【呼吸の奇跡☆声の魔法10】コミュニケーションが苦手な人へ
新年度が始まりましたね。
新社会人となられた方、おめでとうございます!
進級や進学、異動などでも環境がぐっと変わられた方も多いかと思います。
しばらくは、緊張が続きますよね。慣れない場所や見知らぬ人たちに囲まれて、心細さを感じるでしょうし、「やって行けるかな」と不安にもなるでしょう。
ただでさえ体調を崩しやすく、疲労を感じやすい時期です。その上、この二年間はステイホームにマスクです。コミュニケーションに苦手意識がある人なら、ご自分で思っている以上に、今、心と身体がダメージを受けているかもしれませんね。
私ね、六十年も生きて来て、この頃ようやく気付いたんですが、人ってそれぞれまったく別の世界に暮らしているんだなってことなんです。同じ場所にいて同じ時間を過ごし同じ経験をしていても、見えている、聞こえている、感じ取れているモノが全て違うんですよね。親子や兄弟や友だちでも、長年一緒に暮らしているパートナーでさえも、ビックリするほどキャッチしているモノが違います。同じ感受性なんて有り得ないんですよね。これが個性ということなのですが、要はね、「人の心はわからん」のです。わかるはずがない。みんな違うから。
この「わからん」が大前提にあると、けっこう楽ですよ。
「友だちをたくさんつくらなければ」
「周囲の人たちに好かれなければ」
「優秀な人だと思われなければ」
「舐められちゃダメだ」
新しい環境でこんな風に思いがちの人は、要注意ですよ。そもそもわからん存在に向かって無理をしているので疲れますし、かなり神経がすり減ります。友だちはたくさんいなくてもいいし、全員に好かれなくてもいいし、優秀だと絶賛されなくても良い。ついでに、多少舐められたって大きな問題ではないんです。
大事なのはあなたの心と身体の健康。
そして、あなたの尊厳を守ることです。
私たちは、違うことに不安を感じます。だから、自分と違う存在を排除し、仲間外れにすることで自分を守ったり、同じ世界観に矯正しようと躍起になったりします。理解が及ばないモノや異質なモノが近くにあるのは、怖いし不快ですから。当然、摩擦が生れ傷もつき、ストレスも溜まります。でもこれが、初期設定。人間は、そもそも好戦的で排他的な生き物ですから。わからんけど。
多くの人がコミュニケーションに苦手意識を持つのは、記憶されたこの摩擦や傷の痛みや、付随するストレスが苦しいからだと思うんですよね。
では、どうすれば私たちはもっと軽やかに健やかに穏やかに、コミュニケーションを楽しむことができるのでしょうか。まぁ、どこかのお風呂屋のカマ爺みたいに「愛じゃよ、愛」と言いたいところですが、愛だって、学習しないと感じられないし表現もできません。愛は初期設定じゃないと思っているので、私は。
まずはね、挨拶だけでもしっかりと声に乗せて、相手の元に届けましょうよ。もう笑っちゃいますよね。小学生並みのアドバイス。でも、これ、本当に重要だと思うんです。案外、できていない人、多いし。
おはようございます。
ありがとうございます。
お先に失礼します。
お疲れ様でした。
まず、ほがらかに挨拶が出来れば第一段階はクリア。後のことは、ゆっくり整って行きますから。肩の力を抜いて、深呼吸をして、ゆっくり進めば、視野も開けますし、周囲との距離感もつかみやすくなります。
焦りは禁物ですよ。これから、嫌なことにも辛いことにも楽しいことにもたくさん出会うと思いますが、わからんものを面白がりつつ、適度に休みつつ、好きな趣味で遊びつつ、場所と人にゆっくりと慣れていってください。
六十歳になると、良い事も悪いこともかなり忘れます。だから、安心して進んでね。まだまだ、先は、長いのですから。
幸あれ!
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