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忘れられたくない人へ「花の名」を伝える

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。先日「萩」について書きました。その時に、萩の花が咲くと思い浮かべる人がいる。という話からふと思い出した小説家の一説があります。

川端康成「化粧の天使達」

お花の好きな人、小説をよく読む方はもしかしたらご存知かもしれません。私は大学時代にこの小説に出会いました。
川端康成の「掌の小説」という短編(掌編)小説集の中にある「化粧の天使達」という小説の一説に出てくる印象的な言葉があります。

別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。

122というたくさんの短編の中から、この一説に出会った時、とても説得力のある言葉だと思いました。

小さな頃に出会った花の名前

私の母は私が子供の頃「女郎花(オミナエシ)」が好き。だとか「ホトトギス(植物の名前よ)」が好き。とかちょっと子供の私にはいつもピンとこない花のことを指して「好きだ」と言いました。

長いことその記憶は封印されていたのですが、ある時「女郎花(オミナエシ)」の花を見かけて、「あ、母が好きだった花だ。」と遠い昔の記憶と繋がりました。
花の名前と、人は、こんな風につながることを、私は実際に体験として知っています。

せめて「チューリップ」や「向日葵」ほどでなくても「クレマチス」や「クリスマスローズ」でもいいから、もう少しわかりやすい花を言ってほしかったけれど、そんなことを言っていたらもしかしたら、私は母の好きな花を覚えていなかったかもしれません(笑)

忘れられたくない人へ花の名を伝える

花の名前を教えるのなら、「何の花が好き?」と聞かれて、「桜」などの一般的な花の名前を答えてはいけません。
ちょっとだけ難しくて、そしてちょっとだけ人生のどこかでは出会いそうなお花を見つけた方がいいと思います。

これも実体験で、出会った人の中に「桜が好きなのよね。」「梅が好きなのよね。」とおっしゃった方がいらっしゃるんだけれど、どの方だか思い浮かばないんです。

それよりも「フランネルフラワーが好き。」「エゾエンゴサクのファンになっちゃった。」という方は、しっかりとインプットされているんですよね。
少なくとも、フランネルフラワーを見たら、その人を思い浮かべるでしょうし、エゾエンゴサクの話題になったら、その人を思い浮かべるでしょう。

そうそう、たまたまね、「桜」を好きだと言った人が、私にとって通りすがりのような方だったから記憶していないのではないか。と言われるとちょっとそうかも。とも思いますが、それだけではないような気がします。

だから、「私のことを忘れないで。」と思う人に好きな花の名前を聞かれたら、少しだけ変わった花の名前を伝えましょう。
その花が、いつ頃咲くお花なのか。それも一緒に伝えておきましょうね。

花に疎い人へは「花の名」を贈る

「私のことを忘れないで。」と思う人が、全然花の名前なんて縁遠そうな人ならば、その人に「あなたを花に例えると●●みたいね。」と伝えてみてください。

その花の名前は、そんなに難しい花の名前でなくても大丈夫です。
あなたは「紫陽花のように雨の似合う人ですね。」でも良いし「向日葵のように明るくて太陽みたいな人ですね。」でも良いでしょう。
そう言われたその人は、雨に濡れた紫陽花を見かけるたびに、夏になると咲くひまわりを見かけるたびに、あなたを思い出すかもしれません。

花言葉の呪縛

あなたに似合う花は「●●ね。」と伝えたときに、もしかしたらその人は「花言葉」を調べてしまう人かもしれません。
人は時として、その花の持つ意味ですらも、自分へのメッセージだと受け取りたいものなんですよね。

私は、花言葉には2面性があると思っていて、どんなに悪く表現されているお花にも、実は他にも良い花言葉がついていたりするのです。だから、もしも花言葉を調べた方が、気分を害するような可能性があるなら、もう一つ別の花言葉を用意しておくと良いですよ。

そして、案外「花言葉」に思いを込めたりせずとも、素敵なあなたの気持ちを伝える花束やアレンジを作ってくれるお花屋さんはいくらでもいます。
だから、そんなに花言葉に固執しないでくださいね。

まとめー小さい秋見つけた

最近の夕方のお散歩は、小さい秋を見つけて歩いているのですが、何とも夏らしい風景に出くわしてしまいました。

傷ひとつなく綺麗に咲いた「ゴクラクチョウカ」の花が、秋の空に向かって「ギャー」と鳴いているようにも見えますし、今まさに飛び立とうとしているようにも見えますね。

例えばあなたは「ゴクラクチョウカ」の花のようね。と誰かに伝えたら、その人はどんな顔をするんでしょうね(笑)

川端康成は「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。」と書きましたが、その男性が、全く花に興味もない人だったらどうするんだ?と考えたことがあります。
そして「花の名前のひとつも覚えられないような、しょうもない男だったと思いなさい。」と付け加えたのは20代前半の私です。

さて、好きなように書いて今日もnoteタイム終了。
最近、なんだか様々な種類のタスクを1日でいくつもこなさないといけない状況で、「気づいたらこんな時間!どうしましょ!!」なんてことを繰り返しています。もう少し落ち着いて、そしてゆったり過ごしたい秋の夜です。

皆様も、どうぞ秋の夜長をゆったりとお楽しみください。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。







































































































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