寝室より未来に宛てて
化粧台と聞くと、なんだか古いにおいが漂ってくるのは、祖母の家をイメージするからだろうか。
増築されたキッチンの隣。洋服だんすの隙間を埋めるように配置された化粧台は、いつも幕が下ろされている。そこからレトロな絵柄のミニーの櫛をスッと取って、ヒーターの前に陣取るのが、お風呂上がりの私の常だ。
ドライヤーなんてないから、なかなか乾かない髪を丹念に丹念に梳かし続ける。パジャマが熱に照らされて熱い。寝る支度の整った母が横に座って、櫛を代わってくれる。細い櫛の先が後頭部を掻いて、まだま