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無関係な供述を見極めるクリティカルシンキング

正しいことを話しているようでも、その時の問題に対する解決策や、話し合っていることとは無関係なことを聞かされていることがあります。

問題への影響は何か、他に考えられることとの関連性は何か、自分たちの議論していることとの関連性は何か?これらを意識していないと、同じ場所で話し合っても、問題を共有できずに、立場の強い人が個人的な問題について演説するという状況を生み出してしまいます。

例えば、プロジェクトにおいて、リーダーはその時々で起こっている問題の原因、解決案、コスト、納期などを自分の言葉で説明して状況を共有します。しかし、権限を持つ顧客側に理解力がなかったり、問題意識が低いと、報告内容を理解できず、全く関係ない話に持って行かれることになります。問題点を指摘しても明るい未来しか信じず、解決するのはプロジェクトのリーダーだと思い込んでいるプロジェクトは失敗の確率が高いプロジェクトです。

プロジェクトの週次会議で、議論が噛み合わない状況が続くようだと、周辺のメンバーにも問題を収束させようとする意識がなくなり、小さな問題が見過ごされ、それが重なり大きな問題へと発展します。お金と時間がかけられるうちは良いですが、最後は何も残りません。

権限のある責任者が問題の本質を理解し、自分で解決する策を考えるなり当事者意識を持たない限り、問題はいつまで経っても解決しません。

責任者が理解不足でも権限を持ち続けるのは、最後は自分より弱い立場の人に丸投げして、いざとなったら責任を押し付けるというやり方で回っているためです。それは組織の体質の問題でもありますが、弱い立場の人は理不尽でも給料のため、昇給のため、昇格のために我慢することになります。
この状況が、人は無能になる立場まで昇格するという組織を作っている一つの要因だと考えられます。

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