我が子を誇れ

4月5日
意を決して友人たちに連絡を入れる。

文学イベントがなくなった今、私にできることは少しでも販売の場を作るために宣伝することだ。
宣伝。これが1番苦手である。そもそも私は自分に自信がない。『自分、ないしは自分のつくったものをアピールする』ことはそれはそれはハードルがエベレストの如く高い。
しかし、そんなことも言ってられない。それに、この本だって全編フルパワー使って書いた、渾身の作品だ。足掻いてもがいて産んだ私の子だ。自慢の我が子なのだ。それをちゃんと素直に伝えよう。そうだよな、「つまらないけど買ってくれたら嬉しいな……」と言われるより、「今書ける中で1番面白くできた作品だからぜひ!」と勧めたほうが受け手も魅力を感じてくれるだろう。

意を決して友人たちに連絡を入れる。
自信作ができた、と。みんなに読んでほしい、と。
すると、友人たちは好意的に返してくれた。
「今まで買える機会なかったけど気になってた!」
「読みたい!」
ひとつひとつの返信が心を温めてくれる。みんな、応援してくれてたんだ。私が動くだけでこんな嬉しいことを言ってもらえるなんて、思ってもみなかった。
喜びをエネルギーにせっせと発送準備をする。人によっては「サイン入りでほしい」と言ってくれたので、つくりたてのサインを書いたり。ひとつひとつに感謝と愛を込めて梱包していった。

そりゃ、全てがうまくいったわけではない。
返信がない子も、あまり明瞭な返事をしなかった子もいる。でもそれは当たり前のことだ。『友人』というだけで本を買うのはただのお情けであり、商品の購入という事象はボランティアではないから。こう言うと偉そうに聞こえてしまうかもしれないが、私だって情に訴えて本を売りたいわけではない。面白い本ができたから、少しでも興味があったら手にとってほしい、ただそれだけだ。

この場合、私は何をすべきか?答えは簡単。その子にも興味を持ってもらえるくらい面白い次回作を書くだけだ。
ああ、なんだか燃えてきた!

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