唐津雑記

今週末はどうにか天気が持ちそうなので元同僚で釣り友の「フッチー」と計画を立てるも、台風の影響でまたいつもの糸島〜唐津ぐらいしかカヤックを出せそうにない。

九州北部を活動エリアにしているとはいえ、カヤック出艇ポイントとなると極々限定的になってしまうのだ。

新規の「カリヤ」に行きたかったのだが、どうも風が強く、先日「ゲロ浜」で風速5m/sオーバーで死ぬ目にあったカナヅチのフッチーがかなり否定的だったので、仕方ない感じでポイント「オーガ」に設定した。

(カヤック航行では風の影響がものすごく、正面から5m/sの風ぐらいだとひと漕ぎ50cmぐらいになり、一息着く間にかなり流される。離岸流と違って逃げ場がない。それを先般「ゲロ浜」ごときを約2km、何度も心が折れながらも強風と戦い生還した。泳げないフッチーはそうとう怖かったハズ)

だいたい釣りに関する行動は前日入りでソロキャンプ合戦となるのだが、皆到着が遅い。
私は皆に比べて1時間も遠くに住んでいるのに、ほぼほぼカヤック及び渓流釣りポイントは私が先行して現地の偵察している。

「マレンキーさん、どうです?ここ?完璧でしょう?」と満面の笑みと立ち昇る炎で迎えて欲しい。何ならもうだいぶビールなり酎ハイなりを楽しんでいてほしい。
暗い中、一人現場を見て回って敵(主にイノシシ)の存在に怯えるのはあまり気持ちよくないのでね。

相当話が逸れた。
都市高速、西九州道を経て「オーガ」に到着すると予想通りの海水浴場化が進んでいる、しかも猫の額程の余積を有料駐車場としておるので、ここは直ちに却下の判断。
妥協案の「ゲロ浜」にするかと電話で相談すると他の候補地があるとのこと。
「ゲロ浜」の数キロ先の対岸のような所で、私は全く魅力は感じないものの、まぁ常に開拓の意志はもっておかねばなるまいと先行偵察に出て、何とかなると判断した。

夜も遅くなったが、フッチーも到着しボソリボソリと世の中の由無し事を語り、飲み、そして明日へ備えて寝ることにした。

だが、最近肉体的疲労が少なくなったせいか、元々入眠に難がある私は車中で全く、全く眠れなくなった。
狭さと床の固さと暑さ、特にレベルの取れていない車中は身体が睡眠を全否定してくる。
通常、動画なんぞを眺めていればウトウトとなるのだが、車内後部で寝ようとすると脳幹というか、身体を司る何かが睡眠の項目を削除したかのように眠れる気がしないのだ。
寒い時期は暖まる寝袋に幸せを噛み締めて寝れるが、暑い時期はムリだと思うのでせめて車中のレベルを取れるように改造しようと思う。

そんな感じで極浅睡眠を数回、みたいな感じで夜明けを迎えて、カヤックの準備。
ポイントとしての魅力も薄いのであまりヤル気はでないし、水もやや濁り。

海に漕ぎ出してみると、ほんの数10m行っただけで明らかに陸より風が強くなった。気のせいや錯覚ではない、陸の景色の流れ方が凄まじく早い。ほんの数10mで、だ。

左はさりながら仕掛けを落として探ると、オヤ?かなり手応えがよく、これは小気味よく釣れてくれるなぁと思っていると根掛かりでラインが切れた。
急いでラインを結び直して、二日酔いに船酔いを加味してしまったところで顔をあげると、200mは流されている。この距離は今改めてマップで計測したものであり、体感では500m程流された気がした。
海原駆ける風の音も明確に聞こえ、大袈裟にいえば自然の殺意を感じる。唐津の海は我々を憎んでいるのか?やはり漕いでも遅々として進まず遭難の恐怖を感じるが進んでいる物的証拠を見つけて「ヒト漕ギ壱米ナルモ進歩ヲ感ズ」と無心で漕ぐしかないのだ。

そしてこの時お友達がこの恐怖を同じ温度で味わっていることが大事で、前回死ぬ目に遭った時フッチーは最初かなり楽観していたのだ。
その時は「風表はヤバくなっているから戻ろう」と連絡して先に岸へ向かって漕ぎ出したはよいが、なかなかフッチーの姿が見えない。しばらくしてパドリングしている姿が確認できたが、「自分もうダメっすムリっす」とか連絡されても決して戻りたくないし、戻っても曳航する体力などない。

蓋を開けてみれば幸い同じような思考と恐怖を共有できてたので、今回はお互い流されては戻りを繰り返して安心感があった。

かなりの引きを楽しませてくれた巨コチと悔しそうなフッチー(奥)

とはいえ釣れたらその分流され、戻っての繰り返しで表層の魚が湧くでもなく、寝不足の私は太陽の熱射にも嫌気がさして来たので、先に上がる事にした。フッチーがどこに行ったか見えないのでイザというときは助けないといけないのかなーと体力温存も兼ねて、車でエアコンかけて寝る事にした。

昼前にフッチーは釣りを終えて上がり、片付けながら何やかんやと情報共有し、唐津へ来た私の本来の目的「佐賀ラーメン」を楽しむ時間へ移行することとなった。

福岡人の私はやはり、当然ラーメンに関してこだわりがあり、そのこだわりは新しい店には絶対と言っていいほどない。
好みの古風な豚骨ラーメンが淘汰されている事を常々残念に思っている。
獣臭強めでアッサリ。どこなのか覚えてないが、出身市内の店の情景というか記憶が浮かぶ匂いがあるのだ。

オレ界隈で最強と名高いラーメン、敢えて紹介しない

選択肢が飽和しているぐらいの福岡で何故佐賀ラーメンかと言われると、旧友のキュアリオウ氏と同時期(突如として)(運命か否か)(必然的に)(検索履歴からポップアップ)に佐賀ラーメンが話題に上がり、彼の帰福ついでに佐賀ラーメン探訪の旅へ出ることになったのだ。

そのうちの一軒「もとむら」はおそらく半世紀ぐらい前のレシピを維持しているのではないかと思われる古風でシンプルなラーメンであった(あくまで推測)

黄身の仕事っぷり

せっかちな博多ラーメンとは違う、何か佐賀の時間の流れの穏やかさを(勝手に)感じる優しい味であった。やや塩味ありアッサリ、卵黄の養分で脳が歓喜するトリック付き。

当然、佐賀も幾つかエリア毎のラーメンがあるようで海釣りで唐津に来た際は「唐津ラーメン」を楽しみたいとフッチーに話したところ、佐賀出身のフッチーはちゃんと有名どこをおさえているのであった。

前々回は「竜里」へ。

確か大盛り、月見

麺を啜ると同時に鼻腔を駆け抜ける懐かしさ。
前述の昔の記憶が蘇る要素が強かった。
子供の頃は食べるの下手くそで口の周りに汁ビッチャビチャつけて啜って、で、その匂いをゲップも含めていつまでも味わっていた気がする。
やや塩味があり骨粉が含まれる程炊いたコッテリ。
海苔が濃厚、風味豊かで汁ヒタヒタのヤツで白飯を捕縛して家系風に愉しみたい。

ラーメン後半戦は味変、特に紅ショーガ込みで楽しみたい派としては血圧が500ぐらい上がりそうな程塩辛い紅ショーガがマイナスかな。小分けしたヤツを取るスタイルなのでお試しができず、残したら申し訳ないなぁとか考えて無理して食ってみたりしてしまったので辛い印象が、ちょっとね。

そして今回は「田の久」

ラーメンセット¥850、安い!

入店するまでに区切られていない駐車場で起こる人間ドラマもありますよ。
上手く駐車できず鬼のように切り返した挙句帰る決意の若者、待ち時間を何度も確認しにいく待ち人、目の前脱出できないトコに駐車されイライラするヒト科ヒト属(オレ)

ここもやはりというか鼻腔への懐かしさ刺激が強い。
麺はかなり太く、スープをよく絡める。ザラ感すらあるスープはコッテリ(乳化?)して家系にちょっと近いかも?脂身付きチャーシューが絶品でビックリ


相反してアッサリサッパリなチャーハン

当初のラーメンは多分フッチーが盗み食いしたんだろうと思われるが、麺が驚くほど一瞬でなくなってしまい、替え玉を待つ間についつい進んじゃうチャーハンがなくなっていくのが、何というか、夏休みに入った!最高!なのに同時に刻一刻と終わりへのカウントダウンが始まってもいる寂しさに似て、「ラーメンとチャーハンが終わるのが寂しい」と半分食い切ったチャーハンの山を整えながらジト目でどうにもできない事をフッチーに伝えてしまうぐらいのレベルでした。
替え玉後は少し薄くなりましたが、紅ショーガ、胡椒、タレ追加で問題なし。

竜里も田の久も行列必至ですが、待つ価値ありました。なかなか待って食わんですけどね。
佐賀のラーメンは福岡のラーメンに比して客層の影響が薄く淡々とその文化を維持・継承できたのだろうか?と考えるところであります。残念ながらそれが裏目に出たと思われる店にも出会いましたが。

、、、。

ちなみに唐津ラーメンはコッテリ系太麺なのか、家系に通づるとこがあるような気がしました。「おいが横浜んにき真似するワケなかっさ!」と怒られそうなので言いませんが。

唐津は一光軒を余すところとなりましたが、いやぁ愉しみですね。

昨今の私の経済情勢と体調(高血圧)から外食をメッキリしなくなりましたが、惰性で何となく外食にお金を使う無駄さを痛感することにもなりましたし、こうやって遠方のラーメンに舌鼓を打つ愉しみができたのは幸いかと思います。

佐賀ラーメン探訪に代わる食べ歩きを考えてはみるんですが、、、
福岡市内餃ビー(餃子とビール)最強戦?
オジさんが一皿の餃子を二人でつついているのは面白いですね。
香川であればうどん食べ歩きはしてみたいですね。
今の所、ないです。再戦しか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?