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デザイン雑誌でのお勉強。 コンセプト制作とデザイン修正での「事前取り決め」の重要性

今月号のブレーンで「話題のクリエイティブ、企画書・プレゼン大公開」という特集があり、それの水野学さんの記事にとても共感・勉強になる部分がありました。

ブレーン2月号(株式会社宣伝会議)

そこに書いてあったのは「企画書に書く内容は最終カンプに至るまでの制作過程で答えが出ているので、それをテキストベースで書く」とありました。これに大変納得して、僕もデザインのプレゼンをする際に書く内容というのはコンセプトに到達するまでの思考過程を書いていけば企画書になると思っています。
こういう風に書籍や雑誌を通じて大御所のアートディレクターと考えが同じだと知れるのは「答えあわせ」感があり「自分がやってきたことは間違いではなかった」と嬉しくもあり、ホッとする瞬間です。
ただ、一流アートディレクターと同じ考えだと思うとかおこがましいことですが…。

他にも「作る前によく調べろ」とあって、これも同じ考えです。
まずはデザインする対象について深く知らないとデザインって作れないという考えから僕も作る前によく調べるようにしています。まず対象をよく調べて色々とデザインに使えそうな周辺知識を溜めてからでないとデザインアイデアとかモチーフって選びようがない気がするので…。むしろいきなり思考なしで作れる人って…。
こういった考えから僕も同じく「作る前に調べる」を実践するようにしています。

ただ、さすが一流アートディレクターの記事。僕はまだまだ追いついてないな、コレ読んで実践しようと思う部分もあって、その一番は「企画を考える際のペルソナを映画の主人公くらい細かく設定する」と書いてあった部分です。
僕が作る際のペルソナはこんなに精密に考えてなかったので反省です。というかこれ、半分はマーケティングのような仕事だと思うんですが僕は「マーケティングの延長線上の仕事がデザイン」だと言ってるので今後はペルソナ精度をあげて臨みたいと思います。

他にもプレゼン前にクライアントと「好みで判断しないこと」「研究発表として聞いてもらうこと」の2つを事前に話しているとのことで、これも非常に大事な話だと思います。
というか、これが現在のグラフィックデザイナーの間では一番大事な気がする…。

欧米デザイナーの翻訳本を読んでいると、自分達の専門技術を的確に発揮し、なおかつ意味のない意見から守るためにこう言った「話し方の技術」が発展しているように思います。日本は真逆でこの部分を気にしたり教えたりする人がかなり少ない。昔から業界で続いてきた「クライアントは神」のような信仰でデザイン的に間違ってても必ず修正するという慣習の方が間違いなくずっと根付いているというか。

これ結局誰も得しないんで早く辞めるべきだと思ってます。クライアントの選り好みや好き・嫌いだけでコンセプトとアイデアの整合性も良くて、なおかつ最終的な定着もうまくいってるかなり良い線のデザインが、作る意味のない物にまで修正させられて、しかもそれをデザイナーが自分の手で修正させられるという屈辱で一体今まで何人のデザイナーが広告業界から辞めてきましたかと。

そしてその趣味丸出しの素人感のすごいレイアウトでお客様が「素敵なデザインですね!この商品書います」って言うかどうか考えたことあります?
デザイナーは仕事でやってるんでその辺まで考えて自分の好みとか完全排除して「レイアウトを作るマーケター」がデザイナーなんですけどわかってます?
「売れるため」にデザイン作るわけで「この色が」とか「もっと可愛い方が」とかモチーフに対する個別の意見って全く意味ないですよ。お金発生してる「仕事」なのに「趣味の絵画」みたいな意見で大丈夫ですか?

みたいなことをビジネス的にやんわり伝えて、良い方向に戻していこうの技術ですね。
ちょっと熱くなって厳しいことを書いちゃいましたが(笑)直面する問題としてはかなり真剣に打開していかないといけない問題です。

上記理由で「好みで判断しないこと」がとても重要ですが、もう一つの「研究発表として聞いてもらうこと」については、結局いくら自分達で調べても本業のクライアントには勝てないので自分達の成果を「研究発表」として聞いてもらって、違う部分は教えてくださいというスタイルにするとのこと。
これも読んでてそうだよなあと思いました。僕も自分で調べて作りますがやっぱり限界があって本当に合ってるかはわからない。だからこそ先に「自分で調べてきたけど、間違っていたら教えてください」と言うのは非常に意味があるなと。
率直に答えあわせできるし、これなら確実に良い方向に向かう「打ち合わせの話し方」なのでかなり良いアイデアだなと。
さすがに一流アートディレクターは僕とは違いますね(笑)


(今日の総論)
デザインは難しい。近年はレイアウトを作る技術そのものよりも、「プレゼンでの話し方」だとか「修正が出る際に先に取り決めを作っておく」だとかクライアントを交える場でのコミュニケーションの仕方の方が発達させていく技術かもしれない。「商品が売れる・あの商品いいよね」と言ってもらえるより良いデザイン制作のためにも非常に重要だと思ってます。

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