優しくなれない人の為の猛暑日。

 いつからか忘れてしまったがクーラーを付けっぱなしにしないと夏を乗り切れなくなってしまった。いつからか忘れてしまったがクーラーを付けっぱなしにしても、さして電気代が変わらない事に気付いてしまった。

 8月に入り真夏の様相を呈する今日の日差しには幾分かの殺意が含まれる。暑いと人間イライラするのはその日差しのせいでもあるのだ。

 ようやっとの思いで排気口新作公演『呼ぶにはとおく振り向くにはちかい』の台本を過日、書き上げた。「了」の字を打ったのは朝の7時。窓から強く確かな日差しの中で煙草を吸った。

 過去1番に腰痛に悩まされた台本作業だった。書く姿勢を試行錯誤したが結局、椅子の上で胡坐に収まった。これ7月は中旬の発見である。台本を書いている間、私はずっとある時間が流れていた。それは何かが始まる前の時間である。決して何かが終わる時間ではない。

 今回も素晴らしいフライヤーとコピーを作ってくれたぢるちゃんのフライヤー制作の日誌がある。

上記に書かれている様に私とぢるちゃんは凡そ2年振りに直接フライヤーの打ち合わせをした。私の家で。しかし私は途中から飲酒による酩酊状態であったが。もうすぐ朝になろうとする宵の暗部において、私たちはアジカンを聴いた。そしてそれは何かが始まる事を雄弁と歌っていた。このように。

 「教えてよ そっと 夢と希望まだはじまったばかり」

 何かが始まるまでの時間。それは私たちが寄り添うべく集める言葉の積み重ねではないだろうか?切れ切れの断片を集めて編もうする、もっとも暗い時間ではないだろうか?

 彼岸と此岸の境目が暑さで溶ける夏の頃。排気口新作公演『呼ぶにはとおく振り向くにはちかい』是非とも。

排気口新作公演『呼ぶにはとおく振り向くにはちかい』フライヤー表

排気口新作公演『呼ぶにはとおく振り向くにはちかい』フライヤー裏

 皆さんの全ての穏やかさを祈って。劇場であいましょう。

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