海外留学奨学金(給付型・返済不要)を獲得するコツ!
はじめに
給付型奨学金事情についてお伝えします。私が経験を通して分かるのは、日本の理工系の大学の修士課程を修了して大学院博士課程に正規で進学する場合です。現在おかれている立場や所属、各課程や財団ごと等、方針や毛色が違うと思いますが、役に立つ部分もあるかと思います。
概要
留学にはお金がかかる。それは事実です。しかし借金や自分の財産を減らさなくて良い方法があります。
方法は現在の所属や状況によっても様々です。例えば所属している企業が社費派遣を行っている場合は、その制度を利用する方法がノウハウも蓄積されている可能性が高く、効率も良いでしょう。また一部の国家公務員の方は官費による派遣制度などもあることでしょう。
しかし日本の高校や大学を卒業して直接海外の機関に入学する場合には厳しいのが現状です。それらの方を主な対象として特に手っ取り早いものが給付型奨学金です。
まず海外の機関からの奨学金はどうでしょうか?おそらく世界中に数多く存在します。このため理論的には可能であるように思われます。
しかしこれはスポーツでたとえると、いきなりオリンピックや世界選手権で入賞を狙いに行くようなものです。以前の記事にも書きましたが、各国の奨学金などを既に受賞している人たちで溢れています。大学院におけるTAやRAなどの雇用を基にした方法では、難易度は下がるものの、依然として世界大会であることは変わりありません。
世界選手権と日本選手権では、どちらのほうが比較的難易度が低いかは想像に難くないかと思います。
よって今回は日本国内の財団等からの奨学金に注目します。昨今の留学ブームも反映して、各財団が返済不要の奨学金を募集しています。
財団により、国や分野、コースまで様々です。これにより出願できる奨学金の選択肢はかなり狭まります。逆に言えば、仮に狭い分野への募集に自分が出願できる場合は、競争相手が減ることで、自分が採用される可能性も上がります。フル代表よりもU23やU19代表など条件付代表のほうが敷居が低いのも明らかでしょう。
応募について
応募の際には「募集要項」をよく読んで出願されることをおすすめします。よく読んでというのは、字面を追って内容を確認するだけではなく、その財団が何を求めているかを予測するという意味です。
よく調べることにより、資金の出所はどこか、審査員はどのような人か、過去の人はどのような状況か、などで、募集要項には直接書いていない事柄まで、おおまかな予測は立てられるかと思います。
例えば、出願例がある場合は
「この通りの順番で図やタイムラインなどを使ってわかりやすく記述し出しなさい」
という募集者の意図が読めます。順番を厳守し、図やタイムラインを使って記述しましょう。
帰国後にニュースレターなどへのレポートを提出することが強調されている場合は、おそらく前年までにレポートの提出をしなかったの採用者がいた、または文章のクオリティが著しく低いものがあり、困惑した可能性などが考えられます。
もし仮に以前までに真剣に寄稿文を書いた経験がある場合は、参考資料として寄稿文章を提出すること(=これくらいのものは書ける、かつ提出できると証明すること)も効果があるかもしれません。
その上で、自分を採用することにより、財団側にどのようなメリットがあるかを考えるのが重要では無いでしょうか。
敵を知り己を知れば百戦危うからず
とは正にこのことでしょうか。
奨学金の採用は、就職活動とは異なるため、出身大学を指定している、つまり「学歴フィルタ」を明示している財団が多数存在します。この場合は試してみる価値もあるかとは思いますが、おそらく該当大学以外からの応募はどうにもならないと思います。「学歴フィルタ」の存在を公表し、無駄に終わる出願の手間を省かせてくれる財団側の親切心だと思い、他の候補に集中したほうが有効かと思います。
採用されるには何をすればいいか?
具体的な話に移ります。私が経験を通して分かる、理工系の大学院博士課程に正規で進学する場合について説明します。
説明の簡単のため、奨学金に関する留学生、奨学財団、受け入れ先大学の動機とメリットをまとめます。
留学生本人
経済的な負担がない方がいい、または負担がある場合は進学不可能になる
奨学金を採用されることによって表彰された実績が増え、場合によっては大学院に合格しやすくなる
奨学財団
実績になる=世界的に名の知れた、ここに進学した学生を私たちが支援(=投資)しているという実績になる進学先を稼ぎたい
将来的に成果を挙げそうな学生に投資したい
入学できる可能性が高い学生を取りたい
大学側・研究室・指導教官など受け入れ側
出来る役に立つ、いわゆる優秀な学生を取りたい
出来れば無料で、研究予算を節約して取りたい
まず、留学生本人が奨学金を受けて留学をしたいと思うのは、奨学金へ応募をしている時点で明らかであり、他の候補生も概ね同様であると考えられるため、いくら「頑張ります!」と熱意だけを示したとしても、客観的な差別化は厳しいのが現状です。またいかに自分が優秀であるかを語られるのも、財団側は慣れているでしょう。もしかしたら聞き飽きているかもしれません。
留学生本人が財政支援を受けたいのはもちろんのこと、奨学金に採用されることで、日本国内でも優秀であるという証明になるというメリットもあります。以下抜粋です。詳細は以下記事を参照ください。
留学応募に際して、日本からの奨学金をとっておくことが、どのくらい有利であるかについて考えてみます。
日本からのスカラシップがあると、合格判定にも有利なようです。スカラシップをとったということが、優秀な学生であるという証明にもなるということです。
また、奨学財団側は、多かれ少なかれ実績を稼がなければなりません。実績が悪いと事業自体が打ち切りとなる可能性も上がりかねません。
審査員目線で考えると、応募者が多い場合には、選考プロセスの簡単化のため、まずスコアによる足切りをすることが予想されます。場合によっては上記学歴フィルタも考えられます。客観的に数値化できる大学の成績やテストスコアはできるだけ高く保つ必要があります。そもそもスコアが一定以上ないと大学院自体の合格が厳しいかと思われます。
奨学金を運営する視点から考えると、事業の年間予算などの関係で一番の問題は、採用した学生が志望する大学に不合格になり行く先がなくなるなり、投資するに投資できないことです。繰り上げ採用等もありますが、補欠の学生が繰上げの際には既に他財団に取られているなどの可能性も考えられるので、初めに採用した学生全員が合格してくれる方が都合がよいでしょう。
一般的に海外、特に欧米の大学は日本のように試験一発で決まるわけではなく、大学側がかなり不透明な審査をしているため、いくら実績があって奨学財団側から見て優秀であっても、大学側から落とされたのであっては元も子もありません。
よって採用されるには、相対的に投資価値が高い学生(=確実に実績が稼げる可能性が高い学生)であると奨学財団に判断される必要があります。
具体的な効果的な方法
上記のように採用されるには、相対的に投資価値が高い学生(=確実に実績が稼げる学生)であると奨学財団に判断される必要があります。
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