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どうしてSNSを頑張らないといけないのか?

マーケティングやセルフブランディング、アクティブにフォロワーを増やすこと、SNSを頑張ること。うんざりしたりイヤになるのは私だけじゃないと思います。目立つのは得意じゃないし、できれば穏やかに暮らしたい。なのにSNSができなきゃダメというメッセージでであふれています。なぜセルフブランディングできなきゃダメなのか?という根本的な問いに対して、自分なりに納得できる回答を探してみました。

インスピレーションはいつもお馴染み、クリエイターのためのビジネス戦略について発信するThe Futurです。

好むと好まざるとに関わらず世の中は競争

平和にやっていけるのであれば争いを避けたい穏健派は私だけではないと思います。争うのってしんどいし、エネルギーもたくさん使います。しかし残念ながら社会システムが資本主義である以上好むと好まざるとにかかわらず世の中は競争です。我々は普段、気づかないところでも無意識にやっているぐらい競争に慣れています。

例えば幼少期には、どうやってより長い時間、親の気を自分に向けさせるか、兄弟姉妹と競争します(この延長にあるのがSNSなのかもしれない、と思います)。食べ物から石油、お金まで、あらゆる資源は有限です。そのためすべての物事を世界レベル奪い合う構造になっています。募金をするのだって自分の生活が確保されてからです。

しかし競争にもグラデーションをつくることができます。それは棲み分けをすること、戦う土俵を決めてしまうことです。こうすることで競争は緩和されますし、リソースを割く範囲も狭くできるのでより有利になります。

ブランディングには2つの特徴があります。自分の戦場を宣言すること少しでも可能性をあげることです。

スキルとブランドと正しい環境

2008年にピュリッツァー賞を受賞したワシントンポストの記事に1席1万円以上するコンサートでも満席にしてしまう世界的バイオリニストが駅でバイオリンを演奏した結果、1時間で6人しか足を止めず、合計3000円しか稼げなかった、という話があります。

バイオリニストには確かなスキルがあったのに環境が変わっただけで彼の影響力は全く別のものになりました。実践1ページ・マーケティング戦略という本では、この逸話をスキル vs マーケティングの話になぞらえて、スキルがあってもマーケティングができないと結果が得られないとしています。つまりスキルはあって当たり前、でもそれだけじゃダメだということです。

この話ではバイオリニストにとっての正しい棲み分けにも注目すべきです。彼にとっての正しい戦場はコンサートホールで、駅のホームではダメでした。私にとって身近な例は本です。アメリカでのベストセラーの中には日本で和訳すらされていないものがたくさんありますし、日本のベストセラーで海外でも人気なものはかなり限られています。正しい場所で戦うことと自分の市場を広げることには絶妙なバランスがあります。

少しでも目立つことで少しでも選択肢を増やす

フリーランサーとして私のスキルはごくありふれたものです。ウォルト・ディズニーばりに世界のトップを走る数パーセントのクリエイターでない限り、同じような作品を作る人を見つけることは残念ながら容易です。横並びにたくさんの人がいる中、どうすれば少しでも可能性を上げられるか?への答えのひとつがマーケティングです。

誰だって物語をもっているし、自分なんてありきたりかもしれません。しかし、ブランディングがうまくなくてもできるだけ早くとりかかり始める価値が大いにあると思います。物語を伝えるのは基本的に面倒くさいです。叩かれる可能性だってあります。というわけでやるだけで結構セレクションがかかります。やってみると、自分に賛同してくれる人が集まり、他は排除されます。つまり、自分を市場に投げ出してみて、反応を見ることによって正しい戦場が前より少しだけ見えるようになり、前より少しだけ精巧なブランディングができるようになります。この小さな繰り返しが、顔の見えないインターネットにおけるブランディングのサイクルだと思います。

かつては良い作品が作れるようになれれば自動的に影響力もあがると思っていましたが、良い作品を作れるようになるまで時間がかかるように、ブランディングを理解するのにもかなりの時間がかかります。人の目に触れる機会が多いほど、可能性が増えることには違いないと思います。遅かれ早かれとりかからないといけないのであれば、少しずつでも初めてみるべきです。SNSができるようにならなきゃダメだ、というのはそういうメッセージなのかなと思いました。

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