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知識をひけらかす

人の採用に関わる部署を管掌するようになってから、身分を明かしてSNS発信などもしていますから毎日のように営業のメールをいただきます。

一番多くいただくのは、いわゆるHR業界から。

HRとはヒューマンリソース、直訳すると人的資源となりますので、つまり人事にまつわる業界になります。

主だったところでは、採用、人材育成・研修、人事・労務、システム・業務ツールといった業務になります。

そして、決して批判するわけではありませんが、とにかくこの業界は業界名からしてもそうですが横文字が多いです。

外部の人たちに分かりやすく会社のことを伝えていくための手段を取り入れたいのに、いざその手段を社内の人たちに伝えようとすると横文字が多くて混乱します。

  • ダイレクトリクルーティング

  • ソーシャルリクルーティング

  • リファラル

  • オンボーディング

  • ブランディング

  • アルムナイ

社内の採用担当者だって、従来は人事業界の人間ではありませんので、上記の単語全てを理解して説明できる人はそれほどいない気がしますし、正直もっと分かりやすい表現にしたおいた方が営業も上手くいくのではないでしょうか。

とはいえ、問題はこの新たな採用手法を知り得た社内のスタッフが、業者と同じように社内においても横文字言葉を連発して説明しがちになってしまうことです。

新たな取り組みを部署の内外に説明する必要があるのは、新たな取り組みを導入して稼働させていきたいから。

そのためには決裁権のある人間に、新たな商品の価値や内容が上手く伝わらなければなりません。

ところが、前述したように受け売りの横文字言葉を使い始めるとどうなるか。

説明する本人からしたら、横文字は使うもののちゃんとその中身も説明するので問題ないだろうと捉えているかもしれませんが、聞いている側の心理を考えると、話が流れている中に突然初めて聞くような単語が混ざってきた瞬間にその流れが一旦止まるのですよね。

目的は相手に上手く伝えて共感を呼び、「これは使えそうだから試してみるか」と思わせることです。

にもかかわらず、どうしても習ったばかりの横文字を使いたがってしまうのはなぜか。

それはやはり「知識をひけらかしたい」というエゴだと思うのです。

オレは皆のまだ知らないこの言葉を知っているぞ。
お前らは聞いたこともないだろう。
今からそれを教えてやる。

言い過ぎかもしれませんが、深層心理的にはこんな感じでしょうか。

本来の目的はエゴを発現させることではなくて、相手に分かるように伝えること。

例えその業界では当たり前の用語であったのだとしても、それが一般化していない限りは初めて聞いてもらう相手に対しては、どうしたら上手く相手に伝わるのか、いわば子供相手に言って聞かせるような配慮が必要なのだと思っています。

ところで、前述した中で一番難解だと思われるのが「アルムナイ」。

これは英語で「卒業生」とか「同窓生」といった意味合いで、退職してしまった人とのネットワークを構築してもう一度再雇用できるようにしていく仕組みづくりのことを言うようです。

すみません、ついついひけらかしてしまいますよね。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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