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映画「ピースオブケイク」

『ああ、人を好きになるって…最悪。』
これがこの映画のテーマだ。

最悪だけど‥‥嬉しいし楽しいし癖になる。
最悪だけど‥‥許してしまうし求めてしまうし妬かせてしまう。

最悪だけど‥‥に続く言葉はきっと人それぞれにあるから、この映画には、人それぞれに自分の過去を照らし合わせる機会をくれる。

映画を見ながら、過去の恋愛を懐かしんだり反省したり、そして最終的には溜息混じりの微笑みを添えて過去の恋愛を正当化してあげられた。
すごく好きな映画になった。

何より多部未華子演じる志乃が、
地味でビッチで人間味溢れまくりの女子で、
とても良い。

一見良い子そうに見えるのだけど、実は欲に正直で、やることはやってるロールキャベツ女子。

地味だから男は安心して近づくし、キャベツを脱がせたらなんとエロが詰まってます!という想定外のおまけに無駄に興奮するようになっている。
そして、"僕だけが知ってる肉肉しい君"という状況に特別感が湧き、その特別感が徐々に独占欲に発展する。
そうなるともう手放したくない!手放せない!、、結婚しよう!!といった結末になる。
この流れが意図せずとも定形化し、毎度毎度繰り広げられてしまうから、二度目三度目となると志乃は満たされず、惨めさを感じてしまうのだ。

〔劇中の志乃の台詞〕
知ってる。この感じ。今まで、ずっとこの感じ。「違うかな」って思っても、流されるまま「こんなもんかな」にすり替えて、「独りよりはいいはず」って。
あとは、「好きだし」って、ちょっと思い込めれば、惨めな気分はごまかせる。
これが私の恋愛なんだった。

『これが私の恋愛なんだった。』
この台詞の強烈さはなんだろう。
「これじゃない、違う」という感情を諦念で閉じ込めてる感じ。なんかわかる。私も知ってる、この感じ。

かく云う私も、全く自慢ではないのだが、ロールキャベツ女子なんだと思った。
そんなに可愛いわけじゃない、けど大学時代は“庶民派釣師"とネタにされるくらい、自分でもよくわからないままにいとも簡単に男性を得られていた。
本当に全く自慢ではない。
私も志乃と同じく、惨めさを感じることが多かったから。

好きって言ってくれるのは気分が良いのだが、自分は好きの世界に入り込んでいないから熱を持てず、結局は自分も相手もごまかして、散々な気持ちになる。
それが続くと"嘘の世界"、言い換えれば悪い意味での"夢の世界"で生きてるようで、全部が無意味に思えて虚しくなるのだ。
でも、虚しさが見破られないようにはなんとかやり過ごせた。求められることを求めていたから。
だけど、"若気の至り"と笑い飛ばすには無理がある、変な世界だった。曇っていた。

そんな曇った世界に風が吹いて、
心で恋愛をするようになった話がピースオブケイクである。

決して曇った映画ではなく、"自分を説き伏せるくらいなら相手を説き伏せてでも力強く真っ直ぐ恋愛しようぜ!"という曇った先の晴れ晴れしさを感じる映画だ。

見終わった時にスッキリする。生きていくことに希望が持てる。明日も恋愛しますかね!!!!と思える。

多くの人に見てほしい。
(特に大学生を経験した人に見てほしい。笑)

今ならAmazonプライムで見れます。
このご時世のおうち時間に是非どうぞ。

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