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君色マーブル

昔から、他人に興味なんて無かった。

何が好きとか、誰が嫌いとか、夢とか、目標とか
全部、本当にどうでも良かった。

うるさい、ほっといてくれ、なんて。

人に何かを言われるのが大嫌いだったのに、
君の言葉だけは、心地よいと感じてしまう。

これはきっと、恋の魔法だ。

「今度のレディクレ、tele出るんだって!!」
私の大好きなアーティストの最新情報を、いつも嬉しそうに教えてくれる。

同じ道を志す君は、このアーティストの活躍に
とんでもない悔しさを抱えているのはずなのに。

「ねぇ、輝くイカスミって使い道ある?」

だって、あまりにも楽しそうな顔をするから。

君の趣味を一緒に楽しみたくて、最近マイクラを
始めた。ゲームなんて、やったことないのにね。

だけど、今はバスの中でも掘る程にハマってる。
君と一緒に、ウツボカズラを育てるのが、今からとても楽しみです。

他にもね。

好きな短歌の区切り方を話し合ったり、
バイト先の店長の愚痴をひたすら聞いたり。

鍋なんて絶対キムチ派だったのに。
今や完全に豚肉ミルフィーユ派ですよ。

ドライヤーの巻き方だって、クルクル絡まない
“八の字巻き”なんかを教えてもらって。

好きな音楽や、ゲーム、仕事、食事、生活習慣
まで、君の色がマーブル模様を描き、氷のように
硬かった私の世界が少しずつ、溶けていくの。

君の好きが、私の好きで。
私の嫌いは、ちょっとだけ好きになった。

もっともっと回って、混ざり合えたら。
いつか、2人だけの色が産まれるのかしら。

これからも沢山、君の好きも嫌いも教えてよね。

私そっくりのアイコンとお花畑。
君が「マイクラ服屋さんやって」なんて言うから
本気で頑張りたくなるじゃない。

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