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バラエティ番組に出演した話

これは、僕が爆発して死ぬまでの物語である。

なぜ僕が爆死することになったのか?
順を追って説明をしよう。


まず、あなたは1500万人に一気見されたことはありますか?


俺はある。

ついさっき放送された、行列のできる法律相談所(日本テレビ)(以下表現を「行列」)に出演したからだ。


1500万人に一気見される行為の感想を一言で言うと、


助けてください…。

だ。

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冒頭、北村先生が「最近気になっている人を紹介します」趣旨のコーナー。
(本当に北村先生が僕の存在を気にしていたかどうかはナイーヴな話なのでココでは無視させていただきます。)

北村先生と浅草でロケをして撮影をし、スタジオで皆さんと絡む、っていうやつでした。


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まずスタッフ面談。

出演が決まる前、番組スタッフのAさん、Yさんが事務所に来て、いろいろインタビューを(面接?)された。

事前にめっちゃ細かくhalno情報を調べられていて、さすが法律のスタッフ…ってビビった。

僕が約20年前、学生時代に何をしていたかも知られていて若干引いた。


…俺はとんでもない番組に挑もうとしているのかも。


言わないだけで俺の性癖とか知ってんのかな…不安になった。

(えーww行列ぅ〜?まじぃ?出る出るぅ♪とかマネージャーに言ったのを少し後悔した。)

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ロケ。

後日ディレクターさんのゴーが出て出演が正式に決定し、ロケが行われた。

早朝の浅草でサッと撮る予定が、カメラを回した途端に雨脚が強くなり長い待機となりました。


ズーーっとロケバスの中で、先生とエキストラの皆さんと一緒。

番組スタッフのAさん、Yさんは色々気を使ってくれた。


「halnoと晴男の晴々コンビなのにね(爆)」とかいう面白ギャグも笑ってくれた。
(優しい。)
(そして先生はずっと日本経済新聞読んでた。)


やっと昼に雨が上がり、さっさと撮っちまおうぜ!つってものすごい数の観光客に囲まれながら撮影は無事終えることができました。

(途中、インスタ仲間のディギー君に偶然見つかり「何ヤってんすか!」って声かけられた。)


終わった瞬間にめっちゃ晴れててムカついた。

北村先生と記念写真をパチリ。

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北村先生、優しくてほんと大好き!!!!
(今後炎上して裁判になったらアドバイスを乞おうと思う。)

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後日、スタジオ収録。

放送2回分を1日で一気に収録するのですが、僕は2本目の収録に登場。


マネージャー平井さんと、うちの社長(ワタナベエンタ会長であり、芸能界のドン)のお弟子さんが付き添いで来ました。

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空いた時間にスタッフAさんが台本をくれて、スタジオを案内してくれます。


「ここから登場して、この位置に立って、ここで司会者さんとこんなやり取りをして…」

にわかに心臓が「トゥクン…」と緊張の音を鳴らします。

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僕の出番は1本目収録後なのでだいぶ待つことになります。
僕の控え室がスタジオ出入口の目の前なので、1本目出演のタレントさんが目の前を出入します。行列といえばトップのバラエティ番組なのでみんな知っているスターばかり。


にわかに心臓は「トゥクン…」っと緊張の(以下略)。
なんか…GEBO吐きそうになってきた…


マネージャーの平井さんとスタッフAさんが「halnoさんも緊張するんですね〜w」とか言ってるので殴りかかろうかと思った。

とりあえず、スタジオに入って収録を眺めさせてもらったり、忙しく働くAさんやYさんにちょっかい出して(ごめんなさい、ソワソワしてお話をして安心したかったんです)気を紛らわして時間を過ごした。


収録開始1時間前の16:00にスタイリストの内田さんと大久保さんが来てくれて、
ダサダサジャージ姿の小汚いおじさん→おしゃれな空飛ぶ浮遊おじさん、halnoに変身!

一気に本番までの臨戦態勢に入った。

「トゥクン…!」

僕の落ち着きなさと負のオーラが部屋に蔓延し、みんな口数が少なくなる。


16:30。

部屋にはテレビモニターがあり、スタジオの様子が映しっぱなしにしているため1回目の収録が終わったことを知る。


ゲストの「滝沢カレン(本物)」や「水原希子(本物)」が僕の部屋の前を通って楽屋へ戻る。
スタジオ観覧者の入れ替えが始まる。
2回目の収録準備でスタジオが慌ただしい。

「トゥクン…」
なんで生優しいもんじゃない。「バックンバックンバックンバックン」だっつうの。
急に心臓が元気になってきた…!!助けてくれ!

GEBOが半分こんにちわしてるよ!

もう出ないのにトイレに何度も行く。

トイレの鏡には狼狽したおっさんが写ってる。


おい、こんな顔でテレビでていいのか?

スタジオでは芸人さんが前座で観覧者の皆さんを盛り上げるために漫才やコールアンドレスポンスをしている。


17:00。

大盛り上がりの中、北村弁護士、菊池弁護士、そして司会東野さん、市來玲奈さん、レギュラーの後藤さん、アンジャッシュ渡部さん、ブルゾンちえみさん、小杉さん、そしてゲストの高橋尚子さん、千葉雄大さん(大歓声)、白石麻衣さん(大歓声)、オリンピックメダル候補で高校生プロサーファー松田詩野さんが入場する。


場内に響く大歓声。
パワーメンバー。
国民栄誉賞の人までいる。


そりゃそうだ。なんつったって1500万人が観る番組なのだから。
お前が軽い気持ちで「出る出るぅ〜♪」と言った番組は、この世界はそういうところなんだよ。覚悟ができていないものが軽い気持ちで出しゃばって良い世界じゃねぇんだよ。


僕の心臓は
「ドックンドックンドックンドックン」音を立てる。
心なしか膝がカクカクなってる。


…ねぇ、もう、やめにしよ?


優しい平井さん(ジャーマネ)と会長の弟子は、大丈夫ですよーhalnoさんならー(笑)とか言ってる。テメェに俺のこの気持ちがわかるか!!おお?!こら、とりあえず恫喝した。


始まった。
始まってしまった。

東野さんがテキパキと進行しとる…笑い声が聞こえる。

17:10。

Aさんが部屋を開け「halnoさんそろそろスタジオ入りましょうか」と言う。


あわせてメイクさんがファンデーションを僕の顔に塗って整えてくれる。

スタイリストの大久保さんが衣装についた小さなホコリひとつひとつを気にかけて払ってくれる。小さなシワをギリギリまで伸ばしてくれる。少しでも「halno」の見栄えが良く映るように。


スタジオに入った。

大道具の裏に回る。

Yさんが笑顔で「頑張ってくださいね!リラックス!」と言う。
聖母…と思う(めっちゃ年下やけど)。

目の前に赤いカーテンがある。

僕が登場するときに、この赤いカーテンが豪快に開くのだ。


「ドクドクドクドクドクドクドクドク」とっても心臓が元気だ。


ディレクターさんが、顔面蒼白のhalnoに対し、雨に打たれてみすぼらしい老犬のような表情の俺に対し、衰弱して唇が青黒く小刻みに震えているこの俺に対し、
「楽しんでくださいね!なんか、余裕そうですね!」と声をかけてくれる。

(緊張してるのに余裕そうに見られるの、何なんやろな…)


カーテンの隣に椅子とモニターがあり、合図があるまでそこに座った。


「ドクドクドクドクドクドクドクドク」


スタイリストの大久保さんが水をくれる。
何口も何口も水を飲んだ。メイクさんがカッサカサの唇に塗ってくれたリップもなくなるくらい飲んだ。(ちなみに出演者用のお水は、紙コップで細ーーいストローなんです。リップとか口紅が落ちないように。すごいね。トリビア〜)

「み…水…オオクボさん…水をくれぇ…」と何度も呟いた。

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この表情見てください。衰弱。紙コップを持つスタイリストの大久保さん。


この大道具の真裏5メートル先では大盛り上がりのオープニングトークが繰り広げられている。

小杉さんがボケる、後藤さんが突っ込む。

渡部さんがいじられる、キレる。

白石麻衣はこの世のものとは思えないくらいに美しく、千葉雄大はチャーミングだった。

軽快なトークにスタジオの皆さんが手を叩いて笑う。


壁一枚隣で、僕は癒されていた。


いつまでもこうやって、トークを聞いていたい。


僕は、心からそう思った。


ディレクターさんにこう伝えた。


(以下、超早口で)
もう、充分じゃないですか?
だって、聞いてくださいよこの笑い声。
観覧者さんたちは本当にラッキーですよ、こんな最高のゲストと、トーク。
神回じゃないですか。神回ですよこれは。
ねぇディレクターさん、この流れで、僕が入って良いんですか?
誰も知らない、こんな疲れたおじさんがノコノコとスタジオに入ってこのキラキラでアッツアツにヒートした眩しい雰囲気をブチこ「大丈夫です。halnoさんなら大丈夫。さぁ、そろそろですよ」


却下された。


「じゃ、カーテンの裏に入りましょう!」

「ドクドクドク(はぁ…はぁ…)ドクンドックンドッカンドックンドッカンドッカンドッカン(はぁ…はぁ…)ドクンドックンドッカンドックンドッカンドッカンドッカン(ゼェ…ゼェ…)!!!」


いつもかわいいスタイリストの大久保さんが笑顔で手を振ってくれる。

僕はママから引き離された保育園児のように過呼吸と涙目のままカーテンの裏に入る。


足元のバツ印の上に立つ。


東野さん「ところで北村さん、最近気になる人がいるようで」

北村先生「そうなんです、Instagramで有名な空飛ぶ浮遊おじさんという方がおりまして。」
「ちょっとVTR観てください!」

…ついに来た。

ゲ…GEBO…吐きそう!!!!!


先日のVTRがスタジオに流れているのがわかる。僕の過去作品も紹介されている。


後藤さんが「おおおおっ!」と叫ぶ。

東野さんが「凄いねコレっ!!」と言う。

小杉さんが「合成ちゃうの!?」と叫ぶ。

国民栄誉賞のQちゃんが「空を飛んでいるっ!」と驚いてくれている。

「どうですかコレ白石さん?!」
「私もやってみたいです!」とあの白石麻衣が僕の作品にコメントをくれている。

スタジオの皆さんの歓声。

そして僕の心臓の音。


瀕死の僕に、進行役、市來玲奈さんがトドメを刺す。


「それでは登場してもらいましょう!空飛ぶ浮遊おじさんこと、halnoさんです!!!どぞ!!」


ぎゃあああアァアああアァぁぁぁああああああアァアああアァあアァアああアァアァぁぁぁああああああアアァぁぁぁああああああア「、、、ヲ、ィ、ェ 」ー」ア」イ」ウ皀筌 」リ」ル」レ竺軸宍雫七 而耳自蒔・ゥハクサ嵂ス、ア・ム・ソ。シ・オ。ヌス。ヲクヲオ。チ。ス。ン。�。ュカ!!!!!!!!!!!


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