夏の料理、くじら汁とサムゲタン
駅前のスーパーに入っている『魚力』に行けば、さらしくじらが売られていました。ちょうど冬瓜もあるし、きょうはこれでくじら汁を作るとします。新潟の夏のスタミナ食なんですよ。
本来はこの「塩くじら」を細く切って使います。どちらもくじらの尾びれの脂身。写真は以前に新潟・南魚沼市のスーパーで撮らせていただきました。「くじら汁に」って書かれてますね。
県全域で食べられるようですが、私が聞き取りしているかぎりでは中越地方が一番よく食べるような。
塩漬けにした尾びれの部分(つまりさっきの塩くじら)を薄切りにして、熱湯にかけて冷水にさらしたものが「さらしくじら」になります。西日本だと「おばいけ(尾羽毛)」とも呼ばれますね。山口県あたりはさかんに食べられるよう。
冷水にさらすから「さらし」なのか、それとも薄くてひらひらした感じが布の「さらし」のようだからなのか……などと想像しつつ、
くじら汁、完成。
本来は塩くじらを細めの拍子木に切って、ユウガオやナスなどと一緒に煮る味噌汁ですが、今回はさらしクジラと冬瓜で代用。
昆布と煮干しでしっかりだしをひき、下ゆでした冬瓜を煮て、最後にさらしくじらを入れ、味噌を溶けば完成。きょうは信州味噌を使用しています。
くじらの小さなとこは溶けちゃいましたが、風情は楽しめました。クニュッとしたくじらの食感とコクが味噌とよく合うなあ。
ユウガオも説明が必要でしょうね。新潟ではよく味噌汁の実になります。
ユウゴウ、と呼ぶ人もあり。うちの母方は新潟の新発田市で、盆休みに遊びに行くと味噌汁の定番でした。それ自体には味はないのですが、汁をたっぷりと吸ってうまいのですよ。食感は冬瓜と似ています。
ばあちゃんの畑にもごろごろとなっていました。
くじら汁、新潟以外でも各地で食べられています。函館あたりだと冬の食べものというのがまた面白い。
韓国の夏の食べもの
夏の汁、といえば先日作った韓国料理のサムゲタンも夏のもの。時は8月16日、韓国ではこの日はポンナルといって、日本でいう丑の日にあたるのだそうです。
骨付き鶏もも肉をなつめ、ニンニク、ショウガと一緒に酒、塩、水で1時間ほど煮た「サムゲタン風」ですが、なかなかおいしくできましたよ。
本来は内臓を取り出した丸鶏の中に、もち米や栗、松の実、朝鮮人参などの漢方を加えて気長に煮る料理。
先のポンナル、毎年7月から8月にかけて3回あるとのこと。今年は7月17日、7月27日、8月16日だったそうです。盛夏にあたたかい鶏スープを定期的にとるって、すごく理に適っていますね。
ビールやら飲みすぎで疲れた胃に、サムゲタンが沁みました…。
土地ごとの夏の食べもの、各地でいろいろあるでしょうね。関西だと「冷やしあめ」なんて飲み物もおなじみ。これからもっとこのへんのこと、研究していきたいと思っています。
ちなみに、くじら汁にはトウモロコシごはんを合わせました。
これもまた、夏の味ですね。
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