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四投目

静かに軽く興奮気味。
ネットワークビジネスに誘われたのだ。
いや、正確には微妙に違うのだが。(笑)

何せ、人付き合いが下手糞で薄くて面倒臭がりで疑い深い僕は基本的にはその類いの話は聞きもしないのだが、それなりに長い事世話になっている人からの声掛けだったのでとりあえず話だけでも聞いてみようと思った。
…noteの記事ネタ、と思ったわけではない、筈。(笑)

とりあえず、世話になった人(仮にタクマ氏とする)がどうも煮えきらない感じの話し方をしている時点で、多分微妙な話題だろうな…と思っていたが、マルチだった。(笑)

僕はマルチ商法は新興宗教「オカネ教」だと思っている。
事業内容(商品等の詳細の違い)は宗派の違いだ。
信じて課金し続けたらそれなりの見返りもあるかもしれないが…
末端は吸いとられるのだ。
そして、勧誘する人は基本的に味方の顔をして共感を謳って寄ってくる。
タクマ氏…元々夜職だったというだけあってえげつないな…というのが話を聞いた後の感想。
タクマ氏は元々この話を若手のヤマナ氏(仮称)から聞いて…おそらく自分の方が上手く出来ると思ったのだと思う。
実際、タクマ氏は話が上手い。
ヤマナ氏は、マルチ商法の勧誘の場面で言うなら囮キャラだ。
ヤマナ氏の朴訥とすら見えるほどの口下手さにつけこむ(?)と、おそらくはタクマ氏のような「オカネ教」の指導者クラスの手合いが出て来る。

あいにく僕はかなりの天の邪鬼なので、「低リスクで確実なビジネス」等と言われると、乗り気になるよりも、引く。

あ、ちなみに、持ち掛けられた話はACNジャパンのエナジー・サービス「ティーダッシュ」だった。
まだ電気とガスの一本化ですらなかった…それはともかく。

会社の大きさとか知名度とか事業年数の長さを強調していたが…僕が思うにネットワークビジネスは先駆者にならないと旨味がない。
他人の作り上げたシステムに乗っかっている内は結局ただの平信徒だ。
そもそも僕は「オカネ教」の宗派を問わず教義であろうところの「儲ける事は素晴らしい事」「目指せローリスクハイリターン」「皆で儲けて幸せに」というような雰囲気が好きになれない。
汗水だけでなく涙も血も鼻水も垂れ流しながら自分が生活出来るのにやっとくらいの金を稼ぐのが性に合っている。
これ以上の稼ぎは自分の才覚次第だと思っていて、資格を取って専門職を目指すか、表現活動を他人様から課金して貰える水準まで練り上げる(僕が歌って踊れる語り手ババアを目指しているのはこれを意識している)か、自分で事業を起こすかだと思っている。
他人の事業に乗るのはどうもやりたいと思えない。
そもそも、提供したりされたりする商品やサービスの名称を気軽に口に出来ないようならば、それは何を生み出すにせよ僕にとってはおそらく不愉快なものだ。

マルチだから嫌…というのが大きいのは確かだが…「得をしよう」という発想がそもそも好きになれないのだ。
損をしろとまでは思わないけれど…そんなに目先の小銭に汲々とせねばならないのだろうか。
金は経済の道具であり、円滑な流通の手段に過ぎないもので、人生における目的にしてはいけないといつも思っている。
石川啄木を気取れるくらいの素寒貧でしょっちゅうぴいぴい言っているので説得力皆無だが。

タクマ氏は様々な事に興味を持ち、少し皮肉屋で、僕としては今までのつきあいはとても心地好い相手だった。
だが、如何せん僕と違って「オカネ教」の狂信者とも言える一面を持っている。
多分、若い頃には札束で他人の横面をひっぱたくくらいの事はしていそうだ。

その是非を問う気はない。
そして、「オカネ教」を好きになれない事と僕がタクマ氏を好ましく思っているのは別の問題だ。
「オカネ教」の宗教指導者としての話は聞き流し、僕はタクマ氏の好ましい面だけを見るだろう。

それをタクマ氏がよしとしないのであれば、残念ながら距離をおくまでだ。

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