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きんぴらごぼう

きんぴらごぼう

集合住宅のコンド住まいなので、 早朝からピアノの練習は出来ない。

早朝の頭が冴えている間を利用して、ちょうど読書中のアダム ホッシールド氏(Adam Hochschild)の著作「暗黒時代から学ぶべき事」(Lessons From a Dark Time)にちなんで、ユーチューブを利用して、その著者の講演を聴きながら、時間のかかるごぼうと人参を刻み始めた。 

今日はきんぴらぴらごぼうを作る事にしたのだ。

一度外出すると、ホノルルの気候の良さに釣られて、部屋に戻るのが夜になる場合が多く、私は外食してしまいがちだ。

健康管理は自分の責任と自認しているので、朝の元気な内に野菜料理を作り、冷蔵庫に翌日の分位は入れて置く工夫をしている。

朗読や講演の拝聴と料理の準備はとても相性がよい。 

しかも、体にも良い上、英語のスピーチを集中して聴く事で、同時に頭の体操にもなり、「少しは何かを学べる」と、言った具合に良い事だらけだ。

ホッシールド氏は歴史学者であり、ジャーナリストでもある。 

彼の考え方は「現代を深く理解するには、歴史をしっかり学ぶ必要がある。」と言う事で、古い文献資料を読み解き、「暗黒時代 …」を2018年に出版した。

1910年初頭から第一次大戦前夜、戦中、戦後のアメリカを詳しく分析している。 

また、1917年のロシア革命で共産政権ができ、 当時のアメリカの為政者が「労働組合、労働運動、少し左に傾いた知識階級や新聞、雑誌などを厳しく指弾した。」事にも、詳しく具体例を挙げながら説明している。

米国に共産主義が広がる事を恐れたのだ。 もちろん、企業者側が労働運動の激化、共産主義の蔓延を恐れ、その政府の政策に積極的に協力した。

第一次世界大戦後、国際連盟を提唱したあの有名なウイルソン大統領が当時の為政者であった。

あの頃は、週刊誌、月刊誌などを、購読者に米国の郵便制度を利用して届けていたが、 当時のアメリカの為政者は、即座に、政府機関である郵政省に指示を出し、少しでも左寄りの記事を載せるような雑誌を、郵便で配達できないような政策を実施した。

その上、労働組合の幹部、労働運動の先導者、労働運動に同情的な知識階級に対して、何らかの理由をつけて、投獄してしまう手段にでたのだ。

歴史を知ることで、現代のアメリカが今まで以上に、薄々ではあるが前よりは理解できたような気がする。

そろそろ、フライパンの金平牛蒡も出来上がり、野菜を十分身体の中に入れ、下手なりに、手の運動と銘打って、ピアノの練習をしてから、外出の準備に取り掛かった。


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