見出し画像

子育て経験を保育士試験受験で活かせるか|40代フルタイム勤務の母、独学保育士試験合格を振り返る

昨年の初夏、40代半ばにして保育士試験の受験を思い立ち、独学で勉強開始。フルタイム勤務と家事の合間の勉強になりましたが、夫と二人の子どもの応援もあり、平成30年度後期と31年度前期試験を受験し、合格することができました。


ここで自分の保育士試験の受験を振り返ってみたいと思います。

---
※ 保育士試験って何?誰が受けられるの?受かると何ができるの?等のご質問に対する説明は今回ここではできないので、すみませんがこちらを見てください。

保育士試験とは 全国保育士養成協会
https://www.hoyokyo.or.jp/exam/about/
---

初回はまず、「子育て経験を保育士試験受験で活かせるか」という視点から、受験を振り返ってみます。

最近は意識の高い若いママも多くて、育休中に何か資格を取りたいと思う方もいるかと思います。また、子育てが落ち着いた方が社会復帰をする時に資格があった方が有利だな、と勉強し直すこともあると思います。その時に目指す資格として「保育士」は候補になるのではないでしょうか。

では、子育て経験があれば保育士試験に役立つのか。以下は本当に個人的感想ですが、まとめてみました。ご参考まで。

【学科試験】

保育士試験は学科試験が9科目あります。
私がチャレンジした平成30年度後期試験において、「子育て経験があれば解ける」と思われる問題を、超個人的見解で数えてみました。

1. 保育の心理学 20問中2〜3問

喃語の出る時期や認知能力の発達順序などは、現役で乳幼児を育てている人には解きやすい気がしました。が、子どもが成長してしまったら「◯ヶ月頃はこんなだった」というような細かい時期などは忘れてるかも。

2. 保育原理 20問中0

これは保育士資格の軸になる科目。子育て経験だけで太刀打ちするものではなく、保育所保育指針の読み込みや理解がすべてです。地味な勉強が必要。

ただし、保育所保育指針の理解には、子育て経験がほんの少し活きます。

3. 児童家庭福祉 20問中1〜2

母子手帳の交付方法、乳児家庭全戸訪問事業などは、妊娠から出産でお世話になるので、ちょっと経験が役立ちます。が、制度は変わるものなので、自分の時と現在は違う可能性あり。過去問で間違えたらその制度の周辺知識は見直した方が良さそうです。

4. 社会福祉 20問中0

子育て経験が役に立つ出題はゼロ。地道に勉強するしかない科目。
でも介護保険制度などの出題があるので、介護経験がある方には少し有利。

5. 教育原理 10問中0

地道に勉強するしかない科目。
近年、難化傾向がある気がするので(私にはそう感じる)、保育士試験対策のテキストよりも、教員採用試験のテキストで勉強した方が良いのでは?と感じるくらい。

6. 社会的養護 10問中0

これも地道に勉強するしかない科目。しかも虐待などの悲惨な事例への対処も学ばなくてはならず、ケーススタディでは子どもがいるとツラさが増すかも。でも理論を理解できると悲惨なニュースに触れた時に冷静でいられるようになるメリットはあります。

7. 子どもの保健 20問中10問

これは子育て経験があれば取りやすい科目!
予防接種の種類や症状別の病気の時の対処方法などは余裕でいけると思います。
が、過信は禁物。インフルエンザ罹患時の出席停止日数など近年で変更になった点もあるので、見直しておくと残念な失点は防げそうです。

8. 子どもの食と栄養 20問中7問

この科目も子育て経験があると有利ですね。妊娠中の栄養なども、真面目に母親学級などに行っていた人なら簡単だと思います。
私が受けた試験では、小学校の給食だよりに出ていた内容から出題されていましたよ。子どもが学校から持ち帰るプリントも受験勉強に役に立ちました。

9. 保育実習理論 20問中3問

子どもと一緒に童謡を歌ったり、絵本を読んだり、積み木で遊んだり、と、子どもと過ごした時間があると解きやすいものが含まれていました。

【実技試験】

私が受けたのは平成31年度の試験です。
私は音楽表現と言語表現を選択しました。

◯音楽表現課題
「どんぐりころころ」
「バスごっこ」
両曲の弾き語りですが、どちらの曲も子育て経験があれば、メロディも歌詞も分かる定番ソングではないでしょうか。

◯言語表現課題
「おむすびころりん」
「ももたろう」
「3びきのこぶた」
「3びきのやぎのがらがらどん」
からどれか一つを語る、と言うもの。子どもと一緒に絵本を読んだものがほとんどではないですか。

もちろん練習は必要ですが、子育て経験があるとスタート地点で優位にいると思いました。

【最後に】

確かに保育士試験では子育て経験があると有利なことはあります。
が、特に学科試験では、そんな出題はごく一部。
きちんと理論を勉強しないと対応できません。

また、逆に子育て経験がないと保育士試験で極端に不利、ということもないと思います。

ただ、勉強したことが自分の子育てに役立つことはたくさんあると思いました。現役の乳幼児ママさんが勉強するのはその意味でオススメです。

保育士は、乳幼児の命を預かる国家資格です。
保育士不足で困っている政府は「子育て経験者を準保育士として認めよう」などの案が出しているわけですが、やっぱり子育てと保育は違うもの。
保育士の専門性がもっと社会的に認められ、待遇が改善されるべきだと、受験して改めて思いました。

私自身としては今後、保育現場や子育て家庭を支援する裏方として、保育士資格を役立てていくつもりです。