偏質的俳句鑑賞-第百八十二回 んの字に膝抱く秋の女かな-小沢信男「増殖する俳句歳時記」

体育座りすると人間自体が「ん」になる。
秋という寂しさを感じる季節に体育座りをするということは何か物思いさせる要因があるのだろう。
そのストーリー性と人の姿に対する観察の鋭さが組み合わさって、世界を作っている。
人間がひらがなで表されるなら、通勤する人々は「し」だったり、寝る人は「つ」だったりするのだろう。
この「女」に対する「相手」はどのひらがななのだろうか。
次回も良ければ読んでください。

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