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今日一日分の私の会話 #9

函館に帰ってきた朝の出来事。

バスからのそりのそりと降りて歩きはじめた私。。。

眠い目をこすりながら早朝の函館を眺めつつ
なんとなく写真を撮ろうと思うスマホのレンズを
朝日に向けた


朝日を迎えてもまだわずかにのこっている
函館の夜景を撮りたくて。

ふと、一人のご婦人から話しかけられた

写真とってんのかい何してんの?

どっから来たの?

突然話しかけられたので少々驚く私

あっ、そうです。
札幌から早朝のバスで戻ってきたのでこれから帰るんですよ。

どっちの方向だい?

こっちです。私は変える方向を指差した。

途中まで一緒に歩いて行ってあげる。

と、見ず知らずのご婦人はなぜか親しげに話しかけてきた。

おそらくそのご婦人は方向が違ったのだろうけれども
以前はその私が行く道を散歩していたとかで
一人で朝歩く女性を気にかけてくれたのだろうか?

速歩きな私は
一人で歩いたほうが早く家に帰れるな〜と思いつつ
こうした出会いも悪くないかな
と思って一緒に歩き始めた

他愛もない会話をしつつどんどん先へ進んでいく

結婚してるの?
家族は?
子供は?

などと、若い人と呼ばれる世代の人は特に
嫌がられそうな話題を振ってくるご婦人

といっても、よく話題になることなので気にせず話を続けた

てっきり、結婚して、子供を育てて一人前!
な〜んて耳の痛くなるような話をするのかと思いきや

そのご婦人はお見合い結婚をして苦労をしたようで


自由に、やりたいことをやって好きなように生きたらいい

そんな話をしてくれた。

私は私で、そんなに友達が多くないので
この先どうしようという話をしていたら。


自分より少し年上の人と仲良くなったらいい。

いろんな出会いがあるし、私はこう見えても用心深いから
男性には話しかけることをためらうし
あなたは写真撮ってて旅行の人かなと思って
話しかけたんだよ。

あなたと話したこの時間が今日私の一日分の会話だよ!

ご主人にも先立たれて子供も巣立ったその後
婦人は 一人で暮らしているらしく年齢的にも
友人が多くなくなかなか会話をする機会がないのかも知れない

寂しくも聞こえるこの
『あなたと話したこの時間が今日私の一日分の会話だよ』
はなんだか心温かくなるような 言葉にも聞こえた。

これくらいしか話す機会がないんだよ…
とも受け取れるけれども


あなたと話すことで1日の始まりに
会話という時間を設けることができた

なんだか私にはそう聞こえました。

私も札幌からの疲れを残しつつ
朝から誰かの役に立ったかもしれない
という思いがよぎり朝の函館の清々しい空気と共に
自分の心にも爽やかな風が通ったような気がしました。


色々話しているうち 私の家が近づいてきた…

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