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ユーミンさま、それ、モロに密教の奥義を突いてますよ!

 “ユーミン”こと松任谷由実さんがラジオの公開収録で、自身を模した「AI荒井由実」について「即身成仏みたい」と話した、という記事が出た。

 ネット上で2つの記事を見つけた。デイリーは「(松任谷さんは)『即身成仏みたい』と笑顔」とあっさり紹介している。


 サンスポ記事のニュアンスは、ちょっと違う。

 「『AIでは亡くなった方とコラボする場合が多いので、即身成仏みたい』とユーモラスに感想を明かした。」こちらは2019年の紅白でも披露された「AI美空ひばり」がベースにある発言だと思われる。
 
 どちらの記事にも“AI荒井由実”の写真は掲載がないので、そのロボット?画像?がどのような形状であるのかはわからなかった。おそらく本人の容貌と歌声を“再現”しているのだろう。
 
 それにしても、ユーミンはどういう意味で「即身成仏」と言ったのだろう?
 
 ざっくり書けば、「即身成仏」とは弘法大師空海が説いた密教の教義の根本。「我々はこの肉体のままで仏である=悟りに至ることができる」ということだと理解している。刑事ドラマなどで死者や死体のことを「ホトケ」と呼ぶのは、この教義とは違う。
 
 似たことばに「即身仏」がある。これは出羽三山などに残っているミイラ化した高僧。五穀断ちなどをして自らをミイラ化、それによって滅びない肉体を持つ仏になり民衆を救おうとした覚悟はすさまじい。
 
 普通に考えて「AI荒井由実」は、まさかミイラ化した姿ではなく、肉体としての質感を保持しているのだろう。そうするとユーミンはやっぱり「この姿のままで悟りに至った」という「即身成仏」の姿をそこに見たのか。
 
さすがはユーミンさま、と言わねばなるまい。
(22/9/27)

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