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毎日3D制作を続けるEveryday、我流スタイルを確立するまで(0日-半年編)

3D界隈では毎日作品を作ってアップするムーブメントがあり、EverydayやDailyと呼ばれます。Everydayで有名な3DアーティストBeepleことMike Winkelmann氏は普通の大学を卒業し、最初は社会人しながらEverydayを12年続けていて、ゼロから第一線を走るまでになりました。

平均制作時間は2時間だそうです…やばすぎません?
そんな彼の今年の正月のツイートがこちら


当時私はC4Dに乗り換えて9ヵ月ぐらいで、スキル不足とキャリアの不安に毎日のように苛まれていました。そこで1年半、残りの20代をすべて賭けて毎日3D制作をつづけよう!話はそれからだ!と我流Everydayを始めました。


半年でこれぐらい成長しました。


今はわりと安定して制作してますが、制作スタイルを確立するのに半年ぐらい試行錯誤しました。スタイルの遷移はこんな感じです。
毎日完成させる→毎日ソフトを開く→チュートリアル→模写→捨てるものを決める→模写からオリジナルへ

2日しか続かなかった「毎日完成させる」

始めた当初は1日1つ作ってアップという王道Everydayをやろうとしてましたが、2日しか続きませんでした。私はフルタイムで働いていて、ある程度のクオリティの作品を作るのに最速爆速でも4時間ぐらいかかります。毎日やるのは三が日でもないと現実的じゃなかったです。というわけで「毎日完成させる」は今も封印しています(そのうち模索します)


絶対に達成できる目標・とりあえず毎日ソフトを開く

達成できない目標を立てるからダメなら、絶対に達成できる目標から初めて難易度をあげれば臨界点が見つかるのでは、と思い今度は「毎日とりあえずソフトウェアを開く」作戦をとりました。これは「毎日やる」習慣づけと「目標を達成する」小さな成功体験に重点を置いた考え方です。グーグルエンジニアのNagasawa Hirokiさんからインスピレーションを得ています。

個人的にはこの2冊を読みこみました。Atomic Habitsは和訳がないですが、英語で、最初の章だけでも読む価値ありです。

しかしここでもまた問題が発生します。当たり前だけど、ソフト開いて頂点動かしたりしてるだけでは全く完成しないんです。毎日やってもやっても終わらないことに飽き、イヤになって結局自己嫌悪のループになりました。最低限をゴールにしつつも、余裕のある限り5分でも10分でも先に進む心構えがないとだめだという学びがありました。

毎日x完成の絶妙なバランス、チュートリアル

毎日やれる(一定時間で終わる)し完成するということなら、チュートリアルをやればいいんじゃないか?と思いGSGをはじめYouTubeにおちているチュートリアルを片っ端から始めました。最初はめちゃいい感じで、どんどん作品ができる!最高でした。が、やはり問題発生。パッシブラーニングなんですよね…3日ぐらいで内容忘れちゃうんです。xParticlesなんかだとやってる最中から何やってるのかわからない始末。完成させるために作って、勉強にはならない、という本末転倒状態になりました。

とにかく試行錯誤して作るしかない!模写

やはり自分で考えて苦しんで生まないことには学びはないな、と思いました。そしてやっと、完成品を見て、自分で考えながら模写という今のスタイルに近いものになりました。私はPinterestにいずれ作りたい作品をとりあえず貼りまくっていて、毎日少しずつ追加して枯渇しないようにしています。リストの中からひとつ選び、作る、というのを片っ端からやり始めました。一定期間で完成する、やるべきことが見えている、自分で難易度を設定できる、というのが自分にすごく合っています。3つの簡単そうなものに対して1つの大きめの作品ぐらいの割合でやってます。簡単なものでは速くアタリをとる方法や個々のテクニック、大きめの作品なら部分ごとの力の入れ加減やファイル最適化、異なる種類の学びを得られるのも良いです。

「数のゲーム」を実感。捨てるものを決める

ここまでの模索で3D技術の上達はBeeple氏の言葉を借りると”It’s a bit of a numbers game”、片っ端から数をこなすことで引き出しを増やす「数のゲーム」だとわかってきました。
• 完成品はみてもOK。作り方は自分で考える
• 始める段階で難易度を考えて締め切りを決める(最速でどれぐらいかかると思うかx2ぐらいにします)
• オリジナリティを気にしない。完コピOK(アップするときはリファレンス載せる)
• 最速のやり方を探す。プロシージャルにこだわらない。どんどんチートする
• 「見せてもギリ大丈夫」を目指す(完璧にするための10%にかかる時間は残りの90%にかかる時間と同じと言われます。これを捨てました)
• チュートリアルは必要になったときに必要な部分だけ見る。あとは飛ばす
• 覚えとくと便利かも系の技術は飛ばす(私の場合はxParticles)
これを自分のルールにしました。制作スピードが2倍ぐらいになりました。

模写の先へーオリジナリティについて

模写だとオリジナリティがない!と最初は気にしていました。初期は2Dイラストの3D再現で衝動を抑えていました。いくつも模写をしてるうちに、色んなモデリング、マテリアル、ライティング技術が身についてきます。覚えた技と模写を組み合わせましょう。カメラを変えたり、色を変えたりすると意外と全く違うものになる印象ですが、あくまで技術がある程度ある前提です。また3D再現では、2Dではできなかった表現(デプスやマテリアル等)を足してみると違うものになる印象です。

最後に なぜ毎日やるか

Everydayを続けるにあたり、やりたくない日や休みたい日が何日もあったし、これからもあると思います。そのたびに、なぜEverydayをやるんだ、という質問に立ち止まり、GSGのこのポッドキャストを見ました。作品を評価して欲しいから?3Dが好きで楽しいから?これらは本質的な目標ではないと思っています。

Everydayの目標は毎日少しずつ成長することです。やり方や今のうまい下手は人それぞれでいいし、SNSでの反応がよくなかったから、1日1作品のノルマを達成できなかったから、満足のいく作品ができなかったから、こんなことで立ち止まる必要は全くありません。大切なことはひとつ、今日、新しく何か学んだか?これだけです。

毎日、新しいことを学ぶために何をしているか?今の私にとってはEverydayが答えです。


いつも読んで頂きありがとうございます!頂いたサポートは「ごほうびコーヒー」を買いにいったカフェで虚空をみつめながら新しいアイディアを模索するのに使わせて頂きます。