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だからいつも「笑い」という言葉の頭に「お」をつけて僕は持ち歩いている

7月20日
今日は忙しくなるぞ……と覚悟がいる日だった。

所属する団体で8月上旬にお笑いライブを主催することになった。今日はそのためのVTR撮影が3件もある。演者さんのスケジュールに合わせるので当たり前なのだが、その分現場の移動も必要だ。
まず午前中に1件。私は新宿へ向かった。

雨が今にも降り出しそうな空模様だけでうんざりなのに、今日は嫌に蒸し暑い。じっとり不快な汗でTシャツが貼り付きながらも、演者さんの動画を撮り続ける。ひとりで映像を撮りに行くなんて、半年やったAD時代ですら経験したことなかったのでいささか不安だったが、演者さんが優しかったので随分と救われた。

新宿のルミネ1にある『だし茶漬け えん』で夏季限定茶漬けを流し込む。旨い。
夕方に横浜で大学時代の友人たちとの集まりがあるが、その前までに作業進めなきゃな……と、場所を乗換駅の渋谷まで移動し、お気に入りのカフェへ。電源もwi-fiもある上に、休日でも静かで空いているのだ。アイスティをお供に3時間ほど仕事関係の書類作成や、新刊の原稿に取り掛かる。

電車の時間が来て横浜へ移動。本当は深夜までどんちゃん騒ぎしたかったが、私にはまだ大切な任務が残っている。20時には大塚の劇場に行かねばならない。
遠方からわざわざ集まってくれた子もいるなか、50分くらいしかいれなくて申し訳なかった。
「メンバー招集も店決めもしてくれたのにいなくなるとか、やってることキャッチじゃん」
と言われたのには腹を抱えて笑った。たしかに。
短い時間でも料理を「こっから動くんでしょ?食べてきな!」とたらふく食べさせてくれた挙句、「お金はいいよ、〇〇が払っとくから!」と冗談を飛ばしてご馳走してくれた彼らと友だちになれて本当によかった。

皆に見送られて店を出た後、電車を乗り継ぎ大塚へ。同期の映像作家と合流し、劇場へ向かう。ここが本日最後の現場。2組分の映像を撮らせていただいた。ノリノリで撮影に応えてくれただけでなく、後輩スタッフとしても親しみを持って接してくださったのが緊張しいの私にとってありがたかった。

色んなことがあって、見たくなかったニュースを目の当たりにして精神を削られたりもした。知りたくなかったことを知ってしまって涙が出そうになった。
それでも常に最前線で、目の前の人を笑わせる力がある先輩方がいる場所で、私は生きていけている。「ああ、今日も楽しかった」と思いながら仕事ができる世界にいる。
それでいい。それだけでいい。どうなるかはわからないけれど、変わらずお客さんの笑顔にできていたら、それで。明日も、ひとりでも多くの人を笑顔にする力添えをするために、私はこの世界で生きていく。

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