はじめての船橋 記録2023
1軒目 花生食堂
はじめて船橋駅に降りる。
千葉県の船橋市、ウィキを読んでたら「東京湾の最奥部」との記載が。なるほどなあ、そういう位置でもあるのか。駅前はかなり開けていて、千葉市に次ぐ人口の多さというのを実感。とある方のインタビューで訪ねたが、行き道で気になったのが冒頭写真の食堂。うーん、いい佇まい! 成瀬巳喜男の映画に出てきそうだなと思わず興奮、仕事帰りに立ち寄ってみる。『花生食堂』、なんて読むんだろうな。
カウンターが5席ぐらいだったか、4人掛けテーブルがひとつ。先客が2名、共に女性でひとりはビールを楽しみ、もう一方は定食を食べていた。女将さんらしき方がひとりでやられている。空調は期待してなかったが、意外と冷房がきいていて嬉しかった。
とりあえずビールと肉豆腐を頼む。たしかラガーとスーパードライの2種があったように思う(記憶違いだったらごめんなさい)。
肉豆腐はじっくり煮込むのではなく、あっさり炊き合わせる感じ。鶏肉と甘辛いおつゆがさっぱりめで、これはこれでいいもんだなと。
女将さんは無口な感じで、叔母のセツコさんによく似ていて、たまらなく懐かしい気持ちに勝手になってしまった。年季の入った小鍋で豆腐を煮ている。定食を食べていた女のひとが「ここの味ってなんか私の好みなんだよなあ」と言ったのが、よかった。女将さんはうれしそうだった。
もうちょっと居たいなと思い、にら炒めを頼む。ほどよい量で油もきつくなく、いいアテになった。そうこうするうち先客はどちらも帰り、ようやく一段落したのか女将さんが「こう毎日暑くちゃやんなっちゃいますねえ」と話しかけてきてくれる。そうですねえ、と返して残りのビールをキュッと飲み干した。それ以上話しかけてくるでもなく、女将さんは洗いものをしている。その背中に歴史を感じた。開業はいつだったのか、店の名前はなんて呼ぶのか、聞きたかったがいまは無言でこの店の空気に溶ける時間を優先したかった。情報を得るより優先すべきことはある。
ああ、いい時間だったな。シメて1400円ちょっと。
ごちそうさまでした。
2軒目 増やま本店
駅そばをふらふらしていて、気になったお店がもう一軒。いいねえ、ここの風情も。15時30分ぐらいに入ってみたらわりに広いお店で、20代の若者数名がホールで働き、威勢のいい声をあげている。お客の入りは5割ぐらいだろうか、つまみメニュウが多いなあ! 嬉しくなる。とりあえず酎ハイを頼んでじっくり考えよう。この時間がたまらなく楽しいのだ。
一見火を通しすぎにも見えるが、きちんと黄身がとろける仕上がりで唸った。下はハムいっぱいでじんわり嬉しい。
ホワイトボードに書かれた日替わりメニュウも豊富でなんていい店だろうと目尻が下がる。鰯の焼いたの、すごくよかったな。身離れがよくてきれいな味の鰯だったよ。うめえなあ……ホッピーが進んで困っちゃうじゃないの。ああ、来てよかったよ。
『増やま』さん、他にも数店あって地元では有名なようだった。ジンギスカン出すお店もあるらしく、友人が後日「よかったよー」と教えてくれた。
船橋、今度また飲みに来たい。
そして帰り、私は情けなかった。さほども飲んでないのに、お腹が膨れちゃってねえ。5年前ぐらいだったらこのあと「あまり来ないエリアだし!」と西船や平井あたりで途中下車して、まち歩きにいそしんでいたのになあ……。情けないったらありゃしない。でもまあ、無理は禁物だ。
おとなしく帰りました。
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