浜﨑 結花

沖縄県出身。短歌、俳句、その他文芸作品の創作と鑑賞が好きです。演劇部にも所属していまし…

浜﨑 結花

沖縄県出身。短歌、俳句、その他文芸作品の創作と鑑賞が好きです。演劇部にも所属していました。

最近の記事

明日が来るだけ

愛されるつもりはないしレジ袋有料になっちゃったし おやすみ プリキュアになりたい いつか死ぬ星で僕らは理性的に生きてる あたらしい明日が来るだけの今日にコンビニで買うエクレアの罅 領収書ください。それと、希死念慮どこに行ったか知らないですか。 かなしいとさびしいの間にいます ずっと待ってるから会いにきて かわいさもオーダーメイド二重幅いつもと違うけれどそのまま 愛されるわたしでごめん 終電の吊革わざと掴まずに立つ 落ち着いている、しっかりしている。子どもの頃からそうい

    • 短歌「きっと雨だよ」(引用:沖縄県立浦添高等学校文芸部誌『蒼』より)

      「きっと雨だよ」浜﨑結花 ひとりでもいいの吊革さえあればバスでも立っていられるように さよならは言わなきゃさよならじゃなくてさくらさらさら掃いて三月 生理二日目の少女の指としてプールの水を揺らしてみせる いつか私たちがいなくなるプール風の行方は誰もしらない いなくなったら泣いてあげると笑われてそれはそれで困るよ、好きよ 部員一同頑張ります。の一同に私がいなくなる十二月 思い出は過去のものだしどうしても拭えないからきっと雨だよ 会えそうで会えなさそうでばいばいの形に口が勝手に

      • 昔好きだった短歌を読み返してみた(俵万智編)

        中学生の私へ。先日部屋の片付けをしていたら、あるノートを見つけました。 それは、歌集を読んで好きだと思った短歌をメモするノート。 ものの見事に俵万智ばっかりです。それしかないです。あなたにとって短歌を始めるきっかけになった人だから致し方ない気もするのだけれどね。 多分あなたのことだから、ほかの人の短歌も書こうと意気込んだはいいものの、ノートの存在を忘れたり後回しにしてしまったのでしょう。 あなたが選んだ短歌を、改めて読んでみて思ったことを書いてみます。 どんな思いで記したのか

        • 笑ってくれてありがとう

          一人の読者から作者側の人間になりたいと思うようになったのは、中学生ぐらいの頃だった。昔から本が好きだったことに加え、三つ年上の姉が高校の文芸部に入部したことにも大きく影響を受けた。 小説、詩、短歌。俳句は姉の方が詳しく、17音という制約も窮屈に感じてしまったことで避けていたが、それ以外なら手当たり次第にいろんなものを書いた。作品はほとんどが手書きで、紙を文字で埋めていく感覚がすごく好きだったのを覚えている。 ペンネームまで考えて、憧れの作家さんに近づけたように錯覚して。楽しく

        明日が来るだけ

          手渡された花はすぐ花瓶に活けるに限る

          2年前、初夏。山田祥雲は俳句甲子園地方大会那覇会場に彗星の如く現れた興南高校チームの一員だった。 対戦した試合のあとの彼の言葉は今でも忘れられない。 「金城 果音さん(私の所属していた文芸部の1つ上の先輩である)と浜﨑 結花さんは怖いと伺っていたので……」 初対面で怖いと言われる経験は初めてで、思わず壇上で苦笑してしまった。 それをネタにして「おい山田」と呼び捨てにし始めると、最初は恐縮していた彼も「おい浜﨑」と私を呼び捨てるようになった。 それから2年が経ったなんて、今

          手渡された花はすぐ花瓶に活けるに限る