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上司は数字で黙らせられるが、部下は数字で黙らせられない。そこが中間管理職の辛いとこ。

この本の中にある

「上司は数字で黙らせられるが、部下は数字で黙らせられない」

という一文は組織マネジメントの難しさを象徴する本質を突いた名言だ。

本書は、一万人を超える「リーダー」の「悩み」のデータが根拠になっているのですが、その「悩み」の多くは「上司」に対してではなく、「部下とのコミュニケーション」に関するものばかりだったそうです。

ぼくもサラリーマンを20年近くやってきて、この結果には全く違和感がありません。

基本的に、上司(会社)は数字=業績を上げていれば、たとえそれがラッキーパンチだろうが、実力だろうが万事OKとなります。プロセスが正しい、間違っているなどとあれこれ指摘してくる上司は出会ったことがありません。

それに対して、部下は、「当部は業績目標を達成して、給料も多少あがったからいいでしょう?、昇格したからいいでしょう?」では済みません。

ロシアの小説家トルストイの有名な言葉、「幸福な家庭はどれも似たようなものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」にたとえて言うなら、「上司はどれも似たようなものだが、部下はそれぞれである」となります。

では具体的に、部下は上司に対して何を求めているのでしょうか?

この答えは、実はものすごくシンプルです。ちなみに本書ではこう書かれていました。

部下を「業績を上げるための道具」と見るのではなく、ともに働く「仲間」として ひとりの人間として、誠実な関心を持ち、 成長を支援できているか意識する

はい、至極まっとうであり、本質をついた事実です。おそらく、これを読んだ中間管理職のみなさまは「そんなこと言われなくてもわかってるよ!」と感じたと思います。

では、なぜそこで「悩む」のでしょうか。

それは、頭ではわかっていても、多忙でストレスに晒された中間管理職がこれを継続的に「実行」していくことが困難だからです。

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