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デザイナー向けの英語レジュメの書き方・作り方

Illustration:
Copyright 2017 Katerina Limpitsouni
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サンフランシスコに引っ越してきてからレジュメ(職務経歴書)を作る機会があり、プロダクトデザイナー養成所のTradecraftでもレジュメのポイントを聞く機会があったので、備忘録も兼ねてnoteにまとめることにしました。

フォーマット

サイズはアメリカならレターサイズ、日本ならA4で作ると良いと思います。ちなみに、私はSketchで作りました。決して文章を作るのに向いているとは言えませんが、イラレよりも軽く、PDF書き出しも便利なので使っています。上記の紙のサイズもアートボードのプリセットの「Paper Sizez」から選べます。

(ちなみに、アメリカのスタンダードなサイズがA4とは違うサイズだって気が付かずに最初A4で作ってしまった...)

フォントサイズ

英語の場合は、10ptがベストです。日本語の場合は、少し大きいので8ptくらいでも良いかもしれません。このサイズだと印刷しても読めます。

不必要な装飾はせずに、色はモノクロ、画像もなし

よくネットで見かけるレジュメは自分の顔写真が入っていたり、装飾に凝っていたりしますが、キャリアアドバイザーの人の意見では、そういったものは避けるべきだそうです。写真についてはアメリカだと性別や容姿で判断しているとされるため、むしろ貼ってはダメという習慣です。

「いかに必要最低限の情報を読みやすく綺麗にレイアウト出来るか」がデザイナーの腕の見せ所です。

2カラムは避けて、1カラムにおさめる

2カラムもよく見かけますが、視点が左右行ったり来たりになってしまい読むのに集中しづらくなる為、1カラムにします。

1ページにまとめる

採用担当者は何十人ものレジュメを見るため、ページ数がたくさんあると読むのが大変です。必ず1ページにまとめます。経歴が10年以上にもなるとページが足りなくなるかもしれませんが、それでも最大2ページにおさめます。採用担当者が知りたいのは「直近何をしていたか」なので、新しい経歴から順番に書いていき、古いものは在籍年と所属だけにするなどして省きます。

👇これは実際に作った私のレジュメです。

書く内容

1. 連絡先情報
名前(一番大きく)
メールアドレス / 電話番号 / LinkedInのURL

アメリカで働く人は大抵LinkedInのアカウントを持っています。Facebookと違って完全に仕事関係のネットワーク作りが目的のソーシャルメディアです。応募時にLinkedInのURLを求められることも多いので、レジュメで書いた内容は、同様にLinkedInに反映しておくと良いです。

2. Experience(経歴)
Role(職種) / Company(所属会社) / Location(場所) / Date(在籍期間) を会社ごとに書きます。

例)UX/UI Designer  |  LiB, Inc.  |  Tokyo, Japan |  Jan 2016 - Feb 2017

この下に、この会社でやったことを箇条書きで書くのですが、詳細は下で書きます。

3. Education(学歴)
在籍していた学校があれば、学校名と専攻していた内容を1行にまとめて書きます。

4. SkillsやSoftware、その他特筆すべきこと
受賞歴などの顕著な事柄や、使えるソフトウェア、スキルなどもあったら書いておきます。

Experienceの中身

さて、一番気になるのはここだと思いますが・・・
やったこと(Task)、その理由(Why)、もしあればその結果(Results)を、1文が2行以内になるように箇条書きで書きます。

デザイナーの場合、分かりやすい数字などのResultsがない場合もあると思います。そういう場合でも必ず「何のためにそれをやったのか?」を書きます。

例)Built a design system to allow the team to design more efficiently and consistently
チームメンバーが効率的に、そして一貫性をもったデザインをするために、デザインシステムを構築しました

Developed dashboard prototype to increase user engagement with existing features
既存の機能のユーザーエンゲージメントを高めるためにダッシュボードのプロトタイプを作りました

また、箇条書きの際に、毎回主語が入ると冗長なので省いて動詞から始めます。

Action Verbsを使う

やったことを書く際のポイントは「Action Verbs」を使うことです。
以下にデザイナーが使えそうな動詞を並べてみました。

Accomplished
Achieved
Analyzed
Applied
Built
Created
Crafted
Conducted
Developed
Enhanced
Extended
Implemented
Improved
Maintained
Managed
Modified
Planned
Structured
Validated
Solved

いくつかの動詞は使われすぎているため、もう少し別の言葉に置き換えても良いとの意見もあるようです。
185 Powerful Verbs That Will Make Your Resume Awesome

レジュメの役割

アメリカ、特にベイエリアにおいてはデザイナーが多く、レジュメは最初のスクリーニングに使われます。最近は、Stellaなど機械的にレジュメを分析して企業と候補者をマッチングするサービスもあるくらいです。機械的に判断されるということは、過去に同業種で働いたことがあるか?求める経歴年数を満たしているか?といった情報でスクリーニングが行われていると推測できます。
そうなると、レジュメで出来ることというのは少なく、過去自分がやってきたことを嘘偽りなく簡潔に書くことが大事だと思います。

この先のステップに進んだ場合に、具体的なプロジェクトの説明(ポートフォリオレビュー)や、過去の同僚への確認(リファレンスチェック)が入ったりするので、矛盾が起きないように所属していた年月などは念入りに確認します。

レジュメを完成させた後はネイティブの人、特にライティングに強い人に見てもらい文法などの基本的な間違いがあったら直します。

アメリカでプロダクトデザイナー職への応募だとまず間違いなくレジュメは求められます。知人からの紹介であっても、人事に紹介する際に求められることがあります。自分のこれまでやってきたことの棚卸しにもなるので、就職活動を考えている際にはポートフォリオと合わせて準備しておくと良いと思います。
必要な人の参考になれば幸いです。

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