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英語が本気で出来ない人がアメリカで過ごした2年間の記録

📢 デザイナーの英語帳という本が出版されました。この記事の内容も書き直してコラムとして掲載し、ここでは書けなかったアメリカでの就職活動の様子も書いています。もしご興味あればこちらもぜひよろしくお願いします。 灰色ハイジ 2020/05/22

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結婚してアメリカと日本を行ったり来たりする生活を2年弱過ごし(この間で合計半年くらいの滞在期間になるだろうか)、サンフランシスコへと移住をしたのが2017年の後半。全部で合計すると2年ほどアメリカに住んでいることになる。
本気でHelloくらいしか言えなかった私が、今アメリカで働いているのが不思議に思うことが多々ある。時間が経ったら当初の気持ちを忘れてしまうかもしれないと思ったので、この2年どのように過ごしてきたのかまとめることにした。

尚、1年前に1年間の記録と題して書いて下書きに放置したままもう1年経ってしまったので多く加筆修正してこの度ようやく公開することができた。

* 夫にTOEICは550点じゃなくて、545点だったと指摘されたので修正しました。うっかり水増ししていた。(2019/04/27)
* 時系列が間違っていたので少し順番を入れ替えました。(2019/04/28)

1. 背景

多くの英語学習に関するブログ記事は、文法などの基礎があった上で、発音だったり、ライティングをさらに鍛えるためのことが書かれていることが多い。

私のレベルはと言うと中学校は不登校だったし、高校も通信制を土台として最低限の単位だけとれば良いというカリキュラムで、英語の授業はまともになく、美大受験も筆記がないところを選び…と、英語を学ぶべきタイミングで学ばないまま30歳になってしまった。

半年間だけ通っていた女子中学に帰国子女が多く、英語が喋れる子が多かったのも根っこではコンプレックスになっていた。(すべては勉強をしなかった自分が悪いのだけれど)

どれくらい英語が喋れなかったかというと、アメリカに来た当初カフェでコーヒーを注文する言い方が分からなかったほどだ。

1. 渡米前

土台力を付ける

中学校で英語を学ばなかった私が最初にやるべきことは、中学校で習う英文法を勉強することだろうと、手にとったのは「Mr. Evine の中学英文法を修了するドリル」だ。

有名な本なので、英語学習の記事でもよく出てくる。東京に居た頃、英会話レッスンを少し受けていたのだけれど、教わったボキャブラリーを丸暗記するだけでどうにも身に付かなかった。

それもそのはずで、文法の基礎がないというのはザルに水を流し入れているようなものだったと今なら思う。この本をやってからようやく英語が楽しいと思えるベースラインに立てた。

この本が良いのは、章と章の間に、私がくじける・言い訳をするポイントが先回りして書いてあることだ。この「分かってるな…!」感は英語学習で挫折してきた私に優しく入ってくる。いろいろ本を買っては挫折していたが、この本は全部終えることができた。

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2年間の英語学習用のノート。前置詞って何、形容詞って何っていうレベルからのスタートだった。

2. 渡米直後 (日本とアメリカを行ったり来たりしていた期間)

移住前にビザの都合もあり、アメリカと日本を行ったり来たりしていた時期があった。期間は長い時でESTAで滞在できる最大の3ヶ月近く居たこともある。

スーパーマーケット

最初はスーパーに行くのでさえ億劫だった。こういう日常生活は、実は英語の問題だけではなくて、どこに並べばいいんだっけ?支払う時はどこにカードを入れればいいの?と、分からないことが恐怖心になっていた。
そこで、引っ越した当初は夫と一緒にスーパーに行き、使う言葉を教わりながら買い物をした。不慣れな言語に住むということは自分が子供に戻るような体験をしなくてはいけない。

□ 挨拶
レジの前に行ったら、大抵お店の人から「Hi, how are you?」と声をかけられる。
そこには「Good, thanks」などと返す。余裕があれば「Good thanks, and you?」と聞き返してみても良いかもしれない。あるいは慣れてきたら自分から率先して「Hi, how are you?」と声をかけても良い。(こなれた感が出る、と夫からのアドバイスだ)

□ レジ袋の有無
アメリカの買い物袋はたいてい有料だ。その為、エコバッグを持ち歩くことが多くなった。
お店では「Do you need a bag?(買い物袋はいる?)」と聞かれるので、もしも持っていたら「No, thank you. I have my own bag.」と答えれば良い。

もし必要な時は「Yes, please. Thank you.」

なんだこんな簡単な文章、と思うかもしれないけれど、英語を話したことがないと、本当にこれくらいのことすら言うのが難しい。子供と一緒で、ロールプレイングして覚えるしかない。

カフェ

数ヶ月経って一人でスーパーマーケットに行けるようになった時、初めてのおつかいのようだった。夫の方が私以上に感無量になっていたように思う。スーパーと同様にカフェにも一人で行けるようになっていた。
冒頭で分からなかったコーヒーの頼み方は「Can I have a coffee?」か「Can I get a coffee?」だ。
私はソイラテが好きなのだが、お店によっては置いていなくて他のミルクを提案されることがある。日本では馴染みがないので最初聞いた時は分からなかった。豆乳の他に、代替ミルクは以下のようなものがある。

- Oat milk (オートミルク・麦)
- Almond milk(アーモンドミルク)

英語を話しに行くための英語力が足りない

アメリカにいる間、日本以上にひきこもることが多くなった。服を買いに行く服がないのと同じで、外で人と話そうにも恐怖が先にある。 そこで、DMM英会話をやってみた。アメリカ英語の発音に慣れたかったため、ネイティブスピーカーにレッスンを依頼した。「え、サンフランシスコにいる??」なんでオンライン英会話なんてしてるんだ、という空気が伝わってくる。海外に行く前からちゃんと練習しとけよ!って話ではある。良い環境にいながら...というため息が聞こえてきそう。
また、あくまで日本在住の人向けに作られており、時間帯が日本時間だったため予約の度に時間を変換しないといけず面倒だった記憶がある。結局お試しで何回かやって使わなくなった。

□ Language Exchangeのアプリ
お金を払ってオンライン英会話をしても、それ以前に英語をどう話したらいいか分からないと効果的じゃない気がした。そんな時に、Language Exhangeのアプリは良かった。無料で同じように外国語を学びたい人と会話をすることができる。日本語に興味を持っている人の方が相手から返信をもらいやすい。またビデオチャットは最初はハードルが高いので、最初はテキストだけのやりとりがおすすめ。

これについては別途記事にまとめた。

海外ドラマも見れない

アメリカ滞在時すぐの頃はとにかく慣れない英語の環境でコンテンツも楽しむことができなくて毎日泣いたりしていた。
例えばNetflixで見たいドラマに日本語訳がないことが多かった。これはアメリカでNetflixに接続しているせいもあったかもしれないのだけれど、当時の私には英語字幕がついていてもドラマを見ることなんて出来ず、人々に「英語の学習にはドラマがいいよ!」とすすめられるも、本当に一切会話が理解できなくて、コンテンツを楽しむこともできない自分に悲しくて泣いた。

そんな時、すでに自分がストーリーを知っている日本のアニメの英語吹き替え版ならば楽しめるかもしれない、とジブリのDVDを購入した。これは英語でも楽しむことが出来た。

また、この当時たまたま見かけたTEDのこの動画は6ヶ月で外国語を学ぶ方法について語っている。こういう動画だけは英語のみでも理解することが出来たし、自分の気持ちを重ねては見ながら泣いてしまった。外国語であっても自分が強く困っていることに対しては人は理解できるのだ、と思った。

当時は日本語字幕はなかったように思うのだけれど、いま開いたら日本語字幕がついていた。

家での学習

中学英文法を学んだあと、高校生レベルの英文法を身に付けたいと思ってこの本をやった。

この時期、英語のメールマガジンもよく購読していた。中でもこのメールマガジンは良かった。筆者の方は30歳からアメリカに留学して現地で就職している。教える人の年齢はあまり問題ではないものの、それでも自分と同じような年齢の時期にアメリカへ渡った人の書く文章には励まされることが多かった。

このメールマガジンの中で一番目から鱗だったのが「英語学習は運動と同じである」というものだった。それまで机の上で勉強するものだと思っていたからだ。自分で聞いて喋って、かつその練習を続けなければ上達しないというのは今まで自分の中にまったくない発想だったのだ。

自分のレベルを知るためにTOEICを受ける

本腰を入れてアメリカに滞在するぞ!と計画していた頃、夫から「今の自分のレベルは知っていた方が良い」とのアドバイスを受け、その指標を測るためにTOEICを受けることにした。TOEICを受けるのは人生初でまるで勝手が分からないので、TOEIC公式の問題集を買うことにした。

試験は時間との戦いらしいので、レビューにあったおすすめの時間配分を意識しながら、本番と同じ時間でタイマーをセットして自宅で問題を解いた。音声も本番と同じものが聞けるので、いろいろ試すよりは公式問題集だけやり込めば良いような気がする。(高得点を狙うなら別かもしれないけれど、そこは目的ではないので私には分からない)

ちなみに結果は545点。

最後の長文問題は、ひっかけも多いけれど、社会人をやっていたらよくくあるシチュエーションも多く、質問だけ理解したらあとは文脈で判断する、という勘勝負…。今の自分のレベルを測るためだと思えば気負いしなくても良いのかもしれない。これまで全くTOEICを受ける気がしなかったけど、確かに自分の点数を知っていると、次の学習に役立てることができるのかもしれないと思った。自分のレベルとかけ離れた単語帳とか参考書を買ってしまって後悔したことは幾度とある。

現地の語学学校

2ヶ月ほどと少し長めに滞在することがあったので思い立って現地の語学学校に6週間だけ通ってみることにした。これについては別途記事にしたいくらいいろんな思い出がある。

最初の難関は校舎に着いた時から始まっていた。「今日から入学する学生です。」って受付でどうやって言うのかも分からなかったのだ。Googleで必死に検索して「I’m a new student.」という言葉をノートにメモして歩きながら練習して、校舎にたどり着いた時になんとかその言葉を言うことができた。

レベル別にクラス分けされるので、簡単な文法テストを試験をオンラインで受けていたのだが、入学当日に作文と先生との面談があった。実はこの時が人生初めての英作文だった。

□ 人生初の英作文
作文は3つほどあるお題の中から1つ選び書くというものだった。その中でも一番簡単そうに思えた「週末何をして過ごしましたか?」といったお題を選んだ。
私が書いた文章は「I went to a supermarket. I read a book. I cooked dinner with my husband.」という子供のようなものだった。全部がIで始まっているし、複数の文をどうやって繋げるのかも分からない、簡単な単語すら分からない、と落ち込んだ。

その後の面談も横にいた10代の女の子が「なぜこの語学学校を受けようと思ったのか?」を語る中、私はほとんど喋ることができなかった。私は下のクラスになった。

□ いろんな世代・国籍の人と学ぶ
ダウンタウンにある校舎を選んだためか、日本の大学生も数名いた。日本以外の国から来ている人も20代前半の人が多かったように思う。アメリカで年齢を尋ねることはあまりないのだが、語学学校では普通に飛び交う。
最初のオリエンテーションで先生が、「いろんな国から来ていて、中には母国語が通じる人がまったくいなく一人しかいない人もいます。校舎では英語で話しましょう」といったことを言っていた。ちなみにもちろんこれは英語で言われた。語学学校の先生の発音はとても聞き取りやすくゆっくりで、自分でも理解することができた。
(そしてその後「こんにちは!」と日本の女子大生に話しかけられたことには驚いた。)

英語を強く勉強したいと思ったきっかけはこの語学学校であった。
プリントを2人1組になって読む合うことがあった。ペアになった台湾の人の英語の発音が分からなく聞き取れないことがあった。さらに聞き取れなかったことをどう伝えたら良いか分からなくて無言になってしまった時、「この人分からないみたい」と笑いながらその人が先生に告げたのだ。どんなに文章を理解していても、自分が思ったことを口にできない自分がとても歯がゆかった。

それから覚えたのがこの3つの言葉。こういう会話と会話を繋ぐフレーズは勉強をしている時にはあまり必要ないように感じるけれど、実際に英語で一日中過ごさないといけない時にはとても重要だと感じた。

I didn't understand what you said. 聞き取れなかった
I can't find my words. 言葉が出てこない
How can I say it in English? それ英語で何て言うんだろう?

授業中、女性にナンパする男性や、しばしば教室を抜け出す人のせいで授業が中断させられることがあった。お金を払っているのに冗談じゃない!と思って抗議のメールを送ったこともある。(それまで英語でメールをまともに書いたこともなかったのに、Google翻訳を使いながら帰りのカフェで書いた)

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ちなみに授業でアメリカらしいなと思ったのは、Vandal(建築や絵画を破壊したり落書きなどの器物損壊をする人)などの犯罪の言葉を教わったことだ。写真を見返してそういえばそんなことも習ったなと思い出した。

□ 読むことと喋ることはまったく別物
語学学校に通って一番良かったのは、会話をする訓練になったことだ。語学学校は何をするのか?と思う人もいるかもしれないけれど、基本的に英文法を学ぶ。私は下のクラスにいたから尚更だけれど、英文法そのものは日本で学べることと違いはないだろう。「これは日本で学んだな」ということが英語で紹介される。
しかしどんなにそれを理解していても喋ることには大きな隔たりがある。文章にしてみると簡単だと思えることでも、いざ喋ろうと思うと本当に出てこない。普段から口に出してそのフレーズやリズムを覚えないと会話のキャッチボールはできない。

□ 趣味が合う友達を作りたい
語学学校では友達もできてご飯を一緒に食べに行ったりした。一方で、「日本語でも何を話したら良いか分からない」と思うことが多々あることに気づいた。思えば学校選びから就職まで、常に会話が合いそうな人、共通のトピックがある人がいそうな場所ばかりを選んできた。会話そのものが得意でない私にとって、それは英語の上達に大きく影響しそうだと思った。

日本人の英語の先生との出会い

上記の語学学校であまりにも喋れないため並行して、アメリカのIT企業に働いていたこともある日本人女性の個人レッスンを受け始めた。同じカリフォルニア・ベイエリア在住だったが、少し距離が離れていたこともあり、オンラインで週1のレッスンにしてもらった。
彼女は主にアメリカに住む日本人の子供に教えていたのだが、私は本当に子供のような英語しか喋れなかったので、むしろ子供が習うような感じで英語を勉強した方が良いのかもしれない、と藁にもすがる思いで彼女に問い合わせを連絡をしたことを覚えている。
日本人から学ぶことの利点は質問がしやすいことだ。この当時は、自分が悩んでいることを英語で質問すること自体が難しかったのだ。彼女からはアメリカで生活するにあたって使いそうな言い回しや単語を教わった。

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コツコツ使うか分からないことを勉強するのは苦手なので、目の前に、本当に今日明日使わないと生きていけない、という生活に直結することばかり学べたのは良かった。その過程で文法だったり発音も学んでいった。

他には、Breaking News Englishというサイトで1つトピックを選んで、先生のスピーキングの後に続いて記事を読み上げて、分からない単語を教わったり、その記事についてディスカッションしたりした。

このサイトの良い点は、最新のニュースをさまざまなスピードの喋り方で読み上げてくれることだ。スピードだけでなく、同じ記事でもレベルを選ぶと、レベルに合わせて使われる単語が変わるので学習におすすめ。

4. 移住1年目

上記の語学学校のこともあり、デザインの話ができるところに行きたいと思った。選んだのは、Tradecraftというプロダクトデザイナー養成所だった。

語学学校とネイティブスピーカーの人たちが集まる場所は同じアメリカの中なのにまったく別の環境だった。講義以前の、建物の使い方などの案内ですらうまく聞き取れなくて愕然とした。最初の1,2週間は毎日帰ってから泣いていた。

先生に「Can I record the lecture? I want to listen to it after I go back home. あとで聞き返したいので講義を録音して良いですか?」と了承を得て講義を録音したりもした。

Tradecraft入学にあたっても、前述した日本人の先生に志望動機を事前に書いて添削してもらったり、私が日本語で思っていることを英語でどのように言い回したら良いのかを教えてもらったりした。入学後も、常にメモを携帯し分からない言葉を書き留めた。そして「こんな風に言いたかったけど、言えなかった」ということもメモしておき、週末英語の先生に英語での言い回しを教えてもらって、翌週今度はそれを実践で喋ってみてーということを繰り返した。

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講義の様子。この間も分からない単語がどんどん出てくるので、内容と並行して分からない単語をメモしてた。

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チームでものづくりをするにあたっても、英語の面で他のメンバーには大分お世話になったが、デザイナー未経験〜3年目くらいの人も多く、デザインを教えられる英語は喋れるようになりたい、と英語の先生にはそういう言い回しを質問することも多かった。

英語学習という点で一番支えになったのは、ここで友人ができたことだ。どうやらカリフォルニアの高校で日本語を習うことがあるらしく、私の同期にはたまたま日本語に興味をもっている人が多かったのだ。自分にー自分の母国語に興味を持ってくれていると、それだけで心理的な快適さが増す。悩み相談もできるくらいに仲の良い友達ができた。

また、大学時代に渡米してきて10年以上暮らしている中国人の女性の存在も大きかった。第二言語として英語を学んだ彼女の単語の選び方や話し方はとても勉強になるものがあった。

□ チャットで鍛えられた
TradecraftのSlackがあり、みんなとのやりとりが活発に行われている。毎日大量の会話が流れてきたいたが、喋るよりも気楽だったため、英語に親しむ訓練にとてもよかった。

Tradecraftで学んだよく使う表現。毎日誰かが何かを質問しているような環境だったので、こうしたフレーズも自然と覚えることができた。

Let me know: お知らせください
If you have any questions, please let me know.:何か質問があれば教えてください。
Does anyone know ~?:誰か〜知ってる?

□ 初めての英語記事
カリキュラムでやったCase StudyをMediumに記事を書く機会があったのだが、これが実質的に私が初めて英語で書いた記事と言える。文章の書き方も習ったことがなかったので、どうやったかと言うと、まず大量の英語のデザインCase Study記事を読み漁った。そして他の記事がどのように構成されているのかを分析した。
そうすると、最初にOverview(要約)があって、最後にWrap up(結論)があるんだな、といったよくあるパターンが見えてきた。段落のはじめの書き出し方や、見出しの付け方などで真似できるものは真似た。

学校で書いていたら、横にいた人が「手伝おうか?」と私の不自然な箇所を直してくれたりもした。Tradecraft中の記録はブログでも書いているのでもし興味ある人はぜひ。

5. 移住2年目

Tradecraftの濃い3ヶ月を卒業した後、時間ができた私はシティカレッジのESL(English as a Second Language)クラスを取り始めた。サンフランシスコに住む人は無料で受けることができる。
まず始めにレベル診断のためにテストを受けると、思っていたよりも簡単で拍子抜けしてしまった。上のクラスを受けるように言われて通い始めた。実は渡米1年目にも検討していたのだが、英語で入りたいんですが、って聞きにいくことすらためらって行っていなかったのだ。

レベル別にConversation, Speaking, Writingなどいくつか授業があったのだけれど、授業によって全然違った。一番面白いと思ったのは、先生が毎回時事ネタなどを最初に話して、その後グループに分かれてディスカッションしたことだ。例えば「家族で事業を経営することについてどう思うか」みたいな内容だ。Tradecraftに居た時とは違い年齢も職種も国籍もぜんぜん別々の人たちと話すのは刺激的だった。

ただ、やはりデザイナーと話したいと思った私はこの時期Twitterで仲良くなったクリエイターの人に会いに行ったりということをしていた。スーパーにも行けなかった時期を思うと成長したなと感じられる2年目だった。

就職活動を通じて英語を学習する

さらに、英語学習という点において重要だったと思うのが「就職活動」だった。

Tradecraftでは卒業後も自由に出入りが出来て、キャリアアドバイスの時間が卒業生に向けて週1で設けられていた。同期とポートフォリオの進捗をお互いに確認したり、面接の練習をしたりということをやっていたので、刺激を受けて自然とアメリカの会社に入ることが目標となっていった。

英語でのレジュメ作成やポートフォリオ作成を通じて新たな単語を知ったり、表現力を磨くことができた。不思議なことに就職のような強い目的がある時、面接を目前にした時、それに関連する記事や言葉というのはとてもすっと頭に入ってくる。

この時期に読んでいた本や記事。

アメリカの就職活動では書類審査を通ると、まず電話面接がある。最初はとても緊張した。Tradecraftに居た時は、顔見知った人とだけ行動していたので、多少英語が違っていても大丈夫!と心理的な安全が確保されていたのだけれど、電話で初対面の人と、それも面接でーというのはまったく勝手が違った。何社か電話面接をしたことで英語を話すことに次第に自信がついてきたような気がする。

さらにこれを通ると、会社に訪問して面接があるのだが、これが1社につき半日から終日かかる。長時間の英語でのプレゼンや対話は、英会話という面で自分の成長をとても促してくれたような気がする。

30歳を越えてからの英語の学習ー私の場合だけれどーは、目の前に具体的に英語で話さなければならないシチュエーションがあるのは大事だった。とにかく必要な単語や言い回しから覚えないと興味も持てないし覚えることも出来なかった。

ちなみに、オファーをもらって就職が決まった時のブログはこちら。

アメリカでの就職活動についてはまた別途ブログに書きたいと思っている。
また、働きだしてからも引き続き英語の勉強がかかせないでいる。自分の勉強のアウトプットとして、デザイナーが職場で使う単語や言い回しなどもコンテンツにしたいと考えている。これはこの2年間を通して自分が欲しかったものだからだ。エンジニアやビジネス向け英語はよく見かけるし本もあるけれど、デザイナーに特化したコンテンツはなかなか見つからなかったのだ。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。

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