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なぜ僕は無償で一時支援金の事前確認をしているのか。

一時支援金がはじまりました。法人で60万円、個人で30万円受給できる一時支援金ですが、持続化給付金の時の不正受給を防げなかった反省を生かし、事業を本当にしているかどうか専門家が「事前確認」するという制度が新たに加わりました。この事前確認ですが早ければ10分で終わる可能性もありますが、へたすれば60分かけても確認できないということもあるわけです。しかし、規定によると専門家への謝金は「税込1000円(=実質909円」となっており、ヘタすれば最低賃金以下の制度設計になっています。

そのような状況の中、報酬を5万円とる士業もいれば、割り切って無償(=事務局からの専門家謝金であきらめる)でやる士業もいて、事業者側からすると、どこに頼んでいいのかわからない状況になってしまいました。

https://www.hagax.com/912/

うちの場合は、早くから無償と打ち出したこともあり、2021/3/14時点で1日10件以上、累計100件近くの問い合わせがあり、日程調整や問い合わせ対応、電話応対だけで日常業務に支障をきたす状況になってしまいました。(それでもこの時点で12件実施済みで、20件以上の予約受付済み)。はっきり言えば、「電話しないで」と書いても電話じゃんじゃんかかってくるし、中には「なんでZOOMしか受けないのか!」と電話で20分もクレームを言ってくる事業者もいて、スタッフがだいぶ疲弊してしまいました。夜な夜なHPを改修し、自動予約できる状況にして個別の相談や問い合わせは一切受け付けないと書いて少しは落ち着くかなと思いましたが、やはり「電話や問い合わせしないで」といっているにも関わらず、何人かは電話や個別問い合わせをして来る状況にて、誰にグチを言えばいいのか事務局に電話しても今のところ対応を変えてくれません。やらない方が良かったかなとストレスがたまってきているのも事実です。*確定申告の繁忙期と言われる時期で、スタッフが土曜日も出社して来てくれているような状況の中でもあります。

それでもなお、「無償」にこだわり、可能な限り予約を受け続けているのは、どういうモチベーションからか。なぜボランティアでそんな何件も事前確認をやっているのか、そこをまずは文字にしない心が収まらなくなりました。

そもそもきっかけは、明治大学MBA授業のゲスト講師でご一緒したミャンマーで活躍する税理士の若松さんと、若松さんから紹介を受けた芳賀啓介さん(名前一緒だけど親戚じゃない)からfacebookで毎日届くミャンマーの情報を見ながら、ミャンマーってそもそもどんな国?って思ったのがきっかけでした。あまり難しいことではなく、普段のミャンマーの生活ってどんなのかなと。そこで、なにげにNetflixで「ミャンマー」って検索してみたんです。それで出てきた中で、一番、気軽に見れそうだったのが、昔みていた恋愛バラエティ番組の「あいのり」だったんです。

そこで、あいのりをシーズン1の1から見始めてみると、いつしかミャンマーのことをすっかり忘れてしまって「あいのり」の出演者の恋愛に気をもむようにはまってしまいました。2-3日徹夜しそうになりながら、見すすめていくと、8回目くらいになってミャンマーの地方の慈善病院を訪れるというイベントがありました。そこには、たくさんの手術を待っている子供たちの中で、これから手術を手掛けるという日本人の医師がでてきました。彼は1日に何十件も手術すること、1週間連続して手術することもあること、そしてその間は神経を研ぎ澄ませるために一切食事をとらないことなどを説明してくれました。そして無償なので、給料はないとのこと。これには最初は僕は理解できませんでした。なんでボランティアで見ず知らずの人を助ける気力がわくのだろうと。何か裏で彼をモチベートする何かがあるのかなと。でも、その医師が「僕は僕の人生を豊かにするために生きている。だからやってる。」と言うんです。「最高のパフォーマンスを発揮できたときに幸せなんだ」と。いつしか、そのセリフに感銘を受け、その医師のことや、ボランティア団体のことを調べていました。

そして、とりあえず自分も同じようなことができないか考えていました。そしたら、とりあえず目の前に、一時支援金の事前確認制度というのが出てきました。これって「事前確認」じゃなくて、「慈善確認」じゃね?とかも思いながら、その医師をまねて、最高のパフォーマンスってなんだろうと、どこまで自分ができるのか挑戦しようと思いました。(けだし食事もしながら、平日ゴルフもいきながらですが・・・) 

その医師がこう言うんです。『僕らの人生の中で、増やせないものは時間だけやで。だから、この時間をいかに生きるかっていうのがすごい大切なわけ。あっという間やで、あっという間。でも、最も後悔を少なく生きたいと思う。そのためには行動し続けることや。それしかないんだよ。』と。

そう、僕が、無償で受けることで、有償で受ける士業の人からは迷惑かもしれないとか考えることもあるんだけど、彼はこうも言っています。

『自分の心の声に従って行動する。自分の心の声は自分にしかわからへん。他人にはわからへんから。だから本質的な失敗っていうのは行動しないことをいうんだよね。だから行動することは本当に大切なのよ。』

だから、あえて、僕は無償にこだわるために、事務局からの報酬は受給したうえで、総額をミャンマーの慈善団体に寄付することにしました。別にミャンマー人の知り合いもいないし、そこまでミャンマーには思い入れはないんだけど、その方が、事務局から受給できる総額があまりにも小さいことを理解してもらえると思うし、僕が1件909円の報酬のためにやっているんじゃないということをよりわかってもらえると思ったからです。

世の中の中小企業支援に関わる人は、時間のゆるす限り1件でもいいので、やってみればいいのになと思います。1件だけでも感じることはあると思うし、怪しげな人に当たったら、それはそれで、またとない経験を積めるチャンスなんだと思わないと。それこそ、相談技法(コーチング)の練習や、いきた決算書・申告書を見るいい経験にもなります。個人の決算書見る機会もなかなかサラリーマン診断士の方はないと思います。また予約システムをZOOMやTIMEREXでつくってみて回してみるってやったころありますか? お金払ってもなかなかこれだけの被験者を集めるのってできないことなんだけど、こういう機会だからこそできる新たな経験ってたくさんあります。・・・それをどう感じるか、こればっかりは、「感度」の問題なのかなと思います。

国家財政的には今、専門家謝金を満足に出せるような状況じゃないですよね? 歳入と歳出を近づけようとしているのに、歳出がケタ違いです。10年前の東北大震災の時だってそこまでの歳出がなかったのに、今回のコロナでは、ワニの口あごがはずれたってことです。もうぶっ飛んでます日本。

https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-dependent.html

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行政の方々だってコロナ渦の状況で、1日でも早く、そして皆様から集めた血税を、不正な方に渡さないように知恵を絞って、ぎりぎりの線で制度設計して世の中に出しているわけです。ミャンマーと比較するのはおかしいかもしれないけどこれだけ民主的でしっかりした行政があるのって素晴らしいじゃないですか。国から与えられた資格で飯食っているぼくらが、一番恩恵受けているはずなのに、コロナで売上半減している事業者の前で「1000円なんて少なくてやってられるか」って声を大にして言えませんよ・・・。ここは、色々現場の意見をまとめておいて、次やるときはこうしましょうよって意見を行政や各団体のトップにしっかり伝えておくっていうくらいでいいんじゃないですかね。

僕だって、行政のトップや支援団体のトップが「みんな、謝礼は実費みたいなもんだけど頼むからボランティアでやってくれ。支払事務を考慮して30件以下の人は謝礼勘弁してくれ」って何度でも頭さげてメッセージ発信してくれたらいいのになって思うんです。これだけの財政事情でコロナで特別なんだから今回はしょうがないと思います。本来受給すべき人のところにちゃんと予算が回るように。今回はそういうメッセージも説明もなく、はじまっちゃったから。こういう非常事態なときほど、トップのメッセージが大事です。

僕からで良ければ、お願いします。これ、確認だけなら、無償でやりましょうよ。お願いします。

とりとめもない話になっちゃったけど、

僕にこれほどまでの感銘を与えた、この「あいのり」に興味持っていただけたら、Netflix契約している人はぜひ次のパートを見てください。
https://www.netflix.com/watch/80182039?trackId=200257859

そしてNetflix未契約の方、忙しい方は、ぜひ以下の吉岡医師についての記事をご覧ください。
https://www.huffingtonpost.jp/2018/05/17/hideto-yoshioka_a_23436810/

きっと、何か感じてもらえると思います。

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