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仮想通貨、クリプトアート...デジタル社会の恐るべき電力消費と環境問題

環境問題というとプラスチックやリサイクル、排気ガスが真っ先に連想されますが、私たちは普段使っているパソコン、スマホ、インターネットなどを通じて膨大な電力を消費しています。デジタル社会の「世界のどこでも仕事ができる」状態は資源を使う上で成り立っています。5Gに仮想通貨と新しいツールがどんどん発表される一方で、このようなネガティブな(=売れない)情報は全く語られない、恣意的に不透明な状態です。デジタル社会を生きる一員として、私たちがこのようなツールを使う裏側で何が起こっているかを知ってもいいんじゃないか、という意味で数少ないネット記事(主に英語)をまとめながら書きます。

デジタル社会は膨大な電力を使う

例えば、いつでもどこでもアップロードしたデータにアクセスできるというクラウド。「仮想空間」と言っても、サーバーなど物理的なインフラがなければクラウドは存在できません。膨大な空間にパソコンを何千台も並べた「世界のサーバー室」は地球のどこかに存在します。

秒・分単位での更新のためにこういうマシンは24時間休まず回っています。そしてサーバーが落ちないためには常にマシンを冷却しなければいけません。自家用のパソコンにはファンが組み込まれていて冷却が行われるシステムになっています。サーバーでは各マシンの冷却に加えて部屋そのものを冷やす必要があります。そして、冷却には膨大な電力が使われます。

メッセージが届いたらすぐに通知が来るメールやSNS、更新情報がすぐにアップされるニュースやウェブサイト、アプリなどは全てサーバーが必要です。これらを全く使わずに生きていくことは今やたくさんの人たちにとって難しくなりました。しかし、一地球市民として、デジタル社会の便利さを支えるためには世界中のサーバーを支える超強力なシステムが必要であり、そのシステムを回すために、私たちは間接的に電力消費・環境汚染に加担していることは知っておくべきだと思います。

NFT・クリプトアートにおける電力消費

3DCG界隈を中心に、ブロックチェーン・仮想通貨を使って作者のアートを「資産」にし取引するNFTやクリプトアートが話題にあがっています。日本語での情報がほとんどありませんが、クリプトアートや仮想通貨は何百トンものCO2を排出し、環境問題を一気に加速するという一面があります。

以下の記事によると、環境問題の対象となっているのは、仮想通貨取引に使われるProof-of-Work (PoW)と呼ばれる暗号化を可能にするアルゴリズムです。

PoWは、セキュリティを確保するため、アクセスしているマシンが膨大な計算量を要する問題を解かないと取引できないようにする、というシステムで、計算に莫大な電力を使います。仮想通貨やブロックチェーンを使った取引では、この「膨大な計算量」を取引ごとに行っているという状態です。クリプトアートが使っているEtheliumという通貨ではワンクリック・1回の取引(一秒未満)でヨーロッパ家庭4日分のCO2排出量(20kg)を排出するとの言及があります(参考までにメール一本送るのに数グラム、1時間のネトフリで36グラムのCO2が排出されます)。採掘、入札、販売などが関わるNFTでは1回の取引でCO2排出量は211kg、車で1000km走行・2時間のフライトなどと同じぐらいのCO2排出量です。

メディア・アーティスト(computational artist)でもある同著者によってつくられたウェブサイトcryptoart.wtfではランダムに選択されたクリプトアート作品の取引で使われる電力をAIによって予測・計算し表示します。面白いのでぜひ試してみてください。


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めお(meow)

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ボストン在住。フリーランサー/メディカルイラストレーター。医療CGや研究論文の挿絵が得意です。 http://maomiyamoto.com/