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【イベントレポート】デジタル社会の物流戦略再構築~Logistics 4.0時代に問い直されるメーカーの物流のあり方~

ハコベルでは2021年2月9日(火)に「デジタル社会の物流戦略再構築 ~Logistics 4.0時代に問い直されるメーカーの物流のあり方~」をテーマにオンラインセミナーを開催しました。事前に参加者から募集した質問では、DX推進において「企業の縦割りの組織体制の弊害」や「デジタルに特化した人材の不足」など、従来の日本の組織体制やデジタル人材の育成に関する悩みも浮き彫りになりました。ゲストに株式会社ローランド・ベルガーの小野塚征志氏をお迎えし、それらの課題をどう乗り越えていくべきか、これからの物流業界はどのような方向を目指すべきなのかお話を伺いました。プレゼンテーションとパネルディスカッションの一部をご紹介します。

その他開催中セミナーはこちら:https://jp.hacobell.com/seminar
*第2回の小野塚氏セミナー開催予定
4/13開催 小野塚氏対談セミナー「サプライチェーンから、サプライウェブへ」

【第1部】 小野塚氏によるプレゼンテーション
「デジタル社会の物流戦略再構築 ~Logistics 4.0時代に問い直されるメーカーの物流のあり方~」
株式会社ローランド・ベルガー 小野塚征志
パートナー

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小野塚氏は、最初に現在の物流業界が労働集約型である点を指摘。しかし、物流業界の新たなイノベーションである「Logistics 4.0」時代の到来によって、「省人化」と「標準化」が進み、物流業界のあり方が大きく変化すると主張しました。

その理由は、「省人化」と「標準化」が進むことによって、物流の基本オペレーションは人に頼らなくても物が運べる「装置産業化」が進むためであるからです。

例えば、ロボットや自動運転が普及する「省人化」によって、力仕事や長時間労働がなくなるなどの変化が起きます。また、企業の垣根を越えて物流機能や情報が共用される「標準化」によって、タイムリーな位置情報に合わせた輸送手段の組み替えが可能となり、需要に対しての供給が最適化されます。

よって、小野塚氏は「Logistics 4.0」時代の到来を迎えるにあたり、物流機能のあり方を「投資・収益化」するか「協調・外部化」するかを企業が自社の強みや将来戦略に合わせて選択することが重要だと述べ、そのうえで調達先や納品先も含めて垣根なく連携が取れた「全体最適」の実現を目指すことが大切であると提唱されました。

【第2部】 パネルディスカッション
ローランド・ベルガー・小野塚氏×ハコベル・斎藤

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後半では、事前に募集した参加者からの質問を進行を務めたハコベルの斎藤が読み上げる形でパネルディスカッションが行われました。一部のご質問を小野塚氏の見解と共にご紹介します。

デジタル人材の育成について教えてください

小野塚:デジタル人材を社内で育成するよりも、外部の人材を活用する方が良いでしょう。

理由は、社内で一からデジタル人材を育てることに時間をかけてしまうと、今の世の中の大きな変化にはついていけないためです。

具体的には、現場をデジタル化したり、ツールを整備したりするときに、社外のデジタル分野を専門的に取り組んできた人を積極的に活用していくなどです。その際に、外部の人材をヘッドハンティングするのか、デジタルのエキスパートが多くいる企業と協力関係を結ぶのかは企業の戦略次第といえます。

ですから、デジタル人材の育成には時間をかけずに、外部のデジタル人材を積極的に活用しましょう。

ブロックチェーンやDTL(分散型台帳技術)など物流業界の新技術が、DXにどのように新しい価値を付加するのか?

小野塚: 2030年までの物流業界の新技術は、先進的な地域や企業においてブロックチェーンのプラットフォーム構築の促進などの新しい価値をもたらします。デジタルをいかに使いこなすか、デジタルに対応できるように体制を整えるかということが、2030年までの10年での大きなテーマといえるでしょう。

ただ、2030年以降の10年は、デジタルを使った新しいサービスの誕生や使用が普通になります。使うデータ量も増えるため、ブロックチェーン自体も当たり前になっているかもしれません。

その際に、企業は物流を自前で運営し、投資していくのか、外部に委託するのかという意思決定を早めに行わなければなりません。なぜなら、2030年までに懸命に物流に投資をしても、時代に追いつけずに途中で投資をやめた場合、それまでの投資は無駄になってしまうからです。そのため、外部環境の中での自社の立ち位置を客観的に把握し、物流を「投資・収益化」するか「協調・外部化」するかという決断を早めに下しましょう。

こうして、多くの質問をいただきままオンラインセミナーは終了しました。イベントに参加した皆さんにとって「デジタル社会の物流戦略」について自分ごととして捉えられたイベントとなれば嬉しいです。

今後の物流DXセミナーについて

小野塚様には、4月13日開催のセミナーで「サプライウェブ」という別テーマでご講演頂きます。画面をクリックして詳細をご確認ください

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また、他にも豪華講師講演や導入事例など物流DXセミナーを定期開催しています。こちらより開催予定のイベントをご確認ください

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