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カタールの呼び声

システムに収まることで能力を生かせる選手や、自由を得ることで真価を発揮する選手がいる。

ジョゼ・モウリーニョは、自身が用いた戦術という枠組みで選手をシステマチックに動かすことで能力を引き出し、そして、タイトルを手にしてきた。


◆長い前置き 「弱者の戦術」

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ご無沙汰しています。sum the footballです。

日本では「カウンターは弱者の戦術」と言われることがある。

とはいえ、日本サッカーは
フィリップ・トルシエが綿密にデザインしたシステムに当時の「海外組」と、神のような存在として崇められた選手達を組み込むことで、2002年ワールドカップで決勝トーナメントに進出することが出来た。

2006年、ジーコがブラジルの風をもたらしたが、見事にグループリーグを敗退。
00-01シーズン、ASローマに戴冠をもたらした中田"英"は元ジョカトーレの旅人になった。

そして、オシムがパスを主体としたサッカーへと本格的に切り替えを始めた。

この頃から、日本のメディアはアジアでのライバルとなる中東の国が主に用いるカウンターを「弱者」の戦術と評しだした。

さも、我々、日本代表がワールドカップに出場できないということはありえない!
至高の"パスサッカー"をもちいるチームが"カウンターごとき"に負けるはずがない!
トレンドであるパスサッカーが勝利をもたらすのだ!
とでも言っているようだった。

随分と滑稽で、苦笑ものだということに気付きもせず、今日も日本の"自称サッカーメディア"は恥を上塗りし続けている。

ビデオゲームでこいつすげぇ!と数値だけで"バロンドール級"の選手だとキッズが騒ぎ、また顔を真っ赤にして反論するのと、大差はない。


◆カタールの呼び声

そして、その中東。カタールから届いたオファー。

9月にはいった頃、MARCAはカタールのあるクラブからルーカス・バスケスへの好条件のオファーがマドリーに届いたと報じた。

ジダンは"腹違いの種違いの息子"の"貢献"を評価しているが、マドリーのクラブ幹部は、バスケス本人とマドリー双方にとって有益であれば、決断はルーカスに委ねるとした。

2015年にエスパニョールから"ベニテス"が呼び戻してからは、右ウイングを主戦場にいつもラインギリギリまで駆けて、そして苦し紛れの精度が低いクロスを供給していた。
時には右サイドバックの代役という暴挙を担うなど、ただただ豊富な運動量と本人とジダンは献身的だと感じている動きを武器にマドリーに所属してきた。

しかし、現時点でバスケスは2021年夏に終了する。

バスケスは好条件であるにもかかわらず、マドリーとの契約を全うすることにした。

カタールからの前述のオファーを拒否したのだ。

今後も欧州の複数のクラブからオファーが届くといいが果たして。

息子はラストシーズンのプレーを通じて、愛するクラブから延長オファーを勝ち取ることが最優先なのだろう。

20-21シーズンの夏の移籍マーケットは、10/5まで。
ミランかセルタ辺りが手を上げてくれることを願っている。
はたまた、PSGなどからカタールの呼び声が届くのかもしれない。

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