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あらゆる事象において「たったひとつの理由」など存在しない

この本を読んで、会社における週次報告とか月次報告って、本質的な部分ではテレビやSNSにおける「ニュース」と同じ構造だということに気がついた。

会社での定例報告会において求められていることは「ニュース」において求められることと共通する。

・制限時間内での報告
・わかりやすい報告
・インパクトのある話
 (極端な数字が好まれる)

そして、このポイントに応えようとして現状やデータをまとめようとすると、必ず、真逆な状態に陥ります。

・言いたいことが沢山あって制限時間内で終わらない
・事情が複雑で、わかりやすく話をするのが困難
・どういじってもインパクトのある数字がでてこない。わかりやすいほど際立った変化はない

ぼくの場合、そんな状態でも、なんとか無理やり影響力の高い要素を一つだけピックアップし、こう言い切ってしまいます。

「今月の見通しが、前年実績より大きく下回っているのはXXXXのためです」

そう、まるでテレビのニュースキャスターのように断言してしまうのです。

でも、実際、世の中に起きる事象において「たった一つだけの理由」なんてことがありますでしょうか?たぶん、ありません。複雑な要因、タイミングなど複雑な要素が絡み合って、その事象が起きているはずです。

それなのに、決められた時間内で、シンプルにわかりやすく伝えようとすると、「たった一つの理由」にするしかないのです。

自分が発信する立場になるとそういう不自然な状態なことに違和感を抱くのに、いざ聞き手側に回ると、「ニュース」の極端に加工された情報を鵜呑みにしてしまうのはよく考えるとおかしなことですね。

やはり、「ニュース」から適度は距離を置き、自分の頭で考えるようにしたほうが、真実は見えてくるのかもしれません。手間はかかりますが。

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