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QOLに迫る休日



友人と待ち合わせをして表参道で服を買った。

「海から来ました」とでも言いたげなトロピカルカラーのTシャツと色鮮やかな短パンで、待ち合わせた店で入店したところ、これまでの人生で自分には関係ないと思っていたようなハイレベルな佇まいの店だった。


友人と店員に勧められるがまま、試着室で袖を通した瞬間に世界が変わった。

「この服を着られるようになれば生活の質が向上する」と本能が騒がしく主張した。


(主にユニクロからすると)
これまで手を出したことのないデザインと金額だったので、躊躇したが、これだけで変えられる世界なら安いもんだと手を伸ばした。




20代(ライブハウス勤め)の頃は、何を着ていても許されたし、むしろ一般に馴染まないことが良しとされていたけれど、30代となった今、価値ある大人は見た目からである。


いい歳して、20代と変わらないファッションについてもどかしいながらも諦めようとしていた自分がいた。


身の回りの物たちがランクアップすると、渋々適当に選んでいた服に比べて更に愛おしい気持ちが芽生えてきた。


これこそがQOL(クオリティーオブライフ)なのだと、かなり深く腹落ちした休日であった。

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