!!2人ともかわいいですよっ!!
一徹:・・・・モメてんのか。
義男:え
一徹:嫁さんと。
義男:関係ないじゃなですか
一徹:仲良くしろよ、せっかく一緒にいるんだからよ。
義男:一緒にいるせいで嫌になる事もあります。
一徹:そっかぁ?贅沢な話だなぁ。
義男:・・・かも知れませんけど。
一徹:嫁さん、かなりストレスたまってんな。
義男:分かりますか!
一徹:末期だなぁ、ありゃ
義男:末期ですかぁ。
一徹:末期だ、間違いねえ、今度なぁ嫁さんのハンドバック探ってみろ。
義男:え?なんで
一徹:印鑑とペラペラの紙あっから。
義男:え
一徹:2つのはんこ押す欄があって1つはすでにおされてる。
義男:え
一徹:1番上に離れるという字と結婚の婚という字と届けという字が
仲睦まじく並んでて・・・な・・・。
義男:・・・・・・
一徹:末期だな(ぼそっ)
義男:想像でしゃべるのやめてください!!
一徹:ジョーダン、冗談
義男:今は子供達のことを考えないと
一徹:でもこの渋滞だぞ。どうしようもねぇ
義男:バスも渋滞はまってると思いますよ。
一徹:なるほど、お前頭いいな。
義男:でも、そこまでいけなきゃ意味ありませんよ。
一徹:降りて走るか
義男:走っても追いつきませんよ。
一徹:わかってんだよ。
義男:どのへんにいるんでしょうねぇ、バス。
さっき中央インター越えて結構来ましたから、そろそろ追いつくかなぁ
とおもったらこの渋滞ですもんねぇ。
一徹:空いてりゃよけるんだがなぁ庶民も。
義男:混んでりゃよけれませんね
一徹:こちとらパトカーでだぞ!!
義男:関係ないですよ。渋滞には
一徹:やっぱ走るか
義男:追いつきませんて、走っても
一徹:だからわかってんだよっあ~イラつくっ走るか!!
義男:しつこいですねぇ一徹さん
一徹:なんか言ってねぇとイラつくんだよ
義男:他の話題にしましょう
一徹:歩くか?なぁ
義男:同じです。歩くのは馬鹿げてます。
一徹:だよなぁ、馬鹿だよなぁ
義男:疲れますし、追いついたところでアッチが渋滞抜けたらおしまいです。
バカです。
一徹:バカだよなぁ、あ、走ってる。

園長ロープをたすきがけにして走ってくる。マラソンチックに。休憩。ハァハァ

義男:いるもんですねぇあぁいう人。
一徹:うんバカだな、頑張れよ。
義男:動き出しましたよ。
一徹:ほんとだ・・ん?
義男:どうしたんですか?
一徹:なんか見覚えがあったなぁと思ってよ
義男:早くしましょう
一徹:おう

一徹、義男ハケ。
瞳、響子入場

響子:40!?・・・35?!30~!?20!!
30!!25!!28~~?!26!!27~~?!
26と30! 26と30!?26と30!!
瞳:26と30でお願いします。
響子:26と30!!遅れんなよ!顔おぼえてっからな
瞳:(コソコソ)すみません、あの人ちょっとあの~ごにょごにょなもので。
スイマセン無理言っちゃってあの、でも出来るだけ急いで下さいねお願いしまーす
響子:あと24分と56秒でーす!!
瞳:奥さん!!ほんとお気になさらないで下さい
響子:50びょ~
瞳:奥さん!!あの人ちょっとごにょごにょなものでですから
響子:タイムアーップ!!
瞳:奥さん、嘘つくのやめてください!!
響子:・・(しゅん)
瞳:あ、(しまった)あのこっちは私がなんとかしますから。
結構です。平気ですから。え?とんでもない110番だなんて!
どーぞお仕事お続けになってください。(ぺこ)

色ピンで響子抜き、瞳抜き

瞳:・・やんなっちゃうわ。(つかれきって)
あたしもヒステリーもちってよく言われるけど、この人のは尋常じゃないわ。
よっぽどあたしが110番お願いしようと思ったわよ。違うわね、この人の場合は119番よね。

瞳:あの~奥さん?(笑顔)
響子:はぁ

ピン。ピン

瞳:ため息ついたわ、恐いわあの人何しでかすか分かんないわ。
響子:はい?
瞳:うつろだわ、目がうつろだわ
響子:そーですかやっぱり。
瞳:自覚症状ありだわ、危険だわ
響子:すみません
瞳:罪の意識もあるわ
響子:わかってるんです。
瞳:話に脈絡がないわ
響子:すいません
瞳:またあやまった(くさっこわっ)
響子:ご迷惑かけちゃって 
瞳:・・・・・聞こえてるわ、ベタベタだわ
響子:すいませんっ
瞳:あ~あの、そういう意味で言ったわけじゃないんですよ!
どーゆー意味かっていうとぉー(にこ)
響子:いんです!!そやってはっきりいってくれたほうが話しやすいし!
瞳:・・・奥さんちょっと疲れてるみたいね。
響子:よくないことばかり続いちゃって。
瞳:・・よくないこと
響子:・・ずっとです。
瞳:・・・ずっとってどのくらい?
響子:もうず―――っとです。
瞳:・・・・
響子:なんで結婚しちゃったんだろ
瞳:・・奥さん
響子:すみませんさっきから変なことばっかっ(にこにこ)
瞳:あんまり無理するとよくないですよ。
響子:・・・・。
瞳:あたしも凄く悩んでいたんです。でも、案外簡単で。
響子:あの
瞳:難しいとは思いましたけど。1人で育てるのは。
でもこのままずっと悩んで生きていくのはもったいないなぁと思って。
響子:・・・・
瞳:助けてくれる人はいくらでもいますから。
響子:・・・・
瞳:簡単ですよ。
響子:え?
瞳:ペラッペラだし。ハンコとペンだけだし。一生懸命に悩んだ自分が
おばかに見えるくらい簡単でしたよ。
笑えましたもん。役所の人、届け受けとってなんて言ったと思います?
響子:・・さぁ
瞳:「ごくろーさまです。」
響子:・・・
瞳:本当ならパンチしてやってもいいくらいですけど、
なんかその時は大笑いしちゃいました。
響子:・・今は
瞳:ええ。
響子:今は幸せですか?
瞳: ・・・・多分。
響子:・・・・
瞳:こうやって元気にいきてくしかありませんから。
響子:・・・そうですか・・・
瞳:見張られてますからね
響子:え?
瞳:あきに。
響子:!!
瞳:1人になってよかったことは、
あきが前よりも沢山しゃべるようになった事です。
響子:・・・・
瞳:もっとおしゃべりになってほしいと思うんです。
響子:・・・あたしは・・・
瞳:無理しないほうがいいですよ。
・・・ほんのちょっとした事からわがままになれば良いとおもいます。
響子:・・・わがまま・・ですか?
瞳:ちょっとしたことからです。
響子:・・・かもしれませんね
瞳:そーですよ。
響子:そーですか。
瞳:はい
響子:・・・・・・・今は子供達の事を考えなきゃダメですね。
瞳:はい
響子:ありがとうございました。なんか元気でてきました。あたし!
瞳:はい
響子:わがままになります
瞳:え?おくさん?
響子:あと5分で現像しねぇとぉ!!!
ガソリンまいて火ぃつけるぞぉ!!(ダッシュ)(ハケ)
瞳:そういう意味じゃありません!!(追う)

曲ロッキー
園長 走り入り(曲にあわせてゆっくり)。

園長:アトランタ!!バロセロナ!!ソウル!
ロサンゼルス、モスクワ、ミュウヘン、メキシコ・・東京!!
1964年東京オリンピック!!
当時19歳だった私の夢はオリンピックにでることだった。
42.195キロをみごと走りぬき金メダルを手に勇んで街を闊歩したかった!
53歳となった今!!
いまはただあの子達をっあの子たちを取り戻す手段をさがしつつっ!!
私は走る!!老体に鞭打ちっ車の窓から後ろ指さされようと!!
今はただっ!わたしは1人!ひた走る!!(ハケ)

曲あがり、あき、ゆみ、まさよし、ちゅうた入り。
まさよし、ちゅうたはボクシングごっこ
スローモーションボクシング。ダブルノックアウト
SE しょぼいカーン

あき:先に立った方が勝ちぃ(2人立ち上がり崩れおち)
まさよし、ちゅうた:えいどりあーん!!ハッ!!
ちゅうた:ロッキーはおれだぞ!!
まさよし:おまえはアポロだろぉ
ゆみ:あたしエイドリマン
あき:ずるーい。あたしだよエイドリマン。
ちゅうた:マンじゃないぞ、アンだぞ。
まさよし:マンだよっ
あき、ちゅうた:ねーっ
ちゅうた:そうかな、へんだなぁ
まさよし:アポロはドラコにやられたんだよ。
ちゅうた:え?そーだっけ
まさよし:うん。ケンシロウはユリアが好きなんだよ
あき:物知りぃ
ちゅうた:え?けん
まさよし:そんでぇドンっ、は松五郎だよ
ちゅうた:え??待って、ついていってないおれ
まさよし:とにかく、おれがロッキーだよ
ちゅうた:ふーんあれ?っかしいなぁじゃぁアポロ?おれ
ゆみ、あき:チョコみたーい。
ちゅうた:おれ?え?わかんない
まさよし、ゆみ、あき:エイドリマーン!!
ちゅうた:え?い、いぇーい(とりあえずのる)いや、違うだろ。
あき:ねぇねぇなんでバスとまってんの。
ゆみ:しらなーい
ちゅうた:あ、話題変わった。
まさよし:渋滞だな。
あき、ゆみ:渋滞?
ちゅうた:ねぇちゃんとはなそう、ちゃんと
まさよし:渋滞は車が並ぶ事です。
あき:まさよし君てさぁ、すごくさぁ、ものしりだよねぇ。
よし子ちゃんはさぁそんなに物知りじゃないよねぇ。
ゆみ:そ~だよねぇ
まさよし:よし子も物知りだぞ
あき:そんなこと無いよ。まさよし君の方がよし子ちゃんよりも物知りだよ。
まさよし:よし子も同じだけ物知りだよ。
あき:違うよ、もっと言えばあたしのほうがよし子ちゃんよりも物知りだよねぇ
ゆみ:そうだよねー。
まさよし:よし子も物知りだぞ!!妹をバカにしたら怒るんだからな!!
ゆみ、あき:あ(怒った)
ちゅうた:やっぱさぁドラコは北斗の拳でさぁ。
それにケンシロウはユリアが好きだけどドンと松五郎はあまり関係ないよ

3人、きまずい間

ちゅうた:自信なくなってきた。ちょっとまって、考える(悩む)
まさよし:ばぁか!!(上に帰る)
あき、ゆみ:え?
ゆみ:謝った方がいいよ。
あき:・・・
ちゅうた:おれ?ばか?
あき:・・うん
ちゅうた:おれ?
ゆみ:言い過ぎだったかもね
あき:うん。
ちゅうた:そんな事いったってこーゆーことははっきりさせないと。
ゆみ:一緒にごめんしよ?
ちゅうた:なんで?
あき:(泣く)
ちゅうた:あっ泣いた。うわっ
ゆみ:ちゅうた君はだまっててよ!
ちゅうた:え?
ゆみ:一回あっちいこ?ね?
あき:(コクッ)
ちゅうた:え?
ゆみ:いこっ(2人ハケ)
ちゅうた:・・・なんかヒーローみたいで変だよ、エイドリマンは。
あんま強くなさそうだし。

先生登場

先生:ちゅうたくんどうしたの?
ちゅうた:え?あ、いや、人生上手くいかねぇなぁと思って
先生:泣いてたよあきちゃん
ちゅうた:うん、しってる
先生:まさよし君は?
ちゅうた:よし子んとこ、ほら
先生:まさよし君っ

無反応

ちゅうた:なんか怒ってんだもん、あいつ
先生:どして?
ちゅうた:もぉさっぱりわかんない。
先生:二卵性とか言ってない?
ちゅうた:いってないいってない。あいつはロッキーらしいから。
先生:そっか。
ちゅうた:さなえ先生元気ない!?
先生:え?
ちゅうた:まだつかないの?
先生:え、うん
ちゅうた:なんでバス止まってるの?
先生:ちょっと道が混んでてね
ちゅうた:今何時?
先生:今・・11時

曲じわり

ちゅうた:おなか減った
先生:そっかぁ
ちゅうた:先生もおなかへって元気ない?!
先生:うん
ちゅうた:食べる?
先生:え?
ちゅうた:父ちゃんがおにぎりくれた
先生:・・・・
ちゅうた:5個。1個あげるか?
先生:まだ先生おなか減らないから。
ちゅうた:あとでいる?
先生:え
ちゅうた:とっとくほうが良い?
先生:あのね
ちゅうた:あっ!!
先生:?
ちゅうた:梅干きらい?
先生:え?
ちゅうた:きらい?
先生:・・好きだよ。
ちゅうた:すき?ほんとに?全部梅干だよ。
先生:うん。大好きだよ。
ちゅうた:どのくらい好き?
先生:え?
ちゅうた:このくらい?
先生:・・・・
ちゅうた:このくらい?
先生:もっと
ちゅうた:バスくらい?
先生:バスなんかよりずっと。
ちゅうた:バスなんかより?!
先生:バスなんかより。
ちゅうた:すげぇー。
先生:どんなものよりも。すごく好きだよ。
だから心配しないで、先生にまかせてね。
ちゅうた:うん!
先生:(立ち上がり)(運転席へむかう)
ちゅうた:梅干は先生に任せればよしっと。ん?!

曲上がり暗
曲下がりピンで女

女:・・・何年ですか・・・そんなに。
・・・そのあいだ娘には会えますか。
あたしがいてあげないと。あの子は・・・・わかってます。
・・・すみません。その通りです。おっしゃる通りです。
言うとおりにします。それが最善の処置だとおっしゃるなら。
本当ですね。・・・・・わかりました。
手紙は?あの子ひらがななら30個ぐらい読めますから。
ありがとうございます。はい。よろしくおねがいします。

女、深々と礼
曲上がり、色サガリ

刑事:渋滞にはまってるわけですか、わかりました。
運転手:ほんとにやるんですか?
しずか:やるよ。まかしといて。
刑事:それじゃあ手配をお願いします。
運転手:やっぱりやめましょう。
しずか:じゃぁあんたてぐすね引いて待ってんの。
運転手:でもぉ
刑事:園児5人と大人2人安全を確かめないことには話が進まんでしょう。
しずか:いいから言ったとおりにしなさいよ。
運転手:でもぉ・・・
刑事:要求が一向にこない以上、私もここに陣取る必要はないですな。
しずか:まかしときなさいって。
運転手:よくないですよ。
しずか:貸して下さいっていうの?
刑事:南インターから降りると踏んでいいでしょう。私もそっちに向かいます。
しずか:ヤバイ
運転手:え
しずか:白バイ使うきだ
刑事:他のものをよこしてください、お願いします
運転手:ここは警察に任せましょう
しずか:あんたでしょ、何かしなきゃ気がすまないの。
運転手:でもぉ
刑事:バスの運転手もいますし親御さんたちもじきに戻りますから。
とにかく私を動かしてくださいよっ
しずか:早くはじめて
運転手:でも電話中
しずか:かまいやしないって、
刑事:もう、じっとしてられません、わたしは白バイで向かいますから。
しずか:早くっ
運転手:は・・はいっ ズイズイ
刑事:それじゃ(ガチャ)
運転手:(くるっ)
しずか:なに戻ってきてんのよ
運転手:電話終わっちゃし。
しずか:それでいいんじゃないのっ
運転手:あ、そうか。
刑事:スイマセンが留守をお願いしてもよろしいですか?
運転手:え、はいっわかりました!
しずか:バカっ
運転手:でも、
刑事:要求が来ない以上、ここにいても仕方ありません。他の者がすぐにきます。
しずか:でもっでもっあの~写真は?
刑事:わたしは途中で受け取るという事にします。電話持ってますよね、あの人
運転手:はい!
刑事:番号わかりますか?
運転手:わかりますっあの、電話の横に父母の連絡網が!
刑事:どうも(ハケ)
しずか:何むちゃくちゃ協力してんのよっ
運転手:こういうのはやっぱり警察にまかせたほうが
しずか:あんたが気を引いて、あたがバイクのカギ盗んで
運転手:ダメですよ、盗みなんて。
ゆあね:あたしだってみたもん、左ポッケにいれたの。
運転手:僕らがいったってなんにもならないですよ。
しずか:あの刑事がいったって、なんにもならないわよあたしがちゃんと運転してあげるから。
運転手:ナナハンですよ。
しずか:いいのよ、ナナハンでもオバハンでもっ
運転手:オバハン関係ないですよ
しずか:わかってのよっ!いい?!ちゃんと気引いてよ。
運転手:でも・・・・
刑事:ありました。ちょっと失礼してピポパポピポパポ
しずか:ほらっ(ドン)
運転手:え~~
刑事:あ、もしもし、土田です。
運転手:・・・・・(できないよ~ぶ~)
刑事:後どのくらいで写真あがりますか
しずか:頑張れ~
運転手:・・・・
刑事:5分?ずいぶんと早いですね、どうしてまた。
しずか:あっ前田敦子だ!!
刑事:(じいっ)・・・。なるほど、それはお手柄でした(無視)
運転手:(だだだ)やっぱできませんて
しずか:もっとちゃんと気引きなさいよっ!ほらっ
刑事:そこの住所ってわかりますか。ええ、お願いします。
運転手:・・・・「前田敦子です。」
刑事:・・・・・あ、わかりました?ハイどうぞ。
しずか:物まねしてどうすんのよ!!
運転手:気が引けるかなーって
しずか:真面目にやりなさいよ。
刑事:それじゃ5分ほどで向かいますからぴったりですね
しずか:ほらっっ
刑事:よろしくお願いします。はい、全力を尽くします(チン)
運転手:良い天気ですねぇ刑事さん
刑事:曇ってますよ。
運転手:(泣きそうな顔)
しずか:(伸ばして伸ばして)
運転手:ステキなネクタイですね。
刑事:3本三千円でした。ラルズで
運転手:(泣く)
しずか:(のばしてのばして)
運転手:今度一緒にお食事でもどうですか?
刑事:嫌です。
しずか:(チャーンス!!)
刑事!!ガシッッグィッ。曲。
運転手、しずか:あっ
刑事:・・・何の真似ですか?
しずか:・・・・
運転手:すいません!!
刑事:あなた方親子さんお気持ちはよく分かります。しかし。
運転手:すいません!僕がそのっそそのかしたっていうか。
刑事:我々も全力を尽くしたいんです。
運転手、しずか:!!・・・
刑事:犯人を追うのは我々警察の仕事です。素人さんに余計なことされると
捜査に支障をきたします。
運転手:すいませんっほらっ、しずかちゃんもあやまってっっ
刑事:今後一切、余計な真似はしないでいただきたい。
しずか:放してよ。
刑事:約束してくれますか。
しずか:・・・・
刑事:今後一切余計なマネはしないでください。
運転手:・・・刑事さん
刑事:なめてもらっちゃ困ります。私は物をすられるほどまぬけじゃない。
パトカー盗んだ2人も後々それなりの処分があるでしょう。
あなたも処分をうけたいですか
しずか: 放してよ
刑事:約束してくれますか
運転手:・・・ぼくらは
刑事:え
運転手:僕らは何をしてりゃいんでしょう。
刑事:・・待っていてください。
運転手:刑事さんさっき言いましたよね
刑事:え
運転手:ここにはいても仕方ないんですよね、
刑事:・・・・
運転手:待ってても仕方ないんですよね。
刑事・・・そういう意味では
運転手:僕はここにきて日が浅いですけど・・・あの子達や先生や園長先生が心配です。
刑事:・・・
運転手:待ってるだけじゃつらいんです。
刑事:ですが・・・
運転手:他に何か出来る事があればとっくにやってます。・・・刑事さん
刑事:はい
運転手:バイク貸してください。
刑事、しずか:え
運転手:警察にはいくらでもあるじゃないですか。
刑事:・・・それはできません。
運転手:おねがいします。
刑事:ダメです。
運転手:お願いします。
刑事:はっきり言って迷惑です。
しずか・運転手:!!!!

曲切れ

刑事:今後一切余計な真似をしないでください。2人とも。待っていてください。
運転手:約束できません。
刑事:・・
運転手:手を放してあげてください。
刑事:約束・・・(しないと)
運転手:はなせ。
刑事、しずか:!!!
運転手:放さないと
刑事:・・・放さないと、
運転手:ぶんなぐりますよ


刑事放す

刑事:・・・・あなた達はここで待っていて下さい。

運転手(つかつかつか)(上出口をふさぐ)
刑事:・・何のつもりです。
運転手:別に
刑事:公務執行妨害ですよ。
運転手:白バイのカギを渡してください。
刑事:貸せません
運転手:借ります。
刑事:何?
運転手:借ります
しずか: ちょっとっ!もーいいよ。
運転手:よくありません。
刑事:話し合っても無駄です。行きます。
運転手:どうぞ。

2人同時に同じ速度で歩き交差する。
2人止まる。

刑事:松の浦さん・・・あなたは、たちが悪いな
運転手:すみません
刑事:そのかわりあとは責任もちませんよ
運転手:ありがとうございます。
刑事:おきをつけて(ハケ)
運転手:はい。
しずか:・・・あの・・・
運転手(にこ)僕が運転しますから。

じわじわと曲

しずか:え?待ってよどういこと?
運転手:やっちまった
しずか:え?何?わかんない
運転手(ごそごそ)(カギを出す)
しずか:!!かぎっ
運転手:はい。
しずか:え?!じゃぁ
運転手:お恥ずかしい
しずか:すったの?!
運転手:行きましょうっ
しずか:あんたいったい(なにもん?)
運転手:いろいろあったんです(ニコニコ)
しずか:え
運転手:すんません(ダッシュ)
しずか:ちょっっとおおおおぉ!!(ダッシュ)

曲上がり

一徹、義男:よっしゃああああ!!
義男:スムーズに流れ出しましたね!
一徹:これでこそ高速だぁ!!
義男:あ!あのひと!!
一徹:ん?!

園長→ハケ

義男、一徹:あ!!
一徹:あいつやっぱあいつだ!!
義男:園長ですか?!
一徹:縛られてたぞ
義男:よびますか?!
一徹:いま20キロしかでてねぇからチャンスだ!!
義男:ちょっとあなたぁ!!少し頑張ってください!!
一徹:おっきたきた!
園長:ああ!!お父さん達じゃないですか!!
義男:どうしたんです一体!?
園長:話せば長くなりますが・・
一徹:あっ前あいた。えい
園長:あ―――まってくださー・・・・(ハケ)
義男:ちょっと待ってあげたらどうです?!
一徹:ばかやろうぉそれが渋滞を起こす原因なんだよぉ。あ、止まった。
義男:がんばれぇ~~~!!
一徹:来た来た。
園長:ハァはぁ、出来れば・・・乗せてくれませんか?
義男:はぃっ、後ろどうぞ
園長:スイマセン・・・(手かける)
一徹:前あいた。
園長、義男:え?
園長:あ~~ちょっとちょっとぉ!!(後ずさり。たったった)
義男:止まりませんか?!
一徹:おれだけ勝手な行動はできねぇ!
園長:あ~~!!(たたたたた)
一徹:おっ30キロ!早く乗れ!!
園長:待って、待って!!(だだだだ)
義男:一徹さん!!
一徹:60キロ!!ほらえんちょー!!
園長:あ~~~!!(ズダダダダダダ!!)
一徹:120キロ!!
園長:ムリムリ!!ムリムリムリ!!
一徹:くっそぉ
義男、園長:え?
一徹:渋滞だ
園長:あ~~!!(今度は前に)
義男:120キロで人間が走っていきます。
一徹:まだ走ってる
義男:凄いですね
一徹:あ
義男:・・消えた
一徹:あれが慣性の法則って奴だな。
義男:はい
一徹:おまえもやる?
義男:けっこうです。
一徹:あ、動いた。
義男:行きましょう!!
一徹:おおう!!ん?

ブォーーン
しずか、運転手が通り抜ける。

一徹:今なんか通ったか?
義男:さぁ

一徹、義男ハケ。
しずか、運転手が登場。

しずか:うわ~~!!
運転手:捕まってろよ
しずか:・・人格変わった気がすんだけど
運転手:そーか
しずか:目ぇ恐いよっ!人食べそうだよ。
運転手:もう乗らねぇことにしてたんだけど・・・
しずか:え?
運転手:単車
しずか:あんた・・・・もしかして・・
運転手:ああ?!
しずか:なんでもないです。

園長登場。

園長:とまらーん
しずか:あ!!
運転手:おっさんはえーなっ
園長:こじろうくん!
しずか:えんちょー!?いま140キロだよ!?
園長:スピードアップしてる~!!
運転手:単車乗っちまいましたっ
園長:特別に今日はゆるす!
運転手:うっす!!
しずか:ちゃんと前見てよ!!あ!!ぶつかる!!
運転手、園長:よ!!(バイクよける)(園長飛ぶ)
しずか:ちょっと!?
園長:人間その気になれば出来るもんだ
運転手:はい!!
しずか:あっ!!あれ!!もしかして!!
園長:園バスだぁ!!しかしスピードが落ちてきた
運転手:えんちょースピードアップ!!
園長:え?
しずか:はいっ(ガッ)
運転手、しずか:パーターッチ!!
園長:すんな~~!!

3人ハケ

暗と曲あがり、曲突然切れサス抜き
サスの中先生が女の首にカッターをあてている。

女:・・・・
先生:・・・バスを止めなさい。
女:・・・
先生:私は本気です。子供たちを下ろしなさい。
女:・・・・・今100キロ以上でてんだよ
先生:わかっています。
女:とめなかったらどうするつもり。
先生:・・・(おしあてる)
女:事故起こしたら子供達もケガするよ。
先生:事故はおこしません絶対に。
女:あたし倒れたら(どーすんの)
先生:私が運転します。
女:・・・免許あんの
先生:あなたにできて、私に出来ないわけがないでしょう。
女:・・・病人ものってんのよ
先生:だから、バスをとめて、子供達を降ろしてください
女:・・・
先生:人質は1人だけでも良いはずです。
女:だめ
先生:え
女:沢山じゃなきゃだめなの
先生:・・・・何がしたいんですか。
女:あと20分
先生:え
女:あと20分しかないんだから
先生:いいかげんにしなさい!!
女:・・!! 

先生:どういうつもりか知りませんけどね!!
これ以上子供達を危険な目に合わせるのは止めてください!
女:・・・・・
先生:今日はとてもうれしそうだったんです
女:え
先生:いつもよりとてもうれしそうでした。
女:・・なにを
先生:あきちゃんはお父さんがいません。ちゅうたくんにはお母さんがいません。
まさよし君とよし子ちゃんのとこは共働きです。
ゆみちゃんはお姉さんと2人暮らしです。
女:・・・だから?
先生:・・園バスで毎朝迎えに行きます。みんなちゃんとお迎え場所にいます。
・・・きちんとそこにしっかり立ってます。
雪の日も、しっかりそこに立ってます。
「寒かった?」って聞いても「寒くないよ」って。
・・お母さんが、お父さんが、おねえちゃんが、
ちゃんとマフラーしてくれたって。だから、「寒くないよ」って。
女:あんた、何言ってんの?
先生:1人きりでいるんです。でも・・・・「ちゃんとほんとはいるんだよ」
って、確認するように、「だから寒くないよ」っていうんです。
女:あのさぁ・・・
先生:今日が初めてです
女:え
先生:入園式以来始めてのお見送りでした。
女:・・・
先生:みんなとてもうれしそうでした。みんなとても誇らしげで
ちゃんとホントはいるんだよって「アレがお母さんだ」って
「アレがお父さんだ」って「あれがお姉ちゃんだ」って
女:・・・そう
先生:この保育園にはそんな子達が集まったんです。
みんなお迎えを楽しみにしています。
遠足よりも、お弁当や、マフラーやお見送りやお迎えが
あの子達にはうれしいんです。
女:・・・
先生:お願いします
女:・・・
先生:バスを止めて子供たちをおろしてください。
女:・・・・・。
先生:あの子達を保育園に帰してあげ・・
女:世の中にはねぇ、保育園にもいけない子がいんのよ?
先生:え?
女:生まれた時から無菌室にいてね。保育園にもいけない子がいんのよ。
先生:あなた・・・
女:贅沢な悩みよねぇ
先生:え
女:熱でたくらいで大騒ぎだもんねぇ。みんな健康じゃないの。
先生:・・・・・
女:元気にお外で遊べんじゃないの。
先生:・・・・
女:バス乗りたいんだって。これから生きるか死ぬかってときに。
お友達がほしいんだって。
先生:・・・・・
女:・・お弁当、マフラー、お見送り・・・
先生:・・・
女:世の中にはねぇっ!!それどころじゃない子だっていんのよ!!!!!

曲あがる。
女を取り囲むように子供サス連打、全員元気に発表のまき

あき:おかぁさんが、お仕事でつかれておうちに帰ってきたら、
たくさん保育園のことをしゃべります。
あきがしゃべるととてもうれしそうだからです。

ちゅうた:父ちゃんはほんとは大工じゃないです。
だからおれに大工になれと言うと思う。
だから大工をやってやろうとおもう。

ゆい:おねぇちゃんは高校生なのにえらいです。
お弁当つくってくれるからです。
でもおいしくないときもあります。でもお母さんになれば良いと思います

まさよし:よし子はおれと違ってみじゅくじだったのですぐ風邪を引きます。
パパとママはいつも残業でおそいのでおれが面倒を見てやります。

よし子:パパとママがケンカをするとお腹がいたくなります。
私がもうちょっとあとに妹になれば、
パパとママはケンカしなかったと思います。

全員前をみる。

ちゅうた:きをつけ!!
まさよし:れい!!

女(の子供)ズダダダダダ、ぴた(大きく息をすって)

女の子:お友達が欲しいです!!!!

全員きょとん
ゆっくり暗転曲上がり

曲切れ

刑事:まさかあなた方までバスを追っているんじゃないでしょうなぁ!!?(怒)

明転

刑事:ピンポン?!10分遅れたのはあやまりますがっ!!
写真は!!写真はどうしたんです!?え?あげた?!店員に?
ちょっとまっててください・・。

つかつかつか

刑事:あの~失礼ですが・・・写真・・はい。1900・・?、8円あります。
もしもしっ!え?あけてみてみろ?そりゃみますがっ
はい・・・はい・・・・はい(ごそごそ1枚目ぴら)

SEカシャ(子供サスに行きポーズ)
SEカシャ2枚目(サス)
SEカシャ(サス)
3枚目SEカシャ(サス)
4枚目SEカシャ(サス)

刑事:つまり・・ろくなのがなかったということですか。
・・え!?ある!?どれです!!

5枚目SEカシャ 集合写真

刑事:あんたらじゃないですか!!いつとったんです!いつぅ!(怒)
   わかりました。もういいです!!

色変わる 曲不安なやつ

刑事:もしもし土田です。・・確認しました。南インターおよび
周辺領域にバリケード機動隊の配置お願いします。もちろん、完全防備で。

SEブォオオオオン

響子:やっぱ市街は
瞳:おっとおじいちゃんあぶないよ
響子:走りづらいわ
瞳:もうすぐ南インターです
響子:よしっ
瞳:奥さん・・・なんだか妙に警察がいると思いません。
響子:・・・そういえば
瞳:あたし達が120キロで爆走してるのに目もくれませんよ、ほら、あそこ。
響子:・・・やっぱり犯人は・・・
瞳:・・急ぎましょう。
響子:はい

SEフォンフォンフォン

義男:みえましたよ!!
一徹:よーしあとちょっとだぁ!
義男:まさよし!!よし子!!
一徹:・・・それよぉ
義男:え
一徹:たまには順番かえてやれよ
義男:・・・はい
一徹:ガキはあーみえてデリケートだからよ。
義男:・・
一徹:マイクっ
義男:・・・
一徹:そこの園バス~~!!!とまりやがれぇ!!ちゅうたぁ!!父ちゃんだぞぉ!!
義男:よし子ぉ!!!まさよしっ!!!!

SEブロロロ――ン

運転手:並んだ!!
しずか:園バス~!!止まれ!!
運転手:シカトかこらぁ!!(キック)

SE ガス

しずか:蹴んないでよ、ゆみ乗ってんだから!!
運転手:ちくしょーやるなぁバス
しずか:あんた何者?
運転手:園長に育てられた元ヤン。
しずか:そーなんだ。
運転手:あ。
しずか:・・・あれなに?
運転手:・・・バリケードだ。
しずか:バリケード・・・ちょっと止まんなかったらどーすんのよ!!
運転手:くそぉ気付いてんのか?おい!!バリ封だバリ封!!
しずか:スピードあげてっ
運転手:おうっ!!

(園児入り)
園バスの側面。園児たち窓に張り付いてる。

運転手:おいっおまえら、前きづいてっか?前!!

全員ニタ~ァ

しずか:笑ってる場合じゃないのよ!!
全員:?!
運転手:おっ、ちょっと気いついたな。これから重大な事聞くぞ!!
全員:(こく)
運転手:バリケードに気付いてるか?
全員:?
しずか:ちょっと気付いてんの?!
運転手:何とかいえ!!バリケードだぞ!!

全員口パク

運転手:聞こえねー!!
しずか:風できこえないのよ!!
運転手:くそぉバカ園児!!(キック)

SEガスッ。
さなえ先生登場。

運転手:あ!!先生!!
しずか:話通じる人が来た!!
運転手:気付いた!!先生!!バリケードです!!前!!

先生口パク

しずか、運転手:おまえもかぁ!!
運転手:窓あけろまどぉ!!
しずか:(キック)

SEガスッ ガスッガス
窓ガラッ

運転手:さな・・・・
先生:逆走します!!気をつけて!!
運転手、しずか:え?

SEブ――ンキュルキュル

運転手、しずか、園長:おわ~~!!

SEキ――ッブーンッ
全員ハケ
SEヘリの音 バババババ

刑事:(入り)逆走しやがった!!バカなことを!!こちら土田。北インターより
南までの下りインターを全て封鎖!!ヘリより追跡を続ける!
おもかじいっぱい!!犯人に告ぐ!すみやかに暴走をを止めなさい!!

ハケ
運転手、しずか、さなえ、女、園長入り

運転手:おい!!ばかげた事すんな!!
しずか:事故起こしたらどーすんの!!
運転手:おい!!聞こえてんのか!!
しずか:ちょっとあんたぁ
先生:あと10分だけです!!
運転手、しずか:?!
運転手:何言ってんだ先生まで!!
先生:事故はおきません絶対に!!
しずか:現に逆走してんだから!!
先生:とにかく10分・・・・5分以内に高速を降りたいんです!!
しずか:あんたグルだったわけ!?
先生:違います!!
しずか:バカ言ってんじゃないよ!!早くあの子達おろしなさいよ!!
運転手:さなえ先生!!このままだと対向車にぶつかんのも時間の問題だろ!!
女:お願いします!!
しずか:殺人犯が生意気なこと言ってんじゃないのぉ!!
先生、運転手:対向車ぁ!!

ブーーーン
全員スローモーションで後ろに向かってハケ
一徹、義男、スローで逆から入り
BGM、ラジオの軽快な音楽
のんびりしている2人。お菓子食ってる。

一徹:おい・・なんか変だぞ、
義男:え?何いってんすか、もうちょっとなのに
一徹:あれだよなぁバス。
義男:はいどんどん追いついてますよ。
一徹:早すぎねぇか。
義男:え。
一徹:どうもあっちがこっちに向かってきてる気がする。
義男:まさかぁ・・・あ
一徹:横にバイク。
義男:その後ろに園長。
一徹:間違いねぇな。
義男:・・はい
義男、一徹:逆走だぁ~~~!!

バイク、園バス、スローで入り

義男:ブレーキブレーキ!!
一徹:ブレーキじゃぶっかる!!
義男:じゃよけるとか!!
一徹:ムリだムリ!!
義男:どーすんですか!
一徹:しかたねぇ!!(ギヤガッ)
義男:まさか
一徹:バァーーーック!!
義男:うそぉ~~!!??

SEギャギャギャ。
スローやめる。父二人すごい速さで後ずさり。

女、運転手、しずか、一徹、義男:よかったぁ(ほっ)
園長:よくな~~い!!
運転手:おい!!誘拐犯止まれぇ!!
義男:あぁ!!絶対ぶつかる!!
先生:!!お父さん達!!
義男:すいませんけどスピードおとしてください!!
先生:あと9分しかないんです!
一徹:なんの話だぁ!!!
園長:とまらーん!!
女:娘にお友達を作ってあげたいんです!!
しずか:幼児殺しが何いってんの!!
先生:違います!!
全員:え?
先生:確証はありませんけど何かの間違いです!!
ですから・・・皆さんどうか協力してくださいっ
園長:とにかく高速をおりたいらしいですから
手伝ってあげてはどうでしょうか!私53歳!!
先生:おさわがせします!!皆さん!!
義男:一徹さんスピードアップ!!
一徹:パトカーにはこれが精一杯だ!!
園長:なんでもいいから降りましょう!!
しずか:あんた簡単に降りるとか言わないでよっ
園長:一番大変なのは私だぁ!!
先生:あっ

SEフォンフォンフォン

先生:パトカーも逆走してきました
しずか:すごい数来てるよ!!
運転手:おい誘拐犯!!
女:!!
運転手:必要なもんは園バスと園児とあんただなっ!!
女:・・はい!!
運転手:このさい園バスはあきらめてもらう!!
園長:こじろーくんどうするつもりだっ!!
運転手:南インターからおりる!!
全員:え?
一徹:バカ言うな!!あっちはパトカーがぞろぞろ追ってきてんだぞ!!
運転手:お願いします!!僕に任せてください!!
少し危険だけど仕方が無い!!

曲あがる暗

響子:もしもし!義男さん!?
義男:これから話すことをよく聞いてくれ。
響子:はい!!
義男:今どこにいる!
響子:南インター出口っでも警察だらけで・・
義男:わかってるっ、その辺に病院見えるだろっ!総合病院!出てすぐ左のでかい奴。
響子:あ、見えるっ!まさかあの子達ケガを・・・
義男:至って健康だ
響子:よし子も!?
義男:大丈夫っ
響子:え
義男:君は会社辞めるといい。
響子:義男さん?
義男:君の分までぼくが稼ぐっ!
響子:・・
義男:僕にまかせろっ全部っ!!

曲。Big Mountain 「Where do the children Play」

義男:病院の院長に会ってこう話すんだっ
「12時に始まる手術を12時30分にからにしてくれ」。
響子:え
義男:でないと「ガソリンまいて火ぃつける」
響子:・・・・わかった・
義男:頼んだぞ。
響子:はいっ。

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たくさん台本を書いてきましたが、そろそろ色々と人生のあれこれに、それこれされていくのを感じています。サポートいただけると作家としての延命措置となる可能性もございます。 ご奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。