『さよならクリームソーダ』

『さよならクリームソーダ』

著者:額賀澪

出版社:文藝春秋

発行年:2016年5月25日

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 美大入学を機に上京した寺脇友親。同じアパートに住む才能豊かなイケメン先輩・柚木若菜を知るうちに、自分が抱える息苦しさの正体にも気づいてゆく―—

 帯に書いてある〈松本清張賞作家 25歳〉が目に飛び込んできて、思わず買った記憶があります。それから5年経って、ようやく読むことができました。本書を読んで、特に「家族」とは何なのかを考えさせられました。アパートでの共同生活や美大のキャンパスライフなど色々ありますが、やはり「家族」が重要なテーマになっているような気がします。私は友親や若菜のような境遇になったことがないので、自分だったら……と想像しながら読みました。答えは結局出ませんでした。正解なんてないのかもしれません。また、甘ったるい青春小説より、こういう苦みがある作品の方が好きなので、〈25歳〉目当てで買ったとはいえ、結果的に本書に出会えて良かったと思いました。

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