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プログラミング未経験の文系の学生が、世界No.1ブロックチェーンゲームのリードエンジニアになれたワケ

社会に通用するデジタル人材を育成するHAITLab。プログラミング未経験の文系の学生が、世界No.1ブロックチェーンゲームのリードエンジニアになるまで、どのような道筋を歩んできたのでしょうか?今回はHAIT Labメンバーの渡辺竣介氏にお話をうかがいました。

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渡辺竣介氏

―HAIT Labに入った経緯を教えてください。

HAIT Labに入ったのは1年生の後期でした。

大学では統計学を学んでいました。さらに、テクノロジーの必要性が高まる社会の中で、機械学習を使って膨大な情報を取り扱い、施策を立てるデータサイエンスに興味を持ち、HAIT Labに入ることを決めました。


文系ですし、プログラミングや機械学習の経験が無い状況からのスタートでした。

―HAIT Labに入ったときの印象はどうでしたか?

ネットや書籍で機械学習に関するインプットをしてきた自覚はありましたが、インプットというレベルを超えた、機械学習の知識を活かして既に企業で活躍している同年代のメンバーもいることに衝撃を受けました。彼らと自分とでは課題観が異なっていて、自分も早く追いつかなければならないと感じました。

―HAIT Labに入ってから具体的にどのようなことをしてきましたか?

1年近くHAIT Labの仲間とKaggleのコンペでの精度などを競い、切磋琢磨しながら機械学習について勉強しました。

プログラムを書けるようになり、実力が伸びた実感を得たところで、HAIT Lab経由でfreeeというクラウド会計の会社にインターンに行く機会を得ました。

―freeeではどのようなことをされていましたか?

配属されたのは画像認識を行うチームで、レシートやふるさと納税の証明書から、OCR(光学的文字認識)を用いてデータを抽出するという業務に携わりました。しかし、実際にビジネスのスピード感の中で、何か生み出すというよりは、学ぶことの方が多かったという印象でした。

―何が課題だったのでしょうか?

課題として感じたのは知識と社会経験不足でした。

これまでテストのデータセットで学習していたものが、実際の業務では論文に載っているものを実世界のデータを利用して実行するというもので、レベルの違いを痛感しました。

また、Linux周りの操作やデータの前・後処理に関するプログラムなど、機械学習以外の知識も不足していて、それらを学びながらの活動では良い進捗を出せませんでした。

初のインターンで、接し方も分からない中、チームは少数だったこともあり個人の裁量に任された自由な環境であったため、当時主体性を欠いていた自分には、足りないものを見つけることすら一苦労でした。振り返ってみると、このプロジェクトでどの程度の利益が見込めて、誰のどのような作業を減らせるのかといった課題観を持って取り組めていなかったことも上手くいかなかった原因だと感じています。

自身への課題が見つかった一方で、サービスやアプリケーションの開発に興味を持つきっかけにもなりました。

―その後は、どういったお仕事をされているんですか?

2年前から現在まで、ブロックチェーンを使ったゲームの開発に携わっています。

担当しているのは、主にゲームのシステム全体の開発、運用、保守です。具体的には、バトルやイベントなどのコンテンツ自体の開発や、現状のシステムだけではスケーラビリティの問題で処理できないブロックチェーンの情報を、通常のサーバーと組み合わせて(オフチェーン)一般的なサービスとして提供できる程度のユーザビリティを保てるようにするということをしています。

最近はスマートコントラクトにも触れています。

小さいチームで開発しているので、ユーザーの満足度を高めるにはどのような仕様にするべきか、システムを担当する目線から提案するなど、上流の設計も考えながら仕事をしています。

目的意識を持てずにいたfreeeでのインターン時に比べると、エンジニアとして、ただプログラムを書くというレベルからは卒業できたと思います。エンジニアとしても、企画が出来るなどの強みをかけ合わせていくことは、物事を巨視的に眺める視座を養い、個人としての競争力を高めることにも繋がるので、重要だと思います。

―今後やりたいことは何ですか?

インフラや低レイヤの知見を持ち、様々なシステムを設計できるアーキテクトになりたいと考えています。例えば自動運転やドローンといった現実世界に溶け込む自律分散的なシステムが当たり前になり、テクノロジーが生活のどの場面においても密接に関わってくる未来の世界では、サービスの安定性や可用性により一層の精度の高さが求められるという点で、インフラはこれから重要な要素になると見ています。

今は、クラウド上で分散化されたノード(クラスター)を管理することなどに目を向けて勉強しています。将来的には安定した精度の高い技術を組み合わせてシステムの開発を行いたいです。

ー最後に、改めてHAIT Labで学んで良かったことは何ですか?

優秀な人たちに囲まれる環境に身を置くことで、自分の知識に対する欲求や勉強する姿勢という面で刺激を受けられたことです。

自分がやっている分野に関して見えていないところや、自分の持っていない知識を共有してくれる仲間に出会えたことで、今自分に何が欠けているのか分析できる状態になれたのは良かったと思います。

―切磋琢磨し合える仲間を作る上で、秘訣はありますか?

何か技術について議論するとき、自分の興味関心の先を行く人達に対しても、積極的に持論をぶつけることは、仲間を見つけるための秘訣かも知れません。反論するからこそ会話も生まれて、長期的な議論の足がかりになりますし、自分よりも技術に勝る人たちが相手にしてくれるんです。

同じコンテンツを学んでても、満足して分かった気になっていたら、一人の世界で閉じてしまいます。自分よりも強い人に疑問をぶつけたり、議論したりすることで、切磋琢磨できる長期的な関係を築くことは、単にコンテンツを学ぶことよりも重要ではないでしょうか。

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