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バルト海の思い出

平成と令和の間、私はタリンクシリヤラインでバルト海を彷徨っていた。ラトビアのリガからスウェーデンはストックホルムへ、そこから更にエストニアのタリンへと言う旅である。

タリンクシリヤライン

バルト海の各都市を結ぶ船でおそらくは古い豪華客船を改装したものだと思う。かつては煌びやかだっただろうステージやジャグジーがついていて、子供向けに小規模なワークショップなどをやっていた。1万円〜2万円ほどで一泊できる。ストックホルムの宿に泊まるより安かったのでこの船に泊まるという選択をしたのだが、とても良い選択だったと思う

安くて美味しい食事

ヨーロッパはあまり魚を食べないイメージだったが、そのイメージが覆された。さけ、いくら、タラ、タコ、果てはサバからキャビアまで様々なものがあった。中でもキャビアが瓶いっぱいに山盛りになっている姿は目を疑った。ラウンジはWiFiも完備なので窓の外の景色を見ながら仕事をすることもできる。

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静かで幽玄な海

バルト海といえば、ヴァイキングにバルチック艦隊と勇壮で荒々しいイメージで、私は勝手に荒れ狂う海を想像していたのだが、実際にはとても静かな海だった。波もそれほどない穏やかな海面に時折霧が立ち込める。霧の向こうに真っ直ぐな木の生えた森林が途切れ途切れに見える様は本当に神秘的だった。

バルト海沿岸はハンザ同盟の港町がいくつかあり、この穏やかな海はその都市を結んでいる。自動車が出来る前の最大の流通手段は船だった。ついつい大陸の上にある道のことしか考えなくなってしまいがちだが、こいやって海の道もあるのだと船でバルト海を渡ることで実感した。商品を積んで行き交う旅商人達に思いを馳せながらまたバルト海を旅したいなと思った。


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