hajime83

カメラマンです。料理もプロとして長く携わってきました。この作品は自分の経験を反映させつ…

hajime83

カメラマンです。料理もプロとして長く携わってきました。この作品は自分の経験を反映させつつ大きなテーマ”再生”を描きたいと思って書きました。

最近の記事

御礼

沢山のスキとフォローありがとうございます。 まずは御礼申し上げます。 自分の作品がどう、世の中の方に見られたのか知りたいところ。 健太と詩織がこの先、どうなるのか子供は?詩織の父は?というところです。 続編がそもそもあるのか無いのか。 自分の心だけが知っています。 ありがとうございます。

    • 後書きに寄せて。

      小説を書いたのはこれが最初です。 いわゆる”処女作”になるんでしょうか。 果たして読んでもらえるのか? ただ、書くことに意味があるのか。 書き始めたらそんな不安は無くなりました。 夢中になってしまったからです。 少しばかりでも感触はありました。 励みになりました。 そして、新たな不安が。 それぞれの登場人物が書いている内に”一人歩きして”暴走しそうに なってしまうのです。 それを書きっぱなしにしてしまうのか。 しないのか。 こんなに長くなるつもりでは無かったからです。

      • 小説【再会】 新しい明日

        詩織に「別れよう。」と告げた。 でも、それで終わりにするつもりはまったくなかった。 「沢山の事を話してくれてありがとう。別れよう。それが望みなら。」 「・・・・・はい。」 再び、詩織が泣き出した。 「ちょっと待てよ。まだ、話は終わってない。」 「え?」 顔を上げた詩織がこっちを見る。 「今まで詩織の望みで聞かなかったことはないと思ってる。でも、それは俺の望みでもあったから。 だからと言って、今回ばかりは話が違う。」 「・・・・。」 「別れたいなら別れるけど、その後でも俺

        • 小説【再会】 告白#6

          真梨香とすれ違ってから一ヶ月が経った。 夏も終わり、秋の風が涼しく吹いてくる。 厨房もやっと楽になってきた。 夏の厨房にいたらそれは痩せそうだが、 水もがぶがぶ飲むのであんまり変わらない。 「ただいま~。今日も暑かった~。」 「はい。お帰りなさい。お風呂、沸いてますよ。」 「はーい。」 さっぱりした風呂上がりの僕を詩織がじっと見ている。 なんだか様子が変だ。 ここのところふさぎ込んでいることも多い。 どうしたんだろうか・・・・・? 「パパ・・・・、いえ健太さん。ちょっ

          小説【再会】 告白#5

          やっさんの店がせわしくオープンして 僕も発憤した。 調理師学校は”免許をとるため・・・”と 割り切っていたのだが、本腰で技術を吸収しようとした。 一年で・・・とは思ったが、いい経験にはなった。 詩織は相変わらず市民病院の薬局に勤めている。 再会したあの場所だ。 毎日が慌ただしく過ぎていく。 学校も卒業して店に入り、詩織と結婚した。 詩織は身寄りがいない・・・・ということだったので、 式はごくわずかの人達でひっそりとした。 それでもドレス姿は今までみたどの花嫁より ずっとず

          小説【再会】 告白#5

          小説【再会】 告白#4

          あれから10年の月日が経った。 僕は結局、店を継いだ。 が。 迫り来る不況の元、店を「ラーメン専門店」に改装した。 かなり自分で手を入れたこともあり なんとか改装は出来た。 麺も手打ちにしてスープもこだわった。 なんと言っても「料理人が作るラーメン」を みんなに食べて貰いたかった。 どうにか波には乗れた。 今では雑誌に載ったりもしている。 有り難い限りだ。 聡と淳美も平和にやっている。 子供もそろそろ小学校に上がる。 すっかり酒屋の女将さん・・・に淳美はなった。 前から考

          小説【再会】 告白#4

          小説【再会】 告白#3

          ラブの相談を受けて、決めた。 亀さんと話そう。 聞きたいことがいっぱいある。 おせっかいかもしれない。 でも、「待ってろ」と言った手前気になって仕方ない。 「もしもし?亀さんっすか?健太です。」 「おお、健太か。明けましておめでとう。」 「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」 「どうした?デスクにいきなり電話してきて。」 「あの~、ちょっと相談したいというかお話ししたいというか・・・。」 「なんだ。なんか話しにくそうだな。」 「ええ、まぁ・・・・。

          小説【再会】 告白#3

          小説【再会】 告白#2

          慌ただしい年末も明けて、新年になった。 やっさんの話もいよいよスタートしそうだ。 詩織とも毎日、会えて幸せだ。 「いけー!!!よし!! 1~!2~!3~!!!よっしゃー!!!!」 「きゃー!カッコイイ!!」 僕らは今、後楽園ホールにいる。 もちろん詩織とだ。 「笑点」ではなく、プロレスを観に来たのだ。 正月から好きな団体の興行があるので毎年、観に来ている。 聡と淳美も誘ったが、新婚の初の正月とあって忙しいらしい。 詩織は初めてのプロレス観戦に満足そうだ。 やっぱり最初は

          小説【再会】 告白#2

          小説【再会】 告白 #1

          町の装飾がクリスマス一色になってきた。 今年もそんな時期か・・・・と、ちょっと感傷的になったが 心は浮き浮きしていた。 僕の隣には詩織がいる。 なんということだ。こんなに話がスムーズにいっていいのだろうか。 ちょっと怖い気もしたが、とにかく毎日が楽しい。 「やす、お前ここに来てどれくらいになった?」 「もうそろそろ一年・・・ですかね。」 「そうか。店を出すのはいつくらいで考えてるんだ。」 「そうですねぇ・・・。早ければ来年の夏場には・・・。」 「実はな。商店街の手前の方に

          小説【再会】 告白 #1

          小説【再会】 再会 #3

          あれから2週間が過ぎた。 お袋の足はだいぶ良くなってきたようだ。 でも、まだまだ治らないで欲しかった。 薬局に行くたびに見られる詩織に心引かれていたからだ。 詩織も食堂に来てくれる。 その度に、きちんとご飯を食べて帰ってくれる。 これはでかい。 作る方からしたら残すなら頼むな!ってことだから。 今日は聡と淳美の結婚式だ。 夏場の暑い時季になんてするもんじゃない・・・と、 秋口の婚礼と相成った。 その代わり、サマーウエディングと同じくらいの価格で 出来るようにあちこちに頭を下

          小説【再会】 再会 #3

          小説【再会】 再会#2

          うちの店に修行に来始めたやっさんはいきいきと働いている。 僕はなんだかやっさんに厳しくも優しい両親に 複雑な思いを抱いていた。 やっぱり店を継いで欲しいのではないか・・・・。と。 店の2階に使ってない部屋があり、そこでやっさんは寝起きしている。 どうやら前の部屋は家賃を滞納して追い出されたらしい。 ま、半年も山にいればね・・・・(笑) それでも日々、懸命に”飲食店の仕事”を 吸収しようと躍起になっている。 そんなある日。 「おい!健太!いるか!!」 「はい?いますよ。ど

          小説【再会】 再会#2

          小説【再会】 再会#1

          もうここもこれで最後だ。 秋も深まり、山もそろそろ閉山することになる。 売店にもお客さんが少なくなって、 秋を楽しむ初老の夫婦が多い。 今日は最終日。 食品は最後の最後に業者さんが引き取りに来る。 その他もパッケージにして引き取りを待っている。 店の外に防雪用のトタンを打ち付けて、お終いだ。 「かんぱーい!!」 「今日は最後だからなー。無礼講で飲んでくれ!」 「はい!!!」 社長の勢いのある挨拶で宴はスタートした。 社長始め、社員さんやバイトも全員いる。 寮の広間で飲む

          小説【再会】 再会#1

          小説【再会】 リゾート#3

          夏も真っ盛りだ。 聡と淳美を見送ったのが遠い昔のようだ。 毎日の忙しさがいつまで続くのかも判らない。 日々、売店の喧噪だけが僕を支えている。 そんなある日。 「あの~、すいません・・・・。これ宅急便で送りたいんですけど・・・。」 「はい~。ありがとうございます!ご自宅用ですか?」 「人に贈るんですけど・・・・。」 「これなら箱があるはずなんで、ちょっとお待ち頂けますか?」 「はい。」 ぱっと見、正直地味目だったけど、 清楚で細身の小さい姿はどこかで見た気もした。 ショー

          小説【再会】 リゾート#3

          小説【再会】 リゾート #2

          ホテルを辞めてすぐに長野へと旅立った。 でも、気持ちに余裕なんてなくすぐに日常に巻き込まれることとなった。 とにかく一日が激しく忙しい。 朝早くから夜遅くまで。 ぼけっとなんてしていられない。 昼飯だって2時3時・・・が当たり前。 でも、その中でたくさんのお客さんに笑顔で接してきた。 それでいいのだ。今は。 ぐったりしてたまの休みになると他のホテルへと行った。 それはまぁ、息抜きではあるけれど静かにお茶でもしたかったぐらいのもんだ。 高原の空気を吸ってのんびりしたらまた

          小説【再会】 リゾート #2

          小説【再会】 リゾート #1

          今、僕は長野にいる。 夏のリゾート地にある売店のにーちゃんになった。 あれから2年。 彼女が出来る訳でも無く、 かと言って出会いがあるわけでもなく。 実家の店は順調にいっている。 僕が無理矢理、帰らなくても大丈夫そうだ。 いつかは帰って定食屋のオヤジになると思う。 最近、そんなことをぼんやり思ってもみる。 でも、もう少し”社会勉強”させてもらおう。 真梨香のいる”ファッションヘルス マリリン”には あれから一度だけ行ってみた。 それも一年ぐらい過ぎてからの頃だ。 相変

          小説【再会】 リゾート #1

          小説【再会】 居酒屋にて

          「悪りな。きてもらっちゃって。」 「えー、どうしたの。健太君。」 「すいませーん。生3つ!」 はいよー!と元気な声が聞こえる。 ここは地元にある居酒屋。 聡と淳美に来て貰った。 自分の中だけでは到底、消化できそうになかったからだ。 「で、久美ちゃんいた?どうしてたって?」 「あれから劇団の俳優と浮気したってさ。」 「ええええーーーーー!!!!!」 「自分で言ってきたよ。それで別れたいって。」 「で、どうしたの?まさか・・・・。」 「今日は報告が一つ。あと、質問が一つある

          小説【再会】 居酒屋にて