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「話す」前に「聴く」。思いを伝えることに傾きがちなリーダーに知って欲しい「傾聴」の大切さと4つのポイント

こんにちは、株式会社はぐくむの小寺です。

組織を引っ張っていくリーダーは、誰よりも熱い想いを持っているものです。しかし、対するメンバーは冷めていて、想いを伝えてもメンバーの熱量が高まらないという経験をしている方々もいるかと思います。

「何度、言っても自分の想いが伝わっていない気がする」「メンバーが自分のことを理解してくれなくて辛い…」、そんな悩みを抱えながら、孤独に頑張るリーダーは少なくありません。

そんなリーダーは、「伝えよう」としすぎるあまり「聴くこと」を忘れてしまい、一方的な発信ばかりをしてしまっているかもしれません。

この記事では、「傾聴」について紹介します。「傾聴」は、信頼関係を築き、メンバーと対話するために必要なスキルの1つです。自分の想いを伝えることにフォーカスしがちなリーダーにこそ知ってほしい「傾聴」の4つの注意ポイントをお伝えします。

「伝える」ために、「聴く」ことから始めよう

「自分の想いを伝えるために相手の想いを聴く」というのは、一見矛盾して感じられるかもしれません。その仕組みをご説明しましょう。

まず前提として、相手に想いが伝わるには、その土壌となる信頼関係が重要です。そして、その信頼関係をつくるのに大きな影響を与えるのが「傾聴」です。

傾聴とは、相手の想いを熱心に聴き、受け止めることです。

相手の話にじっくりと耳と心を傾け、受け止める。そうすると、相手の心の中には、聞かれている安心感、喜びが生まれます。「この人は、自分の話をしっかりと聞いてくれている」という感覚は、「この人は、自分のことを大切にしてくれている」という感覚に結びついていきます。それが信頼関係の土壌になるのです。

ですので、「話を聞いてくれない人だ」という印象は、「自分のことを大切にしてくれない人だ」につながりやすいので、注意が必要です。

しっかりと相手の話を聴き、受け止める。そうしたスタンス、聴き上手は、相手との信頼関係を強め、お互いの想いがしっかりと響き合う対話につながっていきます。


では、「傾聴」するためには具体的にどうすればいいのでしょうか?傾聴の4つの注意ポイントを紹介していきます。

① 相手にフォーカスする
皆さんは普段、どのくらい真剣に相手の話を聞いていますか?話を聞きながら自分の返答を考えているような状態は、傾聴とはいえません。自分の考えをできる限り、傍に置き、真っさらな気持ちで相手に心を向けることにチャレンジしてみてください。

その際には、相手の表情や雰囲気も含めて、相手の発する全てに意識を向けることが大切です。そうやって対峙することで「この人は話を聴いてくれている」ということが相手に伝わります。

② 話を遮らず最後まで聴ききる
話の途中で相手の意見を修正したいと思っても、まずは最後まで聴ききることをオススメします。

例えば、過去の自分の言動が意図しない受け止め方をされていることもあるでしょう。そんな時はつい「そういうつもりで言ったのではなく、こういう意図があった」と、相手の話を遮って説明したくなるものです。しかし、その様な場合でも相手の話を途中で遮ることはやめ、最後まで聴ききる。伝えたいことは、相手が話し終わってからでも遅くはないはずです。“まずは最後まで聴く“、それをぜひ試してみてください。

③ 相槌や表情でリアクションを返す
相手の話を真剣に聞こうとすると、集中しすぎて無反応になる人もいますが、話を聴いていることを、”動き”と”音”で示すことも大切です。「うんうん」とうなずいたり、「なるほど」「へー」と相槌をうったりして、相手の話に反応を返しましょう。些細なことに思えるかもしれませんが、聴き手から反応があるか、ないかは想像以上に大きな違いを生み出します。

また、表情も重要ですから、自分がどんな顔をして相手の話を聴いているのか意識してみたり、動画を撮ってもらい、一度チェックしてもらってください。上司と部下の場合、部下は上司の表情を意外と見ているものです。言葉を発していなくとも、表情は相手にメッセージを伝えているんだと思って、ぜひ、いつもより柔らかい表情を心がけてみてください。

④ 直接的な否定をしない
傾聴実践において、相手の話を遮り、直接”すぐ”否定をするのは避けたい一手になります。たとえ部下からの意見が未熟であったとしても、まずは意見を述べてくれたことに感謝し、受容する。ここを「ぬるい」「時間の無駄」と嫌がる上司の方もいますが、そういう方にこそ一度試してみてもらいたいです。

もし自分の意見を述べたい場合、間違い(だと思うこと)を正したい場合は、相手の話を最後まで聴ききり受容した上で、「私はこう考えるよ。〇〇はどう思う?」と、やわらかく伝えましょう。

ここまで4つのポイントをお伝えしましたが、このポイントを意識して実践して頂けると、相手とのコミュニケーションの質が少しずつ変化していくと思います。

部下や周りに人から、「早い」「怖い」「強い」と思われてるなぁと思う方こそ、ぜひ思い切って何度か試してみて欲しいなぁ、、。

最後に、この4つの意識ポイントの逆行動をあえて書き出しておきますね。

自分の話を聞いてもくれない、態度は無表情で無反応、そして口を開いたと思ったら否定が返ってくる…。

こんな聞き手がいたとしたら、相当な理由がない限り、この人に話を聞いてもらいたいと思わないし、積極的に関わりたいとは思わないのでしょうか…?

コミュニケーションは人の元気とイキイキにつながる薬にもなれば、人を苦しめ、エネルギーを奪う毒にもなりえます。ぜひ、人の可能性が芽吹いていく土壌を、良質なコミュニケーションを通じてはぐくんでいきたいものです。


まとめ


今回は「傾聴」についての話を書きました。傾聴は人のイキイキとパフォーマンスの土壌を豊かにします。前回紹介したTEAL型組織にも、そうした傾聴の土壌がある傾向が高いのです。

傾聴する時のポイントは以下の4つです。

① 相手にフォーカスする
② 話を遮らず最後まで聴ききる
③ 相槌や表情でリアクションを返す
④ 直接的な否定をしない

実践する機会は、毎日、どの瞬間にもありますから、ぜひ試してみてください ^^

最後に...、私は経営コンサルタントとして、「関わる人の可能性が最大限に発揮される、幸福度の高い組織を作る」をテーマに活動しています。これまでのnoteでは、企業のバックグラウンドで動いているブレイン「経営のOS」という考え方を紹介し、「命令する者」と「命令される側」で稼働する旧型OSや、各メンバーが主体的に動く進化型OSについて説明してきました。

傾聴や対話ができる組織は、「経営のOS」を進化型のOSにアップデートする準備ができている組織といえます。メンバーとの対話から新たな組織像が見えた方は、ぜひそちらの記事も参考にしてください。


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