漢方の治療を受ける方に知っておいて頂きたいこと(1)

博厚堂 | 漢方・はり治療院 / HAKKOUDOU

治療の基本は、一番辛い症状を改善すること
しかし、その病気が生み出された原因は、生活習慣のなかから生まれたものである。それが改善されなければ治療は終了ではない。
その病気が生み出された原因は、生活習慣のなかから生まれたものである。その生活習慣が改善されなければ、何度も同じ痛みや苦痛、違和感を繰りかえし引き起こすことになる。
痛みや苦痛が一旦治ったとしても、その症状を引き起こす原因はなくなったわけではない。

漢方では、身体が苦痛・違和感を引き起こすのは、経絡上の詰まりが原因と考える。
では、身体はどのようなことが原因で経絡上に詰まりを引き起こすのか。

・食生活の多様化、高カロリー・高栄養・添加物などの摂取
・慢性的なストレス
・外傷(捻挫・骨折)、手術など
・運動不足

食生活の多様化により、高栄養・高カロリーの食品が多い現代食は、飲食物を消化吸収させ栄養を作り出す(脾胃)ために、飲食物を消化吸収できる(運化)許容量を超え、体内に気血に変化できない水穀の精微(栄養物)がヌルヌル、ベタベタと取りつく痰飲(たんいん)という病理を形成しやすくしてしまう。

慢性的なストレスにより、気の流れが悪くなると瘀血(血の停滞により現れる症状・血管の詰まりからくる様々な症状)や痰飲(水の停滞が長い間体内で起きたことでヌルヌル,ベタベタなったもの)が、経絡中に発生しやすくなる。

外傷(捻挫・骨折など)や手術なども、気の停滞と瘀血(おけつ)が起きやすくなり、食生活の影響も受けて痰飲を引き起こす。

運動することにより気の流れは良くなるが、体を動かすことが少なくなると、気・血・水の流れが悪くなる。

以上が原因となっているが、慢性的に起きている症状の根本原因の治療を目指す場合、治癒までにどのくらいの時間が必要なのかは、個人差も大きいためわからない。

早く治癒したいというのは、だれもが思うことであるし、早く治癒して欲しいと治療家も思うのだが、毎日の食生活、生活習慣、熱(電磁波・暖房器具など)に囲まれた現代人の生活環境を考えると、治療に時間がかかるのは仕方のないことである。

急性期の痛み、苦痛・違和感に対し、根本原因を踏まえながら改善し、さらに繰り返し引き起こす病の原因を病名がついてから治療するのではなく、できるだけ早い段階で探せるかは、漢方・鍼治療をおこなう治療家の経験量による。

漢方では、治療をするときに弁証論治という方法を取る。弁証というのは、可能な限り多くの身体の状態を患者さんから聞き取り、情報を得て体の状態を分析することである。
それには、以下の方法を用いる。
① 問診〈もんしん〉主訴、病気の経緯を聞く
② 望診〈ぼうしん〉患者の顔色・舌診などで確認する
③ 聞診〈ぶんしん〉患者の声や、言動、行動、呼吸、などを観察し、病人が発散する臭い、排泄物などで確認する
④ 切診〈せっしん〉患者に触れ、体の状態を確認する。脈診

治療家の経験により、弁証の立て方は変わってくるが、正しい弁証を立てるためには詳細な情報が必要となる。

その為治療家にとっては、患者さんとの円滑なコミュニケーションと深い信頼関係が大切になる。

患者さんが自分では当たり前に思っているような日常の身体の状態、このようなことは言う必要がないと思うようなほんの些細なことが、大きな答えを引き出してくれることもよくある。

ですから、治療には大変な労力と気力が伴う。一人の患者さんにかける時間は膨大になる。お互いに治癒を目指すと決めた場合、一人の治療家が責任を持って対応できる患者数は、思っているよりもかなり少ない人数になってしまうのである。


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