『ビタミンシェイク(初演1998年版)』

『ビタミンシェイク(初演1997年版)』作 すがの公

<あらすじ>元暴走族の高倉けんたろうは整形外科に入院中。毎日暇を持て余し、新人ナースの後木ちえにちょっかいをかけている。303号室に入院中の浪人生・田中つよに佐藤ただしが入ってくるが、なぜか佐藤は彼らの子を、特にちえのことをよく知っている。なんと佐藤ただしの中に、死んだ父の霊が乗り移っていたのだ。そこに、「303号さん」という文通相手を探して松本のり子がお見舞いにくる。彼女は明日手術を控えた、他院の脱走患者だった。

<登場人物>高倉けんたろう、後藤ちえ、医者、田中つよし、佐藤ただし、松本のり子、森田先生

<本編>
ゆっくりあんてん、客入れの曲1度上がり、おちていく。
一瞬 間。
暗の中

高:ちぁ~~っす!!本日ぅ!晴れて特攻隊長つとめさしてもらうことになったぁ高倉けんたろぉぉっす!!う~~~す!自分には赤も黄色もわかりませえん!!(曲)自分の愛車であるっ『CBRにーはん改良型タカクラスペシャルとともにぃ!どんな車もぶちとばしぃ!!はずかしながらどあたまとらさしてもらいます!!そのつもりでぇ!!よろしくぁ!!(曲)

曲きっかけで舞中央に特攻服と木刀の桜場はるおがうしろむきにうかびあがる。
じょじょに体が前を向きだす。
と同時に光が舞台おくから光り、シルエットのみがのこる。
結局、やつの顔はみえない。(白かべをひからすという手で考えてみて)

曲しだいに上がりカットアウト
と同時に光りもカットアウト

暗の中事故のSE入る フェードアウト

ナ:(かぶりでセリフ)高倉けんたろう。当時18才、オートバイ運転中に赤信号を無視。乗用車に横から追突され、そのまま歩道へ投げ出されました。(ゆっくりとサス)左肩から強く地面に落下したため、左半身6か所を骨折、さらに全身打撲、出血多量、意識不明の重体で運び込まれました。

医者にもゆっくりとサス

医:緊急手術を行い、キズ口の消毒および縫合、骨折部分の切開、消毒、治療、縫合。
ナ:CTスキャンによる脳の検査では内部に出血は見られず、次第に状態も安定、依然、意識は不明。
医:1週間の昏睡状態ののち、意識を取り戻し、再度検査、脳の異常は認められませんでした。
ナ:主に骨折の治療を中心に約半年間、徐々に車イスのリハビリへ移行。
医:約1年で左足首の状態が回復、松葉杖へ切り替え。
ナ:リハビリにより事故から約1年と11か月でほぼ常人並みの生活が可能となる。
医:そして昨年の暮れに退院を許可。
ナ:突然、腹部の痛みを訴え、検査
医:しかし異常なし。あらためてたいい・・・
ナ:突然、右でん部のいたみをうったえ
医:異常なし。たいいんを・・・
ナ:くびのうらのここんとこの・・・
医:異常なし
ナ:はなみず
医:たいいんきょか
ナ:目の下にくま
医:きょか
ナ:せんせぇ~~

明転

高:ここをおすとゲリになるよおれ!!
ナ医:いいかげんにしなさい!!
高:だって本当なんだってぇ!!
ナ:高倉さん、いいかげんにしてください
高:本当に本当よ、ゲリになるよおすと
ナ:高倉さんそれはゲリつぼです。日本人にはだれでもあります。心配しなくてだいじょうぶです。
高:そーなんですか?
ナ:・・・それは
医:あります、みんな。
ナ:ほらね、だから・・・
高:でも困るってっ!ここおしてゲリになってたらみんなシャンプーできないじゃん!ゲリで!シャンプー!!
ナ:ゲリゲリいわないでください
高:でぇも!
医:いいですか、高倉さん
高:なに
医:ゲリつぼはまだ未知の分野です。ですから、私たち日本人は耐えてゆかねばなりません。
高:なるほど。それじゃ、治療法が見つかるまでここにいてもいい?ちえちゃん(はーと)
ナ:そういうふうによばないでください。だめです。
高:いいじゃんちえちゃん、長いつきあいなんだからさ
ナ:かんごふさんとよんでください。
高:やめろよ他人みたいに(たばこスパァ)
医:まっ(ぼーよみ)
ナ:ちがいます!他人です!
高:いっしょの屋根の下に住んでんだからさぁ。
ナ:あたしは住んでませんあなただけです住んでるのは。
高:最近なんか調子わりんだよねぇ。
ナ:それは外の空気にふれてないからです。
高:あ
ナ:え
高:イタい
医ナ:え?
高:イテぇ!
医:高倉さん?!
高:イデデデデ足がぁ!足がぁ!!
医:どっちの!?
高:左!左足!!
医:大変だわどーしたのかしら
高:いてぇぇ!
ナ:せんせ。(れいせい)
医:なにしてるの早くみてあげないと
ナ:右足が
高:いたぁぁ!!
ナ:左足をふんでます
高医:え?
ナ:高倉さんっ(ダメでしょ)
高:うおっ!!気づかなかったなぁ。やっぱおかしいなおれ!なっちえちゃん!
ナ:いいかげんにしないと・・・!!
医:いいでしょう。
ナ:え?
医:1週間様子を見ましょう。
ナ:でも、せんせ
医:高倉さんやっぱり悪いみたいね
ナ:頭ですか
高:ありがとうございます!!
ナ:ほめてません。
高:じゃぁちえちゃん!またナースコールすんね!
ナ:あれはむやみにおすもんじゃあり・・・
高:グッナーイ!!(退場)
ナ:高倉さん?!・・・たくっ
医:まあいいじゃないのっ。さっ今日はまた1人入院でしょ
ナ:はい、わかってますけど・・・まったく
医:かなり重い病気ね、高倉さん
ナ:まさか、あの子走ってったじゃ
医:恋のやまいね(ジッ)
ナ:・・・なにをいってんですかせんせえ
医:(おやゆびかむ)(キッ)
ナ:! ジェラシーなんですか
医:(泣くポーズ、退場)
ナ:なかないでくださいっ
ナ:えーと。今日来る患者さんは、佐藤ただし。20才。うわ、高倉さんとおない年。意気投合しなきゃいいけど・・・。今日10:00入院の、明日1時半手術。かわいそお。手術室の先生かわったのよね。山本先生いなくなってピチピチの新人先生に。まっいいか。

SEブーッ

ナ:あ、(マイク)どーしましたぁ
高:ちーえちゃーん(ハート)ひとりぃぃ?
ナ:・・・・・・・・・(ムカ)ふたりっ ガチャ。

SEブーッ

高:しょーこはぁ?
ナ:こらっしんのすけっ!うーほほーいおらのはらしんのすけごさぁい・・・・・・・・・ ガチャ。

SEブーッ

ナ:てめぇ!みみからてぇつっこんでやしらずひっこぬいて中にやなもんいれてふさぐぞお!

つ:やめてください
ナ:どおしましたあ(はーと)
つ:てんてきおわりました。
ナ:はあい(はーと)いまいきまあす(はーと) ガチャ。はー、つかれる。つよしくんか、あやまっとかないとな。はやく高倉けんたろうを退院させないとっあたしがダメになる。えっと、今日は佐藤ただしさんの入院と手術室の先生からのおはなし、・・・・・・佐藤ただし・・・・・・いい人そう(退場)

前あかり

(車の中)
佐:それじゃいってきます母さん。だいじょうぶだよついてこなくても。うん、父さんがいるから。荷物ももったし。結局おおにもつになったけどね。先生のお話によると、ぼくは1週間くらいで退院できるということらしいからさ。ああそうさ。ああそうさ。ああそうさかあさんだいじょうぶさ。たまにはおみまいにきておくれよね。じゃあいってくるよ。かあさん。父さん、行こうか。(手をふって母さんをあとにする) (さみしいだろ)うんそうだね。ちょっとさみしいよね。(みおさめだぞ)・・・そうだね、当分この景色ともおわかれだよね。(ちゃんと母さんに・・・)わかってるよ。毎日電話はするよ。母さんを心配させたくはないからね。(そうか・・・)・・・できた息子でよかったね。・・・なんちゃって。(曲FLoaty)(あ、大学は?)ああ、大学の勉強はあとからとりもどすし。(そーか)ほら、父さん前みてうんてんしないと。(うむ)・・・あれ?父さんあれ(曲じわり あがる) 道のまん中・・・どこってそこ!人だよ!ほらよけないよ!!いるよほら!!みえるでしょ父さんほら!!はやくよけないとぉ!!ハンドルきって!!ほらあ!!あぶない!!あぶないって父さん!!どこみてんだよ!!すぐまえ!!(曲切れ)

ゆっくりとめをあける。
再び曲じわりじわりじわり
ゆっくりと自分の手をみる
すこし左手がうずくのにきづく
まわりをみる。父親の呼ぶ声に気づく。
父親の話をぼんやり聞いてる。だんだん意識がはっきりしてくる。
佐藤ただし(20才)は、桜場はるお(43才)にのっとられた。と。

(ただし!)
さ:ただし?ああ、ただし。(大丈夫か?)だいじょうぶ。心配ない。(本当か?)おれ?平気。(母さんにおまえ)いやっ言わなくていい母親には。(よぶか?)呼ばなくていい。1人でやる。

曲上がる
クロスフェードで暗転
曲切れ、サス、セリフ

女:すみません。あの、お見舞いに行きたいんですけどっ。え?まだですか?あの・・・何時からなんですか面会は。え?!1時?今何時かわかります?10時?じゃあと3時間もあたしなにしてればいんでしょう?あ、「しらない。」そーですよね、はい、ありがとうございました(退場)

きつえんしつ

高:今日の朝メシうまかったなぁ
つ:そーかな(本を読みふけっている)
高:うまかったじゃん
つ:そーかな
高:うまくなかった?
つ:そーかな
高:・・・・・・ひと昔前にマラソンで活躍した双子の選手の名前は?
つ:宗かな。
高:おらっかせっ(本とりあげる)うわっ漢字ばっかり。こえっ
つ:何人(ナニジン)ですか
高:えっとにんじん
つ:そーですか
高:もっと興味もって。おれにんじんだぞにんじん
つ:返してください。
高:(返す)まだ早かねぇか?あと丸一年あるだろ
つ:早いにこしたことないんです。
高:「また」ってまだうけたことねーんだろ。
つ:どーせぼくは冬道ですべってころんで軽トラックに足だけひかれて、受験当日に救急車ではこばれましたよ。
高:まずうけねぇとなぁ
つ:だから来年うけますって。
高:また当日引かれたらどーすんだ
つ:ひかれません。
高:おれバイク買うんだ来年の受験シーズン
つ:よけーな事には頭まわるんですね
高:ばぁか。
つ:え?
高:おれ頭まわるよ。やればできる男なんだから。
つ:なんでも?
高:おう。
つ:ハイ。(本)
高:・・・(見る)(隠す)(落ち着く)なるほどな。
つ:そんなんだからちえさんにキラわれるんすよ
高:なに?!
つ:いつまで続けるんですか。こんなこと。
高:な、なんだよこんなことって。
つ:無理矢理退院のばしてまでしてちえさん口説きおとそうとして
高:おめぇにゃかんけいねぇっ
つ:本当は去年の暮れには退院できたのに手をかえ品をかえ・・・
高:おれがなにしよーとかってだろ。
つ:はっきりいって、ちえさんめーわくしてますよ。
高:ばかやろぉ、いやよいやよも好きのうちってなあ。
つ:ちえさんは、バカとヤンキーはキライなんだって
高:え?
つ:いってたから
高:うそぉ!
つ:だから、高倉さんバカでヤンキーだから最悪ですよ。
高:そっかぁ・・・そっかじゃねぇ!
つ:だっていってたんだから。
高:めーわくしてるって?
つ:そーはいいませんけど見てればわかりますよ
高:言ってねぇだろ?!うそつくなっ
つ:うそなんてついてないです。
高:かわいくねぇガキっ
つ:今年19です
高:親のかおがみてぇよっ
つ:・・・・・・(ゴそゴそ)
高:なんだ?
つ:ハイ
高:え
つ:母です
高:・・・(見る)(返す)
つ:どーでした
高:・・・おんなじ
つ:(ニヤッ)
高:うれしいのかっ(とつっこむ)
つ:あっ
高:? なんだ。
つ:今日うちの部屋に1人入りますよ。
高:え、ほんと?
つ:せっかく中部屋に1人で、勉強もはかどったのに
高:もう来てんのかな。
つ:10時からですよね。だいたい。
高:そっか303にもう1人か、年は?
つ:はってありましたよ。20才。さとう、なんとか。
高:はたち?おれとドンパじゃn
つ:よかったですね
高:こりゃヒマつぶしの相手がふえるな
つ:ふやさないで、交替さしてくださいっ。
高:なんだおまえおれのことキライか?
つ:ノーコメント
高:キライなのか?
つ:別に
高:あったまきたっ・・・ニヤッ絶対バラすっ
つ:え?
高:いいのか
つ:なにを
高:「お手紙ありがとうございます。お元気ですか?303号さん(はーと)」
つ:あーーーーーー!!(立ち上がる)
高:ペンパル(はーと)
つ:みたんですか!
高:さぁねぇ
つ:今のは見てなきゃいえないセリフです!
高:303号さん(はーと)
つ:全部読んだんですか!?
高:さぁねぇ
つ:いいから答えてください(あせってる) 全部読んだんですか!!
高:え、(ヤバイ) リハビリにおまえがいってるときにちらっとベッドのうえに出てたやつを。
つ:全部はよんでないですか?!
高:え?うん。なにムキになってんだ
つ:本当に?!
高:うん・・・ほんと。・・・ごめんな。
つ:・・・いいですけど(座る)
高:そんなにおこると思わなかったから。
つ:いいです。高倉さん単細胞でデリカシーにかけてるバカだから。
高:一生根にもつつもりだろ。
つ:全部読んでないなら・・・いいです。
高:そかっわるかったな。ところで303号と言うペンネームなわけだな?
つ:本トにわるいと思ってます?
高:え?ゆるしてくれたんでしょ?
つ:切りかえ早すぎますよ。
高:そーか?
つ:そーゆうむしんけいな音路がちえさんにキラわれるんですよ。
高:あ?!(カチーン)
つ:さーて、べんきょーしよっと。
高:なんだとてめぇ!
つ:ヤンキーでバカだとだめだってこと。
高:大学いきゃエラいんか!
つ:ちがいますけど
高:歴代大統領たちはことどとくしんぶんはいたつして育ったんだぞ!!
つ:知ってるニセ知識をここぞとばかりにいわないですください
高:あ、にげんのか!
つ:べんきょーです
高:までこの!ガリベン!
つ:はいそんじゃ
高:ガリベンマン!
つ:はやく退院してくださいね(退場)
高:ガリベンマン!まて!おい!へんしんしろこのやろうお!!・・・っきしょお・・・かわいくねぇ(また座る) ひまになった。なんたっておれ元気だからな。あ、新入りにあそんでもらうか・・・ぶつぶつ。

森田くん

森:すみません、303号室はどこですか?
高:え?あ?
森:303号
高:あ?なんで?
森:303号
高:あっちのおく。
森:ありがとうございます
高:だれ?
森:今日から手術室の先生をやります。森田と申します。
高:でかいっすねぇ。
森:はい。
高:・・・・・・
森:はい?
高:いけば?
森:佐藤ただしさんですね、今日入院された
高:いや。
森:そうですか。ありがとうございました。
高:はあ。
森:おだいぢに。(退場)
高:しっとけよ病室くらい。でけえな。カルシウムとってんのかな。佐藤ただしってのか今日入んの。

ベッド

ナ:あれ?いない。さっきパジャマ着たと思ったら。もおお、手術室の先生きちゃうのにぃ。
つ:どったのちえさん。
ナ:いないのよ。
つ:だれ。
ナ:今日入院した佐藤ただしさん。そこに。
つ:あ、もう入ったんだ。
ナ:うん10時にね。
つ:どんな人?
ナ:20才で無口な大学生。
つ:大学生かぁ。
ナ:来年はがんばってね。あ、あんまりいわない方がいい?
つ:いや、だってすべってころんで軽トラにひかれて、骨折して全部うけれなかっただけだから
ナ:災難よねぇ。
つ:まぁね。
ナ:あまり無理して勉強しないように。患者さんは早く退院することを考えてください。
つ:高倉さんみたいなことはしません。
ナ:はぁ。やめてその人の名前だすの。
つ:高倉さんわるい人じゃないけどなぁ。
ナ:そーゆうもんだいじゃないの。
つ:ねえ、なんでキライなの?バカだから?
ナ:・・・・・・いいのっ子供はだまってべんきょうしなさい。
つ:2こしかちがわないじゃん。
ナ:私は社会人です。
つ:見えないよね。
ナ:なんかいった?
つ:ちえさん。あとでさぁ、相談にのってほしーことあんだけど
ナ:え、今じゃだめ?いいよ、あたし今手あき。
つ:そこの人のことは?
ナ:あー!わすれてた、さがさなきゃっ。わかったっあとでねっ

森田せんせい

森:どうですか。
ナ:あ先生。
森:どーですか調子は。
ナ:あ、すみません先生。今。
森:いたみますか?
ナ:え?なにが。
森:右手でよろしかったですね。
ナ:はい?あのせんせえ。
森:いたみますか。
ナ:あたしはいたみませんけど。
森:そうですかいたみませんか。
ナ:はい・・・
森:そうですか
ナ:すみませんせんせぇ。患者さんの・・・佐藤
森:佐藤ただしさんですね
ナ:あのぉせんせ?
森:はい。手術を担当することになりました森田です。
ナ:せんせ?
森:森田先生
ナ:は。
森:森田先生とよんでください。
ナ:モリタせんせい
森:はい?
ナ:なにかかんちがいしてらっしゃるのでは
森:いえ森田ですから森田先生とよんでもよいです。
ナ:先生新任の方でしたよね。
森:それがなにか?
ナ:手術は?
森:します。
ナ:はじめてですか?
森:・・・・・・・・・
ナ:せんせ?
森:(お茶マイム)(口元へふるえながらもってく)
ナ:ふるえてますよ
森:どうですかお茶でも(ふるえまくりです)
ナ:こぼれまくりです
森:(お茶おいて)佐藤ただしさんですね。
ナ:私はここの看護婦でうしろ木ともうします。
森:・・・・・・(つよし君を発見)
ナ:せんせ?
森:佐藤ただしさんですね。
つ:ちがいます。

アナウンス(マイクで)

医:うしろ木さーん。
ナ:はいぃぃ!!
医:森田先生いらしたぁ?
ナ:あ、はい。でも患者さんがいないんです。
医:ちょーどいいわ
ナ:は?
医:森田先生にまだカルテ見てもらってないのよね。
ナ:え?
つ:でも右手でいいかって。
医:左手です
ナ:はぁ?!
医:そんなこんなで2人ともきてくださーい
ナ:はーい。じゃ、行きましょう。つよしくんあとでね
つ:うん。
森:はい・・・・・・(つよしをみて、おかしいなと首)
つ:おかしくないですよ。
森:(ゆびさす)
つ:ちがいます。はやくいってください。
森:(おかしいなと首)(退場)
つ:まちがってんのあんただろおっ!

ごそごそと手紙を取り出し
じわりと曲(Fairfax)

つ:・・・・・・・・・(タメイキ) お手紙、ありがとうございます。お元気ですか303号さん。その後の調子はどうですか?わたしも最近は調子が良くて、すこしずつごはんがたべられるようになりました。あんまりたべるともどしてしまうので、できるだけよくかんでゆっくり時間をかけてたべるようにしています。そうするとあまり量を食べなくてもおなかがいっぱいになるのでいいんですよ。もうすこし、しっかりあるけるようになったら、そっちの病院にもあそびにいきたいです。まだお医者さんの話では当分無理だとゆことですが。また、春が来ますね。わたしはこっちの病院で、3回目の春をむかえることになります。お互い早く退院できたらいいですね。そろそろ点滴の時間なので、今日はこのくらいにしておきます。お返事待ってます。518号室より。・・・・・・。

曲フェードアウト

きつえんしつ

高:(ちょうどタバコをすいおわりました)ひまだ。まんがもあらかた読破したしなぁ。ちえちゃんもいねぇし。どーしよおかなあ。久しぶりにリハビリ室でも行くかなぁ。でもなぁ・・・。ひま、ひま、ま・・・まくら、ら、らすく、く、くるま、えーまたまか、ま、まんが、が、がし。し、しぼうじこく、く、くろう、う、うめき声、・・・・・・。やめた暗くなる、

舞台おくに桜場、

桜:おい。
高:あ。
桜:なんだおまえ。
桜:・・・・・・。
高:あ、あ~~。おまえあれか。あいつだ。さとう正だ。そっかそっか。すわれまーすわれ新入り。
桜:・・・・・・(よってくる)
高:すわれすわれホラ。
桜:(にらみつけてる)
た:なんだ?具合わりいのか?すわれないケガか?ぢか?ぢ?
桜:(にらみつけてる)
た:そーか。ぢか。まま、とりあえず自己紹介といくか。あ、お前名前知ってたよな。
桜:・・・高倉けんたろう(ぷるぷる)
た:あ?(よびすてか)まぁいい!!それでもいい!よびすてでいこう同い年だもんな!
桜:(にらみつけてる)
た:どしたぁ?あ、あれか、がんめん神経痛か?
桜:・・・
た:お前なんかいったら?のどか口ケガしたのか?いってみ。「あー」ホラ。「あーいーうー」
桜:・・・
た:えー。おーって。おーって。おっおっー じゅん、ほたる
桜:(なぐる)
た:!!って。なにすんだてめ。
桜:・・・・・・
た:わかったぞ、お前もしかして。(ギロ)
桜:(みがまえる)
た:つっこみ専門だな、つっこみっ。まんざいやるか。じゃあよぉおれぼけるわ。なっ。いくぞ、さんはい。どーもぉ~~、けんちゃんでーす
桜:(なぐる)
た:いってぇ!!このやろう。はやいわ!(つっこむ)
桜:・・・
た:それは、おれにつっこめってことか?
桜:・・・
た:そーかそーかいやぁナチュラル!今自然だったよなぁ、「はやいわ」(もっかいやってる)いくぞ、もっかい。どぉも~~
桜:(なぐる)
た:早すぎるわ(つっこむ)まだなまえもいってないじゃないですか。
桜:(なぐる)
た:いたいわ(つっこむ)というわけでケンちゃんただちゃんでえす。
桜:(なぐる)
た:ひつこいわ!(つっこむ)いや~もう春ですねぇ
桜:(なぐる)
た:ネタふりさせろや!(つっこむ?)春といえば
桜:(なぐる)
た:はるといえば
桜:(なぐる)
た:はるといえば
桜:(なぐる)
た:はる
桜:(なぐる)(なぐる)(なぐる)
た:ふっ・・・
桜:(なぐるう)

曲Dnliterじわり

た:っざけんなこらあ!!(えりくび)てめえなにさまだ?
桜:ちえから手を引け。
た:!! あ~~~?!(ぶんなげる)
桜:あ~じゃねぇなんですかだ!
た:なにもんだてめぇ!!
桜:そんなことはかんけいねえ。ちえから手ぇ引け。
た:嫌だね
桜:・・・・・・やっちまうぞ。
た:てめえもゾクあがりってとこか
桜:いっしょくたにすんじゃねえ。おまえとは格がちがう。
た:どうちがうかいってもらいましょうか?イボぢのただしちゃん
桜:ただしじゃねぇ
た:じゃあなんだてめぇ。
桜:桜場
た:あ?
桜:桜場はるおだぁ!!!!
た:じょおとおおぉぉ!!!

曲のあがりと共に暗。
曲きっかけで

ナ:先生!いました!!佐藤ただし!!
医:そんなにあわてなくてもいいよお。
ナ:それどころじゃないです!!ケンカです!
医:え?
ナ:1階のきつえん室で高倉さんと佐藤さんが!
医:まったく!・・・
ナ:どーしましょう
医:あなた森田先生よんできて!
ナ:わかりました
医:まったくなにやってんだかっケガ人がっほら行って!
ナ:はいぃ!!(両サイへハケ)

女、登場

女:だれかぁ!!!だれか早くきてください!!
つ:うわさは本当だったか・・・(逆から)
女:あっおねがいします!止めてください!!
つ:無理だよ、高倉さん現役ヤンキーだもん
女:そんなにおちついてないでどーにかしないとっ
つ:おちついておちてついて
女:おちつきませんよっほらぁみてらんない!
つ:きみにたのみがあるんだけど。
女:なんですか。
つ:かってきてほしいものがある(金)
女:え?なにをですか
つ:ゴニョニョニョ
女:はあ?!そんなの自分で行ってください!!
つ:ぼくは患者だから外のコンビニいったら脱走とみなされる
女:じゃ中の売店でっ・・・
つ:ないからたのんでんだ。
女:やですよ!!
つ:早くして!!(きびしめに)
女:!!
つ:どっちもケガ人なんだからっ
女:!!
つ:たのんだ
女:わかりました(ハケ)
つ:高倉さん・・・
医:どーなった?
つ:まだやってます。
医:今、森田先生よんだから
つ:あの大っきい人
医:あの人にまかせましょう。
ナ:先生!こっちです。
森:はい。
ナ:あそこです!!
森:ほんとだ。
な:とめてください!
森:二人ともおよしなさい。
つ:みとこーもんじゃないんだからっ
森:それじゃ
医ナ:帰んないでください!!
森:私がでしゃばんないほうが
ナ:せんせぇ~~。
つ:うわっ

SEドゴッ

つ:死んじゃうぞ・・・どっちか・・・
森:どっちが勝ちそうですか
医ナ:止めろお!!

SEドゴッゴキッ

ナ:やめてください2人とも!!
医:高倉さん!佐藤さん!!
森:いかりでわれをわすれてる
つ:なうしかかい!っ・・・(つっこみたぶん客にはつうじない)・・・・・・僕に考えがあります。(体制を整える)
医:どおする気!?
ナ:だめよっあぶないから。
つ:わかってます。ばかなことはしません(SEドカッ)
全:!!(ヒッ)
女:買ってきましたぁ!!
医ナ森:え?
女:はいっレシートとおつりっ
つ:あとあと!!ブツをくれぃ!!
女:はい「うつるんです!!」「フラッシュつきっ」
ナ:なにかんがえてんのこんなときにっ!
つ:いんです!!高倉さーん(かまえ)
つ:ハイッチーズ!!(曲切れ)

SE カシャッ カシャッ カシャッ カシャッ カシャッ(ここでフラッシュたく)
※一つのカシャごとに、ケンカから、ポーズへうつりゆきながら登場。ラストで仲良くキメ。

つ:止まりました。
全:おおおおおおっ(パチパチパチッ)
つ:バカほど目立ちたがるという原理を応用してみました。
女:つまり。
つ:2人ともバカです。
2人:うっせぇ!!
医:はいはい、ケンカの原因はなんです
た:こいつがなぐってきたんだよっ
ナ:どーして
た:まんざいやってたら急につっこんできた
つ:? なんかもんだいがあるんですか
た:いやボケたんだ急に!
ナ:まんざいにはつっこみとボケはつきものでしょ!
た:ちがう!ボケのくせにつっこんだんだ!!
森:そりゃざんしんですね。
ナ:森田先生(さとす。だまっていろと)
森:ハイ。
ナ:まんざいはどっちが始めたんですか
た:・・・え。おれか?おれ
ナ:やっぱり。
た:え?なにそれ。
ナ:すみません佐藤さん。
さ:(目が合う)(娘だよ)あ・・・いや・・・
た:なにあやまってんのちえちゃん!だからぁ、先に手ぇ出したのはこいつなの!!
ナ:大丈夫でした?
さ:は・・・はい、だいじょうぶ
た:ねこかぶってる~~!!うわー!ねこくせぇ!!さっきこいつべらんめいくちょーでよぉ
ナ:高倉さん!!(びしっ)
た:!!
ナ:本当にすみませんでした。高倉さん少し乱暴なんです。こんなんばかりじゃありませんから安心してください。
さ:あ・・・はい
ナ:ケガ、大丈夫ですか?
さ:・・・・・・すみません(頭を下げる)
た:おれにあやまれバーカ。
ナ:高倉さん!
た:ほらいったろちえちゃん、あやまるってことは自分に非があるってことだろ?
ナ:高倉さんもあやまってください。
た:おれに、あやまるまでやでーす。
ナ:高倉さんっ
た:つーん。
つ:とても長くなりそうなので部屋戻りまーす。
女:あっおつり。
つ:あ、さんきゅう。おみまい?
女:はい。
つ:面会まだでしょ
女:でもあと少しだから。
つ:ふーん、やきまししたらあげるねみんなに。(退場)
た:いらねぇ!
ナ:あっありがとう~(つよしに)先生方も あたしここやりますからどーぞ。
医:そお?たのんだ。
ナ:ハイ
医:高倉さん、あんまり問題多いと退院さしちゃうよ(はーと)(退場)
た:だからせんせぇよお、あ、ちょっとぉ!
ナ:森田先生も。病室で、手術の説明を佐藤さんに。
森:1002号室ですね。
ナ:303号室です。
女:!!(303号だ)
森:そうですか。
ナ:先生みてると心配になります。
森:ありがとうございます。
ナ:ホメてませんって。
森:佐藤ただしさんですね(女に)
全:くどいです。
森:佐藤ただしさん?
さ:あ、はい・・・(ちえをずっっっとみてる)
ナ:303号室の方へもどってください。
さ:ちえ(ポロリッ)
ナ:え
さ:いや・・・
た:よびすてした!!なれなれしい!!ちえちゃん!!なんなのこいつは!!(肩組む)
ナ:あんたがよっぽどなれなれしい
森:303号室ですね
さ:ああ
森:佐藤ただしさんですね
さ:うれしそーだなあんた

といいつつ森田さとう退場

た:あいつは家内安全
女:無罪ほーめん
た:・・・むざいほーめんってか
女:ぜんぜんちがいますね
た:うるさいっなんだおまえ
女:あの、さっきの人303号室ですか
た:あ?
女:さとーさん?
た:ああ、そーだってよ
女:そーですかぁ・・・キッ
た:なんだ
女:佐藤さんに近寄らないでください!!(退場)
た:・・・ポッカーン。なんだ?あいつはなんだ?ねぇちえちゃん?きいていい?おれの背中すごくさびしげ?言って、きづつかないから、さびしげ?だったらだいて(はーと)
ナ:もう退院してください。
た:!!え
ナ:あたしだめなんです。すぐ暴力ふるう人とか。大っキライなんです。
た:ちえちゃんあいつがぁ!
ナ:どっちが悪いとかどーでもいいんです!なぐるとか、なぐられるとかっ男の人ってどーしてすぐそーなるんだろ。もうちょっと周りの人のこと考えて行動してくださいっ。ここは病院でしょ?だからうるさくしていいわけないじゃないですか。
た:でもうられたケンカはかわないと
ナ:そんなのどーでもいいじゃないですか。ちょっとがまんすれば済むじゃないですか。男だからとか。仁義とかっ。もしまちがって死んじゃったらまわりの人が悲しいでしょ!
た:まさか死んだりは、しないんじゃ。
ナ:死ななくても!待ってる方は心配してるじゃない!
た:ちえちゃん・・・なんかあったの?
ナ:べつに!!あたしはヤンキーとかぼーそーぞくとか。ヤクザとか!!なんでも暴力で済まそーとする人に腹が立つだけ!
た:おれってこと?
ナ:そう!!高倉さんのこと!
た:んなこといったらあいつだってネコかぶってよお! !!あ・・・
ナ:え?
た:あいつ。へんなこといってた。
ナ:?
た:ちえちゃんのこともしってた。
ナ:なにいってんの。
た:あいつとはどーゆう関係なの?
ナ:しらないわよ佐藤さんのことなんて
た:あ。
ナ:え。
た:ただしじゃねぇっていってた。
ナ:え?
た:さくらば。
ナ:!!(首)
た:しってる?
ナ:さくらば?・・・なに・・・
た:桜場はるお。
ナ:!!え・・・
た:しってんの!?やっぱ!?そっかぁ!くそぉっ。
ナ:・・・・・高倉さんってさいてぇ。
た:え?
ナ:どこからしらべたんですかそんな名前。
た:なに?いや、あいつがいったんだよ。
ナ:ストーカーかなんかなの高倉さん
た:はあ?
ナ:桜場はるお
た:うん、だれ。
ナ:調べたならしってるでしょ
た:だからいったろ、あいつがさくらば
ナ:あたしの父です。
た:え、でも(もっとショック)

曲(Drain you)

ナ:母からきいたんですか?
た:え、きいてねぇよ。ちえちゃん住所もでんわもおしえてくんねぇから
ナ:たのしい?
た:はあ?!
ナ:あたしの暗い過去でもゆすれば、あたしがなびくとでも?
た:なにいってんの
ナ:バカにしないでください!!高倉さんってさいてえ。早く退院してください。もう少しましな人かと思ってました。(退場)

た:え?ちょっとちえちゃん?まてよちえちゃんっ!ちえちゃーーーーーん。 と、ひたってるばあいじゃねーな。アッタマきたあの佐藤ただしのやろぉ。ぬれぎぬのぬれぎぬでおりゃあもうぐしょぐしょだ!!このままひきさがってたまるかってんだっつってんだ。まず、あいつをギタギタに・・・するとまたキラわれるので。どーーすっか。うし、まずは退院のばさねぇとなあ。左?右?(薬ゆびをもってと)どれにしようかなっと・・・っしゃあ!!

曲あがり

つ:(DJで)元気かいベイベーおひさしぶりのお手紙になるねぇ。こころまちにしてたかなぁ~。おれはいま元気に入院生活をエンジョイしてるぜ518号っ。ところで。はっきりいってこのおれはきみにあやまらなくちゃならないことがある。それというのもシェケナウっきみにすこしばかりウソをいってしまったんだなぁっぼくはいったねぇおぼえているかなぁ。ぼくはサラサラヘアーだって。すまないねぇおおうそだったんだ。そう、ぼくは天パ、ぞくにいう天然パーマなんだ。わるかったねハニー。さらにぼくの背は2mもないし、かたはばなんてないようなもんなんだ。ぼくの入院の理由だってのうしゅようってわけじゃないんだよ。いや~~アイムソーリーっヒゲソーリーっ

曲切れ

つ:だめだ、こうやって書いてたらきらわれる。(ビリビリビリ)なんてきりだせばいいんだ・・・。(ポイ)
さ:(キャッチ)(ガサガサ)あいむそーりーひげそーりー
つ:ああ!!だめそれ!(とりかえす)
さ:なんですてる?もったいない。おもしろいぞ。
つ:いんです。ほっといてください。
さ:いいグラサンだ。
つ:あっ(あたふた。とる)
さ:同じ部屋らしいな
つ:そ、そーですね
さ:よろしく。
つ:よろしくおねがいします。
さ:さっきはすまんかった。
つ:え、なにが
さ:ほら、ひとそうどうおこしたろ
つ:どうせ高倉さんがなんかしたんでしょ
さ:あ、いや、まぁ
つ:あの人のコミュニケーションの中にまんざいが含まれてんですよ。僕も初めて会ったときにやらされましたもん。どつきまんざい。ぼくがボケ。つっこみがいたいのなんのって。
さ:・・・そーか
つ:ゆるしてあげてください。あーみえてさみしがりだから。
さ:・・・いや、ゆるさん。
つ:え
さ:あいつはだめだ。あいつは。看護婦のケツおっかけて退院のばしてるよーな女ったらしに!!
つ:よく知ってますね
さ:え、いや、そのきーたから
つ:誰に
さ:それはーそのー高倉けんたろうに、決まってるだろう
つ:知り合いなんですか?高倉さんと。
さ:いや!しらん、あんなヤンキー。
つ:それも高倉さんが?
さ:いや!それは、そーかなぁ、と思って。
つ:ふーん。なんか気ぃ合いそうですよねお2人
さ:!! ふたり?!だれとだれっ?!
つ:高倉さんと佐藤さん
さ:うそつけぇ!!20歳にもなってヤンキーきどってるバカとおなじにすんなぁ!俺とは格がちがうんだって、
つ:なにこーふんしてんですか
さ:してない!!
つ:よっぽど第一印象悪いんですねぇ
さ:あいつが来たときから嫌な予感がしたんだ!特攻服きてきゅーきゅー車ではこばれてっ。よりによってちえの初出勤の日にっ
つ:あ、そーなんだ。
さ:あのままくたばればよかったんだ。あんなヤカラはっ。あの回復力はなみじゃなかったからな~~ちくしょう。
つ:へー。
さ:そーだお前来たのつい最近だもんな。2月だっけ。
つ:はい
さ:おまえもかわいそうだったなぁ。まっ来年がんばれや。
つ:そーいってもらえるとうれしいです。
さ:そーか、がんばれ。
つ:はい。

つ:なんでしってるんですか
さ:(かぶりで)きいたんだ。
つ:だれに
さ:だれかれかまわず
つ:・・・・・・(ゆびさす)
さ:あやしくないっほらっリハビリいけっ1時になったぞ
つ:ほんとだ。(てくてく)!!(ビクッ)
さ:どこのびょーいんもそーなんだ。いけっ
つ:・・・・・(退場)
さ:~~~~~ ホッ。あぶねぇっ。つい地がでちまう。まいったなぁ。久しぶりに人としゃべるとうれしくてなあ。
つ:(登場)さとーさん・・・・・・
さ:あやしまれてるよなぁ、おれのバカっバカっバカっ(ぽかぽか)
つ:さとーさんっ
さ:ちえのためだ。もうひと踏ん張りすっか。
つ:さとーさん。
さ:うっせぇな。おい呼んでるぞぉさとおっ
つ:?
さ:いねーみたいだな、さとーさん
つ:さとーさん?
さ:! ・・・・・・なんつった?
つ:さとー・・・さん
た:なんださとーっていったのか!おれじゃねぇ、なあ、どしたつよし。
さ:なによ、早く用件をいえっばかつよし。
つ:あ、あの
さ:ちゃっちゃとしろ!田中つよし!
つ:ぼく、・・・田中、つよしっていいます・・・よろしくおねがいします

さ:はじめてきーたあ、よろしくうっおれさとうただしぃっ
つ:(握手されまくってる)あ、あ、
さ:さっいってらっしゃい!がんばれよお!
つ:はい・・・じゃ・・・
さ:あ まてっ
つ:え?
さ:あのよ。うしろ木ちえは高倉けんたろうのことをどう思ってるんだろうか。
つ:え?ちえさん?
さ:なまえでよんだなコラっ(襟首)
つ:はあ?!
さ:てめぇ気ぃあんじゃねえだろーな
つ:なんすか?!
さ:は!(パッとはなして)ごみついてるぞいいパジャマに。
つ:どーもおもってないんじゃないですか
さ:え
つ:ちえさん。
さ:そーか!そーだよな!?
つ:バカとかヤンキーとかキライなんだって。
さ:え。
つ:暴力反対みたいですよ
さ:・・・そーか(考えてる)
つ:なにおちこんでんすか?
さ:あ、・・・いや。なんでもない(でも考えてる)
つ:さとーさん
さ:よんでるぞーさとー
つ:さーとうさん?
さ:だからそーよべっつったろお!バカモンが!
つ:はい
さ:いけっ
つ:・・・・・・へんなの(退場)
さ:変って何だ!!ガリベンのくせに!!今どきいねぇぞガリベンマン!!ヘンシンしろこのやろお!!とべ!!

さ:ったく・・・まいったなぁーおい。地がでちまう。はやく名前おぼえねーとよ。おれの頭は使うよーにできねぇんだけどなぁ生まれたときから。あ、おれどんな顔してんだろ。かがみ、ねぇか、かがみ。あ、あった。こんなとこに。(マイム)(ジッ)なんだこのやる気のねぇ顔は!!高倉がビビんねぇわけだこりゃ。ちっきしょーもっと選んでのりうつりゃよかった!!はたちだっけ?おいまじかぁ!?おれもう43歳だぞっ。しかたねぇがまんすっか。もっとしぶくしねぇとな。クシクシ。お、ポマードは?あ、ムースか。ま、いいや。うわ、デコひろっ(リーゼントにチェンジ中)そーだなまえ覚えねーとなぁ。さとーただしな。♪(どーぞ)おれはぁ~~さとうただしぃぃさとう~ただぁ~~ぃぃ。ただしはぁかぞえるときつかう字なのよぉ~~おやじも~~きっとさとう~~お袋は~~けっこんしてさとう~~(略)さとうただし・・・♪

うたの途中で女登場(聞いてる)

女:ただしってどう書くんですか?
さ:だから、数かぞえるときに書くアレよ
女:さとーは
さ:さとーはさとーだろ。日本人におーいんだよ
女:今なにやってるんですか?
さ:今あ?そりゃおまえしぶくきめってんだろ
女:そーじゃなくて、学生さんですか
さ:えっとね・・・なんだっけな、あ、たしか学生
女:学生さんですかぁ
さ:うん、たぶんな
女:大学
さ:大学だわ、きっと
女:何年生ですか?
さ:しらん。
女:え
さ:しらん。しらべんの忘れた。まっだいじょうぶだろ。
女:あたし、松本のり子です。
さ:そーか、売れねぇアイドルみてぇだな
女:よく言われます
さ:だろお
女:はい
さ:お。返事がいい!
女:はいっよく言われます。
さ:どしたぁ。
女:あの、あたしです!
さ:そっかぁあんたかぁ
女:はいっ!あたしです!
さ:そーか、あんたかぁ。うしっキマッたぁ。
女:きちゃいました
さ:そーかぁ。あ、ここもうちょい(再びヘアメイク)
女:518号です!!(はーと)
さ:ロボットみてぇだなぁこんどは
女:おもしろいさとーさん
さ:ありがとう。よし、またしたな
女:いえ。
さ:まあすわんな
女:はい(座る)
さ:さてと、だれだあんたぁ!!
女:長かったですね!!
さ:だれだ!
女:ごめんなさい!!
さ:え?
女:とつぜん来て驚かそうと思って!!おこってます?
さ:い、いや、おこって・・・ませんけど。
女:よかったぁ。あたし、おまえなんかどっかいけって言われたらどーしよーかと思ってた。
さ:そーか・・・
女:あたしマヌケだから、朝の10時に来ちゃって、面会時間まで3時間も待たされちゃって、そしたらケンカはじまって・・・あ!
さ:え?!
女:だいじょぶですか?ケガとか?あたし持ってますよバンソーコー。
さ:いや、だいじょぶ。
女:ほらっ
さ:え。
女:ゆびに血ぃにじんでます!
さ:あ、ほんとだ
女:あるんです。待ってください。
さ:はい。
女:(さがしつつ)ひどいですよねあの人。
さ:え
女:みどりのパジャマの人。
さ:あ、ああ。
女:きのうは外泊してたんですか?普段着でしたけどケンカしてたとき。
さ:え、あの
女:そーですかー調子いんですね。あたしなんかまだまだで。あ、でも今日はいんですよ、お医者さんに、ちゃーんと許可もらって外出してますから。
さ:・・・そう
女:はい。できあがり。
さ:か、かわいいね。くまさんか
女:キティーちゃんですよ
さ:そうだと思った
女:よかったですねケガしなくて。
さ:あ、・・うん、そーね
女:つよいんですね。手紙に書いてたとおりだ。
さ:そうかい?
女:はい!そんなにおでこひろいと思ってませんでしたけど、なんか想像したまんまです、まゆもキリッとしてて!!
さ:・・・そー・・・かな(はーと)(照れる
女:はい!スマップの中居君と香取君をまぜて液状にして冷蔵庫に1時間寝かせてから木村君を混ぜてレンジで4分チンしてトッピングにマッチをかざったような!
さ:・・・それはジャニーズ系ということかな
女:想像してたまんま!303号さん!
さ:さんまる?
女:うれしいなぁ。あ!ごめんなさいあたしったら1人でずっとしゃべってるかんじで!
さ:実際そーだね(笑顔引きつってる)
女:なんか買ってきましょーか?!
さ:え、なんかって
女:あたし、いつもはお見舞いされる方じゃないですか。だからお見舞いって一度してみたかったんです。そんで今日実現したからうれしくって!なにか買ってきましょうか?
さ:じゃあ・・・リボンナポリン
女:リボンナポリン
さ:うん。しらない?リボンちゃんがついてるやつ。オレンジの・・・
女:あ、ああ、しってます。あるかなぁ今
さ:なくなった?
女:さがしてきます!今日おつかい2回目です
さ:無理しなくていいよ
女:あ!あの写真現像したら送ってください!
さ:あ・・・ああ・・・あれね。
女:いってきまーーす(退場)
さ:・・・いった・・・あの子には悪いが何も伝わってこなかった。おちつけっつまりたぶんこの佐藤ただしのコレってことか?いや、それにしては他人行儀だったしなぁ。うーん、わからん・・・518号?303号?最近の恋愛ってふくざつだ・・・

照明ゆっくりと切り替わる

ナ:大丈夫ですかね先生。
医:なにが?
ナ:あの新しく来た森田って人。
医:あー大丈夫じゃない簡単な手術だし。
ナ:簡単っていったって、手ですよ。もし間違いがあったら
医:心配いらないってあたしがついてみてるから。
ナ:そーですか?なら安心か。
医:だめよ。佐藤さんにそんなこといったら。
ナ:はい。わかってます。
医:だいぶ看護婦さんになってきたね、うしろ木さん
ナ:え、そーですか?
医:もう2年じゃない?あんときは大変だったもんね
ナ:ああ、初出勤した日に突然緊急手術だって言われて。あたしやめちゃおおかと思いましたよ。
医:今は
ナ:今はそんなこと考えないですけど
医:この病院も人手不足だからねぇ。
ナ:どーしよーもないですよ。がんばるしか。
医:前向きでエライわ。
ナ:やっぱ好きなんですよこの仕事。
医:あたしはなんでこんなことやってんのかなって思うけどね
ナ:あたし、小さいころからの夢だったから。
医:はじめてきーた
ナ:うち、母子家庭なんですよ。父親は早いうちに亡くなったから。
医:お母さん大変だったね
ナ:はい。感謝してます。
医:そー。お父さんは?
ナ:父は・・・ ギク
医:ごめん、いいよ
ナ:父はカタギの人じゃなくて。
医:・・・
ナ:ヤクザだったんです。暴走族の特攻隊長から組に入ったころに母と出会って、そのうち、あたしが生まれて、あたしが幼稚園のころには亡くなりました。
医:やっぱり、組どおしの・・・
ナ:わかりません。母さんそのころのこと話してくれないんです。たぶんヤクザの抗争とかに加わってドンパチやって死んだんじゃないですか。
医:そう、お気の毒に。
ナ:ぜんぜん気の毒じゃないですよ。勝手にあぶないことして死んだんですから。自業自得です。
医:でもねぇ
ナ:・・・だから。だからあたしは逆を行くんです。人をキズつける方じゃなくて人を治す方で生きてくって。たぶん父が死んだ時に看護婦になろうって決めたんです。
医:そっか。
ナ:すみませんこんなことっ
医:いいのいいの。高倉さんと佐藤さんのことあってちょっと疲れてるんじゃない?
ナ:そーかもしれません。

SEブーーッ

ナ:あ、ハイハイ。どーしましたぁ
た:ちえちゃーん(はーと)
ナ:はぁっなんですか高倉さん。
た:ちょっと来てくんない?
ナ:あたし忙しいんでけど。
た:じゃ先生でもいいやぁ。
ナ:先生はこれから、外来の方に行かれますから。
医:なんだろ
ナ:またですよ、どーせ。
た:あのさあ
ナ:なんです
た:イタイんだよねぇ(はーと)
ナ:今度はどこですか?
た:おれのハート(はーと)
ナ:切りますよ。あなたより大事な患者さんがいっぱいいるんです。
た:キズつくなぁそのセリフぅ
ナ:さっきもいいましたよね。早く退院してくださいって。
た:治療が終わるまでいてもいい?
ナ:治療するとこがあればの話です。
た:よっしゃ
ナ:え?
た:約束ね
ナ:高倉さん?
た:約束
ナ:わかりましたから。もう切りますよ
た:あんねぇ、やっぱイタイから来てくんねー?
ナ:あなたのハートのことは知りません。
た:イテッ
ナ:いいですか?!切りますっ!(ガチャ)
た:おれのハートは、イテッ、しらねぇって、か・・・イテーなちくしょう

つよし

つ:高倉さんあの佐藤ただしって変だよ
た:しってますそんなこと・・・
つ:あそー?やっぱり?
た:リハビリ終わったんか。
つ:早めに切り上げた。
た:そっか、おめえもそろそろ退院だな
つ:うん。高倉さんは?
た:おれはおまえ、まだだよ
つ:また退院のばしたの
た:うっせぇどっかいけ、バーカ
つ:だって303でも邪魔にされてるしさぁ。
た:なら他いけよ301とか2とかよっ あちっ
つ:あついの?
た:あつくねーほっとけタコ
つ:友達少ないからこの病院に
た:さとーのバカと友達んなれよ
つ:なんか知らないけど年の差感じちゃってさぁ
た:おれはお前のだちじゃねぇ!ガリベンッ イテッ
つ:イテ?
た:い、いたくねぇ!
つ:なんか汗かいてない?
た:あ?あついんだよっ
つ:さっき暑くないって
た:うっせぇバカ
つ:ね、高倉さん
た:なにっ
つ:ゆびずもうしよっか
た:しねぇ!
つ:なんで?(右手)(ジッ)
た:・・・・・・(右手にらんで)(速攻)12345678910!かぁちっ!!
つ:うわきたねぇ~!はい今度左。
た:・・・・・・やだっつかれたねる!
つ:なんでぇ!ちょっとぉ!たかくらさんたかくらさん(つっぱる
た:押すな!ひびく!
つ:え?
た:うるさい!!イテッ!
つ:あせ
た:かいてねえ!!
つ:じゃおどろう。さんっはい
た:なんなんだおまえは!!
つ:みっみっずーのたいそーお いちにっさんにーにっさんいちにっさんにーにっさん あっかっちゃんみっみっずぅ いちにっさんにーにーさんいちにっさんにーにっさん
た:お(スゴイ)
つ:すごいしょ?
た:おお・・・スゴクねぇ!!(ねる)
つ:たかくらさんもやろーよぉ
た:だからいてぇ!!さわんな!!
つ:あ
た:あ
つ:(ガバッ)
た:いでああああ!!!

曲Single

つ:ちょっとどしたのこれ!
た:とにかくはなせ!!
つ:(つくつん)いたい?
た:イテェッ!!っつってんだろお!
つ:どしたの?
た:それはその・・・ねておきたらなんかへんだった!!
つ:まっかじゃない!!ぼんぼんだよ!!
た:しってんだよ!
つ:ナースコール!!
た:もーしたっさっき!!
つ:いいから!!

SEブーーッ

ナ:あーもー、はーいどーしましたぁ
つ:あ!ちえさん!?
ナ:どしたの?
つ:高倉さんやばいよ!
ナ:え?
つ:ゆびへんになってる!!
ナ:つよしくんまでグルになって。いい?そんな人とはかかわりあいになら・・・
つ:本トだって!!
ナ:?!・・・え
つ:たぶんこれ、(グイ)
た:いてええ!!ころすぞハゲぇ!!
つ:折れてるよ!!
ナ:!! ・・・す、すぐ行きます!!(ダッシュ)

曲あがりとともに暗
クロスフェードで曲サがる

女:言ってたこととちがうじゃないですか!この手術がすめば退院できるよって!!・・・ちゃんと守ってます!!規則正しく生活してます!!・・・じゃあこの前の手術は?・・・それって失敗ってことですよねぇ・・・失敗じゃないですか!!・・・あたしいつまで入院すればいいんですか?おばあちゃんになるまで入院するんですか?あたしの知ってる人は脳腫瘍ですけど、手術したらケロッとなおりました!!・・・・じゃあ・・・あたしにどおしろってゆんですか?・・・「入院」?・・・ニューイン(苦笑)ずっとしてます!!言われるまんまに!!

曲再び上がる 暗 曲切れ

森:全身麻酔です。
さ:そっかおれ患者かぁ・・・
森:はい、患者です。
さ:キツイなーそれは
森:でも決まりですから
さ:そんじゃなんでメシくんねぇの
森:・・・・・・
さ:どーして
森:どーですかお茶でも
さ:いらねえ
森:そーですか
さ:!! あんたもしかして・・・
森:モリタ先生と呼んでください
さ:新米か?
森:・・・・・・どーですかお茶でも
さ:それはいいから!
森:そーですか
さ:おい!
森:はい?
さ:だれがおれの手術すんだ?!
森:・・・よろしく(握手を求める)
さ:やだ!!おれは死んでもにげんねーぞ!! は!死んでるっちゅーに死んでるっちゅーに
森:おもしろい
さ:うっさい!
森:絶食、絶飲、絶縁ですから
さ:イン?エン?
森:お茶もたばこもだめです。
さ:ならちゃあ進めんなっ
森:お大事にぃ~~(退場)
さ:おい!!・・・はかりしれねぇやろーだ。それにしてもでかいな、カルシウムとってんのかな。あ、おせえな、ナポリン。!! しまったのめねーのか!

つよし

つ:佐藤さん!
さ:よんでるぞさとお あはいなんすか。
つ:エライことしましたよ高倉さん
さ:!! とおとおちえをたぶらかして
つ:違いますって!・・・高倉さん指折ったんすよ!
さ:え?退院のばすために?
つ:はいっ
さ:まじめにか?あいつが?
つ:ねておきたら折れてたって言い張ってますけど
さ:ほーん
つ:今までみたくてきとうにウソついてりゃ、先生おいといてくれたのに
さ:ほーん
つ:すごい人なのかすごいバカあのかよくわかんないですよ
さ:ほーん
つ:なんすかさっきからよくわかんない反応して
さ:ほ?
つ:普通いないですよ自力で指折る人
さ:ばーかおれらの世界じゃ日常茶飯事よ
つ:え?
さ:だっておれ両手の小指ねーもん
つ:うそだあ
さ:ほらっ
つ:・・・・・・ありますよねぇ、両方。
さ:あ!!そっかまちがった!!(かくす)
つ:え?
さ:足の!足の小指よ!
つ:なにわけわんないこといってんすか
さ:いんだっほっとけっ
つ:驚かないんですか?高倉さんのこと
さ:え、いや、ちょっと驚いた。
つ:ちょっと?
さ:そーか、折ったかぁ。いやあいつもなかなかあーみえて骨があるってゆーか。
つ:はい・・・
さ:!!(認めた自分に気づく)だめだあんな奴!!
つ:なにいってんすか?
さ:うるせえ!そんなんで気ぃひこーったってだめだ!!
つ:どーせ突き指だろ!?
つ:いや折れてました。レントゲン撮ったんすよ。
さ:・・・そーか、なかなかあーみえて・・・!!だめだあんな奴!!
つ:へんな人ですね 佐藤さんも・・・
さ:も?もってなんだもって!!
つ:似た系統じゃないですか。
さ:え?
つ:佐藤さんと高倉さん
さ:(殴る)
つ:いて
さ:なぐるぞてめぇ!
つ:そーゆーのはなぐるまえにいってください。
さ:2度と言うな。
つ:なんかずいぶん嫌いなんすね・・・
さ:わるいかっ

女:買って来ましたああ!!
つ:あ、佐藤さんの面会だったんすか
さ:お、おう。そうらしい。
つ:隅に置けないなぁもう。
さ:ばか。ガキじゃねーか。
女つ:え?
さ:あ、よ、よせやイ、てれるう。
女:やめてくださいそんなんじゃありませんんん。
つ:まんざらじゃないですね
さ:はっはっはっはっ はぁ・・・
つ:佐藤さん?
さ:元気だ
女:元気ですよね佐藤さん。この前手術したばかりとは思えない。
つ:手術?したんですか?
さ:ん?ああ、なあ。
女:はい、あれ、しらないんですか?
つ:今日入ったばかりだから
女:あ、新入りさんなんですかぁ
つ:え?
女:佐藤さん脳腫瘍だったんですよね
さ:あ、うんうんうんうん
つ:へーたいへんだったんですねのーしゅよーですか
さ:あ。まあなまあなまあな
女:縫い目あります?
さ:あ?え?なんの?
女:頭の
さ:あ、うんうんうんうん
女:見たいです
つ:あぼくもみたい。
さ:みるの?
女:おねがいします。
さ:・・・いいよ。たぶん、あるよ。
つ女:どれ・・・・・・
つ:ないねぇ
女:はい・・・
さ:ない?
女:ないです
さ:そーか。じゃもう毛ぇはえたんじゃないか
女:でも、つい最近の手紙で・・・
さ:え?あーあれねあれね
つ:もう毛ぇはえたんですね
さ:あうん。うん。あ!思い出した。縫わないでくれって頼んだんだ!!
女:え?
さ:うん、縫い目ねんだよ。だから!
女:へーー
つ:でもどやって・・・
さ:こーやってほら(押さえる)
つ:押さえたんですか?
さ:だってよぉ、ハゲんのやだからよぉ。医者がぬおって瞬間に目ぇあけて、ほら、なぐったんだ。
つ:なぐったんすか?
さ:なぐってすぐ、押さえたんだった。
つ:つきました?
さ:カンペキ
女:すごーい
さ:そっかな、はははははは・・・ はぁ
つ:さとーさん?
さ:元気だっ!
女:そんなにすごいなら、これいらなかったかなぁ
さ:え、なに?
女:あたし、本で読んだんですけど・・・
さ:脳腫瘍にはトマトがいいんです
さ:なんの本だそれ!
女:で、トマトジュースにしました。
さ:え?
女:トマトジュース
さ:ナポリンじゃないのか!?
女:色似てるしこっちのほうがいいかなぁって
さ:よけえなことしゃがっててめっ!おれがこの20年間どんだけナポリンが飲みたかったと思ってんだあ!!あのなぁいいか
つ:泣く!!
女:すっ すっ すっ すっ
さ:あ!おれトーマト(はーと)(フォロー)
女:すいま゛ぜーん
つさ:あ~~~
女:あだじっ ひっく ざんま゛る゛ ひっく ざんごう ひっく ざんに゛っ ひっく ばや゛ぐっ ひっく よ゛ぐっ ひっく な゛って~~~
さ:何を言ってる?(小声)
つ:泣き声と横隔膜が邪魔して聞こえませんね
女:ざんばるざんごーざん
さ:ジャンバルジャン?父ーさん?
つ:ああ無情の主人公ですね
さ:わかってんのおまえぐらいだろ
つ:読書家ですから
さ:しっ
女:あだぢっ ひっく おみ゛ま゛い はじめてだからっ ひっく
つ:聞き取れますよさとーさん
女:ずっと入院ズズズしてるから、なにしていいのかわかんなくて
つ:なるほど、彼女入院してて、おみまいされる側だったみたいです
さ:通訳つづけろ
女:手術成功おめでとうございます。
つ:しゅじゅつ、あ、おめでとうさとーさん
さ:ありがとうみんな
女:303号さん
つ:303号さん・・・!!
女:のうしゅようはなくなりました?
さ:たぶん。
つ:のうしゅよう!!
女さ:?
つ:のうしゅよう!!!
さ:・・・なしたとつぜん
つ:・・・お名前は?
女:まつもとのり子です・・・?
つ:ぺ、ペンネームは
女:え? 知ってるんですか?(さとーに)
さ:しってんの?
つ:はい
さ:しってるって
女:そーなんですか
つ:ペンネームは
女:518号です。
つ:ごひゃくじゅーはちごう!!
さ:うるせえなおまえ
つ:にゅーいん!しゅじゅつ!!のーしゅよう!!ペンネーム!!ごひゃくじゅーはちごう!!
さ:れんそーゲームか!?わかんねーぞ!(考えてる)
つ:さとーさん!!
さ:正解かそれが!
つ:あっくろやなぎてつこ!!
女:え?!(見る)
つ:しつもんがあります!あなたわけわかってますか?!
さ:ちんぷんかんぷん
つ:わかりました!!まかせてください!
女:どこですかてつこは?
つ:あああ君がうわさの518号さんかあ
女:えぁ、はい!(はーと)
つ:きいてるぞお佐藤ただしさんつうしょう303号さんからあ!!
女:そーですかあ
さ:ねつあんのか
つ:え?!なんですか303号さん!つまり病室の番号をペンネームにしてたとゆう!!
さ:ぺんねいむ?
つ:はい303号さん!!さかのぼること2ヶ月まえたまたま雑誌の文通コーナーでみた518号さんの名前がきっかけで知り合ったとゆう!!
さ:518?
つ:は、つまり彼女でえ松本のり子が本名でえ
さ:ペンネーム?
つ:は、彼女が入院してる病院の病室の番号からとったとゆう!あなたもわかんない人だなあ!(はーと)
さ:びょういん
つ:あんたもいちいちききかえすな~~!!(はーと)
女:なんでも知ってるんですね彼
つ:田中です!
女:田中さん
つ:はいしってます!
女:田中さんのお部屋は(以下すべてさとーに)
さ:ココ
つ:(なぐる)じゃなくてもっとあっちでーす
女:田中さんって今
つ:浪人生でーす
女:田中さんって今日入院
さ:いやしてきたのは
つ:(なぐる)ぼくでーーす!!よろしく~~
女:田中さんって
さ:てんぱ
つ:てんぱでーすぼくに全部きいてくださーい
女:あたしさとーさんに(面会)
さ:おいさとーよんでるぞお
つ:それはあなたでーす!もーわけわかりませーん!!
さ:わけわかんねーのおれの方だぞ
つ:お願いします!!まかしてください
さ:え?!
つ:そおおおだ松本さん!!
女:はい?
つ:305号の高倉さんが会いたいって!!
女:え?
つ:303号さんつまりさとうさんが305号の高倉さんに518号つまり松本さんのことを話したんだよねぇ
さ:は?
つ:「うんっ」
女:でも
つ:高倉さん死ぬかもぉ!!
女:え!!
つ:もう長くないんだ!
女:そうですかあ
つ:気の毒がってないで今!今行かないと死んじゃう!!
女:ほんとに!?
つ:5!4!3!2!1!
女:いってきます!
つ:君の生まれた頃からの話をすればよろこぶよきっと!!
女:わかりました!!(ダッシュ)
つ:2,3時間ねぇ~~!!・・・・・・・・はあ、はあ、はあ・・・ゼーゼー、さとーさん・・・
さ:え?
つ:物事を成し遂げるって難しいですね
さ:なにしでかしてんだおまえ


けんちゃん曲にあわしてキメポーズしながら登場
曲きょーぉも元気にどかんをキメたらヨーランせおってリーゼントっ
曲下がる

た:もしもーし!!おれえ!!びびったあ?!やっとこ集中治療室抜けたぞぉ!おーさんきゅう!!病院ってつまんねーよ。早く見舞い来いやかしおりもってぇ!え?もーきたの!?いつ?あ~おれ1週間くたばってたからなあ。そんときか!!なんだよ起こしてくれりゃいいのによっ!ばーか、お前らに起こされりゃすぐ目ぇ覚めるってっ。あ、今日来い!おれ?元気元気!左半身以外は!!

曲上がる
ケンちゃんしゃべってる。すごくたのしそーに
曲下がる

た:今?!まつばづえっ!ぜんぜんつかってねーけどなっ。最近こねーなみんな。なんか忙しいのか?トシオもナオもヒロちゃんも、おまえも!!あ、そーかそーかお前らもー卒業かあっどーすんの!え?しゅーしょく?!あ、そう~っかっちょ=いいなっはたらきながらゾクやるってか?!

曲上がる
しゃべってる。今度は楽しそうでもない

た:え?!(曲切れ)やめるって?・・・なんで?トシオも?どしてよ?「はたらくから」でもよっ稼ぎながらやりゃーたのしいじゃん。おれもすぐには治っからよお、なっ。無理?!ばぁか、だいじょぶだって。冗談なんていってねーよ。ほらみんなでいったじゃん、じじぃになるまでやるって。「冗談にきまってんじゃん」え・・・うそつけぇ、カカカ(笑う。無理に)おれ本気だったぞお。カカカ・・・カ・・・ ・・・・ わらうなやそんなにい、わらうなって、おい、わらうなって・・・わらうなやぁあ!!!

た:・・・わりぃ、うんジョークよジョーク。ナオもヒロちゃんもか?あ?あったりめーじゃん、きにしてねえよ、そんなもん。カカカカ。やめやめ~。じゃよぉ・・・またみんなであそぼーよ、「いそがしくてな」あー・・・そーか、いそがしーもんな。みんなおれみてえヒマ持て余してるわけじゃねーもんな。そだなぁ、わかった。じゃヒマンなったらこいや。まだとーぶんでれそーにねーしな。また電話するわ・・・うん、・・・じゃな。・・・(ベッドへ)(光ぼんやりと)(不自由そうに右足ケンケン)(座る)(ボーッ)

曲じわり Another lonly day

た:ほんじつーーーーー、はれてとっこーたいちょーをつとめさしてもらうことになったぁーーー、たかくらけんたろーーーっす。うーーーすっ。たかくらけんたろーーーーっす。うーーーーーっす

ナース登場

ナ:まつばづえは慣れました?
た:!!・・・なんだ新人ナース
ナ:そろそろその呼び方やめてもらえません?
た:新人じゃん
ナ:もう1年つとめましたから、あたし。
た:したっぱはしたっぱだろ
ナ:せめて看護婦さんって呼びませんか?
た:・・・(聞いてない)
ナ:最近、元気ないですね、高倉さん
た:!! そんなことねえ。
ナ:悩み事でもあるんですか?
た:どっかいけ新人ナース
ナ:・・・おともだち最近来ないですよね
た:・・・おう
ナ:もしかして・・・
た:関係ねえ!
ナ:んん~~ん高倉くんのばかーん(はーと)
た:は?
ナ:院長先生からおはなしがあったんです。
た:え
ナ:だいぶまえですけど、お見舞いに来るのはいいけど騒ぎすぎないよーにって
た:あいつらに?
ナ:はい。それで気を使ってあまり来ないんですよ。まっ病院側としてはそのほうがいいですけど。しずかで。
た:・・・そーか
ナ:だから高倉さんも気にしないほうがいいですよ
た:・・・ははーん
ナ:え
た:うそだな
ナ:う、う~~んかざまくんのばかーん(はーと)
た:新人のくせに気ぃ使うなって。
ナ:・・・ハイ
た:おう
ナ:最近リハビリサボりすぎですよ。
た:・・・おう
ナ:なにかあったらナースコールしてください。失礼します(ペコ)(退場)
た:新人ナースっ
ナ:え?
た:名前は?
ナ:・・・うしろ木です。
た:下のなまえっ
ナ:ちえです
た:ちえ
ナ:看護婦さんって呼んでください(退場)
た:・・・・・・リハビリでも、すっかな。(ゆっくりと立ち上がると)

曲上がる 暗

医:うしろ木さん、そんなに落ち込まなくたって
ナ:でも
医:ナースコール入ったときにはすでに折れてたんだから
ナ:もしつよしくんがもう一回ナースコールくれなかったら・・・
医:だいじょぶだって。足は元気だから。そのうち詰所にでもかけこんできたって。
ナ:けど・・・
医:処置は済んだし。折れてはいたけど、あとはギプスつけて治るの待てばいんだから。ほらっ元気出して。
ナ:・・・あたし、向いてないのかもしれない
医:え?
ナ:患者さんのこと一番に考えてなきゃだめなのに、高倉さんのことないがしろにしてたと思います。
医:しかたないって。あの子病気もケガなかったんだから。
ナ:それでも入院してる以上はっ
医:うしろ木さん。
ナ:・・・はい。
医:なんかあったの?
ナ:・・・・・・すみません
医:・・・ほら、お仕事。
ナ:ハイ・・・

SEプルルル、プルルル

医:はい~~~坂の上せいけーげかですぅ。あ、先生ご無沙汰してます。はい。はい。脱走ですか?いつ。昨日?わかりました。名前は、はい、はい。でもなんでうちの病院に?うちは整形外科ですよ?先生外科ですよねぇ。え?てがみ?

光切り替え
ベッド

さ:じゃなに、お前はウソの手紙を出し続けてたってわけか?
つ:・・・めんぼくない
さ:なんでそんなくだらねえことを
つ:いやっぼくも最初は冗談のつもりで書いてたんですけど、・・・なんか・・・真に受けられたみたいで
さ:さいてーだなおまえ
つ:はい・・・
さ:のーしゅよう?
つ:はい
さ:ここ整形外科だろ
つ:僕は秘密部隊の任務中に脳を銃で撃たれたので整形外科で秘密に入院をしていることになってるんです。
さ:信じるかふつう?!
つ:・・・
さ:信じそうだなあいつ
つ:はい。
さ:言っちゃえウソだって
つ:だめですよ!!そんなこといったらショックで死んじゃいます!!
さ:死ぬかそんなことで!
つ:・・・
さ:死にかねねえなあいつ
つ:はい・・・
さ:でもやっとこ謎が解けたぞ。そーか、そーゆーことか・・・ふーん。
つ:あれ?ちょっと待ってください。
さ:え?
つ:なんですぐ303号さんは「おれじゃないっ」て言わなかったんですか?
さ:それは・・・そのぉ・・・
つ:さとーさんって怪しいですよね
さ:おいさとー呼んでるぞぉ
つ:ほらっそれっ!!
さ:どきっ
つ:どきっとしましたねわかりやすい。
さ:う、うるせえ!お前はあの518号のこと考えてろ!
つ:あ!!・・・お願いします!!(土下座)
さ:え?
つ:このままウソつきとおしてもらうわけにはいきませんか?
さ:・・・・・・やだよおまえそんなん!
つ:お願いします!!
さ:だめだって!!ただでさえおれ大変なんだからこれ以上覚えること増やすわけにゃいかねえ!!
つ:おねがいします!!うそついてください!!
さ:やだ!!だ、え!!
つ:あの子が変えたら改めてお詫びの手紙だしますから!だからそれまで!!
さ:なんでおれが!!
つ:元はといえばあなたが最初にちがうっていわないから勘違いしてるんじゃないですか!!
さ:おれにもいろいろ事情ってもんがあんだよ!!
つ:ケチ!!
さ:ケチってゆーな!!(バコッ)なぐるぞぉ!!
つ:なぐる前に言ええ!! いいでじゃないですか!ちょっとくらい!!
さ:おまえがはじめっからうそ手紙ださなきゃよかったんだろ!
つ:あれは言葉のあやでぇ!!
さ:言葉のあやでのーしゅよーって書くか?!
つ:だから今度あやまりますって!
さ:サラサラヘアーだぁ?!よくもぬけぬけとぉ!
つ:天パです!悪いですか?!
さ:天パって事実が303号さんの資格なくしてんだよ!
つ:だからおねがいしてんじゃないですかぁ!!!
さ:・・・・・・わかった(納得する。天パで)
つ:え
さ:わかったっつったんだよぉ!
つ:ほんとに?!
さ:何回もいわすんじゃねぇ!
つ:ありがとうございます!!
さ:その代わり、お前もおれに協力しろ。
つ:え?
さ:高倉けんたろうを退院させろ
つ:・・・なんで?
さ:しつもんはなーーーし!!ちえから、あいつをできるだけ離すんだ。
つ:・・・なんで
さ:しつもんはなーーーし!!
つ:はいい!!
さ:いけっほら!!
つ:どこに?
さ:退院させてこい!なぐってでも!
つ:だってゆび折りたてですよ
さ:ゆび折ったぐらいで入院してたら!極道もんは一生入院生活だろお!!
つ:なんかわかんないすけど説得力ありますね!
さ:へのつっぱりはいらんですよ!!
つ:キン肉マン!!

曲jail bird

さ:これからおれのことおやっさんって呼べ!!
つ:おやっさん!!
さ:おれは518号の手紙をすべて読み漁る!!いいな!!
つ:お願いします!!
さ:つよし!!
つ:おやっさん!!
さ:ぶちかましてこい!!
つ:かっこいいいい!!(退場)
さ:(手紙をかっこよく取り出す)ハッ!!(舞台前へ)(光変わる)お手紙ありがとうございます303号さん!!この前のお手紙を読んでびっくりしました!すごいです!!つよいんですね!! あ~ でも安心してください!あたし絶対誰にもいいません!303号さんが実は国家諜報局のスパイでアメリカから逃れてロシアに渡って!そのまま泳いで日本へたどりついて!いつも誰かに狙われてる孤独のロンリーウルフだなんてぇ!!コードネームはぁ!!(曲切れ) ドラゴン。かっこいいい。こんど、機会があったら、返信してください。お手紙待ってます。 P.S.地球の平和のために、ファイトっファイトです。・・・・・・。(ぼーぜんとして、きちんと手紙をしまう)(ベッドへ戻る)(布団を開ける)(ごっそり手紙が出てくる)

暗転。喫煙室へきりかえ
高倉(ゆびに包帯)と女

女:あたしは転校したばっかだったんですね。中頓別、留萌、旭川って。だからなかなか友達できなかったんですよ。小学2年生のときに親友がいたんですけど。あ、それは留萌のころなんですけど。留萌からお父さんのお仕事の関係で旭川に移ることになって。お見送りに来てくれたんですよ親友がぁ。よーちえんから一緒で、佐々木みち子っていって。みっちゃんって呼んでたんですよ。あ、あたしはのりちゃんでした。お見送りにはプレゼント持ってきてくれてて 父:「おーいそろそろいくぞぉ」女:「まってもうちょっと」み:「バイバイのりちゃん」女:「うん、みっちゃん」み:「のりちゃん、コレ」女:「なに?」み:「あたしだと思ってだいぢにしてね」父:「おーいそろそろいくぞお」女:「わ、木彫りのサケくわえてるくま。ありがと~~~しぶーーい。」
た:しつもんがあります
女:はい。
た:小学2年って何歳
女:7才です。
た:今君なんさい
女:17です
た:あと・・・
女:10年です
た:なぜ君は、生まれてからの話をするの?
女:生きててほしくて!!
た:・・・・・・わからないんだけど。
女:あ、たばこ吸い終わりました?
た:ハイ。
女:さいごのタバコ・・・
た:え
女:あ、ごめんなさい!あたしったらつい!!
た:気にしなくていいよ
女:さっ横になったほうがいいです!いきましょっもどりましょっハナシのつづきをしましょっ!
た:いや、あの・・・
女:どこがわるいんですか?
た:え
女:高倉さん。
た:ゆび・・・かな
女:ゆびで死ぬんですかぁそーですかぁ
た:え?
女:あ!!すいません!!生きてください!!
た:ハイ
女:(満足そうにうなずく)
た:ずいぶん満足そうだけど、心配しなくても生きてきますから。
女:生きる希望がわいたんですね!!
た:え?・・・はい
女:お役に立てました?!
た:はい・・・ありがとう
女:そーですか!さっお部屋もどって、今度は8才からです!さっあと10年がんばろー!!
た:いや!!
女:え
た:もーいいよ、ありがとう(なぐられる)
女:人生投げたらあきまへん!!ゆびの病に負けたらあきまへん!!
た:はい。
女:いきていたら、たのしいこともあるじゃないですか。つらいことばかりじゃないですよ。あたし、わかるんですっ。さっきは失礼なこといっちゃてごめんないなさい。あなた悪い人じゃありません。なかなか良くならないゆびに投げやりになって!303号さんのケンカになったんでしょう!?待つんですっそして生きるんです!
た:よくわかんないけどジーンときたよっ
女:303号さんは怒ってません。安心して、あの人はすごい人ですから。
た:303?あーーてがみの!
女:はい、あれ、知らずに聞いてたんですか8才まで。
た:518号さん!?
女:はい!!
た:そっかそっかあんたがぺんぱるかぁーきたんだぁ
女:会うの初めてなんですよ
た:どーだった?
女:想像してたまんまでした!
た:そっか、よかったなぁ、心構えしてて。
女:え?
た:いや、あいつどーみても幸薄い顔してるじゃん。おまけにガリベンときたもんだ。
女:あたしけっこうかっこいいと思いますけど。
た:・・・・・・(じっ)熱あんじゃないいの?
女:ありません
た:じゃ価値観のちがいってやつか
女:だと思います。それに高倉さんケンカしたばっかだから。悪く見えるんですよ。
た:だれと?
女:え、303号さん。
た:あ、そう。したっけな。
女:さっきしてたじぢゃないですか。
た:おれが?
女:はい。すごいのを。
た:わすれた。
女:男同士ってそーゆうもんなんですかね。
た:え?・・・うん。たぶん。
女:いいですねぇ
た:まぁ、年も近いしな。ずっとお友達なんですか?
た:あいつココきたの2月だったからよ。救急車で運ばれて、足折ってな。
女:え?
た:ん?
女:あたしのうしゅようって・・・
た:んなわけないじゃん。ここ整形外科だろ
女:あ!!そっか!!(秘密なんだ)
た:え?なに、急に
女:そっか!いえ!なんでもないです!!
た:のうしゅよう?
女:ジョークだったんですよきっと!!
た:ずいぶんキツイのかましてんなあいつ
女:いんです。・・・あぶないあぶない。
た:あぶない?
女:いんです!あのそれで・・・
た:あ、おう。そんで、ずっと勉強してたんだよ。よっぽどショックだったんだろうなぁ。ガーンとやられてよお。
女:あたしもききましたっ。世の中にはわるいやつらがいるんですね!
た:ま・・・まぁわざとかどーかは知らないけど。なんか気落ちして、ずっとよっぴいてガリベンしてっからよ。おれもちょっと気になっちゃって。おれが声かけてやったわけよ。
女:なんて?
た:ゴソゴソうるせえんだコラぁ!!
女:・・・・・・
た:それからよ、つよしと口きくようになったの(ニコニコ)
女:つよし?
た:おー、田中つよし。
女:あってんぱさんの話だったんですかなぁ
た:てんぱさん?
女なんだあたしてっきり・・・あれ?てんぱさん、今日入院してきたって。
た:つよし?ちがうよ、2月
女:え?だって言いましたよ。
た:よくしらねぇけど聞き間違いじゃないの?
女:ちがいますよっ
た:本人に確かめてみな。じゃな、俺行くぞ。
女:だめです!だって高倉さんゆびの病で死んでしまう!
た:・・・あのね、ぼくのゆびは骨折したの。だから、しなないの。
女:でもてんぱさんが!早く行かないと高倉さん死んでしまって!
た:は?
女:あたしダマされてたんですか?!てんぱさんに!
た:どーやらそのようだねぇ
女:あのてんぱ!
た:てんぱって呼ばない方が・・・
女:ひっどお!!あたしウソつく人って大キライです!!今日からてんぱも嫌いになりました!!
た:てんぱが片っ端から悪いわけじゃ
女:初対面でウソつくなんて!てんぱ!
た:もしかしら天然じゃないかも。
女:すみませんなんか迷惑かけちゃって!!じゃ、あたしさとーさんとこに戻ります。
た:あ、そう。
女:それじゃ。(退場)
た:ん?さとう?
ナ:ピンポンパンポン
女た:?
た:なんだ
ナ:お客様のお呼び出しをいたします。
た:お
ナ:松本のり子さま、松本のり子さま。
女:あ
た:あんたじゃん
ナ:いらっしゃいましたら、一階受付までお願いします
女:・・・
ナ:ピンポンパンポーン
た:ほら、いかねえと
女:はい
た:あっち。うけつけ
女:わかってます
た:いってらっしゃい
女:・・・はい。あの、ことづけお願いできますか?
た:え、いいよ
女:303号さんに。今日は帰りますって。
た:わかった。つよしにな。
女:いえ、だから、佐藤ただしさんです。
た:え?
女:はい。いつも元気をもらってます。今日は会えてうれしかったって伝えてください。
た:・・・・・
女:・・・コレ、渡してもらえます?(手紙)
た:・・・わかった・・・
女:さよならっ(走ってハケ)(上)
た:え?(受付はあっちよ)

医者とバッタリ

女:あ・・・
医:松本のり子さんですね?
女:あの・・・
医:先生がとても心配してます。
女:・・・・・・
医:もうすぐお迎えに来られますから
女:・・・やです
医:大丈夫です。今度の手術でおしまいだって言ってらっしゃいました。
女:もう嫌です!

曲One by one

ナ:先生!
女:!!
ナ:やっぱりいたんですか。
女:来ないでください。
ナ:心配しなくても大丈夫ですよ
女:もう嫌なんです!!
た:ちょっと
ナ:今度の手術は、簡単だと仰ってましたよ
女:ウソつかないでください!!
た:どしたんだおいっ
女:もうほっといてください!嫌なんです!本人が嫌だって言ってるんですから
ナ:だから松本さんの先生が話し合いたいって
女:はなしあったっておなじです!どーせまた手術しろってゆーんです!!
ナ:そーかもしれませんけど!
女:あたしもどりませんからあんなとこに!!(逃げる)

つよし、同じそでから

つ:うわっ
全:あっ
た:おいっ
つ:どしたの?
医:お願い!!
つた:?
医:手ぇかしてっ!!
た:おれ?
ナ:おねがいします!!
医:早く連れ戻さないと危険なの!!
つ:え?
ナ:つかまえてください!
た:ちえちゃん
ナ:おねがいします!
医:あの娘、絶対安静なんですっ!(追う)
ナ:この病院で元気なの、あなたがたくらいだから!!
つた:はいっすんません。
ナ:おねがいします!!
た:はい!!
つ:!!まさか、病院ぬけだして・・・
た:てめえいろいろ知ってそうだな?(襟首)
つ:え?
た:こちとら色々ふにおちねんだよぉ!
つ:すんませーーん!!
た:あっ?!
つ:とにかく行きましょう!(走る)
た:おい!!まてぇ!!

曲あがり

さ:へ~~~ん~~~し~~~ん(以下略) こーなったら、ひどいぞ!!ひっさつ!!ドラゴンスマッシュ!!(うごく)いやパトリオットドラゴン!!(うごく)いやドラゴンスペシャリスト!!(うごく)いやっドラッゴーーン!!(うごく) これだな(メモメモ) えーと、ひっさつわざは、ドラ・・・ゴーン、と。よしっれんしゅうれんしゅう!!

曲上がる
曲下がる
上前サス

つ:お手紙ありがとうございます。ほんとにお返事がくるなんて、おどろきました。ペンネームの518号は303号さんの言うとおり、部屋番号です。びっくりしました。303号さんも入院してるんですね。実はあたしも入院してるんです。すごい偶然ですね。なんだかすごくうれしいです。私は、もう3年目になります。だから、303号さんよりも、ベテランですね。わたしの病気は体質的なものです。ガン体質ってしってますか?私は普通の人よりも、ガンになりやすいんです。私の母が他の親せきには、ガンで亡くなった人もいて、遺伝的なものなんだそうです。お医者さんの言うことをちゃんと聞いて生活してます。てんてきとか、注射とか、おくすりとか、毎日、毎日なのでもう慣れました。それでも四月には退院できるそうです。外出の許可もそのころには出るそうです。はじめてのお手紙なのに、こんな事ばかり書いちゃってごめんなさい。303号さんはどんな病気ですか?おもい病気ですか?もしかして、同じような病気ですか?だったらスゴくびっくりです。

曲上がる

曲下がる

医:いた?!
ナ:2階はいません!
医:どこいったのかしら
ナ:高倉さんは?!
医:3階たのんである。
ナ:あたしたちもっ
医:いきましょっ
ナ:はいっ
医:これ以上興奮さしちゃだめよっ!
ナ:わかってます!!(ハケ)

曲上がる

さ:うおう!!つよいぞガングリヨン!!ひっさつ!!ドラッゴーンすうぱぁ!!とお!!

曲切れ

さ:(うごくうごくうごく)はあ・・・無理だ。絶対無理だ・・・あのやろ、うそつきにもほどがある。信じるほうも信じるほうだ。どこの世界に、国家諜報局のスパイでなおかつスナイパーで3ヶ国語をしゃべれるコードネームがドラゴンのおまけにひっさつわざがあってついでにへんしんまでできるロンリーウルフがいるんだ。おぼえられるかっ!・・・はっけっこうおぼえてるっ!
女:303号さん!
さ:ぬぬぅっとつぜん実践かっもうすこし練習さしてもらうわけにはいかんか?!
女:え?
さ:なんでもないっ さっ おみまいのつづきをしてくれ。
女:あの、お願いがあるんですっ
さ:・・・そーきたか
女:え?
さ:よしっ来い!!
女:は、はい。あの、あたしもこっちの病院にうつりたいんです!!
さ:・・・・・・(ぱちくり)(ガクッ)・・・きーたなぁ。はんそくだはんそく。とーとつすぎてはんそく。
女:おねがいします!!303号さんの力であたしも秘密入院させてください!!
さ:ゴフッ
女:!! だいじょうぶですか!?
さ:てごわいなあんた。
女:できますよねドラゴンさん!!
さ:うぶし!!
女:303号さん?!
さ:凶器だ。凶器攻撃だ。もっとせいせいどーどーとたたかえんのか
女:おねがいします!!
さ:どおして突然そういうことになるんだ
女:おねがいします!!あたし、ぜったいこっちの病院のほうが合ってると思うんです!!だって303号さんも手紙でゆったじゃないですか!
さ:・・・なんて?
女:病は気からって!
さ:・・・いつの
女:初めの方の手紙で
さ:あーそれまだ目ぇとおしてねぇんだわ
女:え?
さ:こっちのはなし!
女:おねがいします!
さ:でもここ整形外科だろ?!君は内科だなぁ、資料によれば。
女:のーしゅようは脳外科でしょ?!でも303号さんドラゴンだから秘密入院でしょ?!
さ:あ、あー銃で撃たれたというあれな。そーかモロ信じてるんだよなぁ。
女:?
さ:こっちのはなし。
女:303号さんの力であたしを秘密入院さしてください!!
さ:う~~~まいったなぁ。

ダッシュでつよし(女の背後から)

つ:さと・・・
女:言ったじゃないですか!!

さつ:え
女:困ったときはなんでも言えっていったじゃないですか!!
つさ:!
女:なんでもまかせとけって!!だからあたし今までがんばってきたんです!!
つさ:・・・
女:・・・どうしてもダメですか?
さ:・・・しつもんしていいか?
女:・・・
さ:どうしてそんなに病院うつりたがるんだ。
女:・・・・・・もう嫌なんです。
さ:・・・なにが
女:・・・全部です
さ:・・・全部・・・
女:消灯時間が来たら思うんです。・・・このままいなくなってもだれも気がつかないだろうって思うんです。いなくなっても、そのまま、何もなかったみたく過ぎていくんだって思うんです。関係ないんだって思うんです。
さ:そんなことは・・・
女:まどから、
つさ:・・・
女:まどから車とかあるいてる人とか、みるんです。雨だったり、はれだったり、夕やけだったり、みかづきだったりするんです。まどから、いろんなものを見るんです。夏とか、秋とか、冬とか・・・春とか。天気予報とかTVとか、お母さんとかお父さんとか、外のことをおしえてくれるんです。あったかいよとか、さむくなったよとか、気持ちいいよとか。おしえてくれるんです。でも関係ないんです。あたしのいるトコとは、関係ないんです。見てるだけです。夏も秋も冬も春も、ただみてるだけです。だから、全部ウソだと思えるんです。外のことぜんぶウソみたくみえるんです。まどからみえる色んなことぜんぶウソだと思うんです。
つさ:・・・・・・
女:手紙みてるときだけなんです。あたしのためにとどく、手紙だけなんです。ホントのコトに思うんです。あたしだけに手紙がとどくことが、ホントのことなんです。
さ:だから
女:だから、他のことはどーでもいいんです。

つよし出てこうとする

さ:つよし
つ:(ピタッ)
さ:おまえがにげんな。

たかくら

た:ああ!いたあ!!(曲切れ)つよしってめえすきかってあやまっといていなくなんじゃねーよ。わけわかんねーぞっ
つ:すんません
さ:なにか、用か
た:おめえにも言いてえことあっけど、今はその子に用がある。
さ:え?
た:さっ病院もどんな
女:・・・
た:ちえちゃんも先生も血相変えてさがしてっぞ。おい、つよし。ナースコール
つ:はやくしろたこ。おまえでもいいや、ほらっ。
さ:・・・どういうことだ
た:病院ぬけだしてきたんだってよ。よくわかんねえけど。手術ちかいらしいぞ。
さ:!ほんとか
女:・・・はい。明日、手術です。
さ:なんで先に言わない。
女:言ったら帰れっていうと思って・・・
さ:・・・
た:とにかく、ナースコールしろ。おいさとー。お前の客だからお前がしろ。ほら
女:あたしもどりたくないんです!!
た:せっとくしろよ
女:おねがいします!!
た:はやく帰らせろ。その子の体のこともあんだろお
女:303号さん!!
た:つよし、おまえナースコールしろ
女:おねがいします!!たすけてください!!
た:いいかげんにしろよ
女:あたしもうやなんです!!あそこにもどるくらいなら!死んだ方がましなんです!!
た:さとお!どおにかしろぉ!!
さ:(下向いて)だまれえええ!!
全:!!(凍りつく)
さ:悪のゴンゲ・・・ガングリヨンめ!!(ファイティングポーズ)

3人:?!!
た:・・・お、おれか?!
さ:そうだおまえにいっておるのだガングリヨン
女:・・・303号さん?
た:おれはできモンじゃねぇ!
さ:518号をわたすわけにはいかんな
た:・・・なにいってんだてめぇ
さ:わたさぬとゆったのだぁ!!(ファイティングポーズ)
た:おまえ状況わかってんのか?!
さ:だいたい!!(ファイティングポーズ)
た:なんだそれぇ!!
さ:状況はだいたいわかってる!!518号はわたさぁん!!
た:ふざけんなぁ!!あした手術の患者がぬけ出して来てんだぁ!!どーすりゃいいかは決まってんだろお!!
さ:おまえの言い分はよくわかる!!
た:言い分とかのもんだいじゃなく・・・ってぇ!!
さ:しかしぃ!!
た:ああ?!
さ:こいつの言い分はもっとわかる!!
女:・・・え
つ:さとーさん・・・
た:・・・わからん!!
さ:とにかくおまえは悪のゴンゲガングリヨンだ!そしてわたしは、正義の味方ドラゴンだ!!
た:なに?!?
さ:おまえは私にたおされなくてはならない!!
女:・・・303号さん?
さ:私は303号さんなので、518号の味方でなくてはならない!!困ってる時には助けてやらねばならない!!
た:・・・ふざけんなあ!!
さ:ふざけてないい!!
3人:!!!
さ:私は518号のヒーローとしてっ常に彼女をまもる義務があるっつってんだこのやろお!!
た:わけわからんことを・・・
さ:とにかくおれは決めたんだ!!おれはロンリーウルフ、コードネームはドラゴーン!!
つ:さとうさん!(もうやめてください)
さ:うるせえ!!だれかれかまわず満足してもらおうなんて思ってんじゃねぇ!!1人でいんだ!!
た:だまれよおまえ!!
さ:その言葉のしつけてかえす!!ドラゴンチョーップ!!(本気パンチ)
た:あぶねえ!!
さ:ガングリヨン!!つよいな!!
た:いいかげんにしろよ!!
さ:ひっさつわざは、ドラゴンスマッシュからパトリオット、そしてスペシャリストへの連けい!!ひっさつ、ドラッゴーーン!!
た:うおっ本気かてめえ!!
さ:だからずっとそういっている!!518号にドラゴンの本気が伝わるまで!!私はこのままひっさつわざをくり出ーーーす!!ドラッゴーーーン!!
た:うわ!!
さ:よく見てろ!!これが本気ってやつよ!!ひっさあつ!!ドラッゴーン・スーパー!!
つ:佐藤さん!!!

曲切れ

さ:・・・だから見てろって!!
つ:お願いします!!
さ:おめえは口出さねえ方がいいって!!
つ:わかってます!!でも!!・・・お願いします!!
さ:・・・・・・どーなってもしらねぇぞ!!
つ:・・・・・・(土下座)ごめんなさい。
た女:え
つ:色々、ウソつきました。
女:・・・天パさん?
つ:ちがいます。
女:田中さん
つ:ちがいます。
女:え?
つ:303号です。
女:!!・・・(さとうを見る)
さ:おれのせいもあるんだ。ちきしょー。わるかったな
つ:(曲)2月にたまたま雑誌の文通コーナーにのってる518号さんの名前をみました。それで手紙をだしてみました。そしたら返事がかえってきました。303号さんはおもい病気ですか。もしかして、同じような病気ですか。だったらスゴクびっくりです。
女:あ
つ:ぼくは、2月のはじめ、冬道ですべってころんで軽トラックに足だけひかれて受験当日に救急車ではこばれました。骨折といっても軽いコッセツで、みてのとおり、ほぼ完治しています。
女:・・・のうしゅようって・・・
つ:きっとガッカリするだろうって
女:え
つ:軽い病気だったら、きっとがっかりするだろうと思ったんです。がっかりされたくなかった。
た:それでウソを?
つ:期待されるとだめなんです。ガッカリさせるのがこわいんです。ぼくは冬道でマヌケにころんでひかれたようななさけない男だから、きっと、ぼくは力になれないだろうと思ったんです。期待されるほど、スゴイ人間じゃないんです。ホントのこというときっとさみしくなると思ったんです。だからウソをつきました。
女:・・・そんなこと・・・
つ:ごめんなさい!!君がぼくのウソをよろこんでくれるのが!すごく役に立ってる気がして!!今言えばまにあう!今言えばまだまにあう!そう思って書くうちに2ヶ月も経っちゃって!!すごい人どころか。こんなっマヌケでごめんなさい!!ゆるしてくれなくてもいい!!でも、おねがいだから!がんばって元気になってください!
女:・・・ウソつく人ってだいきらいです。
つ:すんません!!
女:ウソつく人ってだいっきらいですっ
つ:すんません!!
女:信じてるほうはバカみたいじゃないですか。たのしみにしてる方はバカみたいじゃないですか
つ:すんません!!
女:ずっとだましてくれればいいのに!!
つ:すんません!!
女:ウソつく人ってだいきらいです!!信じたあたしがバカみたいです!!

ナ医

ナ:松本さん!
全:!!!
女:来ないでください!!
さ:今はまずい!!
医:おちつちてください!
ナ:先生!
女:来ないでください!!
ナ:先生!!ちんせいざい!
た:ばかやろぉ!!
女もういいです!!もうどーでもいいです!!
医:つかまえて!!
女:ほっといてください!!(ダッシュ)
たさ:ばかやろおおぉ!!

曲あがり
(全員ダッシュ)
暗転

曲下げ
サス

つ:303号さんがこの手紙をよむころ、私は外の世界できっとあるいています。だれかのお見まいにいくなんて、ずっと思いつきもしませんでした。退院のはなしはずれました。本当は明日だったんですけど。でも明日いくって、ずっと前からきめていたので、絶対いきます。今もドキドキしてねむれません。明日は303号さんに会えます。どんな人ですか?手紙にかいてるとおりですか?でも、ちょっとはサバをよんでるんでしょうね。だとしてもゆるしてあげます。私には303号さんから手紙がとどくってことが大切なんです。この手紙は手わたしするんです。うれしい気持ちでいっぱいです。色いろ、考えることもあるんですが、とにかく、明日は、きっと一番うれしい日になると思います。たのしみにしています。それでは。

曲あげ

た:いたか!!
ナ:・・・いえ
た:ちっきしょおどこいったんだ
ナ:ごめんなさい!!
た:え
ナ:あたしが刺激したばっかりに!!
た:ちえちゃんのせいぢゃねって
ナ:それにゆびも!!あたしの・・・
た:だからよお!!今そんなこといってる場合じゃねぇーだろぉ!!今はあの子さがさねぇとまずいんだろ?!
ナ:・・・はい
た:しっかりしろよ!(ハケ)
ナ:・・・あ・・・

さとう

さ:ちえ。
ナ:さとーさん!おねがいします!!手をかしてください!
さ:わかってるっ
ナ:ありがとうございます!いました?!
さ:行くとこなんてきまってんだろぉ
ナ:え?
さ:本人どこにもにげばがねんだぞ!?
ナ:あの・・・どういう
さ:ばかかおまえ!!
ナ:!!
さ:かんごふかそれでもお!屋上だろ!?わかれよあのようすみてよぉ!!
ナ:でも!!
さ:でももへったくれもねぇ!!とにかくよぉ!救急車とはしご車よんどいたからよっ
ナ:!! 刺激しないほうが!?
さ:サイレン鳴らさねぇよーに言ったしよ。この病院の屋上は北側しか低いフェンスねぇからあの子北しかみねえだろ?だから、東西南からねらってこいっていっといた。
ナ:え、でも、
さ:ほら、いくぞっ
ナ:今日入院してきたのに・・・
さ:いくそ!!(しかる)今そんなこたぁどーでもいい!!一番大事なのは、そばについててやるこった!!
医:いた!!
ナ:!!どこに!!
医:おくじょう!!あの子飛びおりる気だわ!!

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たくさん台本を書いてきましたが、そろそろ色々と人生のあれこれに、それこれされていくのを感じています。サポートいただけると作家としての延命措置となる可能性もございます。 ご奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。