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趣味を「探す」ということ

 ニュース番組のスタジオで解説していた女性記者に出ていた字幕スーパー。名前と担当のほかに「趣味探しに没頭中」とあった。

 「顔が見える記者像」を浸透させることで媒体への信頼感を高めたい狙いがあるのだろう。しかし、見知らぬ記者が趣味探しをしているかどうかなど、こちらの人生やニュース自体にはまったくどーでもいい情報だ。

 そもそも趣味というものはそうやって鵜の目鷹の目で「探す」ものなのだろうか。好きで好きでたまらず、とにかくやらずにはいられないこと。それはわざわざ探さなくても、おのずと出現してくるのではないか。

 もちろん自分の場合は年間300冊ペースの読書のこと。これは「探し出した」ものではなく、気がついたら人生の同伴者だった。

 あるいはこの「毎日note」。業務で強いられてきた「文章を書くこと」がいつの間にか趣味に昇華され、たまたま目についたnoteという場で展開されている。

 いずれもそこにあったのは「ご縁」としか呼ぶことができないものなのだ。

 そうか。もしかすると、こうした私の「出会い」はとても幸運なことなのかもしれない。件の女性記者がどういう生活を送っているのかは知らないが、仕事漬けの毎日では視野はどんどん窄くなり、それは大切な人生の浪費につながってしまう。そんな焦りを覚えているのかもしれない。

 結局「犬も歩けば棒に当たる」だ。

 人間同士の出会いにも似て、一生の趣味も理詰めでは解明できない“相性”。「数撃ちゃ当たる」の精神で積極的に「歩きまわる」ことでいろいろチャレンジしてみないと遭遇することもできない。

 あの記者さんがいい趣味を見つけて充実した人生を送ることになればいいな。(23/4/21)


 

 

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